• "経営戦略"(/)
ツイート シェア
  1. 北区議会 2022-02-01
    02月22日-02号


    取得元: 北区議会公式サイト
    最終取得日: 2023-03-27
    令和 4年  2月 定例会(第1回)   東京都北区議会会議録第二号(第一回定例会)              令和四年二月二十二日(火)(午前十時開議)-----------------------------------   出席議員(三十七人)   一番    山中りえ子   二番    みつき慎太郎   三番    吉田けいすけ   四番    くまき貞一   五番    すどうあきお   六番    こまざき美紀   七番    福田光一   八番    野口将人   九番    永井朋子   十番    小田切かずのぶ  十一番    坂口勝也  十二番    古田しのぶ  十三番    宮島 修  十四番    坂場まさたけ  十五番    松沢よしはる  十六番    さがらとしこ  十七番    野々山 研  十八番    せいの恵子  二十番    近藤光則 二十一番    いながき 浩 二十二番    青木博子 二十三番    大島 実 二十四番    竹田ひろし 二十五番    石川さえだ 二十六番    永沼かつゆき 二十七番    名取ひであき 二十八番    宇都宮 章 二十九番    本田正則  三十番    福島宏紀 三十一番    大畑 修 三十二番    佐藤ありつね 三十三番    花見たかし 三十四番    赤江なつ 三十五番    うすい愛子 三十六番    大沢たかし 三十七番    渡辺かつひろ 三十八番    戸枝大幸   欠席議員(一人)  十九番    山崎たい子   出席説明員 区長          花川與惣太 副区長         内田 隆 副区長         依田園子 政策経営部長      中嶋 稔 総務部長        中澤嘉明 危機管理室長      小宮山庄一 地域振興部長      藤野浩史 区民部長        関根和孝 生活環境部長      雲出直子 十条・王子まちづくり推進担当部長             岩本憲文   総務部 総務課長        内山義明   まちづくり部 まちづくり推進課長   坂本大輔   教育委員会 教育長         清正浩靖 教育振興部長      小野村弘幸 (教育環境調整担当部長兼務) 子ども未来部長     早川雅子      議事日程       第一号日程第一 第二号議案 東京都北区谷村教育基金条例を廃止する条例日程第二 第三号議案 東京都北区情報公開条例の一部を改正する条例日程第三 第四号議案 東京都北区個人情報保護条例の一部を改正する条例日程第四 第五号議案 東京都北区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例日程第五 第六号議案 東京都北区職員定数条例の一部を改正する条例日程第六 第七号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例日程第七 第八号議案 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例日程第八 第九号議案 東京都北区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例日程第九 第十号議案 東京都北区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例日程第十 第十一号議案 東京都北区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例日程第十一 第十二号議案 東京都北区エコー広場館条例の一部を改正する条例日程第十二 第十三号議案 東京都北区営住宅条例の一部を改正する条例日程第十三 第十四号議案 東京都北区手数料条例の一部を改正する条例日程第十四 第十五号議案 東京都北区「特別区道」道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例日程第十五 第十六号議案 東京都北区公共溝渠管理条例の一部を改正する条例日程第十六 第十七号議案 東京都北区立公園条例の一部を改正する条例日程第十七 第十八号議案 東京都北区立児童遊園条例の一部を改正する条例日程第十八 第十九号議案 訴えの提起について日程第十九 第二十号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更に関する協議について日程第二十 第二十一号議案 滝野川第四小学校リノベーション工事請負契約日程第二十一 第二十二号議案 滝野川第四小学校リノベーション電気設備工事請負契約日程第二十二 第二十三号議案 滝野川第四小学校リノベーション機械設備工事請負契約日程第二十三 第二十四号議案 令和三年度東京都北区一般会計補正予算(第九号)日程第二十四 第二十五号議案 令和三年度東京都北区国民健康保険事業会計補正予算(第三号)日程第二十五 第二十六号議案 令和三年度東京都北区介護保険会計補正予算(第二号)日程第二十六 第二十七号議案 令和三年度東京都北区後期高齢者医療会計補正予算(第二号)日程第二十七 第二十八号議案 令和四年度東京都北区一般会計予算日程第二十八 第二十九号議案 令和四年度東京都北区国民健康保険事業会計予算日程第二十九 第三十号議案 令和四年度東京都北区介護保険会計予算日程第三十 第三十一号議案 令和四年度東京都北区後期高齢者医療会計予算 ○議長(名取ひであき議員)  おはようございます。 ただいまから、令和四年第一回東京都北区議会定例会を開会します。 これより本日の会議を開きます。 この際、会議時間の延長をしておきます。 まず、会議録署名議員を定めます。 本件は、会議規則第百十五条の規定により、議長から指名します。 一番 山中りえ子議員、四番 くまき貞一議員にお願いします。----------------------------------- ○議長(名取ひであき議員)  次に、書記から諸般の報告をさせます。   (書記朗読)三北総総第四千六百三十号令和四年二月十五日              東京都北区長  花川與惣太 東京都北区議会議長   名取ひであき殿     東京都北区議会定例会の招集について 令和四年二月十五日付東京都北区告示第八十九号をもって令和四年第一回東京都北区議会定例会を二月二十二日に招集したので通知します。-----------------------------------(写)東京都北区告示第八十九号 令和四年第一回東京都北区議会定例会を左記のとおり招集する。 令和四年二月十五日              東京都北区長  花川與惣太          記一 日時 令和四年二月二十二日 午前十時一 場所 東京都北区議会議場-----------------------------------三北総総第四千六百三十一号令和四年二月十五日              東京都北区長  花川與惣太 東京都北区議会議長   名取ひであき殿     議案の送付について 令和四年第一回東京都北区議会定例会へ提出するため、左記議案を送付します。          記第二号議案 東京都北区谷村教育基金条例を廃止する条例第三号議案 東京都北区情報公開条例の一部を改正する条例第四号議案 東京都北区個人情報保護条例の一部を改正する条例第五号議案 東京都北区行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例第六号議案 東京都北区職員定数条例の一部を改正する条例第七号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第八号議案 幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例第九号議案 東京都北区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例第十号議案 東京都北区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例第十一号議案 東京都北区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例第十二号議案 東京都北区エコー広場館条例の一部を改正する条例第十三号議案 東京都北区営住宅条例の一部を改正する条例第十四号議案 東京都北区手数料条例の一部を改正する条例第十五号議案 東京都北区「特別区道」道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例第十六号議案 東京都北区公共溝渠管理条例の一部を改正する条例第十七号議案 東京都北区立公園条例の一部を改正する条例第十八号議案 東京都北区立児童遊園条例の一部を改正する条例第十九号議案 訴えの提起について第二十号議案 東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更に関する協議について第二十一号議案 滝野川第四小学校リノベーション工事請負契約第二十二号議案 滝野川第四小学校リノベーション電気設備工事請負契約第二十三号議案 滝野川第四小学校リノベーション機械設備工事請負契約第二十四号議案 令和三年度東京都北区一般会計補正予算(第九号)第二十五号議案 令和三年度東京都北区国民健康保険事業会計補正予算(第三号)第二十六号議案 令和三年度東京都北区介護保険会計補正予算(第二号)第二十七号議案 令和三年度東京都北区後期高齢者医療会計補正予算(第二号)第二十八号議案 令和四年度東京都北区一般会計予算第二十九号議案 令和四年度東京都北区国民健康保険事業会計予算第三十号議案 令和四年度東京都北区介護保険会計予算第三十一号議案 令和四年度東京都北区後期高齢者医療会計予算-----------------------------------三北総総第四千六百八十六号令和四年二月二十二日              東京都北区長  花川與惣太 東京都北区議会議長   名取ひであき殿 地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した和解に関する報告について  このことについて、地方自治法第百八十条第二項に基づき、別紙のとおり報告します。----------------------------------- 専決処分調書(地域振興部) 件名 元気ぷらざ駐車場における事故に関する和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和三年九月九日六万五百円北区西ケ原在住区民 令和三年四月二十三日、元気ぷらざ駐車場において、相手方が運転する車両が、駐車場昇降機に接触し、駐車場昇降機を破損した。  なお、本件は、区の損害額について相手方から支払いを受けるものである。(生活環境部) 件名 清掃事務所における交通事故に関する和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和三年十一月十七日支出額    十九万三千五百四十五円 (内訳) 任意自動車保険    十九万三千五百四十五円北区上十条在住区民 令和三年八月四日、北区上十条五丁目において、ごみ収集中の作業員が運転する清掃車が、相手方宅ブロック塀に接触し、ブロック塀を破損した。(生活環境部) 件名 清掃事務所における交通事故に関する和解専決処分年月日決定額相手方事故の概要令和三年十一月十七日支出額    四十九万千百三十九円 (内訳) 任意自動車保険    四十九万千百三十九円北区豊島在住区民 令和三年八月十四日、北区豊島二丁目において、ごみ収集中の作業員が運転する清掃車が、相手方が所有する集合住宅のブロック塀に接触し、ブロック塀を破損した。----------------------------------- ○議長(名取ひであき議員)  会期についてお諮りします。 今次定例会の会期は、二月二十二日から三月二十三日までの三十日間としたいと思います。ご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(名取ひであき議員)  ご異議ないと認め、そのように決定します。----------------------------------- ○議長(名取ひであき議員)  区長から、北区政執行の基本方針についての所信と令和四年度当初予算の大綱について説明があります。   (花川與惣太区長登壇) ◎区長(花川與惣太区長)  おはようございます。よろしくお願いいたします。   (議長退席、副議長着席) 令和四年第一回区議会定例会の開会に当たり、区政執行の基本方針についての所信を申し述べますとともに、ご提案いたしました令和四年度当初予算の大綱についてご説明申し上げます。 昨年、第五波への対応をはじめ、ウイルスとの闘いの最前線に立ち続けている医療・福祉現場の皆様方をはじめ、飲食店等における時短営業など感染拡大防止のため、多くの方々に献身的なご努力をいただいておりますことを深い敬意とともに、心から感謝申し上げます。 オミクロン株の感染拡大により、厳しい状況が続いておりますが、区議会並びに区民の皆様と力を合わせて、この難局を克服し、新たな北区の未来の礎を築いてまいります。ご理解とご協力を賜りたいと存じます。 新型コロナは、今もなお世界に大きな影響を与えています。我が国でもワクチン接種が進められ、日本全体では、二回の接種を完了した方の割合は八割に届く状況であり、世界的に見ても極めて高い水準となっています。 しかし、二回の接種が進んだ今もなお、オミクロン株の出現により、全国各地で感染急拡大に直面し、緊迫した状況が続く中で、三回目のワクチン接種の前倒しが進められています。 北区では、区内三か所に開設したワクチン接種センターを中心に、医師会をはじめ、多くの病院・診療所にご協力をいただき、ワクチン接種を推進してまいりました。三回目のワクチン接種の前倒しについても、順次開始しています。 区内の感染者数も急増しており、飲食店をはじめとする中小企業のほか、区民生活に対する影響も懸念される中、何よりも必要なことは、引き続き迅速かつ的確に感染症対策を行い、区民の生命・財産を守り抜くことです。 そのためにも、まずは三回目の接種を着実に進めるとともに、引き続き保健所を中心とした全庁横断的な体制で、新型コロナに対する区民の皆様の不安の解消に全力で努めるとともに、事業の優先順位を的確に見定め、業務継続のための体制構築に万全を期してまいります。 さらに、人口問題への取組や地域共生社会の推進、防災・減災対策、駅周辺のまちづくりに加えて、デジタル化の推進はもとより、脱炭素社会や多様性社会の実現などをはじめとするSDGsなど、北区の将来に向かっての課題に全庁一丸となって取り組み、基礎自治体に求められる役割を責任を持って果たしていくことで、このコロナを克服し、新たな未来へ飛躍するための礎をしっかりと築き上げることができると確信しています。 北区は、これまでも区民の安全・安心を守りつつ、迅速な情報発信を行うとともに、区議会のご協力もいただきながら、過去に例のない年末年始の二回の臨時会の開催や、今回ご提案の内容を含め、九次の補正予算を編成し、スピード感を持って感染症対策やワクチン接種をはじめ、区民生活の支援や区内産業・経済活動の支援を進めてまいりました。 令和四年度の区政運営に当たっても、引き続き「区民とともに」の基本姿勢の下、区民の声を真摯に受け止めながら、感染症対策やSDGsに加えて、三つの優先課題を軸に、効果的、効率的に事業を展開するためにも、福祉・健康の分野、まちづくりの分野における執行体制のさらなる強化を図り、私が区政の先頭に立って、この北区の未来の礎を築いてまいります。 続いて、令和四年度の当初予算の概要について申し上げます。 政府の経済見通しでは、日本経済は、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策を迅速かつ着実に実施することなどにより、令和四年度は、消費回復や堅調な設備投資に牽引される形で、民需主導の自律的な成長が期待されています。 一方、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要があるほか、新型コロナによる内外経済への影響や金融資本市場の動向等を注視する必要があります。 今回、ご提案いたします令和四年度予算は、こうした経済状況を踏まえ、コロナを克服し、新たな区の礎を築き、未来へ飛躍するための積極的予算といたしました。 新型コロナ対策に万全を期すことはもとより、昨年宣言したゼロカーボンシティの実現や多様性社会の推進などSDGsに加え、デジタル化の推進や駅周辺のまちづくり、新庁舎建設など未来を見据えた取組を含め、事業の新規構築・レベルアップを図ってまいります。 初めに、収入見通しについてご説明申し上げます。 特別区交付金につきましては、令和四年度当初フレームを踏まえ、普通交付金を五百四十四億円、特別交付金を十五億円の計上としました。 特別区交付金の主要財源である固定資産税や市町村民税法人分等は、社会経済活動の正常化に伴う景気の持ち直しを見込み、大幅な増収を見込んでいます。 特別区税につきましても、東京都内の給与支払総額の実績を参考にしつつ、納税義務者数の増などを勘案し、三百十四億四千七百万円の計上としました。 特別区債につきましては、学校改築のほか、上中里つつじ荘の大規模改修等に約三十七億円の発行を予定しています。基金につきましては、財政調整基金からの約五十八億円の繰入れを含め、主要五基金合計で約九十二億円を繰り入れるほか、新庁舎整備や学校改築、駅周辺のまちづくりなど将来を見据えた備えとして、特定目的基金への積立ても計画的に行ってまいります。 次に予算規模についてご説明します。 一般会計予算は、前年度比五・三%、八十二億二千百万円増の一千六百二十二億三百万円となり、過去最大の規模となりました。このほか、国民健康保険事業会計、介護保険会計、さらに後期高齢者医療会計の三特別会計を含めた予算の総額は、二千四百十二億七千二百五十五万四千円となりました。 続いて、令和四年度の主要施策について、順次申し上げます。 初めに、コロナを克服するための取組についてです。 感染症対策については、保健所を中心に医療提供体制の確保やPCR検査体制のほか、自宅療養者への支援の継続など、引き続き全庁体制で取り組んでまいります。 また、最大限の感染症対策を講じながら、必要なサービスの提供に努めている民間福祉事業所や医療機関等に、区独自の支援を講じてまいります。 ワクチンの追加接種についても、コールセンターの回線を倍増して対応に当たっているほか、案内窓口の設置や接種に際しての移動支援など北区医師会とも緊密に連携をしながら、引き続き万全の体制で取り組んでまいります。 また、中小企業者に対する支援策につきましても、感染症対策緊急資金あっせんについて一定枠を継続するほか、マル経融資における利子の補助などを行ってまいります。 加えて、新型コロナの影響により、困難を抱える方の支援にも取り組んでまいります。 雇用による就業が困難な方への必要な相談を行えるよう、相談体制の充実を図ってまいります。 また、女性のための相談事業などを通じて、必要な方に対し、福祉的な支援への接続を行うほか、生理用品の個別配付も実施いたします。 さらに、新型コロナの影響を踏まえた児童の見守り強化の一環として、食品の無料配布を行う民間団体に補助を実施するほか、子ども食堂で居場所づくりとして学習環境を提供する団体に対して、補助額を加算するなど、様々な角度から北区の子どもたちを支えてまいります。 一方で、新型コロナを克服し、新たな区の礎を築き、未来へ飛躍するための取組を着実に推進していく必要があります。 まず、環境問題への対応です。 気候変動やプラスチックごみをめぐる世界的な環境問題は、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしています。 北区は、昨年六月にゼロカーボンシティ宣言をし、環境問題に対する決意を表明しました。脱炭素社会の実現に向けて全力で取り組むため、北区は全てのプラスチックリサイクルに向けた取組を進めてまいります。 滝野川地区の収集運搬開始に向けて準備を進めるほか、赤羽・王子地区においても、令和五年度からの実施に向けて、地元説明会を開催してまいります。 また、区が事業者として脱炭素に取り組むため、新たに庁舎の電力に再生可能エネルギーを導入するほか、北区役所ゼロカーボン実行計画を策定してまいります。 デジタル化の推進は、区民サービスの向上や行政の効率化を進め、新たな社会をつくるための礎です。新たに外部人材を登用してCIO補佐官を設置し、DX推進方針を策定するなど、北区のデジタル化に向けた取組を加速化させてまいります。 また、全庁業務を対象としたAIチャットボットを新たに導入するとともに、ご要望の多かった北とぴあの施設利用料などの窓口払いにキャッシュレス決済をこの秋より導入してまいります。さらに、オンライン相談や、ウェブ会議の利用なども一層推し進めてまいります。 そして、多様性社会を推進するに当たり、性の多様性を認め合い、性的少数者の人権と生活向上を目指す施策の一つとして、パートナーシップ宣誓制度を導入してまいります。 また、性差別のない社会を実現するため、関連の書籍を活用した意見交換などの新たな事業を展開するほか、中高生を対象とした企画も検討してまいります。 さらに、これまで面談と電話に限られていた相談方法に加えて、二十三区では初となるLINEを活用した女性のための相談事業を開始するとともに、アウトリーチ型による支援も併せて行ってまいります。 環境問題への対応や多様性社会の推進など、未来を見据えた新たな取組は、SDGsに大きく寄与するところです。 誰一人取り残さない、持続可能でよりよい世界の実現のため、北区版SDGsとして全庁横断的に施策を構築し、事業展開を図ってまいります。 次に、三つの優先課題のうち、「地震・風水害に強い安全・安心なまちづくりに全力」についてです。 まず、荒川氾濫など大規模水害を想定し、自力での避難が困難な方を支援するため、大規模水害避難行動支援計画を策定するとともに、避難行動要支援者の避難方法を定めた個別避難計画の作成に向けて準備を進めてまいります。 また、地域の防災力向上のため、新たにオンラインによる防災訓練、防災フェスタを実施し、若い世代の参加を推進するほか、地震・水害対策を網羅した北区ニュース防災特集号を作成し、全戸配布いたします。 さらに、マイ・タイムライン事業の充実を図るとともに、コミュニティ・タイムラインの作成支援をモデル実施してまいります。加えて、荒川氾濫などのハザードマップの普及動画を作成するほか、国土強靱化地域計画の策定等を踏まえ、地域防災計画の改定に着手してまいります。 防犯対策では、客引き行為等の防止に関する条例の制定に向けて手続を進めるほか、警察OBによる防犯推進員を増員し、防犯体制の強化に努めてまいります。 また、路面下空洞調査を計画的に実施するほか、街路照明や公園灯のLED化についても、整備を促進してまいります。 次に、「長生きするなら北区が一番」の実現についてです。 まず、健康づくりの支援では、人生百年時代における北区の健康づくり施策の指針となる、北区ヘルシータウン21(第三次)の令和五年度策定に向けて、作業に着手してまいります。 また、子宮がん・胃がん検診の勧奨対象をそれぞれ拡大するほか、乳がん検診については、受診券の発送に改めるなど、さらなる受診機会の確保に努めてまいります。 さらに、歯周病検診の対象者に三十歳、三十五歳を新たに加えるとともに、妊婦向け歯科健診の対象を産後にも延長するなど、若年層の口腔ケアを推進してまいります。 高齢者施策については、全高齢者実態把握調査の結果を踏まえ、高齢者あんしんセンターの圏域ごとに分析を行い、分析結果を踏まえた新たな事業展開をモデル実施するほか、上中里つつじ荘の大規模改修に引き続き、清水坂あじさい荘の大規模改修の設計に着手してまいります。 障害者施策では、生活介護施設等の利用者の増加を踏まえ、旧桜田学級を改修し、通所施設を整備してまいります。 また、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進するため、関係機関との連携を図るほか、基幹相談支援センターの機能強化を図ってまいります。 次に、「子育てするなら北区が一番」をより確かなものにすることについてです。 昨年来、力を入れて取り組んでいる産後ケア事業をさらに推し進めるとともに、保育園や幼稚園等の充実はもとより、学童クラブを中心とする待機児童の解消に向けた定員拡大・新規施設の開設を行ってまいります。 また、問合せの多い保育所の入園申込方法を分かりやすく説明する動画を作成し、ウェブで公開するほか、保育所の入園申込みの結果を現行の子育てアプリから確認できるようにするなど、引き続き、子育て世代の負担軽減に努めるほか、令和八年度の児童相談所等複合施設の開設を目指し、基本・実施設計に着手してまいります。 教育の分野では、昨年四月に導入したGIGAスクール構想をさらに推し進めてまいります。 教育現場におけるICT教育のさらなる充実のため、教育情報化推進員を設置し、教科指導でのICTの活用や、指導力の向上を図るほか、オンライン家庭学習教材の対象学年を、小学校三年生に拡大してまいります。 学校の改築では、堀船中学校の改築に向けて設計に着手するとともに、赤羽台西小学校に加え、新たに十条小学校の改築に向けて準備を進めてまいります。 リノベーション事業では、滝野川第四小学校、谷端小学校に加えて、新たに豊川小学校の準備を進めるほか、三十五人学級の段階的導入と児童数増への対応も着実に行ってまいります。 続いて、北区の新たな魅力や価値を創出する施策の展開についてです。 まちづくりの分野では、十条・赤羽・王子駅周辺のまちづくりについては、引き続き関係機関と連携・協力し、着実に取組を進めてまいります。 まず、十条駅周辺においては、令和六年度の再開発ビルの竣工に向けて、公益施設の検討を進めるとともに、東京都や関係機関と連携して、十条駅付近連続立体交差事業や鉄道付属街路事業を着実に進めてまいります。 東十条駅周辺においても、跨線橋の架け替え整備に合わせた新たなまちづくりの計画の策定に向けて、検討に着手してまいります。 また、赤羽駅周辺については、引き続き、赤羽駅東口まちづくりを推進するとともに、UR都市機構との連携協定に基づき、旧赤羽台東小学校跡地とUR用地との一体活用に向けて、事業者公募を実施してまいります。 王子駅周辺については、令和四年度末のガイドライン策定に向けて検討を進め、新たなまちの姿を描いてまいります。あわせて、新庁舎建設基本計画を令和四年度末に策定するとともに、令和五年度以降の設計に向けた準備にも着手してまいります。 交通では、浮間地域において、本年十二月のコミュニティバスの試験運行に向けて準備を進めるほか、田端駅周辺のバリアフリー整備について、関係機関との協議・調整を進めるとともに、調査や設計を行ってまいります。 魅力ある公園づくりでは、飛鳥山公園のPark-PFI制度による運営の開始に向けて準備を進めるほか、渋沢翁が居を構えた飛鳥山の魅力を最大限に生かすため、公民連携による飛鳥山のさらなる魅力向上のための検討を行ってまいります。 また、荒川緑地(豊島ブロック)の令和五年度中の開設に向けて整備を進めるほか、名主の滝公園の再生整備も着実に進めてまいります。 産業振興の分野では、区内の中小企業や商店街の支援に引き続き力を入れて取り組むほか、未来を見据えた取組を進めてまいります。 まず、新製品・新技術開発支援事業では、北区ゼロカーボンシティ宣言を踏まえ、補助率を拡充した脱炭素化事業枠を新たに創設してまいります。 また、効果的な産業振興施策の展開のため、産業団体等との定期的な意見交換会を実施するとともに、北区独自のSDGs認証制度の導入を見据え、昨年末に実施し、好評を博した公民連携によるSDGsセミナーに加え、健康経営に関するセミナーも開催してまいります。 さらに、北とぴあの大規模改修に向けて基本設計に着手するほか、文化施策では、名誉区民であるドナルド・キーン氏の生誕百年を記念するにふさわしい事業を新たに検討してまいります。 観光分野では、観光振興プランの改定に着手するとともに、今年で十回目の節目となる花火会を、北区としても引き続き支援してまいります。 また、観光協会を主体とした公民連携の下、荒川河川敷を活用した水辺空間のにぎわいを創出する観光事業についても検討するなど、北区観光の魅力を区内外へ効果的に発信してまいります。 シティプロモーションにおいては、この間、専管組織を設置し、東京北区観光協会や民間企業など公民連携による、東京北区渋沢栄一プロジェクトなどに積極的に取り組んでまいりました。 東京北区から日本を導いた渋沢翁を主人公とした大河ドラマ、青天を衝けの放映は終了しましたが、令和六年の新紙幣の発行に向けて、その機運をつなげていく必要があります。 SDGsと連動した渋沢×北区×SDGsの新たな取組や、飛鳥山を拠点として展開した大河ドラマのレガシーを積極的に活用するなど、公民連携の力で、北区の魅力をさらに高め、広く発信してまいります。 地域のきずなづくりにおいては、要望の多い区営掲示板の建て替え等について積極的に取り組むとともに、スポーツの分野においても、赤羽スポーツの森公園競技場の人工芝の張り替えに合わせて、熱中症対策として新たに散水装置を設置してまいります。 以上、令和四年度の主要施策を申し上げました。 令和四年度の国の予算は、一般会計で百七兆円を超え、十年連続で過去最大を更新する規模となっています。 歳入面では、税収において七兆円を超える大幅な増収を見込んでおり、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、景気が持ち直していくことが期待されていますが、感染拡大が落ち着き、経済活動が本格再開することが前提となっています。 北区においても、景気の動向を受けて特別区交付金の増加が見込まれるものの、新型コロナの感染拡大、それに伴う追加の財政支出や税収見通しの下方修正など、様々な影響等を注視する必要があります。 また、従前からの課題である社会保障費の増大や公共施設の更新需要のほか、計画事業の実現など膨大な行政需要が見込まれており、今後の財政運営は、引き続き予断を許さない状況にあると考えています。 こうした中だからこそ、安定的な行財政運営を構築し、区民ニーズを的確に把握しつつ、山積する行政課題に着実に対応していくためにも、私が区政の先頭に立って、基本計画、経営改革プランの実現の両輪で区政を着実に進めていく決意です。 