地域共生の
まちづくりでは、コロナ禍により地域のつながり方も大きく変化する中で、誰もが地域で暮らし続けられる地域社会について、
居場所づくりから捉える、これからの
居場所づくりを考えるをテーマに、
世田谷トラストまちづくり大学の公開講座、連続講座を開催しました。さらに、三十周年を迎える
世田谷まちづくりファンドを記念して、十二月一日を
まちづくりデーとする二十四時間の
プレイベントまちづくりデーを昨年実施いたしました。
さらに、住宅確保要配慮者に対する取組につきましても、
居住支援協議会の事務局の一端を担っていく中で、
不動産団体やNPOなどと連携し、引き続き
住まいサポートを取り組んでまいります。
また、昨年度は組織改正を行い、
広報情報発信事業の改善に着手いたしました。
読者アンケートによる広報効果の検証やSNSの活用など、効果的な情報発信を推進しております。長引くコロナ禍で様々な社会課題が浮き彫りになり、これに取り組む区民活動を支援する
中間支援組織としての当財団の役割が高まるばかりでなく、コロナ禍とは関係なく進んでいる
地域温暖化に対する取組についても、当財団の活動はさらに重要性を増してきております。今後も
中間支援組織の役割を担い、
トラスト運動、
ナショナルトラスト運動の精神に基づき、
ボランティアなどの区民と協働しながら、
公益目的事業を主軸にして、ひと・まち・自然の共生する世田谷の実現に寄与してまいります。
○
石川ナオミ 委員長 それでは、これまでの報告、説明に対して御質疑がございましたらどうぞ。いかがでしょうか。
◆
江口じゅん子 委員 令和三年度決算書の五ページのところに、
精神科病院長期入院患者さんの入居支援を財団の取組として行ったというふうにあるんですけれども、この取組は数年前、
福祉保健分野で
長期入院患者さんの地域移行を目指すということで、
ぴあサポーターも活用しながら面談も行って、徐々に移行の支援を行っていくという報告があって、最近の状況を福祉保健のほうで聞いたところ、コロナということでなかなか訪問活動も、病院のほうに赴いてのというのができないということは聞いていたんですけれども、実際に入居支援を担っていらっしゃるということなので、その具体的な内容と実績について伺います。
◎岩渕
地域共生まちづくり課長 今おっしゃられたことは、御質問でも触れましたように、コロナ禍ということで区内にある専門病院のほうもなかなか出づらいということで、私どものほうは区の所管課のほうのピアサポーターとの研修などのそういう対応について、スタンバイするような形で取組をしておりまして、実際にオープンにその制度を活用して何かを募集したという実績はございません。ですから、具体的には、やはり連携の仕方などを今試みにやっているということです。
それとあと、今御質問の話とはちょっと異なるんですけれども、
住まいサポートセンターのお部屋探しサポートにつきましては、御高齢の方が中心ではございますけれども、そういうような障害を持った方の問合せもありまして、私の記憶する限りでは二、三件やっぱりあって、そういう方は例えばぽーととの連携をして、専門の
精神保健福祉士さんのお話を聞きながらやったということです。そういう方については、やはりお部屋のこだわりだとか、不動産の相談に行くタイミングだとか、いろいろ各自の特色がございますので、やはり専門家の意見を聞きながら、私どもの職員のほうは対応しているということです。
具体的には、やはり多くなっている感じがあるということなんですけれども、ちょっと数字的なものはまだまだございませんので、申し訳ありません、答弁としては、このような形になります。
◆
江口じゅん子 委員 コロナ禍ということもあって、まだ準備状況ということですけれども、しかし、私は、これは積極的だなというふうに思っているんですね。区内は、松沢病院や烏山病院など、長年地域で歴史ある、東京全体でも大きな精神病院を抱えていて、実際にあの付近の不動産業の方も、松沢の患者さんだけど、病院とも連携をしてという中で、お部屋探しやお部屋の提供に関して、割と抵抗感がない地域でもあるかなというふうに思うので、そうした中で福祉所管と連携して
長期入院患者さんが、国の方針としても地域移行なわけですから、そこにトラまちが積極的に関わっていただけるというのは、やはりスムーズな地域移行というところでの一つ大きな支援だと思うので、コロナ禍の状況もありますけれども、福祉所管と連携してぜひ積極的に進めて、実績を一人でも多くの方がお部屋につながるようにお願いしたいなと、これは要望します。
