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令和 3年  9月 決算特別委員会-10月12日-07号

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  1. 世田谷区議会 2021-10-12
    令和 3年  9月 決算特別委員会-10月12日-07号


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    令和 3年  9月 決算特別委員会-10月12日-07号令和 3年  9月 決算特別委員会 令和3年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第七号 日 時  令和三年十月十二日(火曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十三名)    委員長       加藤たいき    副委員長      いたいひとし    副委員長      ひえしま 進              阿久津 皇              石川ナオミ              おぎのけんじ              河野俊弘              宍戸三郎              菅沼つとむ              畠山晋一              真鍋よしゆき              和田ひでとし              岡本のぶ子              佐藤ひろと
                 高橋昭彦              平塚けいじ              福田たえ美              いそだ久美子              桜井純子              中塚さちよ              中村公太朗              中山みずほ              羽田圭二              藤井まな              大庭正明              田中優子              桃野芳文              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              金井えり子              高岡じゅん子              田中みち子              小泉たま子              つるみけんご              あべ力也              上川あや              ひうち優子              佐藤美樹              そのべせいや              神尾りさ              くりはら博之              青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長  末吉謙介  出席説明員   教育長            渡部理枝   教育監            粟井明彦   教育総務部  部長      知久孝之          教育総務課長  安藤良徳          学務課長    田中勝将          学校健康推進課長                  山下裕光          教育環境課長  青木 徹          副参事     秋元勝一   教育政策部  部長(教育監兼務)                  粟井明彦          学校職員課長  前島正輝          教育指導課長  毛利元一          教育ICT推進課長                  齊藤真徳          教育研究・研修課長                  隅田登志意          教育相談・支援課長                  柏原耕治朗          乳幼児教育・保育支援課長                  本田博昭          新教育センター整備担当課長                  北村正文          副参事     塚本桂子   生涯学習部  部長      内田潤一          生涯学習・地域学校連携課長                  谷澤真一郎          中央図書館長  會田孝一     ──────────────────── 本日の会議に付した事件 認定第一号 令和二年度世田谷一般会計歳入歳出決算認定 認定第二号 令和二年度世田谷国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定 認定第三号 令和二年度世田谷後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定 認定第四号 令和二年度世田谷介護保険事業会計歳入歳出決算認定 認定第五号 令和二年度世田谷学校給食費会計歳入歳出決算認定文教委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○加藤たいき 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 本日は、文教委員会所管分の決算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 おはようございます。それでは、生活者ネットワークの文教所管の質問を始めます。  性教育と性犯罪被害防止に関する取組について質問してまいります。  性犯罪をめぐる刑法は百十年ぶりに改正されましたが、まだまだ積み残しがあります。性暴力においては、声を上げて被害を訴えた被害者が、かえってバッシングを受けてしまう風潮が絶えない中、被害者には厳しく、加害者には寛大な性犯罪の構成要件は直ちに見直すべきであり、私たち東京・生活者ネットワークとしても国に対して刑法厳罰化を求めてきました。  法律上は十三歳から性的同意年齢とされています。しかし、性行為については指導要領を超えるという理由から授業で扱われないなど、満足な性教育が行われず、実態に即していません。性暴力被害者当事者支援団体一般社団法人Springウェブアンケート調査では、幼児期からの性教育を必要とする声が性犯罪、性暴力の厳罰化に次いで多かったそうです。  性暴力は魂の殺人と言われます。被害者の尊厳を踏みにじる行為であり、その心身に長期にわたり重大な悪影響を及ぼすものであることから、その根絶に向けた取組や被害者支援を強化していく必要があります。国では性犯罪・性暴力対策の強化方針を決定しており、昨年の六月には文科省からの通知で、この方針を踏まえた協力が求められています。  教育委員会としては、この通知を受け、どのように対応しているのでしょうか。性教育の学校の現状と課題認識も併せ伺います。 ◎塚本 副参事 学校では性犯罪、性暴力について、子どもたちが加害者、被害者、傍観者にならないよう、子どもたちを性被害から守るために、発達の段階に応じた、よりきめ細やかな指導が必要であると認識しております。  現在、学校へは文部科学省が作成した生命の安全教育の教材と指導の手引きについて既に周知しており、教育委員会といたしましても、各学校の実態に応じ、手引きも活用しながら指導の充実を図ってまいります。 ◆田中みち子 委員 今の御答弁で、文科省が作成をした生命の安全教育の周知を図りましたということですけれども、その中身というのについても答弁を願います。 ◎塚本 副参事 生命の安全教育の指導の手引きは、指導事例や指導に当たっての留意事項等がまとめられています。主な小学校の指導内容は、水着で隠れる部分は自分だけの大切なところであることや、相手の大切なところを見たり触ったりしないこと、また、高学年ではSNSを使うときに気をつけることなどについてとなります。主な中学校の指導内容は、自分と相手を守る距離感についてや、デートDV、SNSを通じた被害の例示、性暴力被害に遭った場合の対応などについてとなります。 ◆田中みち子 委員 今これは、ただの周知ということで終わらせずに、ちゃんと指導計画の中にもしっかりと位置づけて取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎塚本 副参事 今後は、実態に応じた資料を活用するなどし、段階的に指導を進めていくとともに、来年度は各学校で安全教育の指導計画に位置づけることで指導の充実を図ってまいります。 ◆田中みち子 委員 しっかりと計画に位置づけるということで、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと要望いたします。  そして、先ほどの答弁でもあった小学校の指導のところで、水着に隠れる部分ということで、プライベートゾーンですよね。そこを教えていくということも重要だということでしたけれども、これまでも、これは幼児期から教えていくことの必要性というのを訴えてまいりました。そのときには、そのときの答弁ですよね。まだ研究していくといった後ろ向きな答弁であったんですけれども、今こそこの取組を前へ進める必要があると思いますが、御答弁をいただきます。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 幼児期は子どもたちの興味関心が広がり、自分の体にも興味を持ち始める時期です。幼稚園においても日常の教育・保育の中で、自分の体がとても大切なものであり、誰かに体を見せたり触らせたりせずに、他人と正しい距離感を持つことを子どもたちに教えています。  