年頭の挨拶でも申し上げましたが、私は昨年のこの場で、渋沢翁の信条の一節を引用させていただきました。「一物に接するにも、必ず満身の精神を以てすべし」、一つ一つのことに全身全霊をもって当たるべきというものです。 私が区長に就任して、今年で二十年目となります。この間、「区民とともに」の基本姿勢を貫き、満身の精神をもって、多くの皆様のご協力をいただきながら、一歩一歩この北区を前に推し進めてまいりました。 昨年より、新たな北区の将来像を定める北区基本構想の策定に向けて、本格的な議論を開始いたしました。 審議会には、二十代の学生や、最近北区に住み始めた方も委員として参加されており、様々な意見をいただいています。 また、オンラインで開催したワークショップにも、お子さんを抱えながら参加された方や、インターネットから参加を申し込まれた高齢者の方など、多くの区民にご参画いただいております。 こうした多くの皆さんの思いを紡ぎ、将来にわたり、北区に住まい、働き、通い、関わる全ての皆様が誇りと愛着を持つことができる北区となるよう、新たな区の将来像の礎を区議会の皆様とともに、また区民とともに築いてまいります。 最後に、区政進展のために献身的なご活躍をいただいております議員各位に対し深く感謝申し上げますとともに、一層のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、所信の表明と予算大綱の説明といたします。----------------------------------- ○副議長(小田切かずのぶ議員)  これより質問に入ります。 二十三番 大島 実議員。(拍手)   (二十三番 大島 実議員登壇) ◆二十三番(大島実議員)  おはようございます。公明党議員団の大島 実です。 公明党議員団を代表して、大きく四点質問します。 花川区長は年頭挨拶で、二〇二二年を新たな区の将来像の礎を五期二十年の節目となる年に築いていくとスピーチされた。我々区議会公明党議員団は、五期二十年の総仕上げをする、未来に飛躍する礎を築く一年と受け止めました。 最初に、五期二十年花川区政を振り返り、未来を築く一年について質問します。 「長生きするなら北区が一番」について。 昨年十二月の第二回北区基本構想審議会で示された資料で、北区の六十五歳の健康寿命は男性が八十・六歳、女性が八十二・四七歳で、男女ともに東京の平均健康寿命を下回っています。区長を先頭に、「長生きするなら北区が一番」とスローガンを掲げてきましたが、北区の六十五歳の健康寿命は平均以下で、健康寿命を延ばすことが、引き続き最重要課題と分かりました。 もうじき、団塊の世代が七十五歳を迎える二〇二五年になるため、地域包括ケアシステムの構築が急がれます。今、シンクタンクの介護専門家から、全国の地域包括ケアシステム構築の現状について、いまだ地域ビジョンや明確な目標もなくシステムの構築に取り組んでいる地域も少なくないとの厳しい指摘がなされています。 北区の現状について伺います。北区の地域包括ケアシステム構築の現状と進捗状況について、七圏域ごとに分けてお答えください。 次に、高齢者あんしんセンター並びに地域ケア会議の充実についてお聞きします。 高齢者あんしんセンターは、日々の業務のほかに寄せられる幅広い相談事や、複合的な困難事例の対応などで、限られた人員と予算で、ぎりぎりのところで踏ん張っています。区議会公明党は昨年の第四回定例会で、高齢者あんしんセンターの人員増員と予算の増額を求めたところです。 高齢者あんしんセンターについて以下、三点質問します。 昨年度、北区は王子高齢者あんしんセンターを基幹型の地域包括支援センターに位置づけた。これまで不明確だった保険者としての責任を明確にし、センターの機能強化がなされるものと期待します。区直営の王子高齢者あんしんセンターの役割について、お答えください。 王子高齢者あんしんセンターに、各センターを指導できる専門家並びに介護・福祉・医療全般の専門アドバイザーの配置が必要だと考えます。区の見解を伺います。 高齢者あんしんセンターの利用者からの声によると、高齢者あんしんセンターの提供されるサービスに質の違いが出ていると感じます。サービスの質の違いは、提供される地域住民にとって、健康、福祉、介護、医療の地域格差に直接つながる問題です。質の高いサービスが受けられるよう、高齢者あんしんセンターの平準化を急いでください。区の対応をお聞きします。 次に、地域ケア会議の充実について伺います。 私たち公明党は、地域ケア会議を先進的に取り組んでいる兵庫県朝来市を視察した経験から、地域ケア会議の重要性を深く理解するようになりました。その経緯もあり、昨年来から北区の地域ケア会議の視察を望んできましたが、準備等が整わない等の理由でいまだ実現していません。かねてより、地域包括ケアシステム構築には、地域ケア会議の充実を所管に伝えてきましたが、十分に伝わっていないようで非常に残念です。 令和三年度の北区地域包括ケア推進計画によると、北区の地域ケア会議は三層構造で、会議実績は十六か所の高齢者あんしんセンターの合計で、年間三十数回にとどまっています。一か所の高齢者あんしんセンターで会議は半年に一回という少なさで、利用者の個別課題や地域課題を抽出し、課題解決へのディスカッションができるのでしょうか。 最近は困難事例も多く、複合的な問題が絡んで、各方面との連携の必要性や家族の丸ごとの支援などを検討しなければならない事案が増えているはずです。個別課題・地域課題を解決するのが地域ケア会議設置目的です。 今後の北区地域ケア会議の詳細をまとめていただき、議会に報告していただきたいと思いますが、区の見解をお聞きします。 次に、自宅で介護する側の支援について伺います。 最初に、ヤングケアラーの実態調査について。 昨年十二月、公明党会派はヤングケアラーの取組を行っている神戸市を視察しました。担当者から、ヤングケアラーが気づかれない要因について、次のように語ってくれました。ヤングケアラー自身が家族の世話をすることが当たり前だと考えていることから、周囲の大人たちや友達にも、自分から窮状を言い出せない現状がある。このことが、周囲から気づかれない要因の一つになっていると。 厚生労働省によると、本来、大人が担うと想定されている家族の世話や介護を日常的に行っているヤングケアラーは、二十人に一人いると言われています。 福祉分野と教育分野が連携し、区内の学校に通う児童・生徒を対象に、ヤングケアラーの実態調査を提案します。区の対応を伺います。 ヤングケアラーの身近な人々への理解の促進を図るために、学校、児童の関係者、福祉並びにサービス事業者に対して、研修や事例検討会などの実施を北区として企画してもらいたい。区の見解をお聞きします。 次に、「子育てするなら北区が一番」について。 最初に、高校生までの医療費無償化について伺います。 二〇〇四年四月、中学校三年生までの入院費助成制度を開始し、二〇〇六年四月には、中学生の医療費無償化を二十三区トップで実施。さらに、二〇一一年七月から、高校生の入院費無償化を実現しました。このように、北区の子ども医療費無償化への道は、一貫して花川区長のリーダーシップの下、全国をリードしてきました。 一月二十八日、東京都は令和四年度予算案に七億円を計上し、区市町村のシステム改修を補助することを発表。今後、区市町村との協議がまとまれば、令和五年度から順次、高校三年生までの医療費が無償化されます。これは一昨年来から、都議会公明党が提言してきた高校三年生までの医療費無償化の実現で、読売新聞も、「高校生の医療費助成は、都議会公明党が昨年七月の都議選の公約に掲げ、都に要望を続けてきた」と報道。それを受けて、二月四日区議会公明党は、花川区長に高校生までの医療費無償化についての要望書を提出し、席上、区長から実施に向けた検討を指示するとの明快な回答がありました。 そこで、実施するに当たり以下、三点質問します。 各関係機関との調整や実施までのスケジュールと、区負担額をお答えください。 所得制限を設けるのか、区の見解をお聞きします。 実施するまでの課題は何か、区の見解をお聞きします。 次に、学校給食費補助制度の拡充について伺います。 学校給食費補助制度は、保護者の経済的負担を軽減するために区議会公明党が要望し、二〇一九年四月の区長・区議会議員選挙で花川区長が選挙公約として掲げたものが、その後、給食費無償化は花川区長の決断により、二〇二〇年十月から多子世帯の条件つきながら実施。これは、人口三十万人以上の地方自治体で初の実施となる快挙でした。 以下三点、区の見解をお聞きします。 学校給食費補助制度の拡充を求めますが、区の見解をお聞きします。 学校給食費を全額補助にした場合、区の予想負担額をお答えください。 学校給食費への公会計制度の早期の導入を求めますが、区の見解をお聞きします。 大きな二つ目の質問、シティプロモーションで目指す北区の将来像について。 シティプロモーションを推進するに当たり、まずは政策目標のどれを達成するのかを明確にしなければなりません。間違っても、シティプロモーションを推進することが目的になってはいけないと思います。 北区シティプロモーション方針の改定についてお聞きします。 二〇一六年に策定された北区シティプロモーション方針を、今、再度読み込んでみても、もやっとしたものだけが残り、その第一は、一九九六年に策定された北区イメージ戦略ビジョン・KISSと北区シティプロモーションの関係や、つながりがよく理解できないことが一つ。 その第二は、北区のシティプロモーションの目指すものが三十万都市・北区の実現なのか、北区の認知度を高めることなのか、きずなづくりと若年層の定住化を図ることなのか、シティプロモーションの目的と、そのターゲットがすとんと正直伝わってきません。 そうは言いながらも、二十年以上前の北区イメージ戦略ビジョン・KISSが、若手職員を中心に未来の北区像を想定しながら策定されたことは、今から思っても非常に画期的なことだったのではないでしょうか。そして、何よりも策定に携わった若手職員が、その後の区政を引っ張る中心的な人材に育ち、花川区政の「長生きするなら北区が一番」、「子育てするなら北区が一番」、「教育先進都市・北区」のスローガンの下、安心して暮らせるまちの発展、福祉の向上へ、区政発展につながっていたことは、周知の事実です。 このことからも、北区がこれから取り組むシティプロモーション方針の改定作業が、区政の将来像の進路を決める極めて重要な作業だと思います。 そこで、お聞きします。 一九九六年の北区イメージ戦略ビジョン・KISSから、新たな北区シティプロモーション方針へつながっていくことに関して、改めて区当局から、区民の皆様にこの場を借りて、北区のシティプロモーション方針改定をアピールしてほしいと思います。お答えください。 次に、シティプロモーションのターゲットについてお聞きします。 「子育てするなら北区が一番」のターゲットは、区内外の子育て世代で、定住化を目的とし、子育て施策などを充実させ、ターゲットにアピールしてきました。 時を同じくして、千葉県流山市がスポンサーになり、開通間もないつくばエクスプレスの鉄道駅に長大なポスター広告「母になるなら、流山市。」を貼り出し、その後、全国的に人口減少が続く中、流山市は五年連続人口増加率第一位を獲得し、以前までの流山市は、団塊世代の層が一番多い構成になっていたものが、今では三十代、四十代の子育て世代の層が全体の三割を超えるようになり、子育て世代から選ばれるまちとなりました。人口は昨年、二十万人を超えました。 北区の「子育てするなら北区が一番」、流山市の「母になるなら、流山市。」一見、同じ子育て世代をターゲットとしたプロモーションコピーですが、十数年たって、両区の子育て世代の定住状況の結果は、合計特殊出生率に表れているようです。ちなみに、流山市の合計特殊出生率は、この十三年間で一・二九から一・六二に、一二五%の上昇です。北区は一・一八、全国の平均は一・四三です。 あるインタビューで流山市の広報官が、「母になるなら、流山市。」のターゲットの絞り込みの一端について、次のように語っています。母イコール子育てというイメージがどうしても強いのでしょう。でも、母は子育てするだけではありません。子育てをしながら、自分の夢も諦めていない。そんなお母さんは生き生きしていると。 子育て世代をターゲットとしてきた北区と流山市、プロモーションのターゲットの絞り込みなど、どこがどう違うのか分析し、研究する必要があると思いますが、区の見解をお聞きします。 シビックプライドの醸成について、以下二点質問します。 シビックプライドって一体何だろう。渋沢栄一翁がNHK大河ドラマ、青天を衝けに取り上げられてから、よく耳にする言葉です。自分の住んでいるまちに対する住民の誇りや愛着と定義されるのでしょうか。 今なぜ、北区シティプロモーションを推進するに当たり、シビックプライドの醸成が必要なんでしょうか。区の見解をお聞きします。 人に、北区っていいまちだねと話してもらえるようになるには、どうしたらいいか、お尋ねします。区の見解を伺います。 次に、北区の将来像についてお尋ねします。 新しい基本構想の審議が開始された関係もあり、なかなかお答えにくいと思いますが、リーダーがこの先の二十年後、二〇四〇年頃の北区の未来像を語っていただかないと、王子駅周辺の活気あるまちづくりや新庁舎などのイメージが湧いてきませんし、北区に対する明るい希望など描けないのではないでしょうか。ぜひお答えください。 シティプロモーションの最後の質問です。 区に対して提案になります。シティプロモーションを推進するに当たり、まずその担当所管の位置づけを組織内で明確にし、全庁で取り組めるよう組織強化していただきたいのが一つ。次に、シティプロモーションで描く北区の未来像を実現するためにも官民連携は必須で、そのためにも、積極的に広く外部人材の登用を検討してもらいたい。 以上二点、区の見解を伺います。 大きな三つ目の質問、新型コロナワクチン接種について。 迅速な新型コロナワクチン接種が進むよう、区議会公明党は一貫して取り組んでまいりました。昨年三月の予算特別委員会で、新型コロナワクチン接種会場へ移動困難な高齢者等に対して、無料でタクシーが利用できるよう提案し、北区と災害時搬送協定を結んでいるタクシー・バス事業者、個人タクシー協同組合の協力を得て実現しました。ワクチン接種会場への無料タクシー利用は東京で初めてのことであり、改めて区当局及びタクシー事業者様等に感謝いたします。 以下、新型コロナワクチン接種(以下、ワクチン接種)について、大きく三点質問します。 高齢者の接種状況と高齢者施設の接種完了時期について。 東京都の新型コロナウイルスモニタリング会議の報告によると、新規感染者の増加ペースは鈍化しているが、感染者に占める六十五歳以上の高齢者の割合が増加していると。北区においては、一月末から高齢者への接種が始まったが、二回目の接種から六か月以上が経過した人のうち、三回目接種を終えた方は何人になるのか。また、現在、高齢者への接種はどの程度進んでいるのか。 特別養護老人ホーム、小規模施設やグループホームなどの高齢者施設や障がい者施設での三回目接種は、順調に進んでいるのか。そして、接種完了時期をいつ頃と定めて接種しているのか、それぞれ区の見解をお聞きします。 二月七日、岸田総理は、国、自治体、企業を挙げて、二月のできるだけ早期に一日百万回までペースアップすることを目指すと言われたが、北区においては、職域別接種、大規模接種会場の設置など、ペースアップへの対応が急がれるが、区の具体的対応をお答えください。 五歳から十一歳までの子どもへのワクチン接種は努力義務の適用が外され、十二歳以上と同じ臨時接種と決まり、二月二十一日から各自治体にワクチンを発送する予定で、準備ができた自治体から、三月を待たずに接種を開始すると見解が示されました。 北区の接種体制について、以下三点質問します。 努力義務適用が外され、接種希望人数をどの程度と見込んでいるのか、また、接種を希望しないことを選択した場合、いじめや差別につながらないよう十分な配慮が必要だが、区の対応をお聞きします。 保護者、子どもに不安を与えない丁寧な説明とワクチンの安全性について、情報提供と接種全般にわたる周知などが区に求められるが、区の具体的な対応をお答えください。 小児用のワクチンは、希釈の量や一回当たりの接種量が大人用のワクチンと異なることから、安全な取扱いが求められている。文京区などでは、誤った接種を避けるための小児専用接種会場を用意。北区の場合は、どのような方法によって適切な接種を行っていくのかお聞きします。 学校、保育園、幼稚園、子ども施設に従事している教職員等への優先接種について。 子どもへの感染ルートは圧倒的に大人からの感染だと言われています。子どもへの感染防止は、子どもを取り巻く周囲の大人へのワクチン接種をいち早く実施することが肝要です。 そこでお聞きします。 学校、保育園、幼稚園、子ども施設等に従事している教職員、臨時職員、会計年度任用職員等への優先接種枠を設け、速やかに実施すべきと提案しますが、区の見解をお聞きします。 子どもへのワクチン接種情報の発信について。 これまでも、北区ホームページの見やすさや迅速な情報発信など、ホームページの充実・改善を求めてきましたが、今回の十一歳以下の子どもへの新型コロナワクチン接種について、北区に苦言を呈したい。 昨年十一月、十一歳以下の子どもへのワクチン接種に関して、国から全国の自治体に接種体制の確保などを進めるよう通知されたが、二月十日現在、北区のホームページでは、五歳から十一歳の子どもへのワクチン接種について、何のアナウンスも見当たらない。 その後、二月十五日にホームページに概要が掲載され、二月十七日には、北区危機管理本部にて開始の日時などが決定し、プレスリリースされた。北区ホームページにもっと早く子どもの接種情報を載せるべきだったのではないか。情報を届ける場合、ターゲットは誰なのか想定し、適切な情報伝達方法も考えてもらいたい。 区民への適切な情報発信をつかさどる部署は改めてどこなのかも含め、区の情報発信について、区の見解を伺います。 大きな四つ目の質問、北区新基本構想と大規模水害について。 北区新基本構想について。 昨年スタートした北区基本構想審議会で区長は、基本構想について、北区の将来目標を達成するための方法について、基本的な考え方を示した区民憲章ともいうべきものだと挨拶された。 基本構想で想定する二〇四〇年までに、団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年問題、SDGs達成年度である二〇三〇年、そして団塊世代の子どもたち、ジュニア世代が六十五歳を迎える二〇四〇年問題と、向こう二十年間、乗り越えていく幾つもの高いハードルが待ち受けています。 将来人口推計から、日本の生産年齢人口の推移を改めて見てみると、二〇四〇年の生産年齢人口は約五千五百四十二万人となり、現在と比較して、実に約二千万人の減少となります。社会保障的にこれを言い換えると、一・五人の現役世代で一人の六十五歳以上の高齢者を支える状況を意味しています。 基本構想が想定する二〇四〇年について、区の見解を以下四点お聞きします。 北区の人口動態について、二〇四〇年はどのような人口構成になっているか、お答えください。 北区の社会保障を支える現役世代と、高齢者世代の人口比率はどのように予想されるか、区の見解をお聞きします。 高齢者人口の増加とともに、家族による生活支援を得られにくいひとり暮らしの高齢者がますます増加すると予想されますが、区ではどの程度と予想しているのか、お答えください。 また、二〇四〇年に六十九万人の介護人材が不足すると言われ、その深刻さが区民生活に直接影響してきます。介護職からの離職者への対応や、老老介護の支援がますます求められるが、区の対応についてお答えください。 昨年の審議会で、基本構想の説明を区民憲章と言われたのは、どのような背景があり言われたのでしょうか。また、区長として、この機会に区民憲章を制定するお考えがあるのでしょうか、お答えください。 次に、大規模水害対策について。 堀船地域を流れる石神井川の諸問題について。 二〇一九年に発生した台風十九号の影響で、日本各地で被害が発生し、堀船地区では小学校に避難所が開設され、多くの方が避難された。この堀船地区では、二〇〇五年と二〇一〇年の二回、石神井川の氾濫で約五百世帯に及ぶ浸水被害を被った。その後、東京都により、王子第二ポンプ場の建設工事が着手。しかし、既に運用が開始しているはずの王子第二ポンプ場の完成が大幅に遅れ、それに加え、高潮対策の石神井川護岸工事が部分的に、断続的に建設工事が行われるだけで、完成時期も示されず、住民の不安が解消されていません。 荒川氾濫の大規模水害への対応強化はもちろんですが、地域の水害対策の要、ポンプ場と高潮対策護岸工事の早期の完成と、住民への説明が望まれます。以上、東京都に求めていただき、区の見解をお聞きします。 次に、以前からの課題である石神井川の悪臭について、悪臭の原因、スカムの発生を除去するしゅんせつ作業や、王子駅付近での湧水を利用しての対症療法的な対応がなされているが、化学的効果のある根本的な悪臭対策を行っていただきたい。区の見解をお聞きします。 次に、コミュニティ・タイムラインの検討、モデル地区について。 二〇二〇年、大規模水害時に逃げ遅れゼロを目指すために、コミュニティ・タイムラインの作成を浸水が想定される連合町会で実施すると聞きました。区が推奨する高台避難には難しい多くの課題があり、特に浸水想定地域の高齢化比率は三割を超え、要配慮者の把握と具体策が急がれています。また、緊急的に垂直避難ができる空間を地区内に確保するなど多種多様な課題があり、コミュニティ・タイムラインを作成するには、パンドラの箱を開ける区の覚悟が必要だと思います。 以下、二点質問します。 コミュニティ・タイムライン検討モデル地区として、堀船地区が最適だと思いますが、区の見解をお聞きします。 浸水地域の住民の災害意識調査を実施し、コミュニティ・タイムライン作成に生かしていくべきだと考えますが、区の見解をお聞きします。 最後に、浸水地域の堀船中学校改築についてお聞きいたします。 大規模水害で浸水する可能性のある葛飾区では、水害時に避難所となるよう、改築する学校体育館を浸水深さ以上の位置に建設し、多くの避難者を収容できるようにします。荒川が氾濫した場合、想定浸水深さ平均三・二メートルから住民を守るために、改築予定の堀船中学校の体育館や教室が避難所として機能が発揮できるよう、葛飾区の例に倣い、設計に反映してもらいたい。区の見解をお聞きします。 堀船中学校の改築は、周辺の区民施設が統廃合され、複合施設になると聞いています。複合施設で総床面積が増加するのではないかと予想しますが、そのことが公共施設再配置計画に影響し、財政を圧迫する要因になることを懸念します。区の見解をお聞きします。 以上で、代表質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手)   (花川與惣太区長登壇) ◎区長(花川與惣太区長)  ただいま公明党議員団を代表して、大島 実議員から、五期二十年花川区政を振り返り、未来を築く一年をはじめ、シティプロモーションを目指す北区の将来像についてや、新型コロナワクチン接種に関して、さらには北区基本構想と大規模水害についてまで、幅広く多岐にわたり、大変具体的なご意見、ご提言を頂戴いたしました。誠にありがとうございました。 それでは、順次お答えをさせていただきます。 初めに、北区が取り組んできた三つの優先課題についての質問のうち、「長生きするなら北区が一番」について、順次お答えをさせていただきます。 まず、北区における地域包括ケアシステム構築の現状と進捗状況です。 区では、令和三年三月に策定した北区地域包括ケア推進計画において、「みんなで支え安心してくらせる地域づくり」を基本理念に掲げ、北区版地域包括ケアシステムの深化に取り組んでいます。この取組について、七つの圏域ごとにお答えをさせていただきます。 浮間地区では、集いの場を増やす取組を進めており、その情報を活用できるようリスト化し、共有しています。 赤羽東地区では、志茂ジェネの取組を継続しており、多世代交流が盛んになり、現在は防災への取組を進めているところです。 赤羽西地区は、後期高齢者が最も多い地区であり、地域での集いの場が増えています。また、東洋大学との連携が進み、学生との関わりが増えています。 王子東地区は、URと連携した見守り活動が進んでおり、今後この取組をUR以外の方にも広げていく必要があると考えています。 王子西地区は、町会、民生委員の見守り活動が従前より活発化している一方で、近隣区の介護事業者の利用が増えており、連携が課題となっています。 滝野川東地区は、小規模なオートロックマンションが増加しており、地域情報の共有が課題となっています。 滝野川西地区は、自治会の活動が活発であり、見守りのネットワークができています。今後は、自治会の枠にとらわれない、顔の見える関係構築を目指しています。 以上のように、地域ごとに強みや課題があり、地域の特性に合った取組が求められています。 今後は、今年度実施した高齢者実態把握調査の結果も踏まえながら、各高齢者あんしんセンターを中心に、地域ごとのPDCAサイクルの円滑な実施を推進するとともに、介護と医療の連携、フレイル対策、認知症施策などをさらに充実し、「長生きするなら北区が一番」の実現に向けて、北区版地域包括ケアシステムの深化を進めてまいります。 次に、高齢者あんしんセンターの充実についてです。 令和三年度から、区直営の王子高齢者あんしんセンターを基幹型の地域包括支援センターに移行し、高齢者あんしんセンター間の総合調整や、介護予防のケアマネジメント及び地域ケア会議等の後方支援の機能を担っています。 北区では、早急に取り組まなければならない地域の課題も多く、その解決に向けて必要な調査や分析を行い、情報を共有することで各高齢者あんしんセンターの機能強化につなげています。 また、王子高齢者あんしんセンターには、他の高齢者あんしんセンターの後方支援を行うため、経験のある保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーを配置しています。 高齢者あんしんセンターが十分に機能するには、これらの三職種がそれぞれの専門性を生かし、連携していくことが重要なことから、各職種の専門性を高めるための研修を充実し、職員の資質向上にも取り組んでいます。 また、七つの圏域ごとに高齢者あんしんセンターサポート医を配置し、医療面での専門的助言を受けられる体制を構築しており、ケアマネジャー、介護福祉士や看護師、リハビリ職などの専門職との多職種連携により、各専門機関からのアドバイスを得ながら、高齢者あんしんセンターの機能充実に努めてまいります。 次に、高齢者あんしんセンターの平準化についてです。 区では、平成二十九年度から高齢者あんしんセンターの事業評価を行っています。共通の評価票を使用し、自己評価、利用者評価、地域包括支援センター運営協議会委員によるヒアリングを実施し、意見や助言をフィードバックしています。 自己評価については、あんしんセンターの職員全員が評価に関わり、評価内容をセンター内で共有し、意見交換することで、サービスの質の向上につながるよう努めています。また、あんしんセンター職員の研修を行うとともに、外部での研修費を助成するなど職員の資質向上を図っています。 なお、令和三年三月に策定した北区地域包括ケア推進計画においては、地域振興室ごとの十九の日常生活圏域で、目標とする地域像と評価方法を定めています。 今後、これらの結果を踏まえながら、提供するサービス内容などについて、PDCAサイクルを活用し、質の向上を目指してまいります。また、令和四年度には、全高齢者実態把握調査のフォローアップ事業を実施し、高齢者あんしんセンターのさらなる質の向上につなげてまいります。 次に、地域ケア会議の充実についてです。 北区での地域ケア会議は、高齢者あんしんセンターが主催する地域個別ケア会議、王子・赤羽・滝野川の三圏域での地域包括ケア連絡会、第一層の協議体を兼ねる、おたがいさま地域創生会議の三層構造としています。地域個別ケア会議では、ケアマネジャーが担当するケースについて、地域の方々や関係機関との検討を通して、ネットワーク構築や地域でのインフォーマルなサポートにつなげるほか、地域課題を発見し、より豊かなケアプランとなるように運営しています。 三年間で、区内約百か所ある居宅介護支援事業所に、一回は地域ケア会議を経験してもらい、ケアマネジャーの資質向上を図ったところです。 地域ケア会議は、地域課題の解決のために重要であり、積極的な取組が必要だと認識しています。現在、次のステップとして、介護予防のための地域ケア会議の構築に向けたモデル事業を行っており、令和四年度の本格実施の際には、これまでの取組や地域課題も含め、所管委員会にて報告をさせていただきます。 次に、シティプロモーションで目指す北区の将来像についてお答えをさせていただきます。 まず、イメージ戦略ビジョン・KISSから、北区シティプロモーション方針への改定についてです。 一九九六年に策定した北区イメージ戦略ビジョン・KISSと、これを継承した形で二〇一二年に策定した北区イメージ戦略ビジョン・KISS第二次行動計画、そして、二〇一六年に策定した北区シティプロモーション方針は、いずれも改定の時期にあり、新たな方針の策定が課題の一つであると認識しております。 一方で、この間、北区の人口が三十五万人を突破するとともに、本当に住みやすい街大賞では、赤羽と王子が上位に選出されるなど、これまでの一連の取組において、北区の魅力が広く認知され始めてきたものと認識をしております。 あわせて、飛鳥山も舞台となった大河ドラマ、青天を衝けの主人公で、新紙幣の肖像となる渋沢栄一翁に関する様々な取組の進展、北区をホームタウンとする日テレ・東京ヴェルディベレーザの日本初の女子プロサッカーリーグ参戦、今後は(仮称)芥川龍之介記念館の開設、公民連携による取組が始まり、さらなる魅力向上が期待される飛鳥山公園など、北区の新しい魅力も着実に増えております。 つきましては、このような新しい魅力と、これまでの北区として揺るがない魅力を十分に活用するとともに、北区シティプロモーション方針と、北区イメージ戦略ビジョン・KISS第二次行動計画の目指すべき方向や目的等も分かりやすく整理した上で、区民の皆様が北区の魅力発信に参加したい、一緒に北区を盛り上げていきたいと思ってもらえるような新しい北区の方針を策定してまいります。 次に、シティプロモーションのターゲットについてお答えいたします。 