あともう一点伺いたいんですけれども、お部屋探しサポートのことなんですね。令和三年の決算書の三七、三八ページに実績も載っておりますけれども、令和二年度頃からコロナが始まる中で、令和三年度って利用件数が下がっているんだというのがちょっと意外だったんですね。私や、また団のこの間のあれだと、今年の春からすごく物価高騰もあって家賃が払えないとか、住み続けられないという相談が多くなっている中で、実績があまり伸びていないなというのは思ったんですけれども、実際にコロナの影響ですとか、それから私も相談に乗っていく中で、こういったお部屋探しサポートがあるんですよというふうにお伝えすると、区民の方は知らないという方がほとんどなので、その周知の状況ということも併せて聞きたいと思います。
◎岩渕
地域共生まちづくり課長 今の二点の御質問ですけれども、全体的なちょっと印象的なことにもなるんですけれども、やはり御利用なさっている方が御高齢の方が主でございまして、そういう中でコロナの状況が
悪化したときに、直前でのキャンセルだとか、やはりそういうことが多うございました。そういう面では、件数がこういう形になっているということです。
それで、御質問のように、これは
不動産団体の方が当日一時間で検索していくわけなんですけれども、検索しやすいように私どものスタッフが聞き取りをして、橋渡しをして、やっぱりすんなりと決まるものは少なくて、ここで書いてあるような形ですと、四割程度になってしまいますけれども、実はその後、フォローアップしてお電話して、どうなっていますかということをお伺いさせていただいたりしています。
その中で決まる、そういう形で全体的には六割程度に上がるんですけれども、恐らく委員御心配のように、こういう中で、やはり経済状況の影響などがありますので、そういう困難なケースにつきましては、福祉所管だとか、そういう生活困難の方の、具体的に言えば、例えば区の
生活支援課のほう、相談窓口のほうに御案内するみたいなケースも最近はちょっと多いのかなという認識がございます。
また、最後の周知されていないということにつきましては、私どももパンフレットなどでやっていますけれども、やはりそこら辺についてはもうちょっと周知の仕方を工夫しなくちゃいけないと思っています。また、例えば、これは周知の話だけではないんですけれども、御高齢の方は
あんしんすこやかセンターに行かれるケースがございますので、
あんしんすこやかセンターの方との研修会の実施などによって、スタッフの方も知っていただく、あるいはそういうものを設置していただく。そういうことで劇的な増加があるかどうか分かりませんけれども、そういう取組などもあるかと思います。
私から以上でございます。
◆
江口じゅん子 委員 年金生活で、でも、年金で暮らせないで、様々お仕事をされていた方々がコロナ禍でお仕事の数が少なくなって減収とか、また雇い止めという中で家賃が払えないという相談がトラまちのほうでも多くなっていると思うので、引き続き積極的な役割を果たしていただきたいのと、あんすことの連携はすごくいいのかなというのと、でも、あんすこ自体もあまり知られていない。介護が必要な人が行くというイメージなので、もうちょっと図書館とか、いろんな公共施設ってあると思うので、そういったところで周知の工夫ということは重ねて要望したいと思います。
◆
真鍋よしゆき 委員 せっかくの機会なんでちょっとお尋ねしたいんですけれども、継続一事業で、環境保全を図る
トラスト運動事業とあって、(4)に歴史的・
文化的環境の
保全活用事業というのがありまして、その中で
近代建築相談事業というのが二軒、延べ二回とあるんですけれども、昨今、こういう時代というか、相続が中心ですけれども、世田谷区にこういう近代建築であるとか、なかなかいい建物があるけれども、取り壊すのはもったいないから何とかならないかという相談が、私も何軒か聞いたことがあるんですけれども、これを一体どうやってクリアしようかという中で、
教育委員会のほうなんかでも、文化財に登録されているだの、いろんなことがあって話はするんですが、最終的には取り壊してなくなっちゃうというのが私が見た中では現実なんですね。
皆さんのこの財団法人の価値として、そういうものをいかに保全していくかという部分もあると思うんで、みんながそれぞれその運動に協力して寄附金も出している中で、何か現実に世田谷の中から失われていく、そういう屋敷、庭園とか、それを例えば区とどういう情報共有をしながら、いかにそれを残すという努力をされているのか、ちょっとこの数字と件数だけじゃ見えないので、いい機会ですので教えてもらえませんか。
◎安間
トラストみどり課長 近代建築、御指摘のように、かなり取組を進めていくのは難しいという実感は持っています。まだ公益財団にもなっていないので、遺贈とか寄附とかでもなかなか厳しいですし、その中で