また、令和二年六月に国から出された性犯罪・性暴力対策の強化の方針の中では、幼児期においても性被害に気づき予防できるよう、自分の身を守ることの重要性や、水着で隠れる部分については他人に見せたり触らせたりしないことを指導することの必要性を強調し、令和二年から四年までの三年間を集中強化期間と定めております。  今後、これまでの幼稚園での取組や国の方針なども踏まえながら、本年十二月に開設する乳幼児教育支援センターにおける教員研修や、家庭教育支援を目的とした保護者向け講座などにおいて、人権教育の一部として性教育、性被害防止に触れるなど、子どもを性被害から守るための効果的な取組について検討してまいりたいとも考えております。 ◆田中みち子 委員 今、御答弁でもあった教員の研修とか、保護者向けというふうなところということで、取り組んでいただくということでしたが、ぜひ子どもたちにも、プライベートゾーンは大切ですよということを子どもたち自身に教えていただくような研修というのも、しっかり検討していただきたいと要望いたします。  そして、一般質問で答弁を求めたリプロダクティブ・ヘルス・ライツの観点でのリーフレットですけれども、この検討委員会では、教育委員会でも同じテーブルに着いて検討してくださっていると聞いております。  そこで、今日は、この教育委員会としての感想というのも聞かせていただきたいと思います。 ◎塚本 副参事 本リーフレットにつきましては、中学生が学習する内容を超えた部分もございますが、生徒にとって役に立つ内容もございますので、来年度、中学一年生への配付を予定しているところです。 ◆田中みち子 委員 随分さっぱりした答弁であるんですけれども、ただ、本当に前向きに取り組んでいただいているとも聞いておりまして、少しでも多くの子どもが犯罪の傍観者や被害者、あと加害者にならないようにということで取り組んでいただいていると思います。  そして、中学一年生全員を対象にして配付するということでありますけれども、これは助産師のいのちの授業でも活用できるのではないかと思います。このリーフレットの監修というのが、既に予定されている方々ということで伺っておりますのが、国立成育医療研究センターの周産期・母性診療センターの先生のほかに、いのちの授業を実施してくださっている東京都助産師会で推薦いただく助産師の方、こういった方も予定に入っているということですので、ぜひ保健所と連携していただいて、こういった授業での活用というのを要望したいと思います。  また、外部講師による性教育を全中学校で行うことを長らく求めておりますけれども、東京都のモデル事業では二校しかありませんし、今申し上げた、保健所が所管である助産師のいのちの授業も、なかなか増えていきません。全校生徒に等しく外部講師などによる性教育を学ぶ機会を保障するために、教育委員会として、きちんと予算をつけて取り組む必要があると考えます。今年度の実施状況も併せて答弁願います。 ◎塚本 副参事 外部講師による性教育の授業については、これまで東京都のモデル事業や、の保健所による事業を活用し、例年八校程度を募集して実施しております。また、昨年度は新型コロナウイルス感染症により、二校での実施となっております。具体的には、助産師を招いて、命の貴さや、テーマに、望まない妊娠や性感染症予防などについて生徒が学ぶ機会を設定するとともに、区内の教員がこれらの授業を参観し、学校の実態に即した性教育の推進を図ることができるよう周知しております。
     外部講師を招くに当たっては、保護者や地域の理解を得ることや、指導内容について外部講師との事前の打合せが必要となります。以上のことを踏まえ、オンラインを活用した実施に向けて研究していくとともに、財源の確保も含めて検討してまいります。 ◆田中みち子 委員 この東京都のモデル事業などでも、先生方が見てくださったりだとか、大変高い評価を得ていると思っています。助産師会のいのちの授業も同様ですので、ぜひ全校に進むように、オンラインなども活用、ぜひ検討を前に進めていただいて、財源の確保もぜひよろしくお願いいたします。  次に、トイレの洋式化と生理の貧困について聞いてまいります。  学校では、いまだに和式で、古くて汚いトイレのままの学校があります。家庭での洋式化が進んでいるため、和式トイレがうまく使えず我慢してしまう子どももあります。また、汚く暗いトイレはいじめの温床にもつながりやすく、学校のトイレ改修を積極的に進める必要があります。現在の状況を確認します。 ◎青木 教育環境課長 学校のトイレ整備につきましては、児童生徒の快適な学習環境を確保するため、トイレの洋式化を進めてまいりました。本年四月時点における区立小中学校のトイレの洋式化率は六六・六%となっておりますが、今年度は国や都の補助事業を活用し、小学校三校、中学校一校のトイレ大規模改修工事などを行っており、今年度末には六九%を見込んでおります。引き続き、学校トイレの洋式化率八〇%の早期実現に向け、学校や関係所管と連携して取り組んでまいります。 ◆田中みち子 委員 学校では大便がしにくいとか、恥ずかしいとか、からかわれるとか、人目を気にして学校のトイレが使用しにくいと聞いています。特に男子のトイレでは完全個室でないため、プライベートな空間が守られていません。神奈川県大和市では、小学校十九校、中学校九校の一階トイレの一か所で小便器をなくし、全て個室にすることで話題になりましたし、ICUでもオールジェンダートイレができています。  洋式化とともに、こうした事例も参考に、子どもたちが安心して学校のトイレが使用できるよう、環境整備も進める必要があります。見解を伺います。 ◎青木 教育環境課長 では学校トイレ工事に関わるマニュアルを策定し、男女別の児童生徒数や利用実態に即した便器の種類と数を改築改修時に整備しております。  委員御提案の、男子用小便器をなくして全てを個室のトイレブースとすることは、トイレのスペースが限られるため、小便器に代わる十分なトイレブースの数を確保することが難しく、休み時間に用を足せないことも考えられます。教育委員会といたしましては、まずは子どもたちが気兼ねなく個室を利用できる環境づくりが大切であり、子どもたちへの啓発、指導などを学校とも相談してまいります。  これまでに多目的トイレを全小中学校に設置するとともに、学校からの要望を踏まえて、性別を問わないトイレも設置した学校もございます。引き続き、学校トイレの整備や運用方法につきまして学校と連携しながら検討を行い、誰もが使いやすいトイレ環境の整備に取り組んでまいります。 ◆田中みち子 委員 学校は災害時の避難場所でもあります。バリアフリーの観点でも洋式化は重要ですので、早期達成に向け取組を進めていただきたいと思います。  また、コロナ禍で顕在化した一つに、経済的な理由から生理用品を手に入れられず、日常生活に支障を来す生理の貧困がクローズアップされました。三月の予算委員会でもこの問題を取り上げ、トイレットペーパー同様に生理用品が配置されるよう要望しました。トイレ改修工事と併せ、生理用品などが置ける棚や簡易なかごなど、工夫して整備していただきたいのですが、いかがでしょうか。 ◎青木 教育環境課長 学校改築やトイレの大規模改修時におきましては、トイレブース内に荷物などの設置を基本としており、交換用のトイレットペーパーだけでなく、生理用品の置場としての活用も可能でございます。  児童生徒が手に入れやすい適切な設置場所の整備につきましては、委員お話しのように、学校現場において簡易的な棚などの設置などによる対応も考えられるため、引き続き学校と調整、検討を進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 また、この生理用品について、防災倉庫がある学校で備蓄している生理用品を回転備蓄させることを、さきの予算委員会でも提案しておりまして、令和四年度から三年サイクル、入替えをするので、実際の運用は令和七年からになりますということで、この間の答弁にありました。  教育委員会として、きちんと予算をつけていただきたいんですね。七年ですと、まだまだ先だと思います。トイレットペーパー同様に生理用品についても学校に配備されるよう、早急に対策を進めるべきと考えますが、見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 学校での生理用品の配付につきましては、これまでは児童生徒が忘れた場合などに対応できるよう、保健室での配付を基本としてまいりました。一方で、区内においても一割を超える子どもが生活困難層にあるとの調査結果を踏まえ、各学校での配付状況を調査するとともに、七月からは小学校三校、中学校二校で保健室以外での配付を試みるなど、生理用品を必要としている児童生徒が手に入れやすい適切な設置場所や配付方法を検討しているところでございます。  今後、今回モデル的に実施した五校や、既にトイレなどに設置している六校などへの取組状況を踏まえ、全小中学校に参考事例として紹介し、トイレなどへの設置の協力を求めてまいります。  また、生理用品の必要数を確保するため、民間企業の協力や災害用備蓄物品を活用するなど、児童生徒が必要なときに手に入れられるよう、予算も含めて関係所管と調整し、学校での生理用品の配付の充実に取り組んでまいります。 ◆田中みち子 委員 ぜひ予算をつけていただくように要望したいと思います。  次に、香りの害、香害について、学校や図書館での取組強化についてです。  香りの害、香害についてうれしい啓発メールが来ましたと区民からの声が届きました。小中学校の全保護者宛てに、学校連絡情報配信システム、すぐーるから届いたもので、国が作成した香りの害、香害を防止するための啓発チラシが添付されていたそうです。近年、香害により体調を壊してしまう方からの相談件数が増えていることから、ようやく国も啓発に動き出したわけです。  予備軍も含めますと、十三人に一人が化学物質過敏症とも言われており、花粉症のように誰でも発症する可能性がありますが、治療法さえありません。