平成八年に策定した北区イメージ戦略ビジョン・KISS第二次行動計画では、首都圏のファミリー層・若年層をターゲットとしていましたが、現在の北区シティプロモーション方針では、北区内の全ての区民と、北区外の通勤通学圏内のおおむね二十代から四十代の子育てファミリー層・若年層をターゲットとして、これを意識した取組を推進するとしております。 一方、流山市では、若者世代を誘致するマーケティング戦略において、共働き子育て世帯をターゲットに設定して、働き続けながら子育て・教育ができる環境の整備に取り組んできたと伺っております。 自治体の立地条件や産業構造、人口構成などが異なる北区と流山市ですが、子育て世帯というターゲットを明確にした上で、方針や方向性を定めて、それに合わせた施策を展開する点では同様でありますが、共働きというターゲットをより明確化して施策を展開することで、流山という自治体の訴求力を高める結果につながったものと認識をしております。 今後の改定作業の中で、より効果的なプロモーションにつながるターゲットについての詳細な分析と研究を行い、新しい方針に反映してまいります。 次に、シビックプライドの醸成についてお答えいたします。 まず、シビックプライドという言葉は、都市に対する市民の誇りという概念として使用されることが多い言葉でありますが、シビックプライドは、単に地域への愛着だけでなく、自分自身が関わって、まちをよくしていこうという当事者意識に基づく自負心であるという点で、自分の住むまちへの誇りや愛着や郷土愛とはニュアンスが異なるものと理解しています。 現在、区政を取り巻く環境は、地域課題の多様化や行政が担うべきサービスの複雑化など、行政だけでは解決が困難な課題が増加しています。こうした中で、シビックプライドを醸成することは、自らの住む北区への愛着と誇りを持つことに加えて、自らが住む北区のため、地域での活動に積極的に関わっていくことへとつながるものであり、このシティプロモーションを推進していく上で、欠かせないものであると考えております。 これから先、北区が暮らしやすいまち、魅力あるまちとして浸透していくためには、私たち行政が「区民とともに」の協働の精神の下、様々な課題の解決と、新たな魅力や価値の創出に積極的に取り組んだ上で、区民の心に響くプロモーションを推進することが必要であると認識しております。 その過程で、区民の北区へのシビックプライドを育み、区民としての一体感が生まれ、区民一人一人が我が事として主体的に地域活動に関わり、北区のよさを実感することで、北区ってよいまちだねと自然に語ってもらえることが理想であると思っています。 次に、北区の将来像についてお答えいたします。 北区の将来像については基本構想で定めており、ご承知のとおり、新しい基本構想の策定に向けて、昨年十月から審議会を設置し、検討を進めています。 新しい基本構想では、ご指摘いただきました王子駅周辺のまちづくりだけでなく、人口問題への取組、防災・減災対策、デジタル化の推進、脱炭素社会や多様性社会の実現などをはじめとするSDGsなど様々な課題に対応し、誰もが希望にあふれ、人やまちや未来が輝く将来像を描いていく必要があると考えています。 今年の七月頃には、中間まとめとして二〇四〇年頃を目標年次とした北区の将来像をお示しできる予定ですので、そうした機会を捉えて、私自身も様々な場面で、北区の未来について積極的に発信してまいります。 次に、シティプロモーションを推進するための組織の強化と外部人材の活用についてです。 区内外に向けて、北区の個性と魅力を戦略的・効果的に発信し、積極的なプロモーション活動に取り組むため、令和二年四月に担当課長を設置し、この間、東京北区渋沢栄一プロジェクトを中心に公民連携して、プロモーション活動を展開してきました。 北区のプロモーション活動は、その推進役である担当課長を中心に、観光やスポーツをはじめ、関連する団体や事業者、区民など様々な主体と各分野を所管する部や課とが連携・協力し、全庁を挙げて展開する必要があると考えています。 また、外部人材の活用については、シティプロモーションの一層の推進と関係機関との連携強化を図るという視点で、有効な手段の一つと考えています。北区のシティプロモーションの推進強化を図るため、今後の組織の在り方などを検討する中で、外部人材の活用についても検討してまいります。 次に、高齢者接種状況と高齢者施設の接種完了時期についてのうち、三回目接種の状況などについて、お答えをさせていただきます。 まず、二回目接種から六か月以上が経過した高齢者のうち、三回目接種を終えた方は、二月二十一日現在で約三万八千人となり、接種率では約四九%となります。また、高齢者への接種の進捗は、接種を希望する全ての高齢者が二月中に三回目接種を完了できる体制を確保しております。 さらに、三回目接種のペースアップが求められる中で、北区では、接種体制の確保と接種間隔の前倒しによって、ペースアップを図っています。接種間隔の前倒しについては、リスクの高い高齢者の方には、二回目の接種から六か月後になり次第、接種を可能としています。 一方、四十九歳以下の方には、二回目の接種から七か月後を基本としておりますが、区内介護、障害、保育、教育等施設のエッセンシャルワーカーの方には、六か月後に前倒しし、さらに、予約枠に余裕のあるモデルナ社製ワクチンについては、希望する全ての対象者に対して、接種間隔を六か月に前倒しするなど臨機応変な対応により、三回目接種を速やかに実施してまいります。 接種体制の確保については、初回接種と同様に、三つのワクチン接種センターと全ての区内の医療機関で行う北区方式で行い、各医療機関に最大限の接種枠を確保していただくことにより、国全体での一日百万回に匹敵する接種数を可能としております。 次に、高齢者施設や障害者施設の三回目接種の状況です。 区では、昨年十二月に、国が二回目接種から六か月後に前倒しする対象を高齢者施設の入所者等に拡大したことを受け、区内特別養護老人ホーム十一施設において、区が保有するワクチンを施設に届け、北区医師会や施設と協力連携して接種体制を確保し、入所者約千百人を対象に直ちに接種を開始しました。 現在、特別養護老人ホーム入所者のうち、三回目接種を終えた方は約千人、接種率は約九三%で、接種を希望する入所者への接種は、おおむね完了している状況です。 また、特別養護老人ホーム以外の高齢者施設に対しても、早期接種を要請するとともに、必要なワクチンを確実に提供することなどにより、早期接種を促進しています。 二月十四日現在、介護つき有料老人ホームでは約三三%、介護老人保健施設では約四四%、グループホームでは約四一%の入所者が接種を完了しており、その他の入所施設を含めると、約六一%の接種率となっています。これら施設における希望する入所者への接種完了見込みは、おおむね二月末頃と報告を受けています。 また、障害者施設のうち、介護が必要で一般の集団接種になじまない重度の障害者の方が通う生活介護施設については、初回接種と同様に、北区医師会や、区内医療機関との連携による施設の状況に応じた接種体制を確保しているところです。 今般、国が高齢者施設入所者の接種完了時期を二月中としたことを受け、施設に対しては、再度、早期接種を要請し、区としても必要な支援を行ってまいります。 次に、小児のコロナワクチン接種についてお答えいたします。 小児用ワクチンにつきましては、当面はワクチンの供給量が限られていることから、供給されたワクチンを全て接種できる体制を確保いたします。今後のワクチン供給量や予約の充足状況などを参考に、接種希望にかなう接種体制を構築してまいります。 具体的な体制としては、小児のワクチン接種についても、全ての接種を医療機関で行う北区方式は、これまでと同様です。ただし、小児への接種については、ご指摘のとおり様々な配慮が必要なため、東京北医療センターをはじめとした区内の小児科診療を標榜する医療機関を中心に体制を取り、接種時間帯を成人と分けるなどして、適切に実施してまいります。 一方で、小児のワクチン接種については、接種に関する努力義務が規定されていないことから、ワクチンの有効性や安全性など接種全般に関わる周知について、国が作成したリーフレットを有効に活用して、周知に努めてまいります。 また、多くの接種対象者が学齢期の小児であることから、接種に関してのいじめや差別の配慮は、大変重要だと考えています。教育委員会と連携しながら、学校教育の現場などにおいても理解の促進に努めてまいります。 接種体制の準備状況など、現在、出し得る情報をホームページに掲載すべきとのご指摘をいただきましたが、国の動向が不確定であったことから、特に小児接種のご案内については、やや慎重に対応してしまいましたが、今後は、広報の対象となる区民の方の指向やニーズに応じて、迅速な情報提供に努めてまいります。 なお、ホームページの運営に当たっては、各課長が管理者として区政情報の公開・更新等を行い、広報課長が運営責任者として管理運営及び区政情報公開の総括を行っています。 今後とも、北区ニュースやホームページ、LINE等のSNSを活用し、必要とする情報を迅速かつ的確に提供してまいります。さらに、区立小学校を通じて、学校一斉メールを活用した情報提供や、区内保育園に通う対象小児の保護者には、園から保護者への情報提供を予定しております。 努力義務が課されないこと、また副反応等にご不安のある保護者の方もいらっしゃることから、最終的な接種率等は予測できない状況ですが、こうした広報や情報提供を通じて、希望される方々が全て接種を受けていただけるよう努めてまいります。 次に、学校、保育園、幼稚園、子ども施設に従事している教職員等への優先接種についてです。 感染力の強いオミクロン株から子どもの育ち、学びの機会を守るために、まずは、子どもと関わる施設の従事者の感染予防が大切です。区では、一月下旬に二回目の接種から六か月を経過した介護・福祉サービス事業所従事者の優先接種を開始し、続いて二月九日からは、学校、保育園などの子どもの関連施設の従事者にも対象を広げ、ワクチン接種センターでの優先接種を実施しているところです。 今後、東京都も職域接種を開始し、様々な接種体制を整備するとしていますが、区としましても、引き続き区内の接種状況を勘案しながら、北区医師会や医療機関と連携し、エッセンシャルワーカーの優先接種体制を確保してまいります。 次に、北区新基本構想と大規模水害対策について、順次お答えをさせていただきます。 初めに、北区新基本構想のうち、二〇四〇年の人口についてお答えいたします。 昨年十月に取りまとめました北区人口推計調査報告書では、二〇四〇年の総人口は、三十六万五千八十七人となっています。総人口に対する二十歳から六十四歳の現役世代と言われる方の人口構成については、二〇二一年の六一・六%から、二〇四〇年には、微減の六一・二%、高齢者人口は二四・七%から、微減の二三・八%になっています。 また、北区における社会保障を支える現役世代と、六十五歳以上の高齢者世代の人口比率は、二〇二一年の二・四九から、二〇四〇年には二・五七に微増となっています。 人口推計における世帯推計では、各世帯における人員の年齢を算出しているものではありませんが、二〇二一年における単独世帯は十万八百七十五世帯であったのに対し、二〇四〇年には十万七千四十二世帯まで増加することから、ひとり暮らしの高齢者の割合についても、一定数増加するものと見込まれます。 次に、介護職の離職者への対応及び老老介護への支援についてお答えいたします。 介護人材の不足については、特別養護老人ホームの施設長会などで伺っており、区としましても重要な課題と認識しています。区では、介護人材の不足への対応として、介護事業所で従事したい方を対象にしたステップアップ研修の実施や、介護職員定着に向け、社会保険労務士の事業所への派遣などの取組を進めてまいりました。 今年度は、新たに介護職の離職者を対象として、介護の仕事の魅力を発信するPR動画を作成し、ホームページに掲載するなど、離職者の復帰について普及啓発を行い、介護人材を補う施策を展開してまいります。 老老介護で負担を感じている家族に対しては、高齢者あんしんセンターで相談に対応するなど支援を行っているところですが、地域包括ケア推進計画の基本方針である北区版地域包括ケアシステムの深化の中で、老老介護の家庭を地域全体で支え合うことができるように取組を進めてまいります。 次に、審議会で区民憲章と発言した背景や、区民憲章の制定についてお答えいたします。 基本構想に示した目標は、区民と区が協働して達成することを前提としており、このことも含め、基本構想は区民の憲章ともいうべきものと、現基本構想で明文化しております。この考え方については、新たな基本構想においても尊重していくという思いから、審議会で区民の憲章ともいうべきものと発言したところです。 個別の区民憲章制定については、現在考えておりませんが、基本構想に、これまでどおり区民憲章の考え方や役割を内包できるかについては、改めて検討してまいります。 次に、大規模水害対策についてのうち、堀船地区を流れる石神井川の諸問題についてお答えをいたします。 まず、工事の十分な地元説明と早期完成を東京都に求めることについてです。 石神井川流域の堀船地区で進めている王子第二ポンプ場の工事は、地中障害物除去等による施工効率の低下等により、完成が令和七年度になる見込みと東京都から聞いております。 また、高潮対策対象区間の石神井川護岸工事については、橋梁の架け替えとともに、鋭意工事を進めており、今後も着実に取り組んでいくと聞いております。 区といたしましては、東京都に対し、工事の進捗等、適宜、地域の皆様への丁寧な説明を申し入れるとともに、水害による被害軽減等を図るため、工事の早期完成を求めてまいります。 次に、石神井川の臭気対策についてです。 区では、これまでもしゅんせつ工事や湧水による散水のほか、出水期においても、水流発生装置を稼働させるなど様々な水質改善対策に取り組んでまいりました。 しかしながら、河川の水質に悪影響を及ぼす下水の流入や、潮の干満が河川の流れに影響する感潮区間であることなどから、石神井川の臭気については、根本的な対策には至っていないと認識しております。 引き続き、東京都ともに連携し、科学的な効果も含め、スカム発生の抑制効果が高い対策の確立に向けて取り組んでまいります。 次に、コミュニティ・タイムライン作成支援についてです。 令和四年度においては、北区として初めての取組になることから、まずは一地区を対象に実施したいと考えております。ご質問のとおり、堀船地区は近年、石神井川の溢水等で二度の浸水被害を受けたこと、また、令和元年台風十九号の際も、五百人を超える多くの方が堀船小学校に避難されたなど、住民の皆様の水害への意識がとても高いことから、対象としてふさわしいと考えております。 つきましては、当該地区の町会・自治会長の皆様のご意向を確認しながら、北区町会自治会連合会にもご相談の上、選定を進めてまいります。 なお、今回の取組では、住民の方々への災害意識調査の実施は予定しておりませんが、作成に当たっては、ご参加いただく町会・自治会の代表者、役員の皆様からの意見・要望を丁寧に伺いながら進めてまいります。 次に、堀船中学校の改築に伴う公共施設の複合化についてです。 堀船中学校の改築に当たっては、北区公共施設再配置方針に基づき、周辺公共施設等の集約化・複合化を検討した結果、温水プール、地域振興室及びふれあい館を合築することといたしました。現時点での想定では、学校と複合化する三施設の合計面積は、教育環境の整備や合築施設の充実などにより、一〇%程度規模が大きくなる見込みとなっています。 区民サービスの向上を図りつつ、このことが将来的に北区の財政を圧迫する要因とならないように、施設の多機能化や共用などによる一層の総床面積の縮小を検討するとともに、移転後の施設の活用や処分についても検討をしてまいります。 以上、お答え申し上げました。 いただきましたご意見、ご提言などを踏まえ、これからも区民生活の安定と向上のために、より一層の努力を重ねてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ◎教育長(清正浩靖教育長)  私からは、まず五期二十年花川区政を振り返り、未来を築く一年についてのご質問のうち、自宅で介護する側の支援について、ヤングケアラーの実態調査や研修等の実施についてお答えいたします。 国や東京都が令和二年に実施したヤングケアラーの実態に関する調査では、家族などの世話をしている子どもは、中学二年生が五・七%、高校二年生では四・一%になっています。 子ども家庭支援センターでの相談対応事例でも、保護者の傷病や仕事のために、子どもが家事や兄弟の世話をしている場合が見受けられますが、自分がヤングケアラーだと思っていることは、まれです。 こうした子どもたちの実態を把握することは必要であると考えており、今後、子ども・子育て支援計画や、教育ビジョンの改定の意識調査等の機会を捉え、ヤングケアラーの把握に努めてまいります。 また、現在も個別ケース対応の中で、学校や福祉の現場と連携を図りながら対応していますが、今後も、支援者がヤングケアラーの知識や共通理解が深まるよう研修を行ってまいります。さらに、校園長会、民生委員児童委員協議会、ケアマネジャーの会等で、東京都が今年度中に作成するパンフレットを活用し、説明を行う等、連携強化を図ってまいります。広く区民に向けても、現場で活躍するヤングケアラー協会の講師を招き、講演会を実施する予定です。 ヤングケアラーは、成長期の大切な時期に教育等の機会を逃し、子どもらしい生活を送れないなど、今後の子どもの生き方にも大きな影響を及ぼしかねないことから、先進自治体等の事例も参考に取組を行ってまいります。 次に、高校生までの医療費無償化についてお答えいたします。 高校生までの制度拡大については、東京都から一月の特別区長会臨時総会において、令和四年度中に区市町村のシステムを改修し、早ければ令和五年度から実施できるよう協議を進めたいとの報告があったところです。また、北区として実施に必要な経費は、およそ一億八千万円から二億円を見込んでいます。 次に、所得制限についてです。 子どもの医療費無償化は、子育て施策の中でも重要な施策の一つであり、区としては、高校生への拡大に当たっても、中学生までと同様に、所得制限を設けない方向で検討を進めたいと考えています。 東京都に対しては、引き続き、医療費無償化のための財源を確保するとともに、所得の制限を設けないよう特別区長会等を通じて要望してまいります。 なお、実施に向けては、医療機関の窓口で医療証を提示することで、現物給付が実現できるようシステムを改修するとともに、国民健康保険団体連合会や医療機関等との調整を図る必要があります。 今後、東京都との協議を進めながら、現行制度の切替えに要する期間を精査した上で、実施に向けたスケジュールを見定めてまいります。 次に、学校給食費補助制度の拡充についてです。 令和二年度から始めた学校給食費補助については、他区に先駆けて第二子から補助することとしており、他自治体でここまで補助の対象を広げているところは、まだ少ないと認識しています。今後とも、本制度による多子世帯への学校給食費負担軽減を着実に進めてまいります。 なお、現在の制度による区の負担は年間で二億円程度であり、学校給食費を全額補助した場合、区の負担は年間十億円程度になるものと推計しています。 次に、学校給食費への公会計制度の導入についてです。 学校給食費も含めた学校徴収金の公会計化につきましては、令和元年に文部科学省より、公会計化等の推進について通知が出されていますが、職員体制の整備や業務システムの導入、債権管理に係る区長部局との調整など、様々な課題も示されています。 来年度、教育振興部に設置する学び未来課において、こうした課題への対応なども含め、先進自治体の取組などを引き続き調査・研究してまいります。 次に、北区基本構想と大規模水害対策についてのご質問のうち、浸水地域の堀船中学校改築についてお答えいたします。 初めに、避難所機能の整備についてです。 区では、荒川氾濫を伴う水害が想定される際に、低地部にお住まいの方にはできるだけ遠くの高台への避難を推奨している一方、高台に避難するいとまがない場合には、近くにある堅牢な建物への垂直避難を可としています。 学校改築における防災拠点の整備については、北区立小・中学校整備方針において、体育館や武道場の災害時の避難所利用をはじめ、バリアフリー動線の確保や非常用発電設備の設置などを掲げるとともに、方針に記載のないその他の機能については、北区地域防災計画等に基づき、機能向上に努めることとしています。 これらのことから、堀船中学校改築に当たっての荒川氾濫を伴う水害に備えた対応については、今後、設計事業者選定における提案内容や地域、保護者、学校関係者などの参加によるワークショップでのご意見のほか、ご紹介の葛飾区の取組なども参考とさせていただきながら、区長部局と連携して検討を進めてまいりたいと考えています。 以上、お答え申し上げました。
    ◆二十三番(大島実議員)  大変ご丁寧なご回答をいただきまして、ありがとうございます。   (副議長退席、議長着席) 詳細については今後行われる予算特別委員会等でしていきたいと思いますので、今日のところは、再質問はございません。 大変ありがとうございました。以上で終わります。(拍手) ○議長(名取ひであき議員)  議長よりお諮りします。 正午を過ぎましたが、会議を続行したいと思います。よろしいでしょうか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(名取ひであき議員)  それでは、会議を続行します。 三十六番 大沢たかし議員。(拍手)   (三十六番 大沢たかし議員登壇) ◆三十六番(大沢たかし議員)  質問に先立ち、新型コロナウイルス発生以来、ウイルスとの闘いの最前線に立ち続けている医療・福祉現場の皆様方をはじめ、飲食店等における時短営業など、感染防止のため、多くの方々に献身的なご努力をいただいておりますことに深い敬意と、心から感謝を申し上げます。 また、オミクロン株の感染拡大により、まん延防止等重点措置適用は三十六都道府県が対象となり、東京都でも三月六日まで期間が延長され、厳しい状況が続き、区民の皆様には大変なご苦労とご不便をおかけしておりますが、引き続き、感染拡大防止のため、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。 それでは、自由民主党議員団を代表して、大きく四点、令和四年度予算編成方針について、組織改正について、デジタルトランスフォーメーション推進について、北区版子ども家庭条例について、花川区長と清正教育長に質問いたします。 まず初めに、令和四年度予算編成方針についてお伺いいたします。 本会議冒頭の花川区長の北区政執行の基本方針についての所信と令和四年度当初予算の大綱についてのご説明をお聞きして、北区を取り巻く状況と区政運営の基本的考え方から、改めて新型コロナの影響と、今まさに取り組むべき必要がある多くの課題の存在を強く認識いたしました。 また、当初予算の概要で政府の経済見通しでは、令和四年度は、消費回復や堅調な設備投資に牽引される形で、民需主導の自律的な成長が期待される一方、下振れのリスクや新型コロナによる内外経済への影響や、金融資本市場の動向等を注視する必要があるとしています。健全な財政運営は、安定した歳入とバランスの取れた歳出を維持することだと考えます。 ご説明の中で、予算規模は前年度比五・三%増、過去最大の規模とありました。国や東京都も同様に、過去最大規模の当初予算を組んでいます。このような状況下、北区の当初予算が過去最大となった要因の一つは、二月四日開会の企画総務委員会で報告された令和四年度都区財政調整交付金の規模によるものと認識しています。 二月の企画総務委員会では、市町村民税法人分が四〇・九%と大幅に増加したことなどにより、特別区全体の財調交付金は三年ぶりの増で、過去最大のものとなったとのことでした。 このため、北区の新年度の特別区交付金も前年度対比で六十九億円、一四・一%の増加と大幅な伸びを示しています。 あわせて、特別区税も企業業績の改善に伴う所得の伸びや納税義務者数の増加などにより、前年度対比で約十八億円、六・一%の増加と、やはりこれも大きな伸びを示しています。 そこで、お聞きします。 これは昨年の代表質問の際にも指摘しましたが、一昨年の令和二年にコロナ禍の影響が拡大し始めた頃に、今後の財政運営について、リーマンショック時を上回る減収となり、多額の財源不足が生じることに疑念の余地はなく、緊急的な財源対策を講じなければならないとの副区長名による依命通達が出されました。 そして、今年の予算である令和三年度当初予算は、特別区税、特別区交付金ともに前年度対比で減収となり、一般会計総額でも前年度対比一・一%の減額となりました。 そこから一転して、令和四年度の一般会計当初予算は五・三%の増額、過去最高のものとなりましたが、このことについて、区長はどのようにその要因を分析しているのでしょうか。 コロナ禍の影響が拡大する前も、地方法人課税の見直しなどによる財調交付金への影響が懸念されていました。しかし、現時点で大幅な増収となった特別区税や特別区交付金について、区長はその原因はどこにあるのか、そして、次年度以降はどのような推移をたどると推計されているのかをお聞きいたします。 現時点でこのような分析をしておくことは、予算の概要で説明されている緊急的な財源対策事業の再開等をはじめとした今後の事業の展開と継続性を判断するに際しては重要な材料となり、必須のことであると考えます。 また、義務的経費は前年度に引き続き、予算規模における構成比五〇%を超えており、繰出金を含めた実質的な義務的経費の構成比は六〇%を超える状況となっています。 さらに、投資的経費は、十条駅西口市街地再開発促進事業費や特別養護老人ホーム等大規模改修事業費の増などにより、約一億円の増額となり、今後も将来的な増加が見込まれる状況です。 昨年の決算特別委員会で審議された令和二年度の決算では、扶助費の年々の増加傾向などにより、一時は改善されつつあった経常収支比率は前年度より四ポイント悪化し、八七%となり、財政の硬直化が顕著に表れました。 このままの状態が続くと、今後の高齢化の進展などに伴う財政需要の増加が予想される中、財政運営の余裕、余力がなくなり、財政の硬直化を招き、新たな施策に対する余地、余力が少なくなることは避けられないと思われます。区当局のこれまでの様々な努力があったことは評価いたします。 今後も健全な財政運営を維持していくために、財源確保対策をはじめとして、北区を取り巻く現状をどのように分析し、評価をするとともに、今後の北区の財政を取り巻く環境をどのように推測をして、そして、どのような考え方、方針に基づいて予算を編成したのでしょうか。 オミクロン株による感染拡大が続いている中、ウィズコロナからアフターコロナへと変遷する状況に対応しつつ、持続可能な区政を運営するために、北区をどのような方向に導いていこうとされているのか、区長の力強いお考えをお示しください。 次に、特定目的基金への積立てについてお伺いいたします。 特定目的基金への積立ては、令和二年度、令和三年度の当初予算では積立てができない状態が続きましたが、令和三年度一般会計補正予算第九号で約四十億円、令和四年度当初予算では、今後の行政需要等を勘案し、施設建設基金、まちづくり基金、学校改築等基金に各十億円積み立てたことについては一定の評価をいたします。 また、これまで積み立てた基金を活用し、西が丘小学校などの改築や(仮称)都の北学園の建設、滝野川第四小学校などのリノベーション事業に学校改築等基金を約十三億円、十条駅西口市街地再開発促進事業や鉄道付属街路の用地取得に伴う北区土地開発公社への貸付金等にまちづくり基金を約二十一億円活用するとお聞きします。 今後も、学校改築等は需要が続き、これからのまちづくりや施設建設には多額の経費を必要とする事業が続きます。今回の特定目的基金への積立ての考え方と基金を充当する予定の各事業の今後の進捗状況との関係、そして、まちづくり基金の積立てについて、今回の積立て分から、十条のまちづくり分という表現がなくなっている理由について、併せてお伺いいたします。 次に、組織改正についてお伺いいたします。 令和四年度の組織改正は、多肢にわたる規模の大きい改正であると認識しています。特に、条例改正も絡む案件が二件、健康福祉部と北区保健所の再編は組織条例の改正に、そして、技監の設置は、職員定数・給与条例の改正などにも絡み、そのほかにも、まちづくり部関係の地区別担当制から事業別担当制への移行と駅周辺のまちづくり推進に向けた体制強化に伴う再編、教育振興部における担当部長の廃止と課の新設などであり、今回の組織改正は、区が課題と捉えていた事案の解決に向けた積極的な組織改正と評価いたします。 この中で、条例改正も絡んだ健康福祉部と北区保健所の再編及び技監の設置の二点について、区長の見解をお伺いいたします。 健康福祉部の見直しは、北区経営改革プラン2015において改革項目に位置づけられ、北区経営改革プラン2020にも引き継がれ、これまでも常に課題となり、過去にも幾度か改正が繰り返されてきた案件と認識しています。 今回、このタイミングで組織の再編を行い、福祉部と健康部を設置する目的と、その方向性をお伺いいたします。また、再編により、今後の区の保健、医療分野にどのような効果が期待できるのか見解をお伺いいたします。 健康福祉部は、平成十四年度に健康づくりと福祉施策の一元的な企画・立案体制の確立及び区民の生涯を通じた健康づくりと介護予防の一体的推進を目指し設置したと仄聞します。 人生百年時代の到来や地域包括ケアシステムの構築などを考えると、福祉と保健、医療との連携は今後ますます重要になると考えられます。今回の健康福祉部の組織改正の課題をどう捉え、どう課題解決を図るのか見解をお伺いいたします。 区内医療体制の充実や感染症をはじめとする健康危機管理体制の強化が求められ、そして、国による権限強化も検討が取り沙汰されている中で、専門的知見を有する医療職を確実に確保するとともに、各自治体の権利や実情に応じた保健、医療政策への関わりを一層高め、保健、医療分野の施策を効果的、効率的に推進することは今後ますます重要なことになります。 一方、人生百年時代の到来に的確に対応するとともに、地域包括ケアシステムの構築を推進するためには、福祉と保健、医療の連携は今後さらに重要性を増します。福祉部と健康部のさらなる連携強化を図り、区民福祉の向上にさらなる尽力をお願いいたします。区長の見解をお伺いいたします。 次に、技監の設置及びまちづくり部再編についてお伺いいたします。 技監の設置は、区長、副区長の補佐機能と併せて、北区都市計画マスタープラン2020の着実な推進と駅周辺のまちづくり推進に向けた体制強化の一環と捉えていますが、改めて令和四年度から技監を設置する理由と、その具体的な目的と期間をお示しください。 さらに、技監は鉄道駅関連プロジェクト担当部長も兼ねると仄聞しています。