中間支援組織である財団としては、いろんなつなぐということですかね。いろんな専門家とつないだりとか、普通に考えたら、これは無理だよねというところで終わるんじゃなくて、何かないかというところで、主にトラストのほうでは、トラストが直接担えるとしたら、その利活用の部分で考えることができるんで、こういうメニューもありますよ、こういうメニューもありますよ。どれかこの選択肢の中から選べるものはありませんかねという形でつないでいくというのが財団の使命というか、やれることなのかなというふうに思っています。
おっしゃるとおり、なかなか物件物件それぞれみんな難しくて、一筋縄ではいかないんですけれども、また、いろんな人に知恵を借りながら進めていきたいというふうに思っています。
◆
真鍋よしゆき 委員 今のお答えの中でも、
公益財団法人を目指すということで、もう明確にされていると思うんで、そうなると、寄附文化の醸成であるとか、様々なことでの利点があるので、少しでもそういう大事な財産といいますか、風景や建物を残せるというふうに持っていくというのは大事だなと今なおさら思ったんですけれども、そういうことも含めて、それは大きな一つの柱にもなると思うし、公益財団をスケジュール化して、いつまで目指して頑張っていくんだみたいな、そんなスケジュールというか、目的はあるんですか。
◎五十嵐 常務理事兼事務局長 公益法人化に向けては、今、認可行政庁である東京都と既に協議を始めています。あと、申請のための具体的な指導も実は受けているところでございます。今現在、考え得るパターンにおける今後十年間の収支シミュレーションということを実施しております。公益認定申請が行えるように、区とさらなる連携を強化して、協議調整を行っていきたいと考えています。
今現在のスケジュールなんですけれども、非常に厳しい部分は確かにあるんですけれども、令和五年度に、要するに来年度、公益認定申請を行い、六年度、
公益財団法人への移行を今予定としては考えております。
◆平塚けいじ 委員 地域力を育む
まちづくり推進事業で、地域共生のいえづくりということで昨年一か所成功ということで、この事例をちょっと紹介していただけたらと思うんですけれども。
◎岩渕
地域共生まちづくり課長 こちらにつきましては、二子玉川の地域でやっていらっしゃる方で、主な内容といたしましては、お子様たちが不登校の傾向のある方など、あるいは障害の方の学習支援を中心に、そちらでやっているというようなことでございます。また、こういうコロナ禍での状況の中で、そういうところがポイントになったフードバンクですか、ちょっと私、言い方があれですけれども、社協などとの連携で、そういうことをやっていたというふうな報告もありまして、なかなか盛んな活動を展開されております。
◆平塚けいじ 委員 ありがとうございました。そういう取組はぜひとも、まだまだ応募しているところだと思うので、相談はまだまだありますから、成功に導いていただきたいと思います。
(2)の空き家等地域貢献活用なんですけれども、相談、問合せは三百八十九件あって、登録も五件されたということなんですけれども、マッチングは成立されていないといった、こういう報告なんですけれども、この五件登録されたうちで全くマッチングできなかったというところは何か問題があったんでしょうか。
◎岩渕
地域共生まちづくり課長 この事業につきましては、もう御案内の方もいらっしゃると思うんですけれども、正式には建物物件の耐震だとか、いろんな条件ですね。そういうものがございましてという難しさもあると。あともう一つは、ソフト的にはやはり賃貸関係も発生しますので、そこでなかなか難しいということもあります。
ただ、今現在、私どものほうでやっている中では、いわゆるマッチングだけというんですか、助成には関わらないでマッチングだけという中では、例えば戸建て住宅の一階を使って、これは地域障害相談支援センターというんですか、そこが家庭的な居場所機能を、ぽーとというんですか、それで利用したとか、あとは、これは用賀のほうだったと思うんですけれども、これも共同住宅の一階をシングルマザーの方の母子ハウスとして利用したということで、今、入居者の応募だとか、そこら辺のソフト的な手段を準備しているということで、こちらも支援をしております。
最近の事例だと、これは戸建住宅のほうが空いていて、今ちょっとデイサービスというんですか、地域のそういう場所がないということで、今それを検討して展開しているというようなことがありまして、これはなかなか表立っては出てこないんですけれども、そういう形で側面的な支援をしている物件が何件かあります。登録自体は七件かと思うんですけれども、それもちょっといろいろ流動的でございまして、オーナーさんの御意向なども踏まえて御支援をさせていただいている状況です。