化学物質過敏症を改善するには、とにかく化学物質を避けることしかできないのです。ぜひここは、メール配信に終わらせず、学校の昇降口や幼稚園などにもポスターを掲示するなど、対策を強化すべきと考えますが、見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、保健所で作成した啓発用のチラシを、今年度四月に小中学校の新一年生に対して入学時に配付したほか、ただいま委員のほうからお話にありましたとおり、八月には国の啓発用チラシをすぐーるにて、区立幼稚園、小中学校の全保護者宛てにお送りしたところでございます。  委員御指摘のチラシの掲示につきましては、児童生徒の目につきやすいよう、ポスターサイズに印刷したものを昇降口付近に掲示するなど、幼稚園や学校に協力を求めてまいります。今後も、柔軟剤や芳香剤などの人工的な香りに含まれる化学物質によって体調を崩したり、不快に感じる人がいることについて、学校での啓発に努めてまいります。 ◆田中みち子 委員 ぜひよろしくお願いします。また、文教の所管ですので、図書館での啓発も伺います。図書館の本も香りの相談などありませんでしょうか。図書館でも香害の啓発ポスターを掲示するなど、対策強化を求めます。見解を伺います。 ◎會田 中央図書館長 いわゆる化学物質の香害とは異なりますが、利用者の中には、図書館の本に染みついてしまったたばこの臭いや、インク独特の臭いなど、気になるという方から意見をいただいております。図書館の臭いに対する対応として、経堂図書館などに設置している図書除菌機は、本に風を当てて臭いを取る機能があり、利用者の方に御利用いただいているところです。  香りの強さの感じ方には個人差があり、自分にとって快適な匂いでも不快に感じる方がいることを理解するなど、区立図書館に香害に関するポスターを貼るなどの啓発に努めてまいりたいと考えます。 ◆田中みち子 委員 全区立図書館に掲示されていくということを、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、学校給食の食器についてです。  栄養価のある学校給食は子どもの健康に欠かせないもので、安心安全なものでなければなりません。しかし、世田谷ではいまだにメラミン食器が使用されています。メラミン食器は軽くて使いやすいとされているものの、洗浄の後に熱風食器乾燥機で乾燥した際に傷から樹脂が溶け出し、有害物質、ホルムアルデヒドが、発生するとの研究結果が報告されています。こうした問題についてのの見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 一九八〇年代になりますけれども、メラミン製食器に含まれるホルムアルデヒドが溶け出して、健康被害を及ぼすか否かが問題になったことは認識してございます。  ホルムアルデヒドは自然界に広く存在し、シックハウス症候群の症状である鼻水や喉の痛み、せきなどを引き起こす化学物質とも言われております。ホルムアルデヒドは、加熱により、ごく微量に溶け出すことが確認されておりますが、メラミン製食器の安全性は食品衛生法に基づき規格基準が設けられております。その基準の下で製造されたメラミン製食器は、国が定めた試験法による検査の結果、食品に接触して溶け出すホルムアルデヒドの量は、人の健康に影響を及ぼさない量であることから、日常の使用方法では問題がないとされております。  教育委員会では、使用し続けることでの経年劣化により安全性が損なわれることも想定されるため、メーカーが推奨する耐用年数に合わせて、五年で買い換えることとしております。また、実際に学校で使用している食器については毎年有害物検査を行っており、安全であることを確認しております。今後も引き続き学校給食の安全管理に努めてまいります。 ◆田中みち子 委員 厚労省ではホルムアルデヒドの溶出量の基準を定め、その範囲内での溶出は許可してはいますが、疑わしきは使用しないという予防原則に基づき対応すべきです。残念なことには、小学校七校がいまだにメラミン食器のままです。メラミン食器など樹脂食器の耐用使用回数は千回程度とされています。  今、御答弁にあった世田谷では、五年をめどに交換しているということでしたけれども、プラスチックごみ削減の観点でも問題だと思います。教育委員会として今後どのように対応していくのでしょうか。見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 メラミン製食器は丈夫で熱に強く、扱いやすいことから、区立小中学校の給食においても使用しておりましたが、平成七年度から食育の観点を重視しまして、温かみが感じられ安定感がある強化磁器食器の導入を進めているところでございます。  強化磁器食器は大きさや厚み、重さがメラミン製食器とは異なるため、導入するに当たりましては、その保管に適した専用の食器かごや、熱風消毒を行う保管庫などを新たに整備する必要がございます。  委員御指摘の小学校七校のうち二校につきましては、今年度、給食施設の改修工事を行っておりまして、改修工事完了後の給食再開に合わせて強化磁器食器を導入する予定でございます。今後も、学校改築や改修の機会を捉えて給食施設の整備を図るとともに、強化磁器食器の導入を順次進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 強化磁器食器は、以前よりも軽くて薄いものが開発されているということですので、残り五校についても速やかに変更できるように、校長先生などとも、ぜひ話合いをしていただきまして、子どもへの公平な対応を要望したいと思います。  最後に、ヤングケアラーについて質問したいと思います。  ヤングケアラーとは、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負って、本来大人が担うような家族の介護や兄弟の世話をすることで、自らの育ちや教育に影響を及ぼしている十八歳未満の子どものことです。  世田谷区内で平成二十六年に居宅介護事業者に対し行った実態調査では、三十六の事業者から六十人のヤングケアラーがいるとの回答を得ています。本人や周囲の人が気づき、支援につなぐことが必要ですが、長時間子どもが過ごす学校は、ヤングケアラーに気づきやすい場所でもあります。実態調査に乗り出す方向で検討されているようですが、教育委員会としても主体的に取り組む必要があります。  そして、ぜひここは答弁を併せていただいて、特に子どもへの気づきを促すということとか、職員のヤングケアラーへの理解も進めるための研修が必要と思います。併せて答弁いただきます。 ◎塚本 副参事 区立小中学校においても、ヤングケアラーと思われる子どもが少なからず存在していることは認識しております。  教員研修につきましては、現在はヤングケアラーに焦点化したものはございませんが、子どもの人権を守るという視点から研修が必要であると認識しております。今後、教員がヤングケアラーについて正しく理解するために研修を盛り込むなどして、子ども一人一人への支援につなげてまいりたいと思います。 ◆田中みち子 委員 適切な対応や支援ができますように、教職員の研修を充実していただいて、関係所管と共通認識を持って一丸となって取り組んでいただくことを要望しまして、質問を終わります。 ○加藤たいき 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 引き続きまして、新風・せたがやの風、どうぞ。 ◆つるみけんご 委員 新風・せたがやの風の文教領域の質疑を始めます。  初めに、子どもの体力低下について伺います。このテーマにつきましては、これまで何度も取り上げてまいりました。  子どもの体力低下は、単に運動能力の低下のみが問題というものではなく、大人になってからの生活習慣病など、将来的な健康リスクの増大につながるとの指摘もなされており、極めて重要なテーマの一つです。しかしながら、今般示されております令和四年度、五年度の行動計画である調整計画、こちらを読んでみますと、体力の向上というテーマは全くと言っていいほど記載が見当たりません。実際に、平成三十年度三月策定の第二期行動計画と、現在作成中の調整計画を読み比べてみますと、第二期行動計画では、体力という単語は三十三か所出てきておりましたが、一方で、今の調整計画ではたったの二か所しか、体力という言葉は記載がありません。素案の段階で作成途中段階であるとはいえ、教育委員会の中の子どもたちの体力向上の重要性への認識が薄くなってしまっているのではないでしょうか。  こういう状況の中にあって、今般、さらにコロナ禍ということもあります。これにより運動機会の減少、外出、外遊びの機会の減少といった体力低下につながる事態が長期にわたって続いていることを踏まえれば、むしろ今まで以上に体力向上の取組は、より一層重要な教育テーマとなるはずです。  まずは、としてこうした影響をどのように把握、分析されているのか、伺います。また、あわせて、コロナ禍を踏まえ、低下が危惧されている子どもたちの体力をどのように向上させていかれるのか、お考えを伺います。 ◎塚本 副参事 区内の子どもたちの体力について、東京都児童・生徒体力・運動能力調査の結果をコロナ禍前の令和元年度と令和三年度で比較すると、全体的にはわずかな低下が見られております。小学校では具体的に、平均値で、上体起こし〇・八回、二十メートルシャトルラン二・九回、ソフトボール投げ〇・五メートルの低下、中学校では上体起こし一・五回、反復横跳び一・六点、持久走五・六秒、二十メートルシャトルラン三・一回の低下が見られました。  分析結果につきましては各学校へ情報提供するとともに、各学校が体育の授業や体育的活動で活用できる事例を提示するなど、子どもたちの体力向上に向けた取組が推進されるよう指導してまいります。 ◆つるみけんご 委員 本年七月二十八日の日本経済新聞によりますと、二〇二〇年度の学校保健統計調査の結果、肥満傾向があるとされた児童の割合が、高校一年生を除く全学年で上昇、裸眼視力が一・〇未満の小中学生の割合は過去最悪を更新したとの指摘がなされております。さらに、保護者や子どもたちを見守る地域の方から、コロナ禍による体力低下に加え、ICT教育の推進が視力の悪化や運動機会の減少などにつながらないかなどの不安の声もいただいております。  こうした不安を解消するためにも、教育委員会として、世田谷の教育はICT教育の推進と体力向上、健康増進というものをきちんと両立していく、こういう方向性を目指すんだということを、子どもたちや保護者をはじめ、教育現場と区民に明らかにするべきと考えますが、見解を伺います。 ◎塚本 副参事 コロナ禍において、子どもたちにタブレット端末が配付されたことも含め、小中学生の視力低下が懸念されていることは教育委員会としても認識しているところです。ICT機器を活用する目的や適切な活用方法については、子どもたちも理解することが重要であり、日常の指導を通して進めているところです。  教育委員会としましては、ICT教育を推進する一方で、子どもの体力との関連性に注視していくとともに、ICT機器を使用する上での子どもの体への影響について研究し、明らかにしてまいります。 ◆つるみけんご 委員 先ほど指摘をいたしましたが、現在示されている調整計画では、体力の向上ということについてほとんど記載がありません。しかし、もともと教育委員会としては、この体力の向上ということの重要性については認識されているものと思いますので、ぜひとも、そのお考えや取組の方向性、具体策を調整計画にしっかりと書き込み、取組の強化や充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。 ◎塚本 副参事 現在のコロナ禍では体育的活動の内容に制限がありますが、各学校は運動の質が高まるものとなるよう工夫して取り組んでおりますが、今後もより一層、体力向上の推進を図ることは重要であると認識しております。  昨年度から体育の授業を通して子どもたちが体を動かすよさを実感することができるよう、教員の指導力向上を推進するための協力校を指定し、研究を進めております。そこでは区内の大学と連携し、教員一人一人の体力指導力向上を図ることを目指しております。また、今年度はICT機器を活用した指導についての資料を作成しており、さらに授業での活用を推進してまいります。  引き続き、子どもたちの体力の向上に向けて、教員の体育指導力向上の研究を進め、取組の充実を図るとともに、今後、調整計画の取組項目に記載してまいります。 ◆つるみけんご 委員 本当に重要なことだと思いますので、取組項目ということに限らず、素案から案にする段階で、体力と健康という視点を持って全体を見直されることを期待いたします。  次に、いわゆる行政系職員と教員系職員ということについて伺います。  先日、現場で教育に携わっておられる方のお話を伺う機会がありました。その際に、教育委員会の中には、職務上、現場に足を運ぶ機会がほとんどない職員さんもおられるため、現場の状況について認識の違いを感じることもあるというようなお話がありました。私自身も、教育委員会の皆様とお話をさせていただく中で、いわゆる行政系職員の方と教員系職員の方で、考え方や視点の違いを感じるということはあります。  教員現場経験のあるなしで視点や考え方が異なるということは、ある意味では当然でもあり、それ自体がいい悪いということではないと思います。しかし、教員現場経験のない職員さんが現場に足を運び、御自身の仕事がいかにして教育現場で成果として子どもたちに還元されているのかということを知ることは、仕事への熱意や意欲の向上にもつながりますし、現場の課題や現状を知り、仕事に生かすという側面からも非常に重要な視点であると考えます。  このような観点から、教育委員会の全ての職員さんが現場を知る機会や、子どもたち、先生方と交流する機会を創出し、その政策的効果と現場の実態を実感するとともに、現場と教育委員会が一体となった、よい関係性を構築し、より一層現場に即した教育の実現を目指すべきと考えますが、御見解を伺います。 ◎安藤 教育総務課長 委員お話しのとおり、教育委員会事務局職員は、日頃の仕事の成果を実感しにくい面もあり、学校現場を訪れ、子どもたちの健やかな学びを直接目にすることは、職員の意欲向上につながるものと思います。  例えば、職員を卒業式に出張させ、子どもたちの学びの総まとめを体感しています。卒業式に出席した職員からは、とても感激した、仕事の励みになったなどの感想の声も上がっております。小学校三、四年生の社会科学習で、子どもたちが区役所に来て、議会議場や教育委員会事務局の執務室見学を実施し、職員が直接児童に説明を行っております。十二月に開設する教育総合センターでは、教職員と職員の合同研修を実施し、教育現場の理解も進めてまいります。  仕事のモチベーションを高めるためには、やはり現場を知ることでございますので、教育長や指導主事が学校訪問する際に、学校を訪れる機会が少ない職員などが学校現場を知る機会を設けるなど、今後とも機会を捉え、事務局職員と学校現場とをつなぐ工夫をしてまいります。 ◆つるみけんご 委員 次に、子どもたちの好奇心を育てる教育について伺います。  先日、ノーベル賞の発表が行われまして、眞鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞されました。気候モデルという手法を確立し、地球温暖化予測の基礎を築かれたということで、大変すばらしいニュースであり、心からうれしく思っております。今まさに世界が直面している気候変動という問題を約五十年も前から予測されていたということで、その研究の偉大さに心から敬服いたします。  眞鍋さんのお話で大変印象的であったお言葉があります。私の原動力の全ては好奇心だった。眞鍋さんは、この好奇心をひたすらに探求し続け、研究に没頭され、これほどの偉大な功績を残されました。  一方、私たちの日常に目を移してみますと、多くの方が日々子どもたちと過ごす中で、子どもたちから、何で、どうしてや、これは何、あれは何というような、いわゆる質問攻めに遭うという御経験があるのではないでしょうか。成長するにつれて、そうした疑問は日常生活のささいなことから学問的なものに至るまで、あらゆる方向性へ広がりを見せます。子どもたちが未知のものに対して興味を示し、不思議に思うこと、疑問に思うこと、まさにこの気持ちが好奇心であり、この好奇心こそが子どもたちの行動の動機づけとなり、成長や学びの原動力となります。  果たして私たち大人や社会、そして今の学校教育は、どれほどこの子どもたちの好奇心に向き合うことができているでしょうか。これまでの詰め込み型の教育から質の転換の必要性が叫ばれる中、子どもたちにとって日常から専門的知識に至るまで、大小様々な好奇心、これらをどのように一つ一つすくい上げ、育んでいくのか。これこそが、まさに教育の本質であり、今、現実的な議論がなされるべき重要なテーマであると考えます。  ここで、まず一点伺います。世田谷の教育において、子どもたち、すなわち児童生徒の好奇心を育てるために、教育現場、また、教育委員会として、どのような創意工夫をされているのか、現状と課題について伺います。また、さらに、今後、課題を乗り越えるために考え得る具体的方策についてお考えをお聞かせください。 ◎毛利 教育指導課長 学習指導要領では、新しい時代に必要となる資質・能力、生きて働く知識、技能の習得、未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力等の育成、学びに向かう力、人間性等の涵養と整理しております。とりわけ、学びに向かう力は好奇心や粘り強く取り組む姿勢など、学習の基盤となるものであり、生涯にわたって必要な力であると認識しております。  各学校では、どのようにしたら児童生徒が好奇心を持ち、学びに向かっていけるのかを、問題の提示や発問の仕方、児童生徒の学び合いなど、実際の授業を基に研究に励んでおります。教育委員会においても研究指定校や研究協力校を指定し、その成果や課題を区内の全ての学校に共有しております。  今後の課題といたしましては、教員や学校の取組を教員個人や学校だけのものとせず、より一層区内で共有化され、教育の質のさらなる向上を図っていくことであると考えております。 ◆つるみけんご 委員 前述の眞鍋さんの特にすばらしい点は、本来は物理学の対象分野ではない気象学という分野を、物理法則に基づいてシミュレーションする気候モデルを確立したということです。つまり、本来の学問の対象分野という枠組みにとらわれず、興味や関心、好奇心に素直に向き合ってこられたことが、今回のノーベル賞受賞というすばらしい結果につながったとも言えるわけです。  ここで二つ、今の教育を考える上での重要な視点があります。一つ目は、今の画一的な日本の教育の中に、学問体系を超えたひらめきや、それを知りたい、解き明かしたいという児童生徒の好奇心を受け止められる柔軟性があるのかということです。二つ目の視点は、好奇心を育てるという数値化が困難な教育目標について、どのように実態を把握し、何を指標としていくのかということです。例えば、好奇心を育てるということを、一般的な学力テストのように数値で測ること、あるいは評価をするということは、適切ではないように思います。一方で、数値では測れないので、それぞれの現場で先生方が各自取り組むということでは、現状や課題が具体的に見えてこないばかりか、先生の個人的な能力に頼ってしまうことになり、結果として世田谷の教育全体の改善には発展しないおそれがあります。  