どのような経歴や技術、能力、実績を備えた人材を想定しているのか、それについても併せてお伺いいたします。 まちづくり部の組織改正の中で、都市拠点デザイン担当部長と鉄道駅関連プロジェクト担当部長は、ともに駅周辺のまちづくりに関わることになると思います。北区においても、赤羽、王子、東十条周辺をはじめとして、早急に検討し、そして、早急に事業着手を図るべき案件が山積しているものと認識しています。 それぞれの担当部長の役割分担をどう考えているのか、また、二つの部門が関わることの課題と、新たに設置する技監と担当部長による各担当部間の円滑な連携を図るため、どのように工夫していくのか、現時点でのお考えがあれば、併せてお伺いいたします。 まちづくり部門と土木部門の高度な技術的な知見を有している技監と緻密な連携のもと、赤羽、王子、東十条をはじめ、駅周辺のまちづくりの一層の進捗が図れるよう、一丸となって取り組んでいただき、また、まちづくり部門及び土木部門に関わる若手職員の育成についても助言をいただくなど、職員育成面での効果も期待したいと考えていますが、区長の見解を併せてお示しください。 次に、デジタルトランスフォーメーション推進についてお伺いいたします。 北区は、情報通信技術の発達や国の電子自治体推進の動きに対応して情報化を進めるため、平成二十七年に北区情報化基本計画2015を策定してから、十年の計画期間のうち五年が経過した時点で、スマートフォンなどのモバイル通信やSNSなどの日常の生活への浸透やクラウドコンピューティングの発達、IoTの進展、AI技術の進歩など情報通信技術はそれまで以上に急激に進展し、一方で、ホームページ改ざんや標的型攻撃など情報セキュリティに対する脅威が増大していました。 さらに、東日本大震災時に発生した電子メールやインターネットの不達や障害、情報システム及びデータの消失、また、北海道胆振東部地震の際の大規模停電の発生など、大規模災害発生時への対策を求められていました。 国では、情報システムのクラウド化やオープンデータ、社会保障・税番号制度「マイナンバー制度」が推進されるなど、ICTを取り巻く環境は大きく変化し、さらに、政策を立案する際にも、保有する情報を十分に活用していくことが一層求められてきました。 このような五年間の情報通信技術の急激な進展や情報セキュリティに対する脅威の増大、データの政策への活用度合いは計画策定時の想定を超えるものでありました。 このような状況を踏まえ、北区として、情報化に関わる様々な課題に的確に対応するため、情報通信技術の急激な進展や国の施策の動向などの環境変化などを多角的、多面的な視点から分析し、情報化基本計画を改定して、北区情報化基本計画2020を策定しました。 まずは策定の目的と現在までの進捗状況をお示しください。あわせて、計画策定後に新たに現出された課題などがあれば、お示しください。 政府において決定されたデジタル・ガバメント実行計画における自治体の情報システムの標準化、共通化など、デジタル社会構築に向けた各施策を効果的に実行していくために、国が主導的に役割を果たしつつ、自治体全体として足並みをそろえて取り組んでいく必要があるため、総務省は、デジタル・ガバメント実行計画における自治体関連の各施策について、自治体が重点的に取り組むべき事項、内容を具体化するとともに、総務省及び関係省庁による支援策等を取りまとめ、デジタル社会の構築に向けた取組を全自治体において着実に進めていくため、令和二年十二月に自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画を策定しました。 北区におけるデジタルトランスフォーメーションの推進についても、北区版デジタル・トランスフォーメーション推進方針を自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画の重要取組事項を中心に策定していくものと思われます。その中にCIO補佐官の登用がありますが、区当局の考えるCIO補佐官とはどのような人物像で、どのような役割を果たすのか、組織体制の整備や職員の育成はどのように考えているのか、また、これから取り組む北区におけるデジタルトランスフォーメーション推進の課題や北区情報化基本計画2020との関連性をどのようにするのか、併せてお示しください。 また、あわせて、令和四年度当初予算には、デジタル化の推進について、GIGAスクール構想の推進をはじめとして、約十七億円の予算が計上されています。これまでも、北区において計画的にデジタル化について事業を推進してきたものと評価いたしますが、日本全体がガラパゴス化しているとやゆされる環境下、自治体においても、今後、早急にデジタルトランスフォーメーション化を進めることに努めることにより、業務能率の向上、ひいては生産性の向上を図る必要があると考えますが、現在の北区のデジタルトランスフォーメーション化はどのような途上にあり、新年度に計上されたデジタルトランスフォーメーション化の予算を執行することにより、どの程度進捗が図られると区長はお考えなのか、先ほどお聞きした北区情報化基本計画2020に関する質問と重複する部分もありますが、改めてお伺いいたします。お答えください。 次に、北区版子ども家庭条例についてお伺いいたします。 一般的に、子どもに関する条例には、非行対策や有害な環境からの保護を目的とした健全育成型、子育てに不安を持つ親などの支援など子育て施策の推進を目的にした子育て支援型、子どもの権利の保障を目的とした子どもの権利型の三つのタイプがあります。 また、子どもの権利型条例には、子どもの権利の理念や子どもの施策の方向性を定めた宣言・理念型、子どもの権利侵害に対する相談、救済など、個別の課題に対応した個別型、子どもの権利の理念、計画策定や普及啓発などの施策、相談・救済制度、施策検証制度など、子どもの権利保障や子ども施策を総合的に定めた総合型があります。 昨年第三回定例会において、我が会派の石川議員から代表質問で北区版子ども条例の制定を求めました。 東京都は、昨年四月に自民党や公明党などの共同提案により、東京都こども基本条例を制定しました。その後、複数の区でも、子どもの権利条例を制定する動きがあると聞いています。 北区では、これまで花川区長が先頭に立ち、「子育てするなら北区が一番」を掲げ、様々な子育て施策を推進してきました。この際、その姿勢や施策を条例として明文化し、子どもたちが誰一人取り残されることなく、将来への希望を持って伸び伸びと健やかに育っていく環境を整備していくことを、将来にわたる確固たる具体的な目標として示していく必要があると考えます。 北区の条例制定の目的は、大人が果たすべき役割を明確にし、子どもの権利を守っていくこと、将来にわたって子どもの権利について普及・啓発を行い、家庭、地域、学校などの中で、きちんとした理念のもとに子どもを育成することができるようにすることだと思います。 そのため、北区が制定を目指す子ども条例は、健全育成型、子育て支援型、子どもの権利総合型、全ての内容を盛り込んだ、今後、区が実施する子ども施策全ての基本となる条例が望ましいと考えます。 令和五年度に、子ども施策の司令塔となる新たな組織、こども家庭庁が創設されます。そのため、名称についても、子ども家庭条例としていただくようにお願いいたします。 昨年の答弁では、区長及び教育長から、制定に向けて検討を進めるとの前向きな答弁がありましたが、その後の協議、検討の進捗状況はどのようになっているのかお示しください。また、検討の際に明らかになった他の自治体の状況やその課題などがあれば、併せてお示しください。 子どものための環境整備は、このところ毎年の新生児の出生数が過去最低を更新している状況においては、行政と家庭、地域、学校、民間事業者など全ての区民が一体となって取り組むべき課題であり、国における子ども基本法や新たな官庁設置などの検討状況も踏まえながら、様々な見地から幅広い検討を行った上で、北区としての特徴を生かした条例の制定が望ましいと考えます。現時点での具体的なお考えがあれば、お聞かせください。 以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)   (花川與惣太区長登壇) ◎区長(花川與惣太区長)  ただいま自由民主党議員団を代表して、大沢たかし議員から、令和四年度予算編成についてをはじめ、組織改正についてやデジタルトランスフォーメーション推進について、さらには、北区版子ども家庭条例についてまで、区政の広範な分野にわたり、大変貴重なご意見、ご提言を頂戴いたしました。誠にありがとうございました。 それでは、順次お答えを申し上げます。 初めに、令和四年度の予算編成についてのご質問に順次お答えいたします。 まず、令和三年度から一転して、令和四年度の特別区税や特別区交付金が大幅に増加した要因などについてです。 令和三年度は、都区財政調整フレームや、国や東京都の各種統計に基づき、さらに新型コロナの影響も考慮しつつ、一般財源収入を見込んだところです。 しかしながら、新型コロナのワクチン接種が進んだ海外を中心に、経済活動への制限が緩和され、景気回復が鮮明となってきました。その後、日本においてもワクチン接種が進み、感染拡大の落ち着きに伴い、緊急事態宣言が解除され、コロナ禍で抑制されてきた経済活動が本格再開されたことにより、企業業績が回復し、さらに、個人消費が伸びたことなどにより、歳入が大幅に増加したものと捉えております。また、令和四年度も同様の傾向が続くものと考えています。 次に、翌年度以降の歳入見通しについてです。 令和四年度の政府経済見通しでは、新型コロナの感染拡大が落ち着き、経済活動が本格再開することを前提に、過去最高の税収となることが見込まれています。 しかしながら、現段階において、新型コロナウイルスの感染収束の見通しは立たず、海外経済の動向など、様々な景気変動のリスクがあると認識しています。 こうした中、北区人口推計報告に基づけば、当面、人口増加の傾向が続くため、ふるさと納税を含めた寄附金税額控除による区民税の減収があるものの、区民税収入の一定の伸びは期待できるものと考えます。 また、法人税関係では、日本経済のみならず、海外経済、金融資本市場の変動や税制改正など、様々な要因により景気は変動し、それに合わせて税収の変動も生じてきます。 このため、翌年度以降の法人税収入の動向を見通すことは困難ですが、引き続き、社会経済情勢の把握に努め、適切な予算を編成してまいります。 次に、北区を取り巻く財政環境をどのように捉え、予算を編成したかについてです。 区財政は、景気変動の影響を受けやすい歳入構造にあり、加えて、税制改正により、一般財源総額の確保に難しさを抱えています。 歳出では、今後も社会保障費は漸増傾向を示し、公共施設等の更新需要も控える中、SDGsの取組やデジタル化の推進など、新たな行政課題への対応も的確に進めていかなければならず、今後も財政規模の拡大傾向が続くことが想定されます。また、区民ニーズは多様化し、区政への期待や要望が高まっていくことが考えられます。 このような財政環境の中、令和四年度予算では、ふるさと北区の実現に向け、コロナを克服して、未来へ飛躍するための積極的な予算を編成しました。 まず、コロナ対策では、医療提供体制や検査体制を確保するとともに、追加のワクチン接種も北区医師会との緊密な連携のもと、着実に進めてまいります。 また、自宅療養者への健康観察や医療行為が必要な方への医師による往診など、万全な支援を講じてまいります。 さらに、民間の福祉事業所や医療機関等を対象に、区独自の給付を行い、事業所等の感染症対策の取組を積極的に支援してまいります。 その一方で、アフターコロナを見据え、昨年六月に表明した北区ゼロカーボンシティ宣言を踏まえた対応のほか、多様性社会の推進、生活困窮者への対策など、SDGsなどの取組を積極的に推進していきます。 加えて、区議会の要望等を踏まえ、区民福祉の充実や区民サービスの向上に資する新規事業の構築やレベルアップを図るとともに、活力あふれる持続可能なまち北区を創造するため、駅周辺のまちづくりについても、着実に取組を進める予算としています。 また、計画事業実現に向けた備えとして、特定目的基金への積立てもしっかり行い、持続可能な行財政システムの一層の確立に努めてまいります。 次に、特定目的基金への積立てについてです。 まず、令和三年度二月補正予算と令和四年度当初予算における特定目的基金への積立ての考え方などについてです。 北区では、多額の経費を要する計画事業を実現するため、事業の進捗などを踏まえ、学校改築、新庁舎建設や駅周辺のまちづくりなど、特定目的基金への積立てを継続的に行ってまいりましたが、ここ二年間、当初予算において、積立てを行うことができませんでした。 こうした中、企業業績の回復等による歳入の増加を踏まえ、補正予算と当初予算により、今後の行政需要等を勘案し、積立てを行います。 学校改築等基金は、今後も学校改築等の需要を控えていることから二十億円を、施設建設基金については三十億円を積み立て、うち二十億円を新庁舎建設分としています。 新庁舎の建設に関しては、用地取得費に加え、建設費も相当程度の経費負担が想定され、さらに、北とぴあ大規模改修工事や児童相談所等の整備も見据え、対応を図っていきます。 また、まちづくり基金については、十条駅周辺のみならず、今後、赤羽駅や王子駅周辺まちづくりについても、関係機関などと連携・協力し、事業を進めていくことから、一定額を積み立てることとしています。 次に、十条まちづくり分という表記がなくなった理由についてです。 まちづくり基金については、十条駅周辺のまちづくりをしっかりと進めるべく、当該基金の中に、十条まちづくり分として、平成二十年度予算から積立てを行ってきました。 現在、十条駅西口市街地再開発事業の進捗に加え、連続立体交差に伴う鉄道付属街路事業が動き始めており、国や東京都の特定財源のほか、基金を財源に事業を進捗させていますが、今後、赤羽駅や王子駅周辺まちづくりもプロジェクトが表面化し、相応の歳出が伴うことが想定されます。 このため、まちづくり基金については、これまで十条まちづくり分として積み立てた基金は、今後も様々な十条のまちづくり事業に活用することを前提としつつ、区全体のまちづくり事業の財源として残高を確保し、駅周辺まちづくり事業やインフラ整備事業等にも活用してまいります。 次に、組織改正についてお答えをいたします。 初めに、健康福祉部と北区保健所の再編についてです。 今回の組織改正は、高齢化の進展により、福祉分野の需要が増加し続ける中で、健康寿命を延伸するために必要な生活習慣病予防など、幅広い世代を意識した健康・予防事業の積極的な展開が求められること、加えて、高齢化の進展を踏まえた在宅医療体制や病床機能の整備等の地域医療提供体制についても充実を図る必要があることを踏まえ、医療職の専門的な知見を生かして、区の健康施策の充実を図るための組織改正となっています。 再編による保健・医療分野における効果としては、健康寿命の延伸にもつながる食生活改善、運動習慣の浸透など、効果的な健康増進施策の展開や、精神保健分野における精神障害者の地域生活支援のための取組の推進、また、感染症をはじめとする健康危機に迅速かつ的確に対応できる体制の構築とともに、保健師等の健康施策の立案能力や健康危機管理への対応能力の向上など、保健医療に携わる専門職種の人材育成を促進するものと考えています。 一方、健康福祉部を福祉部と健康部に再編することで、それぞれの専門性や機動性は高めることができますが、健康福祉部として築いてきた福祉と医療の連携も継承、発展させていかなければならないと考えております。 組織改正に当たっては、これまでの健康福祉部としての取組の経緯を踏まえ、福祉部と健康部の連携を組織規程に明示し、具体的には健康福祉部長、保健所長が関わってきた会議体については、福祉部長、健康部長として関わりを継承するほか、事業執行計画立案などについて、両部の部課長を構成員とする会議体を設けるなど、様々な機会を捉えて、強固な連携、協力体制を構築してまいります。 北区では、平成十四年度に健康づくりと福祉施策の一元的な企画立案体制の確立などを目指して健康福祉部を創設し、その後、数次にわたる組織改正を交えながら、福祉と医療の連携、特に介護と医療の連携を推進し、地域包括ケアシステムなどの構築を進めてきました。 現在、要介護者だけでなく、障害児や障害者、医療的ケア児なども含めた幅広い支援の必要性が認識される中で、これを発展させた地域医療連携として取組を進めているところですが、取組のさらなる充実、発展を目指し、私のリーダーシップのもと、福祉部と健康部を両輪としてしっかりと機能させ、区民福祉の向上に尽力してまいります。 次に、技監の設置及びまちづくり部の再編についてです。 初めに、技監の設置理由とその具体的な目的、期間についてです。 北区都市計画マスタープラン2020では、赤羽、十条・東十条、王子、田端の各駅周辺を北区の将来都市像や都市づくりを牽引する都市中心拠点に位置づけ、駅周辺のまちづくりと快適な移動環境の整備により、利便性の高いにぎわいの拠点を形成する方針としております。 この方針に基づき、王子駅周辺では、新庁舎建設を契機として、まちの特性や地域の課題に対応した計画的なまちづくりを誘導していくため、王子駅周辺まちづくりガイドラインの策定を進めており、駅の改良をはじめ、駅前広場等の都市施設の整備や民間開発の誘導など、大規模で多岐にわたる課題を抱えております。 また、東十条駅周辺では、十条跨線橋の架け替えや南口のバリアフリー化等が喫緊の課題となっており、両駅とも早期の事業化が求められております。 このような状況の中、本格化する駅周辺のまちづくりを一層推進するためには、国や東京都及び鉄道事業者をはじめ、関係機関との極めて困難かつ高度な折衝や調整が不可欠であり、区の政策方針のもと、高度な技術的見地から私を補佐し、全庁的な視点で業務を遂行する技監を設置することといたしました。 設置期間については、今後のまちづくり事業の進捗に応じて判断してまいりたいと考えております。 次に、技監の人材の想定についてです。 技監には、駅周辺まちづくりにおける鉄道駅の整備に関する技術や経験などの知見を有するとともに、当該分野についての調整能力を期待しており、主に鉄道駅関連の業務を所掌することになります。所掌する業務にふさわしい人材の選出を国土交通省に依頼しているところです。 次に、担当部長の役割分担についてです。 都市拠点デザイン担当部長は、王子駅や東十条駅周辺等の拠点形成に向け、まちづくりビジョンや具体的な計画をデザインし、推進する業務を所掌します。 鉄道駅関連プロジェクト担当部長は、当該計画の推進施策の一つである鉄道駅に関する施策を専門かつ集中的に所掌するものとし、技監に兼務させる予定としております。 次に、担当二部が関わることの課題及び技監と両部間の連携についてです。 両部の再編に当たっては、効率的な事業推進を図るため、選択と集中の観点から、適切な役割分担と密接な連携を基本に、業務の結節性を高め、相乗効果を発揮させることが重要と考えています。 技監は、高度な技術的見地から区の都市政策分野の最重要課題の一翼を担う職であり、機動的なマネジメント、助言、指導により、両部をはじめ、まちづくりに関係する部署間の円滑な業務推進を図る予定です。 次に、職員育成面での効果についてです。 技監は、区の行政レベルとは異なったスケールでの業務経験を通じて、幅広い視野や政策立案能力、調整に関するノウハウなど、専門性の高い技術やスキルを有するものと考えており、業務遂行過程におけるマネジメントや助言、指導は、職員の意識改革やスキルアップにもつながる有意義なものと期待しております。 区といたしましては、今回の技監の設置及び組織再編を契機に、本格化する鉄道駅周辺のまちづくりに全庁一丸となって取り組んでまいります。 次に、デジタルトランスフォーメーション推進について、順次、お答えいたします。 初めに、北区情報化基本計画2020の策定の目的と現在までの進捗状況について及び計画策定後に新たに現出された課題についてです。 北区情報化基本計画2020は、北区における情報化推進施策の基本方針を明確にし、具体的な情報施策を総合的、体系的に推進するため策定しました。 区民や様々な活動を展開する団体、企業などを対象とした地域の情報化と電子自治体の実現を目指す行政の情報化を対象とする総合的な計画として策定し、この計画に沿って、各種施策を実施してまいりました。 重点プロジェクトとして位置づけた施策のうち、マイナポータルによるワンストップサービスの活用では、令和元年六月から、子育てワンストップサービスを活用し、児童手当などの電子申請の受付を実施しております。 令和二年度には、特別定額給付金の申請を受付しました。電子納付の拡充では、令和三年十月から、住民税、軽自動車税、国民健康保険料、介護保険料について、LINEPayなどのキャッシュレス決済を導入しました。 また、働き方改革に合わせたBPRの推進では、今年度、保育課と子ども環境応援担当課における業務改革に取り組んでおります。 さらに、オープンデータの推進では、北区ホームページ上に、北区オープンデータサイトを公開しています。 これらの施策を実施したことにより、計画の目的である行政の情報化、地域の情報化に一定の成果を上げたと認識しています。 計画策定後の新たな課題につきましては、令和二年十二月、国において策定された自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画の重点取組事項などとして、自治体情報システムの標準化・共通化、AI・RPAの利用推進、デジタルディバイド対策などが示されており、北区においても、これらを新たな課題と捉えています。 次に、CIO補佐官の人物像と役割についてです。 国が公開した自治体DX推進手順書では、CIO補佐官に求めるスキルや任用形態が示されています。 北区においても、これらを参考に、国や地方自治体でCIO補佐官などの業務経験があり、スキルのある方、さらには、行政の仕事に精通している方の採用を検討してまいりました。 令和三年十二月から令和四年一月までの一か月間、北区ニュース、北区ホームページで公募したところ、複数名からの応募があり、その中から、総務省地域情報化アドバイザーを務め、デジタルトランスフォーメーションに関する研修講師などの経験が豊富な方を内定いたしました。 役割については、北区版デジタル・トランスフォーメーション推進方針策定への提言、助言、職員を対象とした研修の講師、さらに、具体的な施策へのアドバイスなど、これまでの豊富な経験、幅広い知見を生かした力強いサポートを求めてまいります。 次に、組織体制の整備や職員の育成についてです。 まず、現在の組織体制については、令和二年度に情報政策課に設置したICT戦略部門を中心として、全庁で横断的な連携を図りながら、デジタルトランスフォーメーションに取り組んでいます。 取組を加速化させるため、組織の強化は重要な視点と考えておりますので、北区版デジタル・トランスフォーメーション推進方針の中で、組織の再編も含め、十分検討してまいります。 職員の育成については、内部研修として、課内ベテラン職員による業務研修でスキルアップを図るほか、外部機関が実施する専門研修へ参加することで、人材育成に取り組んでおります。 さらに、国が公開した自治体DX推進手順書では、人材育成の手法として、自治大学校や地方公共団体情報システム機構などの様々な機関において実施されている専門研修を受講させることが望ましいとされておりますので、今後とも、職員の積極的な研修参加を促すとともに、研修に参加できる職場環境の整備にも努め、職員のスキルアップ、人材育成に取り組んでまいります。 次に、これから取り組むデジタルトランスフォーメーション推進の課題と、北区情報化基本計画2020との関連性についてです。 国が公開した自治体DX推進手順書では、ステップ0として、デジタルトランスフォーメーションの認識共有、機運醸成が重要であるとされ、まずは、自治体の全職員が基礎的な共通理解を形成することが不可欠であると示されています。 現在、北区において、デジタルトランスフォーメーションを推進した先の明確なビジョンが定められていないことが課題であると捉えております。 このことから、令和四年度には、北区版デジタル・トランスフォーメーション推進方針を策定し、職員はもちろん、区民の皆様にも、将来の北区のビジョンを共有していただけるよう、方針策定に取り組んでまいります。 推進方針には、国が策定した推進計画の重点取組事項についても、工程表として掲載する予定です。 北区情報化基本計画2020については、推進方針と密にリンクするものと捉えておりますので、改定時期を待つことなく、デジタルトランスフォーメーション推進に資する事業については追加するなど、必要に応じて更新をしてまいります。 次に、北区のデジタルトランスフォーメーション化の途上についてと、新年度のデジタルトランスフォーメーション化の予算執行による進捗についてです。 北区では、北区情報化基本計画2020の事業に取り組んできたことで、一定程度、デジタルトランスフォーメーションの推進が図られたものと捉えております。 しかしながら、さらなる業務効率化や区民の利便性向上のためには、今後さらに施策の展開が必要と考えております。 このことから、令和四年度は、CIO補佐官の登用、RPAの本格導入、AIチャットボットの構築、マイナポイント支援窓口の設置など、デジタルトランスフォーメーションの推進に資する事業を積極的に展開することで、着実に業務の効率化、生産性の向上、区民の利便性の向上を図れるものと考えております。 次に、北区版子ども家庭条例における協議、検討の進捗状況についてお答えいたします。 現在、新たな基本構想の策定に向けて、区議会からの選出議員をはじめ、公募による区民や各種関係団体、学識経験者により構成する審議会を開催しています。 先日、施策別の課題を検討する部会において、子ども・子育てや教育に関する議論が行われました。その中では、各委員より、子どもの権利条約や貧困、ヤングケアラーへの支援のほか、社会的養護の取組など、子どもたち一人一人が自分らしく暮らし、周囲に理解されながら育っていくことの重要性などについて議論がありました。 また、行政だけでは対応できない課題に対して、地域活動やNPOなどによる役割分担や支援などの必要性についても提言があったほか、親や大人の視点だけでなく、子どもの視点で検討することも必要ではないかという指摘もありました。 条例の制定に当たって、先行自治体においては、宣言・理念型や総合型などの条例の類型をどのようにするかという点でも様々な議論があったと聞いております。 北区においても、引き続き、先行自治体の状況の把握に努めるとともに、今後の基本構想の策定に向けた議論を踏まえて、教育委員会とも連携をして、条例制定に向けた検討を進めてまいります。 以上、お答え申し上げました。 これからも区政運営に全力を傾注し、より一層、安全・安心で区民に期待される北区を目指して、創意工夫と努力を重ねてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ◎教育長(清正浩靖教育長)  私からは、北区版子ども家庭条例について、現時点での考え方をお答えいたします。 北区においては、これまで児童の権利に関する条約の基本的な理念を北区教育・子ども大綱や北区子ども・子育て支援計画などに反映してきたところですが、昨年四月に東京都の子ども基本条例が制定され、また七月には江戸川区が、さらに本年は中野区が現在開催中の区議会において審議中と伺っており、周辺においても、子どもに関する条例を制定する機運が高まっていると感じているところです。 北区としては、こうした状況も踏まえ、子ども・子育て会議において、条例制定に関するご意見を伺うとともに、先行事例の調査等も行ってきましたが、令和四年度から、条例制定に向けた具体的な検討に着手してまいります。 また、今後の検討の進め方については、子ども・子育て会議においてご意見をいただいた上で、第二回定例会を目途に、改めて詳細を報告させていただきます。 条例の検討に当たっては、児童の権利に関する条約の理念を基本としながら、子どもを取り巻く今日的な課題について、行政と家庭、地域、学校、民間事業者など、全ての区民が一体となって、子どもの最善の利益につながる環境を総合的、継続的に整備していくための条例を念頭に検討したいと考えているところです。 また、国における子ども基本法や新たな省庁設置などの動向を踏まえながら、今後、北区が設置する児童相談所などの新たな施策も念頭に置いて、様々な見地から幅広いご意見をいただくとともに、当事者である子どもたちの声を条例に反映するための方策を検討してまいります。 北区の特色については、その一つとして、乳幼児期から学齢期までの一貫した取組を教育委員会に一元化している点があり、両部門が連携して、多角的な視点で意見集約を行う過程において、北区の地域性を生かし、関連施策をさらに推進するための北区らしい条例といった観点から検討を加えていきたいと考えています。 以上、お答え申し上げました。 ◆三十六番(大沢たかし議員)  再質問はいたしません。この後開会される予算特別委員会で質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 以上で終わります。ありがとうございました。 ○議長(名取ひであき議員)  議事の都合により休憩します。 再開は、午後二時五分です。よろしくお願いします。   午後一時二分休憩-----------------------------------   午後二時五分開議 ○議長(名取ひであき議員)  休憩前に引き続き会議を再開します。 質問を続けます。 十七番 野々山 研議員。(拍手)   (十七番 野々山 研議員登壇) ◆十七番(野々山研議員)  私は日本共産党北区議員団を代表して、大きく二点質問します。 大きな一つ目に、財政調整基金のさらなる活用で、新型コロナから命、暮らし、営業を守る支援を強化することについてです。 初めに、新年度予算案の特徴について伺います。 区が示した予算案は、コロナ禍の下でも、特別区税、特別区交付金が大幅な増収となり、当初予算としては過去最大規模となりました。民間福祉事業所や医療機関等への区独自の支援などは積極的と評価しますが、新型コロナを克服する積極的予算と位置づけるならば、積み上がった財政調整基金をさらに、暮らし、営業の支援に活用する余地があるのではないでしょうか。 今年度、当初予算では財調基金を約七十八億円活用するとしていましたが、実際の取崩しは約三十六億円、さらに最終補正では約四十八億円を積み戻したので、財調基金の残高は百七十億円余でほぼ横ばいとなりました。 これだけの財政的余力を残しながら、新年度は財調基金の活用を今年に比べ約二十億円減らし、年度末と新年度合わせて約七十一億円を特定目的基金へ積み増す予算となっています。 