私から以上でございます。
◎小沼 居住支援課長 今の岩渕課長のにちょっと補足させていただきますと、これは物件を登録してからマッチングに至るのは、長くて一年とか二年かかるんですね。令和三年度のマッチングとなりますと、例えば令和元年とか令和二年の登録物件が主になってくるんです。これは想定なんですけれども、コロナの影響もあって、令和元年と令和二年は物件登録数がかなり低かったんです。令和元年は一件、令和二年は二件ということで、例えばオーナーさんも少し控えていたり、活動団体もちょっと活動を控えていたりということで、そういうことになっていると思うんですが、令和三年度は五件登録、コロナも少し落ち着いてきたというか、慣れてきたというところで五件が登録になりまして、今年度は、その五件について、今、二、三件協議のほうを進めているところでございます。
昨年度もマッチングのほうに至らなかった、この事業でマッチングは至らなかったんですが、そこで諦めるのではなくて、例えば福祉所管に紹介したりして、昨年度も民設民営なんですけれども、保育園で開設したという事例もございますので、この空き家貢献活用、地域貢献活用以外でも、そういった福祉ですとか空き家所管と連携しながら、空き家対策のほうを進めていきたいと考えているところでございます。
◆平塚けいじ 委員 ありがとうございます。あと二、三件、そういう進んでいる状況があると聞いたので安心したんですけれども、あと居住支援法人というのもありますよね。一棟借り上げてもいいし、何部屋かを借りてもいいし、そういうところにお任せして、この先のサポート事業がなかなか進まないんであれば、そういうところでもしっかりとお部屋に困っていらっしゃる高齢者の方が少しでも部屋を確保できるような取組を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。これは意見です。
◆上川あや 委員 経営状況に関する書類の提出の一四、一五ページのところに、公園・緑地等の自然環境の保全再生のところですね。この中で成城みつ池緑地の維持管理活動などが紹介されているんですけれども、以前ちょっと議会質問のほうで取り上げたときに、トラまちの方ともお話をさせていただいた件で、自生している蛍について、国内でも蛍の保全ですとか育成に関しては権威とされている方に以前介在いただいて、地域の方も非常に熱心で活動を力強く推進していただけるのかなということを期待してきたんですけれども、そのスーパーバイザーの方がいらっしゃらなくって住民活動が主になってしまっているのを、改めて新たな専門家の方を入れて希少生物の保全などもトラまちさんはやっていらっしゃるので、ちゃんと体制の強化をしていただきたいということで、前向きな御返答はいただいたんですけれども、その後の状況がお分かりになれば教えていただければと思います。
◎上原 みどり政策課長 以前、議会のほうで御質問いただいた蛍の件でございますけれども、
トラストまちづくりのほうと連携をしながら、また育てる会の
ボランティアの皆さんと一緒に引き続き、まず蛍の研究等は実施しております。また、もともと御助言をいただいておりました専門家の方がお亡くなりになってしまったという中で、新たに研究家の方で御助言いただける方がいらっしゃらないかということで、幾つか探してはいるところなんですけれども、なかなか蛍について責任を持って助言をいただけるような方というのがいらっしゃらないという中で、在野ですとか、蛍の飼育なんかに関わっていらっしゃる方に少しお話を聞きに行ったりは今しているところでございます。
ただ、みつ池自体の蛍について何か有用な御助言をきちっといただけるという形で関わっていただける方というのは、今のところまだ見つかっていなくて、今、育てる会の中でいろんな話を聞きながら、自分たちの知識をちょっと増やしながら、みつ池における蛍の在り方みたいなことをちゃんと考えていこうということでは、勉強ですとか研究は今のところ進めているところでございます。
あわせて、以前いらっしゃっていただいたような御助言をいただけるような専門家の方がいらっしゃらないかということは、引き続き探してまいりたいというふうに考えております。
◆上川あや 委員 ありがとうございます。私、例年、蒸し暑くなって蚊が出始める時期になると、蛍がいるかなと思っていきますと、やはり御近所の方だけじゃなく自転車などでフェンス越しに蛍を見に来ていらっしゃる方、今年もすごく多くて、一方で以前いただいたデータですと、やはり減少傾向にあるんだなということが、長期の経過としてはアップダウンがあるにしても、ちょっと見てとれるので危惧しております。