こうした中、先ほどの御答弁でも共有化という課題が出てきましたけれども、それらを踏まえ、御提示した二つの視点を持って、好奇心を育む教育の充実を図るということを考えたときに、一つの手法として、教育現場における好事例を蓄積し、それらを見える化していく。これらによって、ある意味で定量的に現状把握を進めるとともに、それらを広く共有することで、柔軟性のある教育の土台を構築していくということが有効であると考えます。  具体的には、日々の現場での先生方の好奇心を育む、その御努力や創意工夫、これらをデータベースとして蓄積し、それらをの共通財産として捉え、現場、教育委員会のみならず区民とも共有し合い、全体で好奇心を育む取組へと発展させていく。こうした積み重ねの先に、子どもたちが世界で輝く世田谷の教育を実現していく。これこそが教育の質の転換の中核的施策になり得るのではないかと考えますが、教育委員会としてのお考えをお聞かせください。  また、このための中心的な役割というのを、十二月に開設する教育総合センターが担うということも有効ではないかと考えますが、併せて御見解を伺います。 ◎隅田 教育研究・研修課長 教育の質のさらなる向上を図るため、教育総合センターで実施する教育研究や教員研修の中で、課題発見・解決能力や非認知的能力などを育む教育活動に関する内容を充実させてまいります。また、教員の創意工夫により実践されている取組や好事例を蓄積し、データベース化して共有するなど、区内の学校への普及啓発により学校全体を支えてまいります。  このような取組については、学校間での共有に加えて、教育総合センターだよりや「せたがやの教育」、また、センターホームページなどを通じて保護者や区民とともに共有し、子どもたちの好奇心を育てる取組を全体で展開してまいります。 ◆つるみけんご 委員 ぜひとも、この教育総合センターの開設というのを好機と捉えていただいて、全体で子どもの好奇心を育むという機運と仕組みをつくり上げていくとともに、そうした仕掛けを展開していただきたいということを申し上げて質問を終わります。 ○加藤たいき 委員長 以上で新風・せたがやの風の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいりますが、まず、学校での抗体検査の実施について。  これは補正予算で私も賛成をいたしましたし、ほとんどの議員が賛成をした内容でありますから、的確に執行していただきたいと思いますけれども、昨日は、東京の新型コロナの感染者数が、ここのところ劇的に減って、四十九人ということでありました。ところが、新型コロナウイルスの、その感染に気づかず社会生活を送る隠れ陽性が増えている。  東京都が繁華街などで行った無料検査で、直近の数値が、七月上旬で十二倍ぐらい上昇していると。行政検査が追いつかずに民間検査の活用も進んでいないということが背景にあるのではないかということですが、ワクチン接種の完了後に感染するブレークスルー感染もあり、無症状者の把握は不可欠であると。経済の正常化に向け、検査体制の拡充とワクチンの接種を両輪で進めることが肝要であるというのは、これは日経新聞に、九月の中旬に出た記事でありますけれども、私もこれは同感でありまして、学校で検査体制を進めるということは、もうこれは大切なことだと思っております。  この検査を実施することによって、社会的なインフラの継続を維持することにもなりますし、検査そのものが重要なことだというふうに認識をしておりますけれども、世田谷が検査を実施をしていくという上で、何か問題になること、懸念することがないか、その辺は気になるところでありますけれども、世田谷として、教育委員会として、学校や学校で働く教員、そして子どもたちの安全を確保していくという意味では、この抗体検査は大変有意義な、私は施策だと思っておりますけれども、その執行に当たって何か教育委員会として懸念するもの、その懸念をどういうふうに解決をしていくのかも含めて伺っておきたいと思います。 ◎前島 学校職員課長 抗原定性検査の実施に当たりましては、区立小中学校等におきまして事前に検査キットを保管し、検査対象者にすぐ配付ができること、あと、検体を自己採取することが可能であること、また、検査結果も十五分から三十分程度で判明することなどから、簡便な検査となってございます。そのため、感染拡大のリスクを可能な限り低減するという手段として有効なものと考えております。  一方で、検査の手順としましては、検査キットに附属の綿棒を左右の鼻の穴にそれぞれ入れて検体を採取する、その後、綿棒を検査液につけ、かき混ぜ、検査キットに適切にその検査液を三滴落とす、こういったことが必要になるなど、検査手順の細かく記した説明書を、動画などを御案内しまして、各家庭において取扱いの注意を十分留意、理解していただく必要がございます。  また、この検査は、採取した検体の中に一定量以上のウイルスが含まれている場合に陽性の結果が得られるものでございますが、随時検査の場合には、陰性の場合であっても別途PCR検査を御案内して検査する必要があることや、検査が任意であるため、その目的などを丁寧に御説明し、できるだけ多くの方に御協力いただく必要がございます。
     教育委員会としましては、これらの事項に対しまして学校や保護者に対して丁寧な情報提供に努めまして、十分に理解、協力を得ながら、今後も区立小中学校等の教育活動を継続するために、感染拡大防止に向けて取り組んでまいります。 ◆あべ力也 委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。  学校は、リモートと対面と半々に授業をやったりというようなことを始められて、子どもたちにしてみれば、対面で授業を一〇〇%受けられる、通常の授業を受けられるようになるということが大切だと思いますし、十月からは緊急事態宣言が解除されて、ますます社会経済活動が活発になっていくと。そういう中で、区立小中学校でも普通授業をしっかり開始をして、これから運動会などの行事もありますし、あと、修学旅行とか林間学校とかという行事にも積極的に参加をしていただきたい。そのためには、やっぱり検査体制を充実して安全を確保していくということは、欠かせないことだと思っておりますので、しっかり執行していただきたいと要望しておきたいと思います。  続けて、タブレットの問題ですが、どうもタブレットはICT化を進める上で大切な道具で、小中学校に配付をしたわけですけれども、どうも親御さん、保護者の方から、タブレットでユーチューブばかり見ているというような話とか、有害なサイトにアクセスをしているとかという、様々懸念をお聞きするという機会が、今、多くなりました。  もちろん教育委員会やでも対策を講じておられると思うんですけれども、子どものほうが、そういうタブレットとかのスキルが高い場合があって、そういうフィルターも外しちゃうとか、そういうこともあるのかと思いますけれども、いずれにしても、そうした親御さんの懸念であったり、子どもたちの健全な育成ということについて、タブレットの活用に関して、世田谷のそうした懸念に対する取組、どういうふうにお考えになっているのか、伺っておきたいと思います。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 学習用タブレット端末につきましては、不適切なサイトを閲覧できなくするなどのフィルタリングを行った上で、児童生徒が多様な情報にアクセスして主体的に学びを広げられるよう、先進事例や学識経験者の意見等も踏まえ、使用制限をなるべく少なくする設定としております。ユーチューブに関しましても、学習に役立つ動画を学校教育や自習学習で活用できるようにする観点から、利用できるようにしております。  一方で、家庭で子どもが動画を見過ぎているので利用を制限してほしい、保護者が利用規制をできるように設定を見直してもらいたいといった御意見もいただいております。こうした御意見に対しましては、使用をなるべく制限しない理由について丁寧に御説明するとともに、長時間使い過ぎず、節度を持って利用していくことなど、学校から指導を行っております。  また、フィルタリングでブロックし切れずに不適切なサイト等を閲覧できてしまうこともあり、追加でブロック設定を行うなど、端末設定の見直しも随時行っております。タブレット端末の本格的な活用を開始しましてから半年が経過いたしましたので、これまでの利用経験や保護者等の御意見も踏まえ、引き続き、安全を確保しつつICTを活用した学びの推進に取り組んでまいります。 ◆あべ力也 委員 まだ始まったばかり、配付したばかりということで、いろいろ問題もあるんだと思いますけれども、そういう実態を把握をしていただいて、本来の目的に合った健全な利用がされるように、教育委員会の御指導のほどをしっかりしていただきたいと思います。 ○加藤たいき 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 初めに、教育ビジョン・調整計画(素案)について伺います。  九月に示されました同素案では、最上位に掲げる教育目標の冒頭で、全ての教育活動を通して人権教育を推進すると書いています。ところが、同計画の体系の一覧で、取組項目の一つに人権教育の推進とあるにもかかわらず、当該ページを開くと丸々表題ごと、「いじめ防止対策及び不登校支援等の総合的な推進」に置き換えられています。都教委の人権教育プログラムが掲げる十五の人権教育課題など、みじんもないことに驚きます。ビジョンでは最上位の教育目標に人権教育の推進と掲げながら、取組項目の人権教育は全くの空文です。おかしくないでしょうか。  問題が大きいと思うのは、の男女共同参画と多文化共生を推進する条例が規定をする教育活動にも全く触れず、通り過ぎる点です。