オミクロン株による第六波の感染拡大はいまだ収束のめどが立っていません。財政に余裕があるなら、今は積み立てるよりも、暮らし、営業への支援に回してほしいというのが率直な区民の声ではないでしょうか。さらなる財調基金の活用について、区の見解を問います。 第二に、喫緊の新型コロナ対策についてです。 東京で一日二万人を超える感染者が出ることは想像すらできませんでしたが、拡大と減少を繰り返す感染症においては、さらに大きな波が来ることも想定しなくてはなりません。今後の対応を見据えながら、以下、喫緊の対策について伺います。 一つに、三回目のワクチン接種は、国に十分なワクチン供給を求めながら、早期接種の必要性や前倒しの方針をしっかりと区民に徹底して、可能な限り速やかに行うことです。 二つに、PCR検査については、無料検査の場所と期間を拡充するとともに、高齢者・障がい者施設に加え、保育園や学校の従事者への定期検査の実施を求めます。 三つに、医療病床、大規模療養施設の確保です。墨田区では、一床最大百万円を補助して、緊急対応病床二十八床を独自に確保しており、二百床規模の野戦病院のようなコロナ専門病院の開設も検討しているとのことです。北区でも、医療病床、大規模療養施設を確保するための思い切った支援を求めます。また、区内に設置された入院待機ステーション、酸素・医療提供ステーション等の活用状況等についてお答えください。 四つに、保健所体制の強化です。当面は、最大限の臨時応援体制で必要な業務を遂行することが必要ですが、将来を見据えて、保健師などの正規の専門職を定員化し、計画的増員を図るよう求めます。 五つに、小学校、保育園などでの休業に対する支援についてです。 まず、第六波の感染拡大以降、区内でコロナ休校、休園となった事例がどれくらいあるか、現状をお聞きします。その上で、小学校休業等対応助成金について、会社の同意がなくても給付が下り、保護者による申請が簡素に行えるよう、改善を国に求めるとともに、助成金が受けられないなどの相談を受け付ける専用窓口を区として用意することを求めます。 関連して、学校での休校で余った給食食材が廃棄されるケースがあるとお聞きしています。食材が無駄にならない仕組みを構築すべきと思いますが、いかがですか。 以上、お答えください。 第三に、子育て・非課税世帯等への臨時特別給付金の対象拡大についてです。 コロナ禍によって深刻な影響を受ける子育て世帯にとって、現金給付は命綱とも言えるものです。ところが、同じ子育てをしていても、所得制限という線引きで受給できる、できないを振り分ける仕組みは、国民や子どもの中に分断を持ち込むものとなっています。子育て支援と言うならば、どの所得階層でも子どもを産み、育てやすくする制度にすることが必要です。 そこで、引き続き国に対し所得制限の撤廃を求めるとともに、北区で給付金の対象外となっている子育て世帯に、区独自に一人十万円の給付を行うよう求めます。 次に、非課税世帯等への給付金では、所得制限という仕組みから、同じ世帯所得でも給付が受けられない場合が生じています。足立区では、世帯所得が二百万円以下だが、共稼ぎのために給付金を受給できない課税世帯、約五万九千世帯を対象に、区独自に十万円を支給することを決めたと聞いています。 北区でも、非課税世帯等臨時特別給付金について、所得制限による不公平をなくすことが必要です。足立区のような対象拡大に踏み出すとすれば、北区での対象者はどれくらいになりますか。北区でも同様に対象を拡大するよう求めます。区の見解をお示しください。 第四に、中小・個人事業者への支援の拡充についてです。 東京では、まん延防止等重点措置が三月六日まで延長され、飲食店をはじめ、事業者にとって苦しい日々が続いています。一月末から、コロナの影響を受けた中小法人、個人事業者に、事業の回復を後押しする事業復活支援金の申請が始まりましたが、岸田政権は、その支給額を持続化給付金の約半分としました。 二年もの間、まともな営業ができず、客も離れてしまう状況の中で、持続化を通り越して、事業復活が必要となっているときに、なぜ支援金が半分なのか、納得がいきません。北区でも、赤羽駅前の飲食店街をはじめ、多くの中小・個人事業者が生き残りをかけて経営努力を続けています。 そこで、国、東京都に支援拡充を求めるとともに、区として独自の支援金の検討を求めます。また、設備投資等支援事業は、新年度も継続し、拡充を図るよう求めます。 さらに、現状では課税の対象となっているコロナ関連の給付金については、区としての判断で非課税にすることを求めます。 以上、お答えください。 大きな二つ目に、北区基本構想の策定に当たって伺います。 今、二十年後の北区の将来像をテーマに、基本構想審議会での活発な議論が重ねられています。私も可能な限り傍聴を続けてきました。二十年後の北区を考えることは、この二十年間の北区を振り返ることでもあります。今ある問題をどう解決し、新しい課題にどう立ち向かっていくのか、基本構想の策定に当たり、幾つかの角度から提案します。 第一に、人口増加に見合った区民施設の整備についてです。 現在の基本構想を策定した二十年前には、将来人口が大きく減少し、二〇二〇年頃には三十万人を割り、二十万人台後半になるとの見通しが示されていました。しかし、実際には、北区の総人口は今年二月現在、三十五万千人を超えています。直近の北区人口推計調査では、十四年後の二〇三六年まで増加傾向が続き、二十年後まで三十六万五千人台を維持するとの予測です。 新しい基本構想では、人口減少を前提にしたこれまでの諸計画を見直し、人口増加に見合った施設整備の方針を示すことが必要です。 その一つは学校施設です。この間、児童・生徒が減少するとして、適正配置方針による小学校の統廃合が進められてきました。加えて、全校での放課後子ども総合プランの実施や学童クラブの学内への移行、小学校での段階的な三十五人学級が進み始めたことから、教室不足が顕在化してきました。 今後、三十人学級や中学校での少人数学級化が進んでいくことも展望して、学校改築などの機を捉えて、普通教室をはじめとした計画的な学校施設整備に取り組むよう求めます。 また、新年度に学童クラブの待機児を解消するため、定員七十から八十人のクラブをつくるとしていますが、定員の水増しではなく、施設の増設で対応すべきです。学童クラブの定員は四十人を厳守するよう求めます。 二つは、感染症対策の拠点となる保健所の増設です。 一九九七年の地域保健法の施行と、その後、自公政権が進めた地方分権改革によって、保健所の合理化、再編が大きく進み、全国的に保健所の数がほぼ半分へと激減しました。 かつて北区内にも三つの保健所がありましたが、この流れの中で一つに統合、再編されました。保健所と職員を減らし過ぎたことは、コロナ禍での業務パンクを引き起こす最大の要因となりました。 地域保健法では、保健所を必要とする人口の目安を二十万人としており、今後、感染症対策の抜本的な強化を図っていく上で、長期的視野に立った保健所の増設を検討していくことが避けられません。そこで、北区の保健所増設について、区の見解を伺います。 三つに、区民に身近な窓口の再配置です。 コロナ禍の下で、給付金の支給やワクチン接種など、全ての区民を対象にした施策の必要性が増してきました。こうしたとき、取り残されがちなのが、ネットによる予約、申請が苦手な人や、難しい書類の取扱いに慣れていない人たちです。 現在は、区内の公共施設などに臨時窓口を設置し、相談に対応していますが、もともとは区民に身近な窓口として、職員が常駐する区民事務所分室が七か所に設置されていました。 ところが、区は二〇一八年九月をもって、七つの分室を全て廃止し、住民にとっては区政がより遠い存在になってしまいました。 今後も人口が増加し、職員が丁寧に対応する区民に身近な窓口の必要性は増してきます。改めて、区民事務所分室のような窓口の再配置を検討すべきと考えますが、いかがですか。 四つに、公共施設再配置方針の施設削減目標についてです。 人口が増加すれば、それに見合う施設整備が必要となります。ところが、公共施設再配置方針は、いまだに二十年間で一五%の施設削減を目標に掲げています。方針策定から既に八年が経過していますが、施設面積は減るどころか、増加しているのが実態です。この削減目標は、現実から乖離している上、今後の施設整備の足かせにもなりかねません。 基本構想の改定に合わせ、改めて、公共施設再配置方針の施設削減目標を見直すよう求めます。 以上、お答えください。 基本構想の第二に、新自由主義を転換し、区民の暮らし最優先の区政にすることについてです。 コロナ禍によって、真っ先に雇用を失ったのは非正規で働く人でした。飲食店をはじめ、中小業者や個人事業主、文化、芸術、イベント関係者らが苦境に立たされる一方で、一部の富裕層、大企業はコロナ危機の中でも利益を増やし、巨額の資産をため込んでいます。 歴代政府が取ってきた弱肉強食と自己責任を押しつける新自由主義の政治は貧困と格差を増大させました。今、コロナ禍の下で、その矛盾が一層浮き彫りになっています。 岸田首相も所信表明演説で、新自由主義的な政策については、富める者と富まざる者との深刻な分断を生んだといった弊害が指摘されていますとした上で、新しい資本主義を実現すると表明しました。分断と弊害の解決に向けた本気度が問われます。 区政においても、新自由主義からの転換を新しい基本構想の柱に据えるべきです。 その一つは、賃金、雇用、働き方の抜本的改善です。 非正規化やアウトソーシングによる雇用破壊の政策によって、労働者の賃金が引き下げられ、不安定で劣悪な働き方が広がりました。北区として、以下のような働き方の改善に取り組むよう求めます。 区が発注者となる契約で、最低賃金を引き上げる公契約条例の制定がいよいよ具体化の段階に入ってきました。新年度には百五十一施設にまで広がる指定管理者を含め、労働者の賃金を大幅に引き上げる実効性ある条例の制定とするよう求めます。 国はこの二月から、介護職員や保育士、学童指導員の賃金を一人当たり月平均九千円引き上げるとしていますが、北区での具体化について伺います。国の負担が大幅に減る今年十月以降の永続的な措置の検討も含め、お答えください。 教員の働き方改革は待ったなしです。全ての区立小・中学校、幼稚園、認定こども園でのタイムレコーダー導入によって明らかになった働き方の実態と、それを改善する次の一手について、教育委員会の見解を伺います。 二つに、貧困、格差の是正に向けてです。 歴代政権は、四十年にわたって、社会保障削減の政治を続け、そのしわ寄せを国民に押しつけてきました。年々高騰する国民健康保険料は加入者への重い負担となり、もはや国民皆保険と呼べない水準にまで達しています。 東京都は二〇二二年度の国保納付金額を決定しましたが、一人当たりの保険料は前年度比約一万円の引上げ、国保の広域化以降で最大の値上げとなる計算です。都に保険料を引き下げるための財政措置を求めるとともに、区としても独自に保険料引下げの手だてを取るよう求めます。 また、新年度から実施される就学前の子ども均等割減免については、区独自に対象を拡大するよう検討していただきたい。 いまひとつ、最後のセーフティネットである生活保護も、住居を失った困窮者にとっては自立へのハードルが高いという問題を抱えています。区は、住居を持たない人が生活保護の申請をした際、その多くに無料低額宿泊所をあっせんしています。しかし、相部屋でトラブルを起こしたり、アルコール依存症など病気を抱えた生活保護利用者が、アパート設定に至る前に施設から退去してしまう例も多いと聞きます。 そこで、無料低額宿泊所での生活になじまない生保利用者が、アパート設定までの間、一時的に生活できる借り上げの集合住宅や、遊休施設を活用した宿泊所などを区として用意することが必要と考えます。区の見解をお尋ねします。 三つは、北区の行政改革路線の検証についてです。 国が推し進めてきた新自由主義の政治は、自治体行政にも持ち込まれました。郵政民営化をてこにした小泉構造改革の嵐が吹き荒れた二〇〇五年、北区では初めて、官から民へ、民間でできることは民間にを標榜する経営改革プランが策定されました。 改定を重ね、現在の経営改革プラン2020までこの方針を貫いてきたのは、職員定数削減、外部化、受益者負担という柱でした。 今、一国の首相ですら、新自由主義の弊害を口にせざるを得ない状況の下、貧困と格差を広げてきたこの路線をそのまま続けてよいのか、掘り下げた検討が必要です。 基本構想策定に当たり、経営改革プランに具体化された北区行政改革路線を検証し、新自由主義の政策の抜本的転換を図ることを求めます。お答えください。 基本構想の第三に、持続可能で多様性を認め合う北区を目指すこと、すなわち、現在の基本構想が策定された二十年前には、今ほど緊急な課題として捉えられていなかった新しい問題へのアプローチについてです。 その一つは、気候危機打開、住環境を守ることです。 世界的な気候危機という非常事態の中で、破局的な気候変動を回避するために、世界が一致団結してCO2削減の努力を続けています。北区ゼロカーボンシティ宣言でも明示している、二〇五〇年までにCO2排出量実質ゼロの目標を達成するには、国連IPCCが呼びかけているように、二〇三〇年までに温室効果ガスを二〇一〇年比四五%削減することが喫緊の課題となります。 日本共産党は、昨年九月に気候危機を打開する日本共産党の2030戦略を発表し、日本が二〇三〇年までにCO2を最大六〇%削減する目標を掲げるよう提案しました。 北区では現在、環境基本計画の改定に取り組んでいるところですが、CO2削減目標については、上位計画のいかんにかかわらず、少なくとも五〇%以上とする必要があると考えます。現在の検討状況及び区としての目標値の考え方についてお答えください。 住環境を守る課題では、これから本格化する北清掃工場の建て替えに当たり、周辺への環境影響を最大限抑えることに、区としても全力で取り組むよう要請します。 東京二十三区清掃一部事務組合は、周辺住民から強い要望のあった解体工事での全覆い仮設テント設置について、工事設計概要書に、工場棟を全て覆う、あるいは大部分を覆う仮設が設置可能であれば、その中で解体を行う工法を採用すると明記しました。 現状、仮設テント設置の見通しについて、清掃一組から得ている情報があればお答えください。また、仮にテントが設置されない場合、どのような工法で周辺への環境影響を抑えるのかを明示し、さらに、今回の工事の際、おおよそ二十五年先となる次の建て替え工事にはテントがかけられる施設の構造設計とすることを清掃一組に求めてください。 二つに、ジェンダー平等の実現についてです。 せんだって、区議会議員を対象に行われたハラスメント研修を受講し、私自身も大きな刺激を受けました。強者からは弱者が見えにくい、多数者からは少数者が見えにくい。だからこそ、弱者、少数者が受けている痛みを知り、気づきへといざなうことが大切だというお話には説得力があり、男性こそ、賃金差別や性暴力、性被害、生理の貧困など女性が受けてきた苦しみを深く理解し、共に手を携えて解決していく立場に立つことが不可欠だと痛感しました。 ジェンダー平等の実現に向けた気づきの契機となるハラスメント研修について、区職員向けに取り組んできた開催の状況についてお答えください。また、今後、全区民的に研修を広げていく計画があればお示しください。 私はこれまでも、選択的夫婦別姓制度の実現を国に迫るよう区に求めてきました。法律で夫婦同姓を義務づけている国は日本だけで、このことが異常なジェンダーギャップを生んでいます。既に議会でも、令和二年第三回定例会で、国会審議の推進を求める意見書が全会一致で採択されています。区は、動向を注視するという受け身の立場ではなく、主体的に制度の実現を国に求めるべきと考えますが、区長の決意をお聞かせください。 三つに、区立小・中学校でのSDGs教育を積極的に推進することです。 昨年十一月に、桐ケ丘中学校で教育委員会研究協力校の研究発表会があり、私も四十四年ぶりに中学校の授業を受けました。この学校では、年間を通してSDGs教育に系統的に取り組んでおり、授業の中でも、確実に子どもたちの行動変容につながっていることが見てとれました。 今後、こうしたSDGs教育を区内全ての小・中学校で積極的に推進することを求めるものです。教育長のお考えをお聞かせください。 基本構想の第四は、街並みと商店街を守り、住民合意で進めるまちづくりについてです。 構想策定に向けての区民意識・意向調査からは、住民がどのようなまちづくりを望んでいるかがかいま見えます。例えば、北区の魅力は、と問う質問への回答は、どの年齢層も、「便利で住みやすい」が第一位ですが、十八歳から六十四歳の第二位は、「商店街がある」です。商店街のある昔ながらの街並みを魅力と感じている人が各年代で多いことが分かります。 自由意見では、駅前の再開発について、「十条駅前に四十階建てのビルを建てるのは、周囲の景観ともあっていないし、混雑を招く。もう少し町の良さを生かした再開発を行ってほしい。」「マンションを建てるのではなく、地域の特性を生かした再開発・まちづくりを行ってほしい。」という声が紹介されています。 また、基本構想審議会の中では、区民ワークショップで、二十年後、こんな北区になってほしいというテーマで討議したところ、「タワマンなしで程よく発展!」というスローガンが出されたとの報告がありました。 こうした区民の思いに対し、現在区が進めているのは、駅前を中心として、民間事業者と一体にタワーマンション、大規模分譲マンションを呼び込むまちづくりです。高層マンション中心のまちづくりは、東京一極集中を加速させ、周辺商店街の営業や都市の気候変動にも影響を及ぼします。巨額の税金が投入されるのに、住宅を購入できるのは高い収入を得ている一部の世帯にすぎません。 私は、こうしたまちづくりの在り方を見直し、基本構想の中に、街並みと商店街を守り、住民合意で進めるまちづくりへの方向性を明記するよう求めるものです。 一つに、十条駅西口市街地再開発では、タワーマンションが建設される下でも、昔ながらの十条らしい街並みを残し、十条銀座をはじめ、周辺商店街を衰退させず、存続させるための手だてを区として講じることです。 具体的には、再開発ビル内にできる新たな商業施設と既存の商店街の共存共栄を図るための協議を区が主導して進めること、また、再開発区域以外の補助七十三号線整備については、周辺商店街に与える影響に鑑み、東京都に計画の見直しを求めるよう改めて要望します。 二つに、赤羽一丁目市街地再開発では、コロナ禍によって二年以上中断しているまちづくり協議会の活動を何とか再開し、再開発計画の全容を地域住民、関係住民に明らかにするとともに、第二、第三地区の計画が進めば、駅の周辺環境がどのように変化するのかを含めて、赤羽のまちの在り方を自由に討議できるまちづくり懇談会など住民協議の場を早急に確保するよう求めます。 加えて、赤羽駅周辺の公共施設再配置について、区の検討状況をお示しください。 三つに、学校跡地とUR用地の一体的活用による赤羽台のまちづくりでは、児童相談所等複合施設の良好な周辺環境を確保することを最優先し、民間分譲マンションを可能な限り敷地の南側に配置するとともに、北側の敷地は災害時に児相施設から避難スペースにもなる空地として整備する設計とすることを求めます。 基本構想の最後は、日本国憲法が生きる区政を目指すことについてです。 現在の基本構想には、全ての施策の基本となる理念の第一に、平和と人権の尊重が掲げられています。新しい構想でも、この理念は当然継承されるべきであり、それを体現しているのが日本国憲法です。 今後も、恒久平和をうたった前文や第九条をはじめ、憲法の全ての条項を守り、生かす区政を実現すること、また、国際的に焦眉の課題となっている核兵器禁止条約の批准や核禁会議へのオブザーバー参加に向け、平和都市宣言を高く掲げる北区が強く国へと働きかけるよう求めるものです。区長の決意を問い、私の質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手)   (花川與惣太区長登壇) ◎区長(花川與惣太区長)  ただいま日本共産党北区議員団を代表して、野々山 研議員から、財政調整基金のさらなる活用で新型コロナから命、暮らし、営業を守る支援の強化をはじめとし、さらには、北区基本構想の策定に当たってまで、区民の身近な広範にわたる分野におきまして、ご意見、ご提言をいただきました。誠にありがとうございました。 それでは、順次お答えをさせていただきます。 初めに、財政調整基金のさらなる活用で、新型コロナから命、暮らし、営業を守る支援の強化を、についてのご質問に順次お答えをさせていただきます。 まず、新年度予算案の特徴についてです。 新年度予算は、区民の健康、生命を守り抜くため、新型コロナ感染症対策に全力で取り組むほか、アフターコロナを見据え、区民福祉の充実や区民サービス向上に資する新規事業の構築やレベルアップを図る内容としています。 さらに、ゼロカーボン、多様性社会の推進や、生活困窮世帯への対応など、積極的に財源配分を行い、区政を着実に前進させていく予算としています。 また、新型コロナの影響の長期化により、国の要請に基づき、個人を対象に迅速な生活支援等が受けられるよう、確実な給付手続を進めているところです。 さらに、中小企業、個人事業主などを対象とした支援金の給付も行われており、区では、産業団体等とも連携し、様々な相談への対応を図っています。 今後も、感染状況や社会経済の動向の把握に努め、関係機関等と連携し、区議会とも相談の上、必要な支援策についてはしっかりと対応してまいります。 なお、特定目的基金への積立ては、多額の経費を要する計画事業を実現するための施策として、必要不可欠なものと捉えております。 今後とも、歳入状況や今後の行政需要等を勘案し、財政調整基金の活用も含め、適切な基金の運用を行ってまいります。 次に、三回目のワクチン接種についてお答えいたします。 これまで国は、三回目の接種に必要なワクチンの供給計画を示し、北区はその計画に基づき、一月から三回目接種を本格的に開始したところです。 また、早期接種の必要性については、国がテレビコマーシャルなどで周知を図っているところですが、区としても、北区ニュースやホームページ等でさらなる周知に努めています。 そして、接種間隔の前倒しについては、リスクの高い高齢者の方には、二回目の接種後六か月になり次第、接種を可能としております。 一方、四十九歳以下の方には、二回目の接種から七か月後を基本としておりますが、区内介護、障害、保育、教育等施設のエッセンシャルワーカーの方には、六か月後に前倒しし、さらに予約枠に余裕のあるモデルナ社製ワクチンについては、希望する全ての対象者に対して、接種間隔を六か月に前倒しするなど、臨機応変な対応により、三回目接種を速やかに実施してまいります。 次に、無料のPCR検査についてです。 国は、オミクロン株による感染拡大の傾向が見られるため、都道府県知事に対し、幅広く、感染不安などの理由による検査の無料化を指示し、東京都は、PCR等検査無料化事業を開始しました。 これを受け、区では、検査を希望する区民の需要に対応するため、東京都の事業に登録した検査会社と連携し、一月下旬以降、区内二か所に検査会場を確保しました。 開設期間については、まん延防止等重点措置期間が延長されたことにより、北とぴあについては二月二十八日まで、赤羽エコー広場館については、三月三十一日までとしたところです。 いまだ収束の見通しが立たない中、区民の安心・安全な日常生活を支えるため、さらなる検査会場の確保について検討してまいります。 次に、医療病床、大規模療養施設の確保についてです。 感染拡大時においては、東京都、特別区、保健所設置市及び入院医療機関の連携の下、病床確保については東京都が一元的に担い、広域的に入院調整を行っています。 これにより、緊急に治療が必要な陽性者に対して、居住する自治体に関係なく、迅速に入院する病床を確保することを可能としており、全ての都民の命を守るための実効性ある医療提供体制と理解しています。 区内には、東京都により、東京北医療センターに入院待機ステーション、旧赤羽中央総合病院に酸素・医療提供ステーションが設置されたところです。 特に、旧赤羽中央総合病院に設置された酸素・医療提供ステーションは、透析患者の受入れ機能や、病床逼迫時における入院待機患者の一時受入れ機能を有するなど、医療機能が非常に強化されており、区民にとって利便性の高い施設となっています。 設置するに当たっては、地域住民へ説明を行い、理解を得る役割を担うなど、北区もその一翼を担っています。 今後とも引き続き、東京都等と連携しながら、医療体制の確保を図るとともに、二次保健医療圏単位の地域医療構想調整会議等において、感染拡大時における機動的な対策について、議論、検討を深めてまいります。 次に、保健所体制の強化についてです。 保健所の定数や人員については、新型コロナウイルス感染症拡大による業務量の増大に対応するため、令和三年度及び四年度に職員定数を増加するとともに、保健所に配属される保健師の正規職員の増員も行いました。 引き続き、感染拡大の状況に対応した全庁的な応援職員を確保するとともに、社会情勢や行政需要の変化に応じて、適正な人員の確保に努めてまいります。 次に、子育て世帯及び非課税世帯等への臨時特別給付金の対象拡大についてです。 子育て世帯への給付金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、児童手当制度を活用して、速やかな給付を実現するよう、国からの要請に基づき実施しているものです。 北区においては、既に多くの対象世帯に積極支給を行ったところであり、改めて、国に対して所得制限の廃止を求める考えはありません。 非課税世帯等への給付金は、様々な困難に直面した方々に対して、速やかに生活、暮らしの支援を受けられるよう、国の基準に基づき、約四万六千世帯を対象に、現在給付を進めています。 北区において、世帯所得が二百万円以下で、非課税世帯向けの給付金が対象外となった世帯は三万六千件程度と見込まれます。 いずれの給付においても、同趣旨の追加給付を区独自で実施することは、相当規模の一般財源を確保する必要があるため、現時点において、新型コロナウイルス感染症に対応するための様々な施策に優先して、これを実現することは困難であると判断しています。 次に、中小・個人事業者への支援拡充を、のご質問に順次お答えいたします。 初めに、国、東京都に支援拡充を求めるとともに、区独自の支援金を検討することについてです。 区としましては、このたびの国の事業復活支援金や東京都の感染拡大防止協力金等も含め、まずは区内事業者の皆様が国、東京都や区の制度を確実に活用し、事業の継続につなげていただくことが最優先と考えますので、昨年十月より開設しておりますワンストップの電話相談窓口や経営相談、ホームページ、メールマガジンなど様々な手段を用いて、制度の周知を図ることに努めてまいります。 また、国、東京都に対しては、特別区長会を通じて、中小企業等に対する新たな生活様式に対応した事業継続等への支援をはじめ、地域経済対策等の充実について要望しているところです。 今後も、必要に応じて支援策の継続や拡充など、要望してまいる考えです。 なお、現段階で、区独自の支援金の給付は考えておりませんが、引き続き、区内中小事業者の経営状況等を注視し、求められている支援について検討してまいります。 次に、新型コロナウイルス対策設備投資等支援事業を新年度も継続し、拡充を図ることについてです。 当該事業は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、店舗や事業所の改装、設備購入を行った際の経費の一部補助を行うもので、令和二年度から開始し、今年度は、業態転換や販路拡大に必要な広告宣伝費の一部についても補助対象とするなど、拡充して継続実施しているところです。 コロナ禍における区内事業者のニーズに合った制度の一つであると認識しており、令和四年度においても、必要な見直しを行った上で、より効果的な補助制度を構築して継続実施することで、区内事業者のウィズコロナ、アフターコロナにおける取組を支援してまいります。 次に、コロナ関連の給付金を区の判断で非課税とすることについてです。 持続化給付金など、法令で課税対象の収入とされる給付金等につきましては、税の公平性の観点から、北区が独自の判断で非課税所得として取り扱うことは難しい状況です。 区としましては、必要とする事業者に対し、税務相談などの案内を各税務団体と連携し、適切に実施してまいります。 次に、感染症対策の拠点となる保健所の増設についてです。 保健所の統合については、地域保健法の施行に伴い、平成九年度に三つの保健所を統合して、北区保健所を設置し、地域住民の健康を支える中核機関として、疾病の予防、衛生の向上など、業務執行体制の強化と指揮命令系統の一本化を図りました。 このことにより、今回のような新型コロナウイルスの感染拡大という健康危機の状況下にあっても、一律の基準で迅速な対応が図られたと認識しています。 一方で、感染者数の増加などによる平常時とは異なる業務量の増大に対しては、職員の応援体制を構築し、全庁的に対応してきたところです。 令和四年度に向けては、健康福祉部と保健所を再編する組織改正を行い、健康部を新設することとし、健康施策のさらなる充実とともに、健康危機管理対策の強化を図ってまいります。なお、保健所の増設については考えておりません。 次に、区民に身近な窓口の再配置を、についてです。 区民事務所の分室の廃止につきましては、北区経営改革プラン2015に基づき、効率的な組織、執行体制の構築を目的に、人材、機材を区民事務所に集中し、機能強化を図りました。 これにより、繁忙期における区民事務所の待ち時間を大幅に短縮するなど効果を上げることができていると考えています。 また、近年のマイナンバーカードの普及により、住民票等のコンビニ交付件数や割合が着実に増加するなど、利便性の向上・効率化も進んでいると考えています。 そのため、区民事務所分室のような常設の窓口の設置につきましては考えていませんが、引き続き、電子申請が不慣れな方などに対しては、臨時的な相談窓口やコールセンターの設置など、区民の方々に寄り添った柔軟な対応に努めてまいります。 次に、公共施設再配置方針の施設削減目標の見直しについてです。 人口動向の変化や学校施設を含めた公共施設の長寿命化など、様々な環境の変化や国から示された新たな視点などを踏まえると、公共施設等総合管理計画の見直しは必要と考えています。 その際には、削減目標を含めて、課題の整理や検証を行い、改めて、中長期的な視点で総合的・計画的に公共施設のマネジメントを推進してまいります。 今後とも、その時々の行政需要などを考慮し、必要な施設の建設や更新を計画的に進めつつ、施設の集約化や複合化、用途転換などにも取り組み、施設総量の抑制や維持管理費の縮減に責任を持って取り組んでまいります。 