引き続きということのお言葉はいただいたんですけれども、以前スーパーバイズしてくださっていた方も、蛍関係の学会の会長さんだったということで、学会なども今も活動されているのかどうか、ちょっと私は存じませんけれども、しっかりネットワークを広げて、視野も広げて、引き続き探して強力に保護活動を推進していただけるとうれしいなと思っています。お願いいたします。
○
石川ナオミ 委員長 以上で、令和三年度及び令和四年度
一般財団法人世田谷トラストまちづくりの経営状況に関する書類の提出についての報告を終わります。
参考人の皆様に委員会を代表いたしまして改めて御礼を申し上げます。皆様に御出席をいただきまして、委員会として有意義な議論ができたと思います。本日は誠にありがとうございました。
参考人の皆様はここで退席をされます。あわせて、座席の変更等を行いますので、皆様、しばらくお待ちください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
石川ナオミ 委員長 次に、(2)令和三年度及び令和四年度
多摩川緑地広場管理公社の経営状況についてに入ります。
多摩川緑地広場管理公社は、釘宮みどり33
推進担当部長が理事をされていらっしゃいます。
それではまず、区理事者より経営状況についての説明をお願いいたします。
◎市川
公園緑地課長 それではまず、世田谷区の立場といたしまして、令和三年度及び令和四年度
多摩川緑地広場管理公社の経営状況について御報告をさせていただきます。
なお、これから御報告いたします令和三年度事業報告及び決算並びに令和四年度の事業計画・収支予算につきましては、本年一月二十七日及び七月十二日に開催されました当公社の理事会におきまして承認を得ていることを併せて御報告申し上げます。
まず、多摩川緑地広場の位置ですが、右上のページ数、三ページのパンフレットを御確認ください。パンフレットの左下に案内図がございます。
本施設は、田園都市線の二子玉川駅、東横線、目黒線、多摩川線の多摩川駅の間、やや多摩川駅寄りの世田谷区と大田区の区境をまたぐ多摩川河川敷にございます。アクセスにつきましては、二子玉川駅と多摩川駅の間を結ぶ路線バスが利用でき、玉川温室村というバス停が最寄りでございます。
それでは、お手数ですが、一ページにお戻りください。1事業実績でございます。当公社の設立経緯でございますが、昭和五十一年に当時の建設省より、民間企業が既に占用していた運動場について移管を受ける希望があるか、世田谷区と大田区の両区に照会がありました。これを受け両区で協議し、既存施設の有効活用及び施設が両区にまたがる状況を勘案し、工作物及び管理事務所などを折半で取得し、それを管理運営するため、昭和五十三年十二月に世田谷区と大田区の共同で公社を設立したものでございます。
河川敷の使用に当たっては、それぞれ区の範囲で国から占用許可を受け、世田谷区は世田谷区立多摩川玉堤広場、大田区は大田区立多摩川田園調布緑地として、それぞれ区の条例に位置づけております。そして、これらの施設を一体的に運営し、両区民をはじめ広く一般の利用に供し、スポーツ及び憩いの場として健全な心身の保持増進に寄与してまいりました。
2施設規模でございます。(1)運動施設でございますが、全体で十万平方メートルほどでございます。各施設の面積は表に記載のとおりで、施設の内容及び配置は、先ほど御案内した施設案内パンフレットの中面、ページ数で言いますと四ページに記載されておりますので、後ほど御覧ください。
(2)管理事務所でございます。世田谷区玉堤一丁目に鉄骨造りの二階建ての事務所が設けられております。
(3)駐車場でございます。各駐車場の面積は記載のとおりで、①管理事務所の駐車場は五十台程度、②河川敷にございます駐車場は七十五台が駐車できる規模となってございます。
それでは、二ページを御覧ください。3運動施設利用状況でございます。こちらの表に記載されているとおりでございますが、この表の見方といたしましては、例えばテニスコートの場合、十七面ございますが、平日、休日を合わせて年間で施設を利用することができる時間が二万八千十四時間あったのに対しまして、実際に利用されたのが一万八千九百十三時間あり、利用率が六八%であったということでございます。その他、サッカー場、野球場、少年野球場につきましては記載のとおりでございます。平日と休日の合計のため、各施設の利用率が三〇%から六八%と少なく見えますが、休日は全体で九〇%の利用率となっており、大変多くの方に利用されております。利用の詳細は、ページ数一八ページから一九ページに記載されておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