同条例第八条第一項で、は、性的マイノリティーの性等の多様な性に対する理解の促進や、国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる偏見又は不当な差別の解消等を基本的施策に掲げ、同第二項では「区長は、前項に定める基本的施策を効果的に推進するため、必要な教育又は啓発を積極的に行うものとする。」と規定をしています。ところが、これに対応する規定、記述もないのです。  が掲げる多文化共生社会実現に向けての差別解消の教育、また、性の多様性理解に向けての人権教育等については、条例規定がある以上、その記述がなければおかしいと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 第二次世田谷教育ビジョン・調整計画(素案)については、現在最終の見直しを進めているところです。人権教育の推進については、乳幼児期から小中学校における質の高い教育に関わる内容のため、リーディング事業としての位置づけや内容について検討しています。  また、子どもたちが全ての教育活動において人権や生命を貴び、重んじる精神を学ぶことは重要ですので、世田谷多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例等を踏まえた人権教育、道徳教育のさらなる充実を図っていくことが必要であると考えております。  今後、委員御指摘の性の多様性理解や、国籍等の異なる人々への偏見、差別の解消などの視点を踏まえまして、具体的な個別の取組を作成してまいります。 ◆上川あや 委員 続いて、教育実践について伺います。  二〇一七年策定の、の第二次男女共同参画プランでは、課題十二に「性的マイノリティ等多様な性への理解促進と支援」を掲げ、その施策に沿った事業展開では教育指導課が行う事務として、次の三つが明記されています。一つ目に、区立学校教職員を対象とした人権教育推進に関わる研修の実施、二つ目に、実践的な人権教育の計画的な実施、三つ目に、性的マイノリティの理解の授業のための教材の検討です。この二つ目、実践的な人権教育の計画的な実施では、教委の従前からの答弁や御説明とは全く異なる実情を区立学校の先生方から聞きました。  教委はかねてより、全ての区立学校の人権教育の全体計画に性同一性障害と性的指向を位置づけ、現場を指導していると答弁を繰り返してきました。また、私に対しては、それらに加え、より具体的な年間指導計画にも両者を位置づけてきているともしてきました。  ところが、先週末、区立学校の先生方にお会いをし、実際の資料の御提示を受けますと、当該の人権教育の二つの計画にそれらの記述が全くないということが分かりました。同計画は二年に一度、教委にも提出をしており、しかし、是正を求められたこともなく、当然、性の多様性に触れた人権教育も行っていない。加えて、区立の学校では区内での異動が多く、他校から異動してきた先生方に尋ねても、そうした教育実践はないというのです。  これは一体どういうことでしょうか。教委の従前の御答弁や御説明、男女プランの記述も全ては空手形でしょうか。実態を調査し、従前の御説明どおりに善処することを求めますけれども、いかがでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 学校における人権教育については、全ての学校において教育全体計画に性同一性障害、性的指向などの人権問題についての理解を位置づけるよう指導しておりましたが、委員の御指摘を強く受け止め、各学校の取組の状況を点検し、今後このようなことがないようにしてまいります。  年間指導計画につきましても同様に、記載内容を確認するとともに、計画や実施内容が形骸化することがないよう、今後も各学校の教育課程の編成、実施の際に指導助言を行うとともに、指導に当たる教員の人権教育に対する課題認識を一層高めてまいります。あわせて、人権教育推進校の研究成果や教材開発した資料を広く共有し、区内全ての学校で、より質の高い人権教育が実施できるよう、取組方法や内容などを検討してまいります。 ◆上川あや 委員 最後に、現に区立学校に在籍する性的マイノリティーの子どもたちについてです。  教委では、私の提案を受け、二〇一四年度以降、毎年区立学校における性的マイノリティーに係る相談対応について調査をしています。近年、LGBTへの認知が進む中、その相談件数も増加傾向にあるようです。その最新の御報告では、区立の幼小中合わせて三十一名の相談事例があるようです。  御提示いただいた概要を見て気になるのは、学校が個別の御相談に応じ柔軟に対処する様子がうかがえる一方で、少なくない現場でどう対応するべきか苦慮し、戸惑われている様子が見て取れる点です。  そこで提案です。教委の人権教育推進委員会には、多様な性に対する臨床心理学的支援が御専門の佐々木掌子明大准教授もいらっしゃるのですから、ケースに応じてスーパーバイズを受けてはいかがでしょうか。子どもと保護者、学校との間に共通理解を育て、適切な支援にもつながる、他の教育委員会にはない、よい取組になると考えますけれども、いかがでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 世田谷では毎年、学校における性的マイノリティーに係る対応に関する調査を継続的に実施しております。委員御指摘のとおり、調査によって明らかになった課題については、個に応じた指導が実現できるよう、人権教育推進委員会の専門家に適宜相談を行い、御意見を伺いながら、カウンセラーなどの活用も含めまして、学校全体で適切な支援に努めてまいります。 ◆上川あや 委員 ありがとうございます。  昨年、が実施した男女共同参画に係る区民意識調査では、自分の性の在り方、好きになる相手の性別や、自分自身の性別への違和感などに悩んだことがあるという回答は二・八%でした。これは四十人学級に当てはめれば、クラスに一人はいる計算になります。性的マイノリティーの可能性のある人は決して少なくないんですね。それでいて、が以前、性的マイノリティーの当事者、約一千人を対象に行った調査で、自殺したいと思った割合、四九・七、子どもの頃、ジェンダー、セクシュアリティーに関する正しい情報の不足で困ったという回答が六六・六です。性的マイノリティーの子どもがいないのではなく、いることを前提に御対応いただくことを求めまして、私の質疑を終わります。 ○加藤たいき 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十時五十七分休憩    ──────────────────        午前十一時十五分開議 ○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 本日は非常勤講師の方の人材確保策について、このテーマは平成二十年に初めて取り上げて質問しましたが、その後の進捗状況などをお伺いいたします。  団塊世代の教員の方々の大量退職、またはそれにより若い教員の方が増えたことにより、教員の人員不足、具体的には育休代替職員や非常勤講師などの講師探しに苦労する現状があります。実際に教員でもある私の友人に伺ったところ、若い世代の教員が現場には多いが、ちょうど産休や育休に入る人が多く、その代わりが見つかりにくい。また、少人数学級や特別支援学級など、今は様々な非常勤講師のニーズがあるが、探すのに大変で、希望者が限定されると言っておりました。  現在、世田谷では、少人数学級の際など、ニーズがあったときにはすぐに対応できるように、教師ではないが教員免許を持っている人に登録をしてもらい、非常勤講師のリストをつくっております。しかし、一方で、校長先生などの人脈に頼って個別にお願いすることも多いようですが、例えば小学校、または中学校の数学や英語など、非常勤講師が見つかりにくい教科もあるとのことです。数学、英語のような特に足りない教科に関しては、必要なときにすぐに対応できるように、校長先生や各学校の先生に協力をしていただき、登録者を増やしていただきたいと思うのです。  また、以前に、独自に、教師ではないが、教員免許を持っている人材を掘り起こし、ストックするような人材バンク的なものが必要になってくるのではないかと質問いたしました。その際の答弁では、今後、新教育センターにおいて人材バンクなどの仕組みづくりを研究していくとありましたが、その後について伺います。 ◎毛利 教育指導課長 これまで教育委員会では、採用の非常勤講師についてリストを作成し、適宜、学校に情報提供を行っております。現在百二十人ほどの登録があり、学校のニーズに素早く対応できるようにしております。さらに、産休育休などの代替教員についても、独自にリストを作成することで、世田谷で働く教員の確保に努めております。加えて、教育総合センターにおいては、学校業務をサポートするスタッフの人材確保の支援として、スタッフ情報の一括管理、採用事務の支援、学校のニーズに応じた外部講師の開拓などを行っていきます。  教育委員会においては、今後も地域の人材や資源を積極的に活用し、地域とともに子どもを育てる教育を推進してまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ人材確保をしっかりと行っていただくようによろしくお願いいたします。  次に、区立中学校のカリキュラムについて伺います。  私は、教員免許を小中高の三種類保有しており、三度の教育実習にも赴きました。そのときの経験が現在の私の原点となっております。本日は、新カリキュラムの観点から質問してまいります。  中学校では、今年の中学三年生から、ゆとり教育からの完全決別を意味する新カリキュラムが全面適用となっており、さらに、高等学校では、来年度から新カリキュラムが全面適用となります。それに関して何点か質問いたします。  一点目、来年度の高校の新カリキュラムにおいては、言語文化が始まります。世田谷独自の科目である「日本語」は言語文化と深い関係があると考えております。