次に、賃金、雇用、働き方の抜本的改善を、のうち、公契約条例の制定に当たっては、賃金を大幅に引き上げる実効性あるものにするべきとのご質問です。 現在、制定の手続を進めている公契約条例は、区が契約する全てを対象とするものですが、工事または製造の請負契約、業務委託契約、区が締結する指定管理協定のうち、基準金額以上のものを特定公契約と定め、区が定める労働報酬下限額以上の賃金を業務に従事する労働者の方々に対し支払うことを求めるものです。 あわせて、実効性を確保するために、支払われるべき当該賃金等が支払われていない、または賃金等の額が労働報酬下限額を下回る場合には、労働者の方からの申出により、区は受注者等に報告を求め、調査し、違反があった場合には是正措置命令、契約の解除、事実の公表ができることを定めるものです。 また、労働報酬下限額の決定については、条例により設置する審議会の場でご審議いただくことになります。 なお、(仮称)東京都北区公契約条例骨子(案)のパブリックコメント実施結果につきましては、本定例会の所管委員会でご報告をさせていただきます。 次に、介護職員や保育士、学童指導員の賃金の引上げについてお答えいたします。 国では、福祉・介護職員を対象に、賃上げ効果が継続される取組を事業者が行うことを前提に、今年の二月から九月分までを事業実施期間として、処遇改善の必要な補助を行うこととしています。 介護事業所に対しては都が補助を行いますが、交付申請を四月から受け付け、六月から交付が開始されると聞いています。 保育園及び学童クラブを運営する事業者に対しては、区が補助を行うため、必要な経費を予算案に計上しました。 令和四年十月分以降については、国は公定価格や介護報酬などの見直しにより、同様の措置を継続することとしていますが、その際、自治体の負担増を招くことのないよう、全国市長会等を通じて国へ要望してまいります。 次に、貧困、格差の是正に向けてのご質問のうち、国民健康保険料についてお答えいたします。 令和四年度の国民健康保険料については、新型コロナウイルス感染症に関する医療費の増加などの影響により、保険料の大幅な上昇が見込まれるため、特別区長会において、国や東京都に対し、必要な財政措置を要望するとともに、被保険者の負担抑制について検討してまいりました。 北区では、現在、その結果を反映した条例改正案について、国民健康保険運営協議会に諮問しているところであり、詳細は本定例会の所管委員会でご報告をさせていただきます。 ご提案の区が独自で保険料の引下げを行うこと、また、子どもの均等割保険料の軽減措置を未就学児以外に拡大することについては、特別区における統一保険料方式の中で、共通基準を設けているため、区独自で減免等を行うことは難しい状況にあります。 次に、無料低額宿泊所の利用になじまない生活保護受給者の一時的な生活の場を区として用意することについてです。 生活保護開始時において、申請者個々の状況に応じた適切な保護を行うために、日常生活の管理能力等を把握する必要があることから、無料低額宿泊所を利用することがありますが、無料低額宿泊所は一時的な場所であり、アパート等への転居を見据えた適切な対応に努めているところです。 また、無料低額宿泊所には、施設の管理人が常駐しており、利用者間のトラブルの防止や利用者の保護といった役割も果たしており、北区においては、無料低額宿泊所に入居した方がすぐに退去をしてしまうといった事例が多いとは捉えておりません。 なお、東京都では、生活保護開始時に一時的な居所が緊急的に必要な方に、安価なビジネスホテルの利用を可能としており、今後も東京都と連携した対応を行いながら、被保護者の安心した生活の確保に努めてまいります。 区独自で一時的な居所を用意することについては、他自治体の取組状況などを注視してまいります。 次に、北区行政改革路線を検証し、新自由主義政策の抜本的転換を求めることについてです。 現在、北区の将来を見据えた新たな基本構想の策定に着手しており、あわせて、経営改革プランの改定も予定しております。 経営改革プランでは、基本構想の実現、基本計画実現のための資源調達、健全で安定的な行財政運営の確保という三つの課題解決を図るという考え方を掲げており、改定の際には十分考慮すべきと考えております。 さらに、今年度から本格的な取組を始めた行政のデジタル化を強力に推進していくことから、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)を経営戦略の柱の一つに据えることも検討しています。 経営改革プランの改定に当たっては、現プランの総括を行うとともに、新たな視点も加えて検討してまいります。 次に、持続可能で多様性を認め合う北区について、順次お答えいたします。 初めに、気候危機の打開、住環境を守るために、のご質問のうち、CO2の削減目標についてです。 今年度より改定に取り組んでいる次期環境基本計画においては、気候変動への適応、脱炭素の実現を最重要課題として位置づけており、庁内検討会や環境審議会での議論、区民及び事業者へのアンケート結果等を踏まえて、現在、骨子案をまとめたところです。 その中で、区としては、CO2を含む温室効果ガス全体の削減目標を定めることとし、二〇一三年度比で、二〇三〇年度までに五〇%削減を目指すことを検討しています。 詳細な算定方法等については、所管委員会で報告をさせていただきますが、この五〇%という数字は、これまでの温室効果ガス排出量の推移に基づく将来推計に、今後の対策効果による削減量を見込みつつ、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けた意欲的な目標設定であると考えております。 今後、目標の達成に向けては、計画の骨子案を土台としながら、国及び東京都の施策を踏まえ、区民及び事業者と連携した実効的かつ具体的な取組を、全庁一丸となって検討してまいります。 次に、北清掃工場の建て替えについてです。 まず、仮設テント設置の見通しについてです。 昨年十二月六日、北清掃工場の建て替えに向けた総合評価一般競争入札の公告が行われ、工事設計の概要などが示されました。 東京二十三区清掃一部事務組合では、現状において、北清掃工場の敷地形状や地下部分の構造等から、全覆い仮設テントの設置は技術的に困難であると判断しておりますが、入札参加者から工場棟を全て覆う、あるいは大部分を覆う仮設の設置が可能となる提案があった場合は、選定委員会の中で技術力と価格を総合的に評価して、最も評価が高いものを選定していくと聞いております。 次に、仮に仮設テントが設置されない場合の工法についてです。 清掃一組からは、解体の基本条件として、可能な限り粉じんの飛散や騒音、振動を抑えられる仮設、養生、工法を採用し、周辺環境に十分配慮すると聞いております。また、具体的な工法については、入札参加者より技術提案がなされるものと認識しております。 区としましては、引き続き、次回の建て替えも含め、地域への環境影響を可能な限り少なくできるように、清掃一組に求めてまいるとともに、建て替え工事の円滑な推進に向けて連携・協力してまいります。 次に、ジェンダー平等の実現をめざしてのうち、ハラスメント研修の開催状況についてです。 令和二年六月の労働施策総合推進法改正に伴い、職場におけるパワーハラスメント対策が大企業の義務となりました。 この法改正を契機に、区では昨年、全管理職を対象にハラスメントの未然防止や相談を受けた場合の対応を学ぶための研修を行いました。そのほか、係長職一年目の職員を対象にしたハラスメントに関する研修や、LGBT等について正しい知識を学ぶための研修を毎年行っています。 また、一昨年、スペースゆうにおいて、区民向けの講座として、ハラスメントをテーマとした講座を行いました。 引き続き、機会を捉えて、区民を対象としたハラスメントに関する講座を実施してまいります。 次に、選択的夫婦別姓を国に求めることについてお答えします。 国は、戸籍制度と一体となった夫婦同氏制度の歴史を踏まえ、家族の一体感や子どもへの影響、最善の利益を考える視点も十分に考慮し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえた上でさらなる検討を進めるとしています。 区といたしましては、引き続き国における検討の状況を注視してまいります。 次に、街並みと商店街を守り、住民合意で進めるまちづくりへのご質問にお答えいたします。 初めに、十条駅西口市街地再開発についてのご質問のうち、再開発ビル内商業施設と既存商店街の共存・共栄を図るための協議を区主導で進めることについてです。 これまで再開発組合では、組合員である地元商店街の方を含めた商業プランの意見交換会を実施しており、新たな商業施設と既存商店街との関わりについて、様々なご意見をいただいていると聞いております。 区では、十条地区まちづくり基本構想で掲げる将来像の実現に向けて、再開発ビル内の新たな商業施設と既存商店街が共存・共栄できるよう努めてまいります。 次に、再開発区域以外の補助七十三号線整備の見直しを東京都に求めることについてです。 補助七十三号線は、延焼遮断機能の向上のほか、災害時の緊急避難路や救急活動のための空間確保など、木造住宅密集地域の防災性向上を図る上で極めて重要な都市計画道路であり、首都直下地震の切迫性などを踏まえると、早急に整備していく必要があります。 区といたしましては、早期の整備に向け、今後とも事業者である東京都と連携を図り、事業推進に努めてまいりますので、事業の見直しを求めることは考えておりません。 次に、赤羽一丁目市街地再開発についてお答えいたします。 初めに、赤羽駅東口まちづくり全体協議会の活動についてです。 協議会活動は、コロナ禍の影響を受け、この二年間は十分な活動ができない状況にありましたが、その中で昨年十二月には二年ぶりに協議会総会が開催され、今後の活動方針等が決議されたところです。 活動方針では、赤羽駅東口のまちづくりに、より多くの住民の参加機会を確保するため、まちづくり懇談会の開催等に積極的に取り組むとされており、今後、活発な議論の場が設けられると認識しています。 区といたしましては、引き続き状況を注視しながら、協議会の活動を支援してまいります。 次に、再開発計画の周知についてです。 第一地区では、準備組合が今年度内に自らの計画に理解を得るため、地域住民等を対象とした説明会の開催の準備を進めていると聞いています。 また、第二地区、第三地区については、現在、事業化に向けた権利者の合意形成が活動の中心となっており、具体的な計画の検討には至っていないと聞いておりますが、今後の進捗に応じては同様の取組を求めてまいります。 区といたしましては、赤羽駅東口のまちづくりについては、引き続き赤羽駅東口まちづくり全体協議会の活動と整合を図りながら、魅力あるまちづくりを推進してまいります。 次に、赤羽駅周辺の公共施設再配置の検討状況についてです。 区では、市街地再開発事業をはじめとしたまちづくりの推進や、赤羽小学校の教育環境の確保・充実とともに、赤羽駅東口周辺の経年により更新時期を迎える大規模公共・公益施設の更新等を検討するため、庁内にプロジェクトチームを設置しているところです。 今年度からは、二か年計画で今後の検討の基礎資料を収集するため、調査業務を委託し、取組を進めているところです。 次に、学校跡地とUR用地の一体的活用による赤羽台のまちづくりについてお答えをいたします。 赤羽台周辺地区のゲートウェイ形成を目的とした学校跡地とUR都市機構用地の一体活用については、土地の譲渡先を選定するための公募手続を来月上旬に開始する予定です。 その際、公表する土地譲渡先の募集要領では、現在の地区周辺のバリアフリー等のまちづくりの課題を解決し、将来にわたり安心して生活できるまちづくりを進めるため、様々な計画条件等を付してまいります。 なお、募集要領の公表前のため、具体的な内容についてはお示しできませんが、まちづくりの課題解決を最優先にしながら、応募者の提案を適切に評価してまいります。 ご指摘の児童相談所等複合施設への配慮や、現在も指定されている地域の災害時の避難場所機能の継承なども重要な事項と認識しているところです。 次に、日本国憲法が生きる区政についてお答えいたします。 まず、日本国憲法第九条をはじめ、憲法の全ての条項を守り生かす区政を実現することについてです。 北区は、憲法で定める地方自治の本旨に基づき、地域における行政を総合的に実施する役割を広く担っています。 憲法は、平和や国民の権利、自由を守るための最高法規であり、区政運営に当たっては、当然に尊重すべきものと考えております。 区といたしましては、引き続き日本国憲法や関係法令を遵守しつつ、区民福祉の向上を追求し、区政の推進に努めてまいります。 次に、核兵器禁止条約の批准や批准国会議へのオブザーバー参加について、強く国へ働きかけることについてです。 昨年十一月、北区が加盟する平和首長会議国内加盟都市会議から内閣総理大臣宛てに、条約の批准や批准国会議への参加について、要請文を提出しています。 区としましては、引き続き国会における議論や他自治体の動向などに注視してまいります。 以上、お答え申し上げました。 いただきましたご意見、ご提言を踏まえて、これからも区政の推進に向けて全力を傾けてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ◎教育長(清正浩靖教育長)  私からは、まず財政調整基金のさらなる活用で、新型コロナから命・暮らし・営業を守る支援の強化を、のご質問のうち、保育園や学校の従事者への定期検査の実施についてお答えいたします。 保育園や学校で働く職員の検査につきましては、施設において感染者が発生した際は、濃厚接触者のほか、感染者と接触のあった職員も対象に検査を実施しています。また、区が委託している検査機関により必要に応じた検査を実施しているほか、東京都においては現在、保育園や学校で働く職員を対象に集中的検査を実施しており、希望する施設は申し込むことで定期的な検査を受けられることとなっています。 区といたしましては、保育園や学校で働く職員を対象に定期的な検査を実施することは考えていませんが、検査を希望する施設に対して、引き続きこうした検査の活用を周知してまいります。 次に、新型コロナウイルスの影響により休校・休園となった事例についてです。 今年の一月以降、二月十五日までに、区立の幼稚園、認定こども園、小・中学校で全学年が休業となった学校・園は、幼稚園、認定こども園が一園、小学校三校、中学校二校となっており、休業期間は二日間から六日間となっています。 影響のあった園児・児童・生徒数は、六校園合わせて二千人強となります。 区内保育園では、全クラスを休園にした施設は七十園あり、休園期間は一日から長い園で一週間程度となり、影響のあった園児数は六千人強となります。 なお、詳細につきましては、所管の委員会でご報告をさせていただきます。 次に、小学校休業等対応助成金についてです。 現在、区立小学校や保育園では、保護者の負担にも配慮し、教育委員会で速やかに濃厚接触者の特定を行い、できる限り休校や休園とならないよう対応しています。 ご質問の助成金の申請については、保護者個人で申請する場合の手続を簡略化すると厚生労働省が発表しており、一定程度の簡素化は図られるものと考えています。 また、相談専用窓口については、既に厚生労働省が各都道府県に設けていますので、引き続き北区ホームページ等において当該窓口の案内を行ってまいります。 次に、給食の食材が無駄にならない仕組みの構築についてです。 これまでも、インフルエンザ等で学級閉鎖となった場合は、他の学年などでの調整を行うなど、給食の食材が無駄にならないような取組を行っています。 全学年での臨時休業の場合は、できる限り食材の納品を止めるようにしていますが、急に休業が決まるため、キャンセルできない食材も発生します。また、食材は基本的に生鮮品であることなど、他への転用は難しいものと考えますが、食材を無駄にしないための仕組みづくりについては今後も研究してまいります。 次に、北区基本構想の策定に関するご質問のうち、少人数学級実現に向けた学校施設整備についてお答えいたします。 初めに、計画的な学校施設整備についてです。 学校改築、リノベーションの実施に当たっては、北区立小・中学校整備方針及び北区立小・中学校長寿命化計画に基づき整備を進めており、普通教室については、東京都教育人口等推計におけるピーク時の児童・生徒数や、大規模マンション建設の動向などを参考として整備すべき規模を決定しています。 また、令和元年の小・中学校整備方針の改定では、社会環境の変化への対応を施設設備の基本的な考え方の柱の一つに加え、教育活動の変化や児童・生徒の増減に対応できるよう、普通教室等への転用を考慮した多目的スペースなどの可変性の高い施設整備を行うこととしています。 区といたしましては、引き続き少人数学級の推進に関する国の動向を注視するとともに、東京都教育人口等推計や住民基本台帳のデータなどを分析し、児童・生徒の教育環境の向上に資する適時・適切な学校施設の整備に努めてまいります。 次に、学童クラブの定員についてお答えいたします。 学童クラブについては、これまでも増築棟の整備による専用室の確保や特別活動教室などの利用により定員の拡充を図っており、今回、定員を拡充する学童クラブにつきましても、王子小学校では旧桜田小学校を活用して増設した後、旧育ち愛ほっと館跡に整備する増築棟の完成後に移転を予定するほか、今年度当初に学童待機が生じた四校については、学校施設の放課後時間帯の利用等について学校と協議の上、活動エリアを確保したところです。 運営に当たっては、一人当たりの必要面積の確保及び必要人員のスタッフ配置を適切に行ってまいります。 なお、放課後の居場所づくりについては、現在、区長部局と教育委員会が横断的な会議体を設置して、三十五人学級の推進とともに、学校施設を最大限活用した活動諸室の確保策について検討を進めており、引き続き学校施設が、放課後児童にとっての安心・安全な居場所となるよう努めてまいります。 次に、タイムレコーダー導入によって明らかになった働き方の実態と、それを改善する次の一手についてお答えいたします。 タイムレコーダーにより全北区立幼稚園、こども園、小・中学校で、在校時間を把握することを始めた令和元年九月の時点では、勤務時間外が八十時間を超える教職員は百三十六名おり、全体の一一・八%でしたが、その後は減少傾向にあります。 今年度については、これまでのところ最多は四月の九十五名で七・九%、最少は八月でゼロとなっており、時期による増減が見られます。 在校時間の集計結果を受けて、各校の管理職が校務の精選や効率化を図り、在校時間の長い教職員には個別に指導していること、教育委員会としても調査や報告の簡略化を図ったことなどによって、改善が進んできていると考えます。 今後も、教職員がゆとりを持って子どもたちの教育に取り組めるよう、引き続き働き方改革を進めてまいります。 次に、北区立学校におけるSDGs教育の積極的な推進についてお答えいたします。 平成二十九年三月に告示された学習指導要領の前文には、児童・生徒が「持続可能な社会の創り手となる」ことが示され、様々な教科等の学習内容に人や国の不平等や気候変動など、SDGsの十七の目標に関わる内容が位置づけられており、教科横断的に全ての学校で学んでいます。 北区教育ビジョン2020においても、「SDGsの達成に向けた教育の充実」を重点事業としており、桐ケ丘中学校は昨年十一月に、「持続可能な開発目標を達成しようとする生徒の育成を目指して」という研究主題で、SDGsに関わる研究発表会を実施しました。この成果は、研究紀要やリーフレットとして北区立小・中学校全校に配布し、共有しました。 また、令和四年度に向けて、各学校が教育課程を編成するに当たり「SDGsの達成に向けた教育」を位置づけ、組織的かつ計画的に取り組むよう指導しています。 今後も、各学校におけるSDGs教育が充実するよう、教員研修や先進校の事例を情報提供するなど、支援してまいります。 以上、お答え申し上げました。 ◆十七番(野々山研議員)  多岐にわたる質問にお答えいただきまして、本当にありがとうございます。私も予算特別委員会の委員なので、一つ一つはまた予特のほうでやらせていただきたいんですけれども、ポイントを絞って二つ再質問をさせていただきます。 一つは、全体の新年度の予算編成なんですが、区長から最初にお答えいただきました積極的な財政配分、コロナを乗り越え、新しいアフターコロナを目指す積極的な財政配分だというようなお答えありました。 コロナ禍の中でも、一千六百二十二億円という過去最大規模の予算規模になったわけですよね。これ自体は大変喜ばしいことで、それだけの予算をどこに振り向けるのか。ここに区の才覚といいますか、財政をつかさどる力量が問われるなというふうに思っているんです。 区長から、区民・国民の生活を支えたり、事業者の営業を支援するため国が給付金を出していますから、それがちゃんと届くようにと、ご案内と相談をやりますよというお答えでした。 ただ、これ十分な給付が行われているかというと、岸田首相は、非正規、女性、子育て世帯、学生をはじめ、コロナでお困りの皆様へ給付金をお届けすると約束したんですけれども、非正規とか女性とか学生のくくりはないですよね。子育て世帯も指摘したとおり、所得制限を設けてもらえる人ともらえない人と、こういうことになっていて、やっぱり国や東京都の施策が、本当にコロナ禍の中で困っている人を救うというところまで十分に行かないときに、やっぱりその足らざる点を補って、区民、それから事業者の支援をやるという決断に立つというのが、この大きな予算を手にしたときの区の姿勢であってほしいなというふうに思うんです。 今年度は、一年前を思い出しますけれども、予算の審議をやりました。七十八億円取り崩しますと、財政調整基金ね。これは使い道が決まっていない、だからコロナ対策にも使える、暮らしの応援にも使える、こういう基金が百七十億円あって七十八億円取り崩しますと。これだけ思い切って使いますよというお約束をしたんだけれども、一年終わってみると、ほとんど使わずに済んだわけですよね。百七十億円に財調基金の残高が戻っちゃったということなので。 それで今度は、来年度はもっと思い切って使ってもらえるだろうと思ったら、今度取り崩すのは五十八億円ですから、今年度よりも二十億円少ない。しかも、特定目的基金に年度末と新年度で七十一億円を新たに積み立てると。だから規模が大きくなって、区民の皆さんにこれだけのことができるというよりも、暮らし、営業の直接的支援のための予算は今年より減らして、将来の積立てに回すと。これが積極的予算配分という中身なのかなというふうに言わざるを得ないですよね。 私たちは、特定目的基金として、学校改築だとか、それから将来に向けた新庁舎、これに一定の基金を積み立てておくということは必要だと思いますよ。だけれど、もう既に八十四億円の残金があって、このまちづくり基金の八十四億円は、まだ来年度、再来年度に枯渇するという話じゃないですよ。そこへまた二十億円積むということについては、それだけのお金があるならば暮らしに回すべきではないかというふうに思います。 そう考えると、財調基金も五十八億円という取崩しにとどまらないで、まだ二十億円ぐらい、今年度の実績で積めるんじゃないかと。それから、基金の積立ての見直しでは二十億円ぐらい。合計四十億円ぐらいは新たな財源が、つくろうと思えば出てくるというふうに思うんです。 子育て世帯なのに十万円がもらえない子どもたち、それから商売を続けるために頑張っているのに、給付金が半分に減らされてしまった中小事業者、個人事業主、せっかく大きな予算規模になったんですから、こういうところに区として温かく手を差し伸べるような予算にしてほしいと思いますが、改めて予算編成の在り方、財調基金、それから特定目的基金への積立ての考え方について、もう一度お尋ねをしたいと思います。 もう一点はまちづくりなんですが、午前中から駅周辺のまちづくりを本格化していくという話が議論されています。私は基本構想の審議会、分科会に何度も出させてもらったんですけれども、いろいろ区民の皆さん方、まちづくりについて、二十年後北区はどうなってほしいかという話をしますと、本質問でも言いましたとおり、こういう声が上がってくるんですよ、タワマンなしで程よく発展。北区の場合はこれぐらいがいいんじゃないかと。都心のようにどんどん駅前に高層ビルを建てる、タワマンを建てる。そんなことよりも街並みを残して、商店街を残して、そういう程よい発展でいいんじゃないかという、こういうスローガンにしようよというような話合いになったそうですよ。そう思います。 だけど、実際には十条駅前には百四十六メートル、三十九階のタワマンが今建設中ですし、それから赤羽駅東口では第一地区というところが事業化されて、百メートル級の分譲マンションが建つ。これ第二、第三地区というふうに進んでいきますと、これは百メートル級のタワーマンションが赤羽の駅前に三本建つわけですよね。 まちづくりというのは住民が主人公ですから、いろんな業者が建てたいというところもあるでしょう。それから権利者の方も、いろんな状況を考えたら、そういう再開発に乗っていくしかないということをお考えになる方もいらっしゃる。だけれども、まちの様相を変えていく話ですから、これはまちの人たちが、それから関わってくる人たちみんなの合意を得ながら、こういうまちづくりをやっていこうという、その議論自体が必要だと思います。赤羽に三本のタワマンがもし建つとすれば、赤羽小学校の教育環境に影響が出ますし、せんべろの聖地と言われる一番街やOK横丁、こういうところの商店街は撤退を余儀なくされてしまいます。 ですから、コロナ禍という制約はありますけれども、再開発が進んだらどういうふうになるのか。そのことを描きながら、みんなで赤羽のまちをどうしていくかというこの議論をどうしてもやりたい。コロナ禍を乗り越えて工夫をしてほしいと思います。 再質問は、ご答弁の中で、併せて周辺の公共施設の再配置について、庁内検討から業者への調査委託をしているというお話がありました。 それで、公共施設というと赤羽会館があり、赤羽公園があり、そして赤羽小学校があり、こういうものをひっくるめて再開発と併せて進んでいく中でどうしていくかというお話だと思うんですけれども、それはどういうまちにしていくか、まずはやっぱり住民の意見を聞いてほしい。赤小に通っている児童、保護者、それから商店街、商売をやっている人たち。赤羽公園を利用している区民の皆さん、お年寄りから子どもまで、毎日たくさんの人が公園を使っています。赤羽会館を使う人。こういう人たちから、どういうふうにしていったらいいかと、まずこれを聞いてほしいと。 だけど、そういう議論の場がないまま、今、北区のほうが調査委託をやっているという話で、これ今年度と来年度の二年間でまとめるという話でしょう。ですから、この中身が一体どうなっているのか。住民の協議が進まない中で方向性をまとめるとなると、住民を置いてきぼりというふうになってしまわないかという心配もあります。 ですから、そうした区がやっている調査委託とは一体どういうもので、何を導き出そうとしているのか。住民の議論が追いつかない中で、どうやってそれをかみ合わせた議論にしていくか。このあたりについてお考えをお聞かせください。 ◎政策経営部長(中嶋稔政策経営部長) (説明員) 私のほうから、令和四年度の当初予算の編成の考え方を述べさせていただきたいと思います。 先ほどの区長答弁とも同様な部分ございますが、令和四年度予算に関しましては、区民の生命を守り抜くため、新型コロナの感染症対策、こちらに全力で取り組むとともに、その先の未来を見据えて飛躍していくための積極的な予算を編成させていただきました。 その中でも特に感染症対策、こちらにつきましては、やはり国や東京都と役割分担があると思っております。そうして役割分担を踏まえる中で、感染症への対応ですとかワクチン接種体制、こういったものにまず万全を期していこうと。 さらに、例えば二月補正予算では、コロナ禍の最前線で頑張っていただいている医療機関あるいは福祉施設、こういったものへ区独自の補助を行っていくなど、今回きめ細やかな対応をさせていただいてございます。 特に今回、未来を見据えてという言い方をさせていただいておりますが、例えば計画事業の再開、これは当然でございますが、あと北区版のSDGsですとか、あと自治体のDX、さらには多様性社会の推進、こういったものに積極的に取り組んでいく予算としてございます。 なお一方で、やはり学校改築ですとか、本格的にこれからまちづくりが動いてまいります。また新庁舎の建設とか北とぴあの大規模改修、こういったものはやはり多額の経費を要するといった中で、区としてはこういった計画事業をどうしても着実に責任を持って取り組んでまいりたいと。二年間積立てができなかった基金へ、今回は積み立てることが必要な施策だと考えております。また、二十三区の中でも北区の基金残高は非常に低水準にあると、こういった状況が現実としてあるといった中で、今回こういった財政運営をさせていただきました。 我々、財政当局として現時点でございますが、このようにコロナ対策はもとより喫緊の課題ですとか、その先を見据えて、北区として責任のある予算編成ができたのではないかといった中で、議員からご指摘のあったようなさらにこの時点で財政調整基金を活用するといったことに関しては考えてございません。 ただ一方で、こういったコロナの感染状況が続いていく中で、当然さらなる対策がまた必要になってくるというふうには考えてございます。当然その時々の状況、令和四年度に入ってからも正確に見定めさせていただいて、区として必要な対策、こういったものに関しましては議会ともご相談をさせていただいて、きちんと補正予算の中で対応させていただきたいと、現在こういうふうに考えているところでございます。 以上です。 ◎まちづくり推進課長(坂本大輔まちづくり推進課長) (説明員) 私からは、赤羽駅周辺の公共施設再配置の検討状況についてお答えをさせていただきます。 初めに、公共施設の再配置でございますが、庁内にプロジェクトチームをつくってございます。大きく三つの目標・目的を持ってございまして、一つ目が市街地再開発事業をはじめとしたまちづくりの推進、二つ目が赤羽小学校の教育環境の確保・充実とともに、三つ目としまして赤羽駅東口周辺の経年によって更新時期を迎える大規模公共・公益施設の更新等を検討するものでございます。 議員ご指摘の再配置の点ですが、今ご説明しました三つ目の検討の一つの手段として、再配置も視野に検討させていただいているところでございます。 その再配置でございますけれども、駅周辺の大規模な公共施設はいずれも経年劣化等をしてございます。