4令和三年度決算総括表でございます。まず(1)一般会計でございますが、歳出決算は、世田谷区、大田区合計で、予算現額が一億三千二百九十五万三千円に対しまして、決算額一億二千三十四万千三百十一円、決算不用額の千二百六十一万千六百八十九円につきましては、決算額に応じて世田谷区、大田区にそれぞれ戻入されてございます。詳細は、一二ページ、公社決算書に記載されておりますので、こちらも後ほど御覧いただければと思います。
続きまして、(2)特別会計でございます。こちらは公社の自主事業でございまして、例えばコインロッカー取扱手数料、テニスボール等の運動用具の貸出し、自動販売機の設置やその他取扱手数料などで構成されております。
歳入及び歳出の決算額は表のとおりでございます。決算不用額につきましては令和四年度予算に繰り越されております。こちらも一四ページから一五ページの決算書にそれぞれ詳細が出てございます。
続きまして、ページが飛びます。右上のページで二四ページを御覧ください。令和四年度
多摩川緑地広場管理公社の経営状況についてに基づきまして、令和四年度の経営状況、事業計画並びに収支予算の概略を御説明させていただきます。
まず、1事業計画につきましては、こちらに記載のとおりでございます。
2業務概要、(1)利用日ですが、こちらは年末年始を除いた年中無休でございます。
(2)施設の種類及び使用料につきましては、表に記載のとおりでございます。
続きまして、(3)業務内容でございます。各施設の使用料の収納及び維持管理業務が主な業務となってございます。
二五ページを御覧ください。3令和四年度
予算総括表となります。まず、(1)一般会計でございます。令和四年度予算額につきましては、世田谷区と大田区で合わせまして一億三千三百四十四万二千円でございます。令和三年度と比較しますと、四十八万九千円の増額となっております。主な増額の理由といたしましては、休日の駐車場管理に関する人件費の増加や精算機器の交換などでございます。こちらも三三ページから三九ページの事業計画・収支予算書にそれぞれ詳細が入ってございます。
続きまして(2)特別会計でございます。令和四年度の予算額といたしましては百二十五万六千円を見込んでおります。こちらも四〇ページから四一ページの事業計画・収支予算書に詳細が出ており、その点、併せて後ほど御覧いただければと思います。
世田谷区からの説明は以上でございます。
○
石川ナオミ 委員長 次に、
経営方針等についての説明をお願いいたします。
◎釘宮
多摩川緑地広場管理公社理事 私は
多摩川緑地広場管理公社の理事を兼務しておりますので、その立場から経営方針及び運営状況等についてお話しさせていただきます。
当公社は、先ほど御説明させていただきましたように、区民に憩いの場を確保すること、また健康の増進を図るということを目的といたしまして、多摩川河川敷に設置されました広場を適正に管理するために、昭和五十三年に世田谷区と大田区の共同により設置されておりまして、今年度で四十五年目になります。
当公社の役員でございますけれども、理事長が一名、理事が六名で、合わせて七名でございます。理事長は公社の常勤の職員、その他の理事につきましては、大田区と世田谷区の担当所管部長が三名ずつ兼任してございます。
現在の公社の体制でございますが、常勤職員は理事長一名で、非常勤職員、区で言いますところの再任用職員が六名、合わせて七名で運営しております。
令和三年度につきましては、運動施設と使用料収入がございまして、これはPDFの資料の二一ページになりますが、運動施設等の使用料収入は四千七百五十四万二百円となり、令和二年度の三千七百五十七万八千五百円と比較いたしまして、約二七%増加いたしました。施設使用料収入は毎年、天候に大きく左右されておりまして、令和三年度は新型コロナの影響で四月下旬から五月中旬にかけて十七日間の施設閉鎖があり、また、九月中旬から十月上旬にかけて台風による施設閉鎖がございました。令和二年度は新型コロナの影響で四月、五月に施設閉鎖と九月、十月に台風に伴う施設閉鎖があったため、二年度との比較では増収となってございます。
続きまして、今年度の事業目標、経営方針でございますけれども、これまでと同様に、安全で良好な施設の維持管理に取り組みまして、利用者の皆様の満足度をさらに向上させるということ、また、天候によるところもございますが、利用率のアップ、経費の節減に努めてまいりたいと考えております。