特に今回の改定では、論述力の充実が求められておりますが、この点について、教科「日本語」の中でどのような工夫が行われているのか、の答弁を伺います。 ◎隅田 教育研究・研修課長 教科「日本語」では、令和二年度に教科書の改訂や教材の新設を行い、児童生徒の様々な課題を多面的、論理的に思考判断し、それを適切に表現するためのコミュニケーション能力の育成などに取り組んでおります。例えば論理の力を考えるという単元では、論理的な表現とはどういったものかという説明文を読んだ上で、自ら論理的な文章を書いてみるという学習を行っております。また、中学校二年生を対象に年間二十八回実施している朝学習では、新聞の社説の要約などの学習を通して、情報を読み取り、的確に表現する力などの言葉の力を高めております。  教育委員会といたしましては、このような取組を推進し、教科「日本語」の授業や教材を通し、児童生徒一人一人の論述する力を育成してまいります。 ◆ひうち優子 委員 また、これまで高校の古典では、平安時代から鎌倉・室町時代のものが題材とされていることが多かったのですが、言語文化では、奈良時代やそれ以前、及び江戸時代の文献も取り上げられることとなりました。世田谷で実施をしている「日本語」の時間に言語文化の要素を加えることで、我が国の文化を理解する上で大変有益であると考えますが、の見解を伺います。 ◎隅田 教育研究・研修課長 来年度より新学習指導要領が実施される高等学校の国語科において、奈良時代から近現代に受け継がれてきた我が国の言語文化に主眼を置いた、全ての生徒に履修させる共通必修科目である言語文化が新設されます。  言語文化の理解に向けて行われる言語活動には、俳句や短歌を作成して表現することや、伝統行事や風物詩などの題材を選んで随筆などを書いたりする活動が例示されており、現在、教科「日本語」で学習している内容や教材、日本文化などと深く関係していると捉えております。  教育委員会としましては、引き続き、教科「日本語」の指導を通して、子どもたちに我が国の言語文化に親しむ態度を育むとともに、進学後の学習へと円滑に接続できるよう努めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 世田谷では、教科「日本語」というすばらしい教科がございますので、その中で、日本の伝統文化を引き続き行っていただきたいと思います。  次に、一九四七年にGHQ主導で日本数学会と日本物理学会が分離された結果、我が国においては、数学者と物理学者の距離が大きくなりました。このことの弊害は、特に西日本で深刻であると言われています。特に東大や京大の理系学部に合格するためには、微分積分や微分方程式の知識を総動員した物理の解法を身につけることが非常に重要と言われております。  そこで、来年から理数探究が始まることになりますが、現在、各学校が内容を模索中であると聞いております。ただ、数学と物理の接近は産業界からの要請でもあり、中学段階から進めておくことは、未来の我が国の発展を支える人材を育てる上で非常に有益であると考えます。これについても、「日本語」と同様、として新たな取組を行うべきだと考えますが、の見解を求めます。 ◎毛利 教育指導課長 高等学校の理数探究では、数学や理科に関する課題に対して、数学的な見方、考え方や理科の見方、考え方を働かせながら、自ら課題を探求するために必要な資質、能力を育成することが目標になっております。  世田谷においては、世田谷探求的な学びの実現を掲げ、各教科や総合的な学習、教科、横断的な学習の中で児童生徒が自ら問いを見いだし、自分なりの方法で課題を解決し、新たな課題を見つけていく能力を育むように取り組んでおります。  中学校の理数系の授業におきましても、自ら課題を解決するための総合的な学習の時間なども活用しながら、探究的に学習していくように取り組んでまいります。 ◆ひうち優子 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。 ○加藤たいき 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 まず最初に、この九月の分散登校、オンライン授業を行った際の課題とその対応について伺ってまいりたいと思います。  九月のときは、分散登校を実施しまして、リモート、家庭でタブレットで授業を受ける子と、登校して教室で授業を受ける子のハイブリッドで授業が進められてきたわけですけれども、この中で様々課題があったかと思います。  私のところに届いた声の多いものとしては、やはり先生一人が教室にいる子たちの授業を引っ張るだけでなくて、例えばマイクであったり、カメラワークといったオンラインの操作を対応することが非常に困難で、例えば先生が黒板を向いてしまうと声が聞こえないとか、あるいは先生自体が全然映っていないといったような、そういったことをよく耳にしました。  結局、授業をやる先生以外に、オンライン担当といった人手が必要だったということになるのかなと思いますが、このような現場の状況や様々な声について、教委としてどのように認識をして、また対応していらっしゃるか、まず伺いたいと思います。 ◎隅田 教育研究・研修課長 ハイブリッド型学習については、二学期当初、指導主事等による訪問やICT支援員による報告から現状把握を行ってきたところです。授業では、個に応じた学びが進められていることや、アプリ活用による教師と生徒のつながりの深まりなどの効果も見られました。一方で、音声や映像が鮮明でないなどの通信環境の不具合に加え、カメラワークなど教員の不慣れな部分からの課題も見られました。  これらの課題については、各学校の管理職やICT推進担当者に、オンライン会議アプリやメールを活用して、接続台数の制限やログイン時間の調整、映像を配信する際のカメラの向きについてなど、有効な手だてや不具合等への対応方法を発信、情報共有し、改善に向けて取り組んでまいりました。  教育委員会といたしましては、今後、ICT機器を使った授業の実践を公開するなど、各学校での取組の充実に向けて努めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 今、教員の皆さんもスキルを向上するようにいろいろ研究されているということですけれども、私はやっぱり、もちろん先生方もいろいろノウハウを積んでいっていただきたいですけれども、学校の先生だけで教室で何とかしようとするのではなくて、うちの学校ですと、例えば副担任であったり、いろんな人がサブで入ったりもしたんですけれども、それでも人が足りないというときもあって、そうした学校の中だけの人員だと足りない部分について、一つ今日提案したいのが大学生の活用ということを提案したいと思います。  今回、うちの娘の小学校のことですけれども、たまたまその地域に、中学生の船橋希望中の保護者の方が、「まなBASE」といって、大学生と中学生を結んで、地域の中でコロナ禍、中学生は、例えば学習の自習室がない、勉強する場所がない、あるいは進路相談や、高校の下見もできないという中で、大学生がいろいろ自習室でチューターをしたり、相談に乗ったりと、そういった仕組みだったわけです。この仕組みがあったおかげで、大学生が小学校のほうの、低学年のほうのクラスに入ってもらったりというような活用ができたというふうに聞いています。  これはたまたまそういうことを立ち上げた方が地域にいたので、できているわけですけれども、もう少し区内全体として、こういった大学生への活用、あるいは大学との連携ということを進めてはと考えますけれども、これについてまず見解を伺います。 ◎隅田 教育研究・研修課長 対面とオンラインを併用したハイブリッド型学習を実施するに当たり、ICT推進リーダーを中心とした校内で教員がサポートし合う体制の構築や、ICT支援員の増員を図ってまいりました。学級担任や教科担任をサポートする人材がいることで、さらに質の高いオンライン学習を提供できると認識しております。  委員お話しのように、大学生が学習用タブレット端末の操作支援やオンライン授業を配信する際に、教員の機器の操作を支援するなどの取組が行われている学校もございます。  教育委員会といたしましては、区内の大学と連携するなど、大学生をはじめとした外部の人材を活用したサポート体制の構築に向けて努めてまいります。 ◆佐藤美樹 委員 そういった、今進めていくような御答弁でありましたけれども、今回、私もこの件があって、改めて大学との連携で今、はどのような状況なのか、ほかの部署になりますけれども、交流推進担当部のほうに伺いましたら、包括協定を結んでいるのが十一の大学で、それ以外にも覚書というような形で大学生が小学校、中学校あるいは幼稚園に入るというような、そういった覚書が十一校と、それ以外もほとんどの大学と何らかの連携がありますよということを伺いました。  非常にこういった大学生の活用、大学と連携するというここの部分については、先ほど申し上げたように、たまたまこういうネットワークを持っている人、熱意のある人がいて、それがつながって実現していくという属人的なものではなくて、全体として、あるいは今後につながるその仕組みとして取り組んでいっていただきたいなというふうに考えますけれども、この辺について、教育長のお考えを聞きたいと思います。 ◎渡部 教育長 区内の幼稚園や小中学校においては、委員がお話しのとおり、大学との連携が進んでおり、大学生が子どもの学びを支援するという仕組みが行われています。現在、世田谷にある十一の大学で、学部と包括協定を結んでいますので、これからICT教育やキャリア教育、それからSTEAM教育など、新たな連携の可能性が考えられるというふうに思います。  教育総合センターでは、大学と連携した研究活動が予定されていますので、さらにこの連携を強化して、区内の小中学校へ広げて、継続した取組となるよう、学校を支援し、関係所管と連携し、工夫してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 この件について、学校の校長先生ともお話ししたんですけれども、今回のオンラインの授業の対応にとどまらず、例えば引き続き、分散登校もあって、少数ですけれども、不登校ぎみになっている子というのもいて、そういう子がリモートで授業を受けているので、引き続き、先生はハイブリッド対応というところが必要になっているというクラスもありますので、大学生の活用ということを積極的に取り組んでいただきたいと思います。  もう一個あったんですけれども、ちょっと時間の関係で割愛しまして、これで終了したいと思います。 ○加藤たいき 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 総括、福祉に続き、幼稚園の職場環境是正について伺います。  幼稚園についても男性教員がいることを前提とした職場環境を整え、性別という属性により不利な扱いをされないよう、最低限の環境を事業者として整えてください。回答をお願いします。 ◎青木 教育環境課長 男性用更衣室やトイレが整備されていない区立幼稚園につきましては、設置スペースが限られることから、設備やスペースの共用や間仕切りの設置など、対応方法を事前に幼稚園とともに検討しております。  男性職員が働ける職場環境を確保するため、改築時には、男女別の更衣室やトイレの整備を基本とし、既存の施設につきましても、引き続き施設ごとの状況に応じた環境改善に取り組んでまいります。 ◆そのべせいや 委員 続いて、育児休業について伺います。  厚生労働省雇用均等基本調査によると、二〇二〇年の民間企業における男性の育児休業取得率は、目標の一三%に対して一二・七%で着地しました。半年後の二〇二二年四月より民間企業では企業側からの取得の意向確認が義務化をされ、二〇二三年四月から従業員千人以上の会社の取得率が公開をされます。そして公務員については、昨年七月から今年三月に子どもが生まれた国家公務員の男性九七%が一カ月以上の育児休業を取得する見込みだと発表されています。  区役所職員については、男性の育児休業取得状況については以前質問をしましたが、二〇一八年度一七・三%、一か月以上の一定期間の取得者で換算をすると一〇・六%でしたが、二〇二〇年度は四〇%、一カ月以上で見ると二一・三%と、この数年で男性の育児休業ももはやマイノリティーではなくなりました。  一方で、学校の教員についてはいかがでしょうか。まず、何人が数日間ではなく、一定期間の育児休業制度を利用しているのか、性別によって傾向があるのか、昨年度の取得状況を伺います。 ◎毛利 教育指導課長 区内の小中学校に勤務する男性の正規教員のうち、育児休業を取得しているニーズは六人となっております。女性の正規教員のうち、育児休業を取得している人数は百三十四人ですので、男性教諭の取得は少ない人数でございますが、三年前は二名の取得でしたので、増加の傾向にあると思われます。  学校においてもワークライフバランスの一層の推進に向け、育児、介護等を行う教職員にとって働きやすい職場環境の整備を進め、男性教員の育児休業等の取得向上を推進していきます。
    ◆そのべせいや 委員 多世代同居の時代は、出産を経て家に帰ると、自分かパートナーの父母等、カップル以外に手助けが可能な人がおり、核家族の時代になってからも里帰り出産という言葉があるように、一時的に同居をするか、手助けが可能な親に来てもらうという選択肢もありましたが、現在では中高年の生活様式も多様化が進む、また晩産化が進む中で、従来手助けをお願いしていた親がいなかったり、介護状態となり、むしろダブルケアが必要だったり、加えて二〇二一年秋時点では、新型コロナウイルスの影響で、都市部と地方との移動にも制約が生じています。  こうした社会の変化に対して、としても産後ケア事業や産後ドゥーラの利用補助等の選択肢を広げる方向で支援をしてきたことはさらに後押しをしたいと考えますが、公的な支援で担える範囲には限界があることも鑑みると、最も身近にいるはずのパートナーへの期待がより高まっています。出産した当事者ではないパートナーによる育児休業取得は、働き方の効率化、家事・育児負担の均等化やパートナー相互関係、キャリア意識の向上、第二・第三子への意欲向上といったことも、内閣府経済社会総合研究所の研究でも示されています。  加えて、教員については、一般の育児休業とは異なり、教えている子どもたちにも影響があると考えます。以前NPOの実施する中学生向けの赤ちゃん触れ合い事業に参加をした際に、ちょうどお子さんが生まれたその学校の男性の先生も子連れで参加をされていましたが、見ず知らずの私たちと異なり、ふだんの延長線上で生徒たちと子どもの話題で交流をされていました。  教科書を開いて理想論を児童生徒に話す時間を取るよりも、担任や関わっている先生たちが育児休業を取得するほうが、育児休業をはじめ、乳幼児と接することに、性別は関係ないことや、仕事も私生活もどちらも大切であることが子どもたちにも伝わり、一つの家庭にとどまらず、次の時代へポジティブな影響があると考えます。  今回、教委へ取得率を尋ねたところ、本人が出産をしていない場合に、誰に子どもが生まれたか母数が把握できないため、取得率は出せないとのことでしたが、女性教員の人数と出産数を用いて子どもが生まれた男性教員の数を推定してみると、取得率大体五%程度というところです。性別や出産の有無にかかわらず、育児休業が取得をできるよう組織的な改善が必要ではないでしょうか。に見解を伺います。 ◎毛利 教育指導課長 教員の任命権者は東京都教育委員会であるため、都の関係部署とデータの活用等も含めて、どのようなことが今後可能であるのか研究してまいりたいと思っております。 ◆そのべせいや 委員 同僚、上司、また保護者から賛否両論、育児休業、男性も取得をすることに対して予想されますが、そもそも義務教育課程の公教育は、全国一律でクオリティー担保をすることが要請されていること、また、公務員として異動が前提で働いている以上は、属人的な手法でアウトプットに差がある状態よりも、いつでもほかの人に交代可能な仕事の進め方のほうが要求をされています。  他の職場では、半期、四半期を中心に、年度途中の異動は当たり前に生じ、極端な例では、金融機関は一週間前に異動を伝えられ、残り数日の引き継ぎで次の人が着任できることが前提の体制で業務が進められています。育児休業が特別な話ではなく、これまでも病気や介護、事故など、本人がどんなに年度末まで仕事をやり遂げようと思っても年度途中で休職、退職を余儀なくされるケースは幾らでもありましたが、一人の教員がどんな状況になったとしても円滑に学校が回るような仕組みを整えることは、まさに学校運営の仕組みを整える教育委員会がやるべき役割です。  学校全体に関わる業務の棚卸し、教員が手間をかける必要のない業務の切り出しと、既製品やシステム活用によるユニバーサル化、そして今回伺いたい本題ですが、育児休業に限らず、一人の教員が一クラスに四月から三月までコミットをしてきた極めて属人的でクローズドな教員の仕事の進め方から、誰かが欠けることも前提に、チームで情報を共有し、常にバックアップ機能を整えることが求められている。また、情報共有の中でより効率的、かつ日常の業務の質を上げることも可能であると考えます。  本質的にこの学校の教員の方々の働き方というものの考え方を変えられないのか伺います。 ◎毛利 教育指導課長 教員の仕事は、一年間、学級の担任としての様々な業務や指導計画に沿った教科の学習を進めていくため、年度の途中で担当が変わる際には、丁寧できめ細やかな引き継ぎと、学年や教科ごとの協力、連携は欠かせません。また、スクール・サポート・スタッフや包括支援員、学習サポーターなど、外部人材を活用した支援を充実させることで教員の負担軽減を図ったり、ICT機器の活用により業務の効率化を推進したりすることで、教員の仕事の進め方を支援しております。  教育委員会といたしましては、年度の区切り等、学校のスケジュールに左右されることなく、男性教員を含めた全ての教員が安心して必要なときに育児休暇を取得できるよう、職場の認識の醸成を図ると同時に、働きやすい職場環境の整備を進めてまいります。 ◆そのべせいや 委員 ICT、システム化というようなお話もありましたけれども、AIドリルに私は期待をしておりますけれども、このAIドリルの利用率というのも、一定のところからまだ進んでいない、ログインすらされていないというところもあるそうですので、ぜひそういった新たな仕組みも活用して、これまでの仕事の仕方というのは変えていただきたい、引き継ぎができるような方向に修正をしていただきたいということは要望しておきます。  どんな人でも働きやすくすることが学校の価値観の多様化につながるはずですので、ぜひ進めていただきたいと要望して、終えます。 ○加藤たいき 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 引き続きまして、国際都市せたがや、どうぞ。 ◆神尾りさ 委員 魅力ある図書館づくりに向けた取組について伺います。  知と学びと文化の情報拠点を基本理念に掲げる区立図書館は、時代の転換期において新たな方向性を見いだし、取組を実施すべき時期に来ています。  先般示された世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会報告書では、魅力ある図書館づくりに向けた取組の一点目として、公共性、専門性の継続、充実に向けたマネジメント力の強化が挙げられています。  有能な司書有資格者の確保や人材育成計画を作成するとありますが、これからの図書館に必要なのは、司書としての専門的な知識のみならず、本や情報と人とを結びつけることができるコミュニケーション能力や