それなりに期間も経費もかかるところから、更新することでいかに効率的な更新ができるか、もしくは住民の方々の利便性を損なわないで更新をしながら、一層利便性を高めることができるか、もしくはまちづくりの点でいうと、よりにぎわいのあるまちづくりとすることができるかといった視点で検討させていただいているものでございます。 ただ、二年間の計画で検討してございまして、一年目は答弁でもご説明させていただきましたとおり、その基本資料を収集しているところでございます。 大きな二点目のご質問としまして、これらの検討と地域の方々の意見をどう反映させるのかといったご質問についてでございますが、これもこの間一貫してご答弁させていただいてございますが、私ども赤羽駅東口のまちづくりにつきましては、地元に赤羽駅東口まちづくり全体協議会という、長い間活動を支援させていただいている協議会がございます。 この協議会の活動の中で、過年度からグループインタビューという取組をさせていただいてございまして、もちろん地域の方全員というわけにはいきませんが、商店街や町会・自治会、PTAのかなり多くの方々からご意見をいただいています。この取組の延長で、コロナの影響さえ受けなければ、例えばまちづくり懇談会等を開きながら、そういったところでまた自由なご意見をいただいていって、区が考えるまちづくりの考え方と住民からいただいたご意見等をうまく整合させながら、より多くの方にご理解をいただけるまちづくりの将来像や整備の在り方等についてまとめていくのが私ども協議会の事務局であり、行政の役割というふうに認識してございます。 以上です。 ◆十七番(野々山研議員)  まちづくりについては今ご答弁いただきました。 それで、コロナで二年間、実質的な議論がなかなか進められないというジレンマもありますが、今のまちづくりを推進していったら赤羽駅前がどういうふうになるのかというイメージは、多くの人がまだ持てないままだと思います。 再開発を進めるほうは、なかなかそれは決まるまではということで、あまり外に周知しないということになっていますし、それから商店街の皆さんも計画は何かあることは知っているけれども、きちんと聞いていない。第一地区の計画についても、残念ながら計画を決めるときの説明会がコロナできなかったということがあります。三月にその分ご報告があるというふうにお答えいただきましたけれども。 そういう今ある状況を全部オープンにして、それで区のほうの検討も、そういったところの議論の促進になるような形でご提示いただいて、材料にするというようなお考えでやっていただくといいのではないかというふうに思います。 それから、区の財政についてですけれども、政策経営部長からご答弁いただいて、国や東京都、それから区の役割分担だと。だから給付事業なんかについては国にお願いねということで、区は将来に備えて、財政が大きくなってきて今積めるときに積んでおくんだというお考えかなというふうに思うんですけれども。一つ一つの施策を見て、我々が要望してきたものがかなり反映をされたりしていますので、その個別の事業の評価は、私たちも積極的にしていきたいというふうに思います。 ただ、全体の枠組みを見たときに、一千六百二十二億円という、コロナ禍の中でこれだけの財源が出てきたときに、それを将来のために基金に積んでおこうと、七十一億円ね。というふうになるのか、積立ては今ちょっと我慢して、その分は区民の暮らし、営業を守るために、思い切って国の足らざるところ、都の足らざるところ、ここをしっかりやろうじゃないかという予算にしていただくのかと。区民から見て、そういうところは非常に注目するところだと思います。 なので、一つ一つの中身、予算特別委員会でも各款で取り上げて、また議論させていただきたいと思いますので、ぜひ積極的というなら暮らしの応援にということでお願いして、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(名取ひであき議員)  三十五番 うすい愛子議員。(拍手)   (三十五番 うすい愛子議員登壇) ◆三十五番(うすい愛子議員)  質問に先立ち、新型コロナウイルス感染症によって影響を受けた皆様にお見舞いを申し上げますとともに、対策にご尽力されている全ての皆様に感謝を申し上げます。 また、今年二月十四日で、同性婚訴訟が始まって三年目となりました。道半ばで亡くなられてしまった原告の方には心よりお悔やみを申し上げます。そして、今まさに闘っておられる原告の皆様には敬意を表しまして、質問に移ります。 大きく一つ目、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の第六波はいまだ鎮静化することなく、感染が拡大しています。このコロナ禍のパンデミックは、これまで顕在化してこなかった社会的不平等を浮き彫りにしました。さらに、今回各種統計でも明らかになったのは、非正規やシングルマザーなど、今の社会で弱い立場に置かれている人ほど雇用・経済状況、生活などの様々な面で大きな影響を被っているということです。これは、令和二年十一月第四回定例会代表質問でも指摘したとおりです。 そして、今回のオミクロン株での影響は、今まで感染率の比較的低かった子どもたちが感染し、その後、暮らしを共にしている保護者たちに感染が広がることで、家族の健康、そして最終的には経済状態に大きな影響を及ぼしています。 この状況に対して、区長は北区令和四年度の予算において、最重要課題の取組として新型コロナウイルス感染症拡大防止策や、ウィズコロナ下での社会経済活動への支援を示しています。 そこでお伺いいたします。まず、オミクロン株への対応についてです。 東京都のモニタリング会議でも各種示されているとおり、オミクロン株の特徴は、これまでのものよりも家庭内感染が多いとされています。こうした明らかに性質の異なるオミクロン株への対応は、必然的に今までと変わってくると思います。北区としてはどう対策をしていくのでしょうか。 そうした感染症対策が変化する中で、若年層へ向けても検査体制を拡充していくことが求められます。若年層へ向けた体制強化についてはいかがお考えでしょうか。文科省が、大学と自治体が連携して地域における検査体制の整備等に取り組む事例の資料では、学内等における検査の推進が紹介されています。また、愛知県では、繁華街における若者をメインターゲットとした無症状者へのPCR検査を行っています。北区でも、区内大学と連携して、こういった若年層をターゲットとした検査体制を広げていただきたいのですが、いかがでしょうか。 そして、何よりも、区としてより多くの人が必要なときに検査を受けられる検査体制を拡充していく必要があると考えます。いかがでしょうか。 また、PCR検査キット、抗原検査キットともに在庫が底をついているとの報道がされています。北区内ではどれくらい在庫があり、どのように運用する予定なのか、具体的にお示しください。 三回目のワクチン接種状況についてお示しください。また、現在配布済みの接種券について、ホームページや北区ニュースでも告知はされていますが、前倒しについて、北区ニュースだけでなく号外や独自チラシを作るなど、積極的に周知していく必要があるのではないでしょうか。 また、ワクチン接種の効果について、三回目は効果がないといったデマや、交互接種についてもその実効性への理解が進んでいないように感じます。周知のさらなる強化を求めます。 北区では、ワクチン接種コールセンターにて多言語対応が拡充し、英語、中国語、韓国語に加えて、ベトナム語、タイ語、タガログ語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語と対応が充実したと仄聞しております。この対応については評価いたします。 都内施設において、新型コロナウイルス感染症に対しての電話相談が急増しているとの報道があります。北区における電話体制は現在どのような状況なのでしょうか。また、ここについても、外国籍の方が相談できるようやさしい日本語での対応や、場合によっては、ホームページにも掲載されていますが、多言語相談ナビのさらなる周知を求めます。 さらに、北区としては後遺症の状況の把握、そして対策についてはどうお考えでしょうか。 続いて、コロナ禍での社会経済活動への支援についてお伺いいたします。 国や東京都全体で行っている支援はもちろん、北区民の個別の困り事や悩みに特化した支援は行わないのでしょうか。今後、経済的な混乱が想定される中、必要な方への金銭的支援等の拡充の検討が必要不可欠です。足立区では新年度の予算で、政府による住民税の非課税世帯などに対する現金十万円給付の対象にはならない世帯所得二百万円以下の住民税の課税世帯にも、区独自で十万円給付を決めました。北区としても、積極的に独自の給付や支援を行うことを求めます。 コロナ禍における女性を取り巻く社会的状況は悪化の一途をたどっています。日本におけるジェンダーギャップはもともと深刻ですが、コロナ禍によりさらにジェンダーの偏り、格差が生じていることは、内閣府男女共同参画局、コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会の指摘からも明らかであり、まさに今、早急に手を打たなければ問題はさらに深刻化し、取り返しがつかなくなるという大きな危機感を国際レベルで共有している状況です。この状況を打破するためにも、自治体レベルでも危機感を持って対策していくことが急務であります。 就業者数は、ここ数年で女性も男性も二〇二〇年四月に大幅に減少、特に女性の減少幅が大きいのが特徴です。男性は三十九万人減、女性は七十万人減となりました。年平均では男女とも二十四万人減少し、その後、就業者数は男女とも横ばいです。対して、雇用者数も同様に男女とも二〇二〇年四月に大幅に減少し、就業者数同様に女性の減少幅が大きいのが特徴といえます。男性は三十五万人減、女性は七十四万人減、年平均では、男性は十四万人の減少、女性は十七万人の減少です。その後、二〇二一年二月には、男性は増加、女性は横ばいというのが現状です。 また、休業者数も二〇二〇年平均では、男性約百四万人に対して、女性約百五十二万人と悪化しています。シングルマザーの失業率も、二〇二〇年第三・四半期に大幅に増加しています。加えて、女性の自殺が顕著になっていると報告書は指摘しています。このような状況は、国全体としてはもちろん、北区においても同様のことが言えるのではないでしょうか。 そこで、研究会の資料では、ポストコロナに向けて誰も取り残さない社会を目標として、ジェンダー統計・分析の重要性、具体的には男女別、都道府県別のデータ把握、既存統計の個票分析、オーバーサンプリング等、様々な手法で迅速・的確な実態把握と分析が重要であり、調査の実施のみならず、分析にも予算や人員が必要であることが示されています。 こうした状況を踏まえて、女性を取り巻く社会状況についての変化の把握、ジェンダー統計強化の必要性があるのではないでしょうか。前回は、北区として把握は難しいということでしたが、関連機関などとの連携を図り、今こそ、北区における実態を把握していく必要があるのではないでしょうか。 続いて今回、北区の新規事業の中ですばらしい取組の一つに、女性のためのLINE相談事業の開始があります。これは、国の地域女性活躍推進交付金の活用をするもので、LINE相談を主として、そこからアウトリーチ型の訪問相談支援、さらには生理用品の配布まで行い、同時に相談員の養成も行っていくとのご説明でした。二十三区初の試みに大きく期待しているところであります。こういった国の助成金に上乗せをして、区独自で若年層女性に特化した支援を行っていくのはいかがでしょうか。 大きく二つ目の質問です。 日本のジェンダーギャップの低さについては周知の事実であり、コロナ禍における偏りについても先ほど述べたとおりです。 そもそも、今まで日本では、ジェンダー主流化が議論のテーブルに上がっても、様々な議会等でバッシングが起こり、遅々として進みませんでした。差別があるということすら認められず、そこに確かにいるはずの当事者の存在は無視され、出発地点にすら立てない状況でした。それが近年、ようやくLGBTQなど性の多様性が広く知られることで、ジェンダー規範への見直しにつながったようにも思います。 区長は、令和四年度における北区政執行の基本方針についての所信と当初予算の大綱の中で、コロナを克服した後の社会を見据えており、未来への飛躍を掲げています。令和四年のこの定例会が終了した後、新しい年度にはパートナーシップ宣誓制度が開始されます。また、新年度はこのほかにも、ジェンダーやフェミニズムを扱った書籍の読書会を行うとしています。令和四年度の北区はジェンダー元年と言えるような取組がふんだんに盛り込まれており、そこについては、特に取り組んでくださった課長をはじめ職員の皆様へ感謝申し上げます。 ようやく北区がスタート地点に立ったのだと思っています。このパートナーシップ宣誓制度は始まりであり、ゴールではありません。ここから、ようやく北区でLGBTQ当事者への人権保障がなされていく、その大きな一歩であると解釈しております。 本来であれば、政府がLGBTQ当事者の人権を保障していくべきところを、同性婚裁判が起こってもなお、そして札幌地裁の違憲判決が出てもなお、当事者の訴えと存在を無視し続けているのが、残念ながら現在の日本の状況です。そこに地方行政が手を差し伸べ、今自治体ででき得る最大限の保障を行っていく、そこに北区は仲間入りを果たしたわけです。立憲クラブとしてもこれは全面的に応援して、区長とともに当事者の方たちにとってよりよい制度をつくっていくことを誓いまして、大きく二つ目の質問へ移ります。 北区の今までのLGBTQ政策についての取組、周知啓発活動、電話相談の実績と、区としての事業評価をお聞かせください。また、今後パートナーシップ宣誓制度ができてからの展望についてもお聞かせください。 ジェンダーに関する調査の重要性については、さきのコロナに関する質問でも申し上げたとおりです。令和三年の予算特別委員会においても質問いたしましたが、パートナーシップ宣誓制度を始める今だからこそ、SNSを利用したLGBTQ当事者に関する区独自の調査について、再度お伺いいたします。 渋谷区では、渋谷男女平等・ダイバーシティセンターのアイリスで、男女平等及び多様性社会に関する調査を行っています。無作為によるアンケートとともに、ツイッターでもアンケートを広めていました。担当課の方によると、当事者に当たることが無作為抽出では少ないので、当事者の声を集めるためにSNSを活用したと伺いました。北区でも、当事者の実態調査をこのパートナーシップ宣誓制度を機に行っていただきたいのですが、いかがでしょうか。 続いて、各種書類の見直しについて伺います。性別欄はもちろんですが、パートナーシップ宣誓制度を始めることによって、同性カップルが子育てすることを想定した各種書類への変更はどこまで進んでいるのでしょうか。状況をお聞かせください。 例えば、北区の保育園等利用申請書では、保護者氏名のところに父母のチェック項目がありますが、世田谷区では申請者(保護者)が一名分と、そのほかは家庭状況という欄があり、氏名と申込児との続柄を記述できるようになっています。今後、北区でもそのような書式にしていただきたいのですが、いかがでしょうか。 また、今年は東京都でもパートナーシップ宣誓制度が本格的に開始されることとなり、今月、都の予算の中でその制度の概要が示されました。その中で、子どものいる同性カップルが何よりも気にかけている子の扱い、つまり証明書への補記について可能であると示されています。これは北区が今からでも行えることかと思いますが、いかがでしょうか。 パートナーシップ宣誓制度によって、自治体や民間サービスをヘテロカップルと同様に受けられるようになっていくという期待はありますが、様々委員会等で答弁されているとおり、法律での保障は伴っておりません。そのため、当事者同士で日常生活の義務や財産の帰属確認、貞操義務や離別時の財産分与請求権等について話し合って公正証書を作成する方もいます。公正証書の助成については渋谷区で行っており、ホームページ上に明石市も行う予定であると記載されています。北区でも、同性カップルの権利保障のためにも行っていただきたいのですが、いかがでしょうか。 また、犯罪被害者等遺族支援金等の給付や傷病手当金、前回も伺っていた北区の職員の方がこの制度を利用した場合の結婚祝い金の支給、結婚休暇等の取得についての進捗状況はいかがでしょうか。制度開始と同時に利用できることを求めます。 先日、全員協議会の場でもご説明がありましたが、北区パートナーシップ宣誓制度と同時に、区営住宅の入居についても条例整備が整って安心しております。ただ、区営住宅などの入居については、当事者の方が本当に困った状況に陥った際のセーフティネットとしての機能であるものかと考えております。 大多数の当事者の方たちの困り事としては、同性カップルでは、異性カップルのように家を借りることができないということです。世田谷区ではお部屋探しサポートという事業を行っており、これは世田谷区と協定を結んだ不動産団体の協力で、民間賃貸住宅の空き室情報を提供できるサービスです。利用対象者としても、高齢者や障がい者、十八歳未満のお子さんがいるひとり親世帯、また、大変こちらも入居困難な外国人を含む世帯と並んで、LGBT当事者の世帯と記載されています。こういった事業も、北区として事業所の方と連携しながら取り組んでいただきたいのですが、いかがでしょうか。 令和二年にも質問したことですが、コロナ禍では特に同性パートナーの一方が入院した場合の連絡等、医療機関に家族として扱ってもらえないことによる弊害が起きています。コロナ以前から同性パートナーでは手術の同意ができない、病気に関する説明を受けられないといったことが問題になっていました。しかし、本来であれば、厚労省のガイドラインでも「家族等」と示されているので、同意など可能なはずです。いま一度、医療機関への周知と差別のない対応を求めます。 愛知県岩倉市、長久手市、長崎県対馬市では、独自でAIDに関する助成を行っています。北区自体はそもそも不妊治療について北区独自の助成を行っておりませんが、こういったことに関しても、今後助成を広げた形で行っていただくことはできないでしょうか。 続いて、パートナーシップ宣誓制度後の各種計画についてお伺いいたします。 私が北区議会議員になってからまだ三年ですが、様々計画の策定があり、その中に北区基本計画2020の策定や、北区男女共同参画行動計画第六次アゼリアプランの策定がありました。基本計画2020についてはおよそ十年先まで見据えた計画であり、第六次アゼリアプランについては五か年の計画です。 基本計画2020の策定時には、男女共同参画の実現の中でLGBTやSOGIという表記は出たものの、残念ながら支援の対象であることは明記されませんでした。また、アゼリアプランの策定においても、パートナーシップ制度についても紹介のみで、あくまでLGBTQ当事者への支援については記載がなく、理解促進と啓発の域にとどまりました。 こうした計画から見ても、今までパートナーシップ宣誓制度やLGBTQについての記述や見通しは、率直に申し上げて十分ではありませんでした。以前から質問の中で、ウーマン・リブや黒人の奴隷解放の流れのようにジェンダー主流化の流れ、さらに同性婚に向けた世界的な流れは、加速することがあっても逆らうことはできないということを度々指摘してきましたが、そうした未来を今後、改定されゆく各種計画や方針では見据えていただきたいのです。 東京都においても、先ほど紹介のとおり、今月十四日に東京都パートナーシップ宣誓制度素案を公表し、また、荒川区でも今年からパートナーシップ制度が導入され、二十三区では十区導入となります。また、東京都の導入によって、全人口の約半分、五〇%のカバー率となります。これは同性婚法制化に向けた大きな動きであり、今後さらに発展していくでしょう。 そういったことからも、北区においては、現状の紹介や少し先の未来ではなく、社会において真に誰もが等しく扱われる、そんな未来を具体的に描き、その計画に向けて進めることが肝心なのではないでしょうか。「誰もが」という表記は北区の計画の中でよく見かけます。しかし、本当の意味で「誰もが」よりよく生きられる社会を目指すには、その「誰も」は誰であるのか、その具体的な誰か、セクシャリティ、レイシャル、障がいの有無などを具体的に個別に思い描く必要があり、その特性に応じた配慮や対応を考えていく必要があるのではないでしょうか。 今、既に策定してある第六次アゼリアプランや基本計画2020に記載されている内容よりも、北区の取組は先行しています。計画に記載のないことについて臨機応変に対応すること自体を否定はしません。むしろすばらしい決断ですが、計画が真に未来を見据えたものとなることを求めます。 北区では現在、二十年後の将来を見据えた新たな基本構想の策定について検討を行っていますが、北区の要となるこの基本構想について、審議会ではどのような議論がなされているのでしょうか。 令和三年九月定例会でもご紹介した兵庫県豊岡市の取組、ジェンダーギャップ解消戦略ですが、これは女性の若者回復率の低下を豊岡市が反省し、真摯にジェンダーギャップの解消に取り組んだ結果として生まれた戦略です。ジェンダーギャップが解消された豊岡市のまちの姿が図解とともに、具体的に企業や家庭、学校地域などの項目ごとに示されています。市の職員の男女比較など、分析や考察が丁寧になされています。ぜひ北区でも基本構想の策定に当たって、将来像や基本的な考え方にこのような考え方を取り入れていただきたい、その必要があると考えますが、いかがでしょうか。 さらに、区の将来像を定めた基本構想の策定後には、各種計画事業を定めた基本計画の改定もあると伺っています。また、基本構想や基本計画の改定に合わせて各種の個別計画(部門別行政計画)の改定も行われると思いますが、各計画においても、ジェンダー主流化・LGBTQ政策について方向性や考え方が示されるべきと考えますが、区長の考えをお示しください。 広報公聴について伺います。 直近の令和三年十月の北区民意識・意向調査の施策満足度と施策重要度の相関図を見ると、ジェンダーに関する男女共同参画の推進、多様性社会の推進、また、多文化共生の推進はいずれもCの満足度・重要度がともに低い状態です。この北区民意識・意向調査は、新たな基本構想の政策並びに区政運営の基礎資料となるための実施であると承知していますが、この結果からは区民に施策内容が十分に伝わっていないということが想定されます。 北区は、外国籍の方も多く、また今後調査していく中で、一定数LGBTQ当事者がいることも想像にかたくありません。この状況を改善するためにも、これまでとは違う広報戦略が必要であると考えますが、今後はどのような広報戦略を取っていくのでしょうか。 渋谷区のアイリスでは、LGBTQコミュニティスペースとして「♯渋谷にかける虹」を月一回開催しており、SNSでの情報発信もアイリスとは別でアカウントを作成して行っています。こうした発信も有効であると考えます。 続いて、スペースゆうの利活用についてお伺いいたします。 北区のスペースゆうにおいては、これまで関係する方々の場として機能してきましたが、制度面の大きな変化を受け、コミュニティとしてより活性化される必要性があるのではないでしょうか。現在検討している企画等あればお示しください。 現在、スペースゆうに所蔵されている各種メディア、図書資料は、ジェンダーやフェミニズム、LGBTQに関して学びを深めるのに最適なものが数多くあります。中高生対象の読書会を行うということでしたが、ジェンダーやフェミニズムについて学んでいる大学との連携を図り、中高生だけでなく大学生も巻き込んでいってはいかがでしょうか。また、こうした豊富な図書があることをぜひ多くの区民に知って活用していただくことも大切であると考えます。 大きく三つ目、北区版SDGs及びSDGsの取組について伺います。 北区基本計画2020、予算編成方針を通じて、北区政においてSDGsは中核たる価値として示されています。次年度予算においては未来へ飛躍するための取組として、多様性社会推進の中ではパートナーシップ宣誓制度をはじめとした、性差別のない社会の実現のための事業展開や企画を、また環境問題では、昨年のゼロカーボンシティ宣言により脱炭素社会の実現に向けた計画をしています。これらの政策は、その区長の未来を見据えた所信にあるとおり、SDGsの基本的な理念である誰一人取り残さない、持続可能な社会実現のための取組とも合致するところです。 昨今の地球温暖化に代表される気候変動、コロナ禍による地球規模での社会変動の中で、SDGsの十七の目標はより重要視されることは明白です。しかし、現状では、日本全体としての目標もある程度の指針は示されているものの、一つ一つのゴールに対する取組が明確化されておりません。 また、北区としての基本計画2020の中で、基本目標及び政策とSDGsの十七の目標の関係は示されておりますが、ターゲットごとに細かく関係性がチェックされているのか、また、ジェンダーを含め、様々な立場の視点を入れて関係図が作られているのかは疑問が残るところです。このままでは、具体的なまちづくりの目標としてSDGsを使うことが難しくなってしまうのではないかと危惧しております。この想定を回避する意味で、早急に区長としての明確な指針を示していただきたいのです。 SDGs登録・認証制度を始める前に、区として独自のSDGs指標を示すべきではないでしょうか。本登録・認証制度は十七の目標のうち、どのゴール、どのターゲットに貢献することになるのでしょうか。そして、その目標の現状値は何でしょうか。 大きく二つ目のところでも触れましたが、SDGs登録・認証制度とともに、北区も渋谷区で取り組んでいるしぶやレインボー宣言や、札幌市のようなLGBTフレンドリー指標制度を行うのはいかがでしょうか。これは、ジェンダー平等のところに大きく関係するものではないでしょうか。また、これを行うことにより、事業者の方の周知・啓発も同時に行うことが可能であると考えます。 続いて、シティプロモーション推進について伺います。 渋沢×北区×SDGsとありますが、これは十七の目標のうちどこに貢献することになるのでしょうか。そして、その目標の現状値は何でしょうか。また、都市イメージ調査の実施とありますが、どのような調査を想定しているのでしょうか。 さらに、SDGsの研修については、どんな研修を行っていくのでしょうか。この研修を受講することで、区職員お一人お一人がどう行動変容していくことを想定しているのでしょうか。 昨今、ZEB、エコスクールなどの新しい考え方による校舎改築が全国で広がりを見せています。国としても推進していますが、北区としてはどのように考えるのでしょうか。昨年の代表質問で我が立憲クラブ、佐藤ありつね議員が新庁舎にこの考えをと提唱しておりましたが、学校改築やリノベーションなどのあらゆる面で推進していくべきと考えます。 最後に、大きく四つ目、区民に優しいDX及びまちづくりの推進についてお伺いいたします。 昨年度来、北区においてDXが推進されています。国においても、新しい資本主義の柱として多様性の確保、誰一人取り残さない社会の実現が掲げられ、デジタル田園都市国家構想が示されるなど、デジタル化を核とし、あらゆる属性やコミュニティの人たちがより住みやすいまちづくりの推進が求められています。 また、次年度予算においても、各種DX関連の施策が示されています。それぞれ、現状の数値の把握とDX化による効果の検証が必要であると考えます。そこで、以下お伺いいたします。 北区として、誰一人取り残さないDXの推進の方向性について、区長の考えをお示しください。 地域防災力アップ事業におけるオンライン防災イベントの実施効果はどれくらいを想定しているのでしょうか。地域防災力の向上へ向けては、包括的な取組が必要ではないでしょうか。 また、ハザードマップの普及動画配信の実施効果はどのくらいを想定しているのでしょうか。地域防災力の向上へ向けても、これもまた包括的な取組が必要と考えます。特に、外国籍の方への対応などはどうなっているのでしょうか。 さらに、子育てアプリにおいて、保育所マップなどの案内機能が追加されるということですが、これまでのアプリ利用評価、現在の登録者数をお聞かせください。また、今後の改定の方向性や登録者数等の数値目標を併せてお示しください。 さらに、多言語対応についてですが、ここでもよく北区の多言語対応で見られる英中韓となっておりますが、本当に今多言語対応が必要なのはベトナム語、ミャンマー語、タガログ語といった言語ではないでしょうか。 各種鉄道駅の周辺で、次年度以降まちづくり推進事業が推進されています。それぞれに事業規模は大きく、まちの在り方そのものが問われる事業です。区として、未来を見据えてまちづくりを行う必要性があると考えますが、そこに想定される区民は具体的に想像がなされているのでしょうか。誰一人取り残さない、このSDGsの基本理念に沿って、いま一度、区長のまちづくりの方向性をお伺いいたします。 多様な住民のニーズや意見の把握について、形式的な意見聴取ではなく、デザイン、仕様などにおいても本音での住民との意見交換が必要です。しかし、現在コロナの影響もあり、区としても思うようにコミュニケーションが図れていないのではないでしょうか。具体的に、今後どのような手法でコミュニケーション及び意見の把握をしていくのでしょうか。 以上、未来を見据えた区長の前向きな答弁を求めまして、立憲クラブの代表質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手)   (花川與惣太区長登壇) ◎区長(花川與惣太区長)  ただいま立憲クラブを代表してうすい愛子議員から、新型コロナウイルス感染症対策についてをはじめ、パートナーシップ宣誓制度導入後の展望について、ジェンダー主流化・LGBTQ政策の推進について、そして北区版SDGsの取組について、さらには区民に優しいデジタルトランスフォーメーション及びまちづくりの推進についてまで、大変具体的なご意見、ご提言を多岐にわたり頂戴いたしました。誠にありがとうございました。 それでは、順次お答えをさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症についてお答えいたします。 まず、オミクロン株への対応についてです。 オミクロン株は、従来株と感染経路や感染の様式は変わりませんが、感染力が強く、さらに感染拡大のスピードが速い一方で、重症化する方の割合が比較的低いという特徴があります。このため、軽症者を中心に流行規模は極めて大きくなる一方で、感染が拡大すれば、入院が必要な患者や重症患者も増加することになります。 対策としては、高齢者や基礎疾患のある方への重点的な対応と、大勢の軽症患者の自宅療養への支援の両立が求められます。このため、訪問看護、往診、遠隔診療、経口治療薬などの在宅医療の提供体制の構築及び病状が悪化した際の迅速な入院調整の取組を強化してまいります。 一方で、軽症患者の方には、状況に応じてパルスオキシメーターや体温計の貸与、食糧の配送、スマートフォンの活用や医療機関による健康観察を行うなど、効率的に自宅療養を支える体制を整備しております。 次に、若年層へ向けた検査体制の強化についてです。 第六波の始まりと言える一月初旬の新規感染者の中心は若年層でした。ご紹介の、大学における検査体制整備の取組は、発病した際、身近な場所で速やかに検査を受けられる体制が確保できるため、感染者の早期発見に有用なものと考えます。 区といたしましては、検査体制等、新型コロナウイルス感染症対策に関わる取組について、区内大学と情報共有を行うとともに、区内に二か所の会場を確保した東京都のPCR等検査無料化事業との連携を図ることなどにより、協力関係を推進してまいりたいと考えます。 区民の安心・安全な日常生活を支えるためにも、ご提案の内容も含め、感染拡大時における検査会場の確保に努めてまいります。 次に、検査キットについてです。 PCR検査試薬及び抗原検査キットは、行政検査のほか、行動制限の緩和を目的とした民間事業や、エッセンシャルワーカーの感染管理対策など、様々な場面で活用されています。 一方で、今般のオミクロン株の感染拡大による検査需要の増大に伴い、国は医薬品販売及び卸売事業者に対して、医療機関や地方自治体が有症状者や濃厚接触者に行う検査や、濃厚接触者となったエッセンシャルワーカーの待機期間を短縮するために行う検査に対して、試薬やキットを優先的に供給するよう通知をしました。 北区内では、行政検査を自ら試薬の確保を図っている民間検査所や医療機関に委託して実施しているため、現在のところ、不足によりPCR検査の実施体制に支障を来してはおりませんが、今後とも関係機関との連絡を密にして、検査体制の確保に努めてまいります。 また、医療機関のPCR検査は、院内検査または委託先の民間検査所で実施していますが、これまでに区内医療機関から、試薬不足から業務に支障が出たとの報告はありません。 なお、国は、家庭内で濃厚接触者が発症した場合には、医師の診断に際して検査を省略することができる制度を設けるなど、試薬やキットが不足した場合の運用を開始したところであります。 次に、新型コロナウイルス感染症拡大防止策についてのうち、三回目のワクチン接種状況についてお答えいたします。 まず、三回目のワクチン接種状況につきましては、二月二十一日現在で約五万人、二回目の接種から六か月を経過している方の三割を超える方が接種を完了しています。周知・啓発を推進することなどにより、引き続き速やかな接種に努めてまいります。 次に、前倒し接種の周知についてです。 これまで北区では、国の指示に基づき、速やかな三回目の接種を実施するため、各種の前倒し策を進めてまいりました。その際の周知については、北区ニュース、ホームページ、SNS等でお知らせすることはもちろんのこと、北区独自の案内チラシの町会掲示板への掲示や、JR駅等の広報スタンドへの配架など、様々な手だてを講じてまいりました。 また、三回目接種の効果や交互接種の有効性についても、周知の対象となる区民の方の指向やニーズに応じて、効果的な周知・啓発に努めてまいります。 次に、電話相談についてです。 新型コロナウイルス感染症の電話相談は、一般の方、発熱など症状がある方、感染して自宅療養している方のそれぞれについて、北区新型コロナ健康相談センターにおいては、平日午前九時から午後五時まで保健師等の専門職が、東京都の発熱相談センター、自宅療養者サポートセンターは土日、休日や夜間も対応するなど、区と東京都が役割分担して、毎日二十四時間の対応を行っています。 本年一月以降の第六波においては電話相談が急増し、一月第四週には千三十二件と、過去最大の受電数となりました。このため、従来の保健所保健師が行っていた業務の一部を訪問看護ステーションに委託するほか、人材派遣の保健師、看護師を追加して相談センターに配置するなど、実施体制の強化に努めております。 また、外国語による相談につきましては、外国語会話能力のある職員による応対、区として取り組んでいる、やさしい日本語の活用、東京都が保健所に提供している十一か国語による電話通訳サービスの利用などにより対応しております。 ご指摘の東京都の多言語ナビにつきましても、引き続きの情報提供に努めてまいります。 次に、後遺症対策についてです。 いわゆる後遺症は、新型コロナウイルス感染症の回復後に発生している症状であり、原因は明確になっておりません。医療機関からの報告の対象ではないため、その実数は正確に把握できておりません。 国の研究班によると、時間経過とともに次第に症状は改善するものの、入院患者の六か月後の調査で、倦怠感、息切れなどの軽微な症状も含めると、一〇%以上の方に残存しているとのことです。 後遺症に関する相談は、北区新型コロナ健康相談センターにおいて保健師等の専門職が電話で対応しており、昨年夏の第五波以降では、五、六十件程度の相談に対応しております。 医療機関の受診を希望する相談に対しては、後遺症の医療は症状に応じた治療が基本となるため、まず身近なかかりつけ医で、それぞれの症状に適した受診先について相談するよう案内するほか、都立病院と公社病院が設置しているコロナ後遺症相談窓口を案内し、専門的な受診につながるよう支援しております。 また、仕事ができないなど生活支援に関わる行政サービスについては、当該サービスの担当窓口を案内しておりますが、より効果的な支援が行われるよう、保健所と関係部局の連携に努めてまいります。 次に、区の独自給付や支援についてです。 区ではこれまでも、新型コロナに対する区民の皆様の不安の解消に全力で努めるとともに、区議会のご協力もいただきながら、昨年度は七次、今年度は九次の補正予算を編成し、スピード感を持って、感染症対策やワクチン接種をはじめ、北区独自の区民生活の支援や区内産業・経済活動の支援を進めてまいりました。 本定例会でも、新型コロナの最前線で戦っている民間福祉事業所等や医療機関の取組に対して、区独自の特別給付金として六億五千万円余の補正予算を計上し、支援をしてまいりたいと考えています。 今後も、感染状況や社会経済の動向の把握に努め、関係機関等と連携し、区議会とも相談の上、必要な支援策についてはしっかりと対応してまいります。 次に、ジェンダー統計強化の必要性についてです。 コロナ禍において、女性の生活や雇用に大きな影響が表れていることは、ご紹介の内閣府男女共同参画局、コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会の資料等により認識しています。 北区における実態の把握につきましては、区市町村単位でのデータは示されていないことから、区で実施している各種女性相談の相談内容の動向を注視し、現状把握に努めてまいります。 次に、若年層女性支援についてです。 令和四年度より、国の交付金を活用してNPO法人への委託により、新たな相談事業を開始することといたしました。これまで、困難を抱えているにもかかわらず、適切な支援を受けられなかった女性が気軽に相談を利用できるように、新たにLINE相談を追加し、必要に応じてアウトリーチ型の相談、同行支援を行います。 ご提案の若年層女性に特化した区独自支援につきましては、LINE相談やアウトリーチ型支援の実績や相談内容等を分析し、その必要性を探ってまいります。 次に、LGBTQ政策についての取組の評価と、パートナーシップ宣誓制度導入後の展望についてです。 性の多様性に関する取組については、区民の皆様の正しい理解と知識の普及・啓発のため、LGBT理解基礎講座の実施や、北区ホームページ、リーフレットによる啓発・情報提供を行うとともに、全職員を対象に、LGBT等について正しい知識を学ぶための研修を毎年行っています。また、令和二年度からは、性的少数者の悩みに寄り添った、にじいろ電話相談を実施するなどしてまいりました。これらの事業を通じて、意識啓発と理解の促進に一定の成果があったものと考えております。 パートナーシップ宣誓制度の導入につきましては、意識啓発も目的としており、広くご理解をいただくことで効果が出てくるものと考えております。まずは区民の皆様に対し、北区ニュースやホームページ、SNSを活用して、多様な性の在り方や性的少数者に対する正しい知識を改めて周知し、理解を促進するための取組を進めてまいります。 次に、SNSを活用した当事者の実態調査についてです。 SNSやウェブを活用したアンケートについては、北区基本構想の策定などで実施をしておりますが、操作性や回答のしやすさなどの観点から、設問数を少なくするなどの工夫が必要となるため、実態調査とは切り分けたものとして、傾向を把握するための参考資料として活用しています。 今後、性的少数者の実態調査を実施する場合には、渋谷区の事例も参考に検討してまいります。 次に、各種書類の見直しについてです。 全職員に配布している性の多様性に関する対応ハンドブックでは、区民に関わる書類などの性別欄については、法令で義務づけられているものや事務上必要となるものを除き、削除することが望ましいと示しており、適宜見直しを行っているところです。 保育園の利用申請書等につきましては、多くの保護者にとって分かりやすいものとするため、現在は、保護者氏名を記入する欄などに父、母といった表記を用いています。 今後は、性の多様性への視点を踏まえ、他自治体の表記なども参考としながら、表記の見直しを検討してまいります。 次に、パートナーシップ宣誓書受領証に子の名前を補記することについてです。 東京都パートナーシップ宣誓制度素案では、当事者に子どもがいる場合、子どもの困り事の軽減にもつながる仕組みとするため、希望に応じて、受理証明書に子の名前を補記することができるとしています。 区におきましては、制度の趣旨を踏まえて、様々な角度から検討してまいります。 次に、公正証書の助成と窓口についてです。 区では、多様性を認め合い、誰もが生き生きと生きることができる差別のない人権尊重社会の実現を目指す施策の一つとして、パートナーシップ宣誓制度を導入してまいります。 パートナーであるお二人が共同生活を営むに当たり、任意後見契約公正証書や合意契約公正証書を作成される方がいらっしゃることは認識しております。 公正証書の作成は任意であることから、経費の助成については今後の研究課題とさせていただきます。 また、犯罪被害者等遺族支援金等の給付や傷病手当金につきましては、国の制度でもあり、給付対象とすることは現在考えておりません。 結婚祝い金については、職員互助会の会費による互助給付となりますが、来年度から支給対象に加える予定です。また、慶弔休暇等については、取得できるようにする方向で検討してまいります。 次に、住まいの保障と医療についてです。 お部屋探しサポートは、世田谷区と協定を結んだ不動産店団体の協力により、世田谷トラストまちづくりが空き室情報を提供するサービスで、住宅の確保に困窮する方の住まい探しの一翼を担っていると認識しています。 区としましては、北区パートナーシップ宣誓制度の普及・促進を図るため、本制度の導入に先立ち、東京都宅地建物取引業協会北区支部及び全日本不動産協会東京都本部城北支部並びに加盟する不動産店に対して、本制度の趣旨と内容を説明し周知を図るとともに、制度を活用された方々への支援を依頼してまいります。 次に、医療機関への周知と差別のない対応を求めるについてです。 パートナーシップ宣誓制度の導入に伴い、区民、事業者に対して、広く制度の周知に努めているところです。 医療機関に対しましては、制度の趣旨を十分に説明し、理解を求めてまいります。 次に、AID助成についてです。 不妊治療への支援については、国による不妊治療への保険適用により、国や東京都による支援制度の見直しが想定される中、区の助成については、国や東京都の動向なども見据えながら検討してまいります。 非配偶者間の人工授精などへの支援対象の拡大については、現在の東京都特定不妊治療費助成事業においても、対象者は、様々な要件はありますが、法律婚と事実婚の方を対象にしています。 第三者の卵子または精子を用いた生殖補助医療などについては、国会でもその取扱いについて検討が進められており、今後の不妊治療に関する議論を踏まえながら、調査・研究してまいります。 次に、各種部門別計画策定によるパートナーシップ宣誓制度後の変更についてお答えいたします。 まず、基本構想審議会での議論と、基本構想の将来像や基本的な考え方についてです。 ご承知のとおり、新しい基本構想の策定に向けて、昨年十月から審議会を設置し、ジェンダー平等やLGBTQ等も含め、分野別の審議会部会にて検討を進めています。 先月開催いたしました部会では、北区の二十年後の望ましい姿として、女性の活躍支援がさらに進んだ地域、LGBT等にかかわらず、誰もが自分に忠実に生きることができる社会、パートナーシップ宣誓制度の実効性を担保する仕組みづくりなど、審議会委員から様々な意見をいただいたところです。 区の新たな将来像を定めるに当たっては、人口問題への取組、防災・減災対策、デジタル化の推進、脱炭素社会、SDGsなどに加え、ご指摘いただきましたジェンダーギャップの視点も重要な課題の一つと認識しています。 ご提案いただきました豊岡市の取組も参考とし、引き続き審議会で幅広く意見をいただきながら、基本構想の将来像や基本的な考え方について検討してまいります。 次に、各計画における方向性についてお答えいたします。 各個別の計画は、策定の根拠となる法律等の有無にかかわらず、関連する国や東京都の計画との関係性はもとより、区の目指すべき方向性や基本的な目標を定めた基本構想や、これを実現するために必要となる施策や事業を計画化した長期総合計画である基本計画との整合性を図り、策定すべきものと認識しています。 現在の基本構想では、理念として「平和と人権の尊重」を掲げており、基本計画2020でも「多様性の尊重」を、北区の新たな魅力や価値を創出する施策の一つとして位置づけています。 こうしたことから、各計画の策定に当たっては、男女の格差や性の多様性はもとより、多文化共生のほか、障害者の差別解消・理解促進など、これらを十分に認識した上で、各計画の対象者や計画の目的を踏まえて、施策や事業を検討する必要があると考えています。 全ての計画において、ジェンダー主流化やLGBTQ政策について、具体的な方向性や考え方が示されるものではないと考えておりますが、計画検討過程においては考慮されるべき内容と認識しています。 次に、ジェンダー主流化・LGBTQ政策の広報広聴についてです。 これまで、事業や施策の内容を広く周知するため、北区ニュースやホームページのほか、SNSでの発信、スペースゆう情報誌への掲載、チラシの広報スタンドへの配架等により広報に努めてまいりました。 今後の広報広聴につきましては、ご紹介の事例も参考としながら、調査・研究を進めてまいります。 次に、コミュニティとしてのスペースゆうの利活用についてです。 これまでもスペースゆうは、男女共同参画活動拠点施設として男女共同参画に関する様々な啓発事業を実施し、ネットワーク機能を果たしてまいりました。 令和四年度からは、ジェンダーやフェミニズムの学びを深めるための読書会を実施し、幅広い年齢層に対して学ぶ機会を提供するとともに、夏休み期間には若年層向けに選書を行い、読書会を実施する予定としています。まずは、新たな事業である読書会を実施し、その成果等を踏まえつつ、大学との連携の必要性を検討してまいります。 次に、北区版SDGs及びSDGsの取組について、順次お答えをいたします。 初めに、区としての独自指標の設定についてです。 北区では、基本計画2020において、区の施策体系とSDGsの十七のゴールとの関連性を位置づけ、施策の推進やSDGsの目標の達成に向けて取り組んでいるところです。 昨年宣言したゼロカーボンシティの実現や、新たにパートナーシップ宣誓制度の導入など、この機を捉えて、誰一人取り残さない、持続可能でよりよい世界の実現のため、北区版SDGsとして全庁横断的に施策を構築し、事業展開を図ることとしました。 一方で現在、新たな基本構想の策定に向けて審議会を開催しています。審議会では、区の将来像と進むべき方向性や今後の施策の在り方を含めて検討しています。 こうしたことから、独自指標の設定に当たっては、基本構想の議論を踏まえるとともに、その後に策定を予定している基本計画における新たな施策の体系と、SDGsのゴールとの関係性を整理するとともに、各種施策の達成を図る目標値との整合性なども図っていく必要があると考えています。 また、SDGsの推進に当たっては、その理念を十分に理解した上で事業を展開する必要があることから、人材の育成が重要であると考えています。このため研修では、SDGsの理念など基本的な考え方から学ぶものとし、職員一人一人が区の施策や事業との関連性を認識した上で、各種施策の展開や事業の推進に資する内容となるよう検討してまいります。 次に、北区版SDGs登録・認証制度についてのご質問にお答えいたします。 地方創生SDGs登録・認証等制度は、国の第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、地域における資金の還流と再投資を生み出すために、地方公共団体が地域事業者等を対象に展開を行う制度として示されたもので、宣言・登録・認証の三つの制度モデルが示されています。 地方自治体が、地方創生SDGsに積極的に取り組む地域事業者等の見える化を行うことで、事業者等の取組を支援し、さらなる取組の推進及び地域の自律的好循環の形成の加速化につなげることが期待できる制度とも言われています。 令和四年度は、こうした制度の趣旨を踏まえ、区内事業者の認知度の向上や事業機会の拡大など、地域経済活性化につながる制度構築を目指し、また現状を把握するという観点からも、まずは区内事業者に対し、SDGsに対する関心度、取組の状況、制度構築に期待することなどについての実態調査を実施してまいります。 その後、調査結果や北区の実情も踏まえた上で、十七のゴール、百六十九のターゲットに対する区内事業者の取組を、どのような制度モデルや評価手法により見える化し、一層の取組の推進につなげるのか、運用体制等も含めて検討し、実効性のある制度を構築していく考えです。 ご提案のLGBTQフレンドリー指標制度については、北区版SDGs登録・認証制度の中で、制度設計や評価手法を検討する際に参考とさせていただきます。 次に、シティプロモーションの推進についてお答えいたします。 昨年の大河ドラマの主役であり、新紙幣の肖像となる北区ゆかりの渋沢栄一翁が常に意識していたのは公益であり、みんなが豊かになる社会を理想としていました。これは、誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指すSDGsの理念と重なるものです。 そこで、渋沢翁ゆかりの北区としては、近年、東京北区渋沢栄一プロジェクトで実践してきた公民連携の考え方も取り込みながら、SDGsに関する取組を広く周知しつつ、北区らしさのある事業を推進するとともに、渋沢栄一といえば北区を広く知ってもらうべく、SDGs推進の大きな枠組みとして渋沢・北区・SDGsを打ち出しました。今後、渋沢・北区・SDGsとして取り組む事業ごとに、十七の目標との関係性を判断してまいります。 なお、都市イメージ調査につきましては、北区に対するイメージや、渋沢翁が新紙幣と大河ドラマで注目された中で、北区の魅力発信のために実施した様々な取組について効果測定を行うとともに、今後の事業展開や、近年予定しているシティプロモーション方針改定の基礎資料とすることを目的として実施します。 次に、新庁舎、学校におけるZEB等の推進についてです。 現在、公共施設の新築及び改築等に当たっては、自治体の事務事業に関する温室効果ガス排出削減の取組をまとめた第五次北区役所地球温暖化対策実行計画の中で、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの活用などの環境配慮について検討するよう定めています。 今後は、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けたさらなる取組の推進を図るため、来年度に(仮称)北区役所ゼロカーボン実行計画として本計画を改定します。 改定に当たっては、ZEB化をはじめとする技術の導入など、他自治体の事例等も踏まえながら、今後予定されている新庁舎建設や学校改築などの実施も見据え、費用対効果を含めたより実効性のある取組について検討してまいります。 次に、区民に優しいデジタルトランスフォーメーション及びまちづくりの推進について、順次お答えいたします。 初めに、北区として誰一人取り残さないデジタルトランスフォーメーションの推進の方向性についてです。 令和二年十二月、国において自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画が策定され、重点取組事項とともに、デジタルディバイド対策が示されました。 北区においても、デジタル化を進めるに当たっては、年齢、障害の有無、性別、国籍、経済的な理由などにかかわらず、誰一人取り残さない形で、全ての区民がデジタル化の恩恵を実感できるように取り組んでいくことが重要であると考えています。 そのため、令和四年度に策定する北区版デジタル・トランスフォーメーション推進方針の中に、デジタルディバイド対策の視点を盛り込むとともに、策定を進めていく中で、デジタルを利用できる環境の確保やデジタルサポートによる課題の解決など、具体的な対策についても検討してまいります。 次に、オンライン防災イベント及びハザードマップの普及動画配信についてです。 近年、新型コロナウイルスの感染拡大により、各種防災訓練・講座が度々中止・延期となるほか、参加者の固定化や高齢化が課題となっていることから、ICTを活用した新たな取組を行うこととしました。 オンライン防災イベントにつきましては、各参加者がパソコン、スマートフォン等の画面上で、発生する災害体験を通じて防災知識を習得できる形となっており、最大で四百五十組の参加を想定しております。 一方、ハザードマップ普及動画につきましては、区民の方が水害に備えたマイ・タイムラインの作成をご自身で行うことができるよう、講師がハザードマップの見方の説明等を行うといった内容の動画を制作・配信するものです。 令和二年開催の水防災シンポジウムの動画再生回数がおよそ二百五十回にとどまっていること等を踏まえ、北区ニュース、ホームページ、SNSのほか、町会・自治会の掲示板の活用など、様々な媒体を通じたPRに努め、より多くの区民の皆様にご視聴いただけるよう取り組んでまいります。 今後は、従来から行っている訓練や自主防災組織等の活動に対する支援などといった取組と、ICTを活用した取組を効果的に組み合わせることで、より包括的に地域防災力の向上を図ることができるものと考えております。 なお、ハザードマップ普及動画配信の外国語対応につきましては、今後検討してまいります。 次に、まちづくりについてのご質問のうち、初めに、想定される区民についてのご質問にお答えいたします。 まちづくりは、区民と区が望ましい地域の将来像を共有していく中で、現状や未来に向けた課題を解決していく取組と認識しております。 区といたしましては、地域や多様な主体との協働まちづくりの場面において、様々なニーズを把握し、SDGsの理念や未来の暮らしを想像して、引き続き持続可能なまちづくりに取り組んでまいります。 次に、まちづくりの方向性についてです。 SDGsの目標の一つである住み続けられるまちづくりをは、北区都市計画マスタープラン2020に掲げる多様な主体との協働のまちづくりにより、区民の誰もが生き生きと暮らし続ける都市生活の実現を図るという考え方と整合すると認識しております。今後とも、マスタープランに沿ってまちづくりを展開してまいります。 最後に、まちづくりの計画や事業におけるコミュニケーション及び意見の把握についてです。 コロナ禍により、従来とは異なった対応を余儀なくされておりますが、ICTを活用した動画配信による資料提供や、ウェブアンケートなどの手法の導入を始めているところです。引き続き、デジタルトランスフォーメーションの推進に対する取組を進めてまいります。 以上、お答え申し上げました。 頂戴いたしましたご意見、ご提言を踏まえて、これからもより一層、安心して住みやすいまちを目指して、さらなる努力を重ねてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ◎教育長(清正浩靖教育長)  私からは、区民に優しいDX及びまちづくりの推進についてのご質問のうち、子育てアプリについてお答えいたします。 現在運用している子育てアプリきたはぴモバイルは、本年二月現在、登録者数が約九千人で、メインターゲットとして想定している乳幼児から中学生の子育て世帯の三割程度の方がご利用していただいているものと考えています。 このアプリに登録いただくと、予防接種の予約が可能となるほか、子育てにっこりパスポートを表示して協賛店舗で利用することができます。さらに、令和四年度中には、保育園をマップ上で検索できる機能や利用調整結果を確認できる機能、世帯の状況に応じて、必要な申請書類等を検索できる機能を追加する予定です。 目標とする登録者数について、具体的な数値は定めていませんが、順次、機能の充実を図っていくことで、現在子育て中の利用可能な環境にある全ての方に登録いただけるアプリを目指していきたいと考えています。 また、子育てに関連する情報発信や手続の電子化を推進するためには、いずれかの時点で、現行システムそのものを再構築する必要も生じることから、費用対効果などを検証しながら、その実現性を検討してまいります。 なお、多言語対応につきましては、さらに言語の追加を検討いたします。 以上、お答え申し上げました。 ◆三十五番(うすい愛子議員)  様々ご答弁いただき、ありがとうございます。 私も予算特別委員会のメンバーであるので、何点か要望を述べさせていただいて終えたいと思います。少々お時間お付き合いください。 ジェンダー統計の必要性なんですけれども、これに関しては、区として本当にその統計の必要性をきちんと認識していただきたいなということで述べたところでもあります。 LGBTQの当事者の把握のための実態調査は、実施する場合は参考にするとのこと、ありがとうございます。 あと、保育園の書類の見直しについてなんですけれども、これに関しては何も本当に同性パートナーだけではなくて、父や母がいないですとか、ひとり親とか、祖父母に育てられているという可能性のある方も含めて、こういった書類よりも、示したような世田谷区の事例のほうがいいのではないかなということも追加で述べさせていただきたいと思います。 あと、犯罪被害者等遺族支援金の件や傷病手当の件なんですけれども、これも以前、世田谷区の事例では、独自給付が今定例会でようやく本当に形になったのかなというところなので、北区でも検討していただけるとうれしいです。 基本計画などには、今まで本当にLGBTQの当事者が啓発や理解の促進にとどめられていて、支援や何かしらのそういった配慮の対象になっていなかったというところがあったので、もうパートナーシップ宣誓制度も始まりますし、全体でどういった人を想定しているか、書いていなくても想定されていることによって、大きな枠組みでどういったものが見えてくるかというのはまた違ってくると思います。個別的に記載しろということではなくて、想定してくださいという話です。そこについても、ぜひとも今後も検討していただいたりとか、その視点は入っているかというところを検討していただきたいなと思います。 また、四月から始まるパートナーシップ宣誓制度については、残すところ、議会で議論するのは予算特別委員会のみかなと思います。その間にできるだけいいスタートが切れるように議論を重ねていただくこと、そして私たちとも議論を重ねていくことが大切かなと思っています。 先日の全員協議会の場で、同性パートナーの区営住宅入居について説明があり、その後、訂正されることにはなりましたが、パートナーとともにいる子どもの入居は可能かという質問があった際に、申請者のパートナーの子どもの入居は不可というご説明が一度あったと思います。これは正しく訂正していただいているので、例に出してしまって申し訳ないんですけれども、この区営住宅に限ったことではなくて、どの課でも起こり得る可能性のあることだと本当につくづく思います。 パートナーシップ宣誓制度は多様性社会推進課が担当課なので、これを引っ張っていくのはもちろんなんですけれども、全庁にまたがっている課題であって、その当事者の方たちからすると、窓口職員さんの対応が一番肝かなと思っています。まだ、窓口の職員さんまでの研修が全体には行き渡っていないというところも仄聞しておりますので、ぜひ早めに行っていただくことも重ねて要望いたします。 それとあと、当然のことなんですけれども、外国籍の方が外国人相談の窓口しか利用しないのかと聞かれたら、そうではないと思います。なので、そういったようにLGBTQの当事者はどの窓口にも今までもいて、これからも普通に利用します。そういったことは北区側から見えていない状況だったと思いますが、今後、北区がこの制度を行うことによって、当事者の方が安心して利用し始めることによって、少しずつ可視化されていく可能性があると思います。 ただ、その際、研修もしているし、性の多様性に関する対応ハンドブックも作っているし、大丈夫だろうと安心していたにもかかわらず、その当事者の方が利用した結果、職員の方々の制度の理解や知識が伴っていないために傷つきかねないということは考えていただきたいなと重ねて申しておきます。 法律もなかなか定められていない日本においては、日々、当事者の方はマイクロアグレッションも受けています。なので、その一回の窓口対応によって、もうちょっと傷ついて信用できないということになりかねないということも把握していただきたいですし、そのためにはやはり全庁的な取組も必要であって、研修もさらに進めていただきたいのと、ハンドブックの改訂なども今後考えていただきたいなと、様々要望を述べて、私の質問と要望とさせていただきます。 以上です。(拍手) ○議長(名取ひであき議員)  お諮りします。 本日はこの程度で延会し、二月二十四日午前十時、本会議を開会したいと思います。ご異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(名取ひであき議員)  ご異議ないと認め、そのように決定します。 ただいまご着席の方々には改めて通知しませんので、ご了承願います。 本日はこれをもって延会します。ありがとうございました。   午後五時十二分延会...