また、新型コロナウイルス感染症について、事務室、更衣室などの換気、施設内各所への消毒剤設置、三密の回避など、引き続き徹底した感染防止対策を講じてまいります。
今後とも世田谷区、大田区と協議を行いながら、両区民のニーズに対応する施設運営の充実、悪天候による施設閉鎖からの早期の復旧、経費の節減に努めまして、効果的、効率的な運営を続けてまいりたいと思っております。
以上、報告させていただきました。引き続き、御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
○
石川ナオミ 委員長 それでは、これまでの報告、説明に対しまして御質疑がございましたら、どうぞ。
◆和田ひでとし 委員 今、台風などの悪天候時にネットを外すだとか、様々な備えをしなきゃならないという、これはこれまでも毎年のように台風による被害があって、ネットが流されたり倒されたり、いろんな被害で、その復旧に大変時間を要したと思うんですけれども、今回のこの計画の中で緑地広場管理公社事業計画の中の事業方針の(5)のところに、特に河川敷施設であることから、工作物撤去、あるいは人員体制に万全を期しとあるんですが、これに対する備えというのはこれまでよりも強化して取り組むという意味でよろしいんでしょうか。
◎釘宮
多摩川緑地広場管理公社理事 近年、大きな被害を台風で受けておりまして、こういったことの反省を踏まえて、台風に対する備えについてはできるだけ早い時期からのネットの撤収とか、そういったことを行っていきたいと思っております。また、グラウンド等についての土砂の流入等については、なかなか防ぐことができないんですけれども、これも早期に復旧できるように事前の手配などもしながら備えていきたいと考えております。
◆和田ひでとし 委員 その備えは大事なんですけれども、要は備えることによって、当然利用制限なども生じる、あるいはもし被害が発生した場合にも、利用が当分の間、制限をされるということもありますので、その辺の人員体制、あるいは撤去計画だとか、この辺をさらに強化をしていくということでよろしいんでしょうか。要するに、なるべくならば、利用期間の制限をなるべく短くしていかなきゃいけないと思うことから、ちょっと聞きたいんですけれども。
◎釘宮
多摩川緑地広場管理公社理事 御質問のとおり、利用を制限する期間をできるだけ短くしていくということにおいては、まず被害が大きくならないようにしていくということが一番肝心でございまして、そのために早期に施設を閉鎖していくということもやむを得ないと思っておりまして、そういったことと、復旧にどれぐらい時間がかかるかということを見合いながら、そういった台風への備えの計画については、その都度都度、台風の規模、それから状況に応じて撤去計画などをつくっていきたいというふうに考えております。
◆和田ひでとし 委員 近年では、台風の予報などもかなり精度が上がってきておりますし、その辺、なるべく利用をされる側の方にも制限が少なくて済むように、大変かと思いますが、これは強く要望しておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○
石川ナオミ 委員長 以上で令和三年度及び令和四年度
多摩川緑地広場管理公社の経営状況についてを終わります。
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○
石川ナオミ 委員長 次に、(3)その他ですが、ほかに報告事項はございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
石川ナオミ 委員長 なければ、以上で報告事項の聴取を終わります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
石川ナオミ 委員長 次に、2協議事項に入ります。
(1)次回委員会の開催についてですが、次回委員会は、前回決定したとおり、年間予定であります九月五日月曜日午前九時から開催いたしますので、よろしくお願いをいたします。
以上で協議事項を終わります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○
石川ナオミ 委員長 その他何かございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○
石川ナオミ 委員長 特にないようですので、以上で本日の
都市整備常任委員会を散会いたします。
午前十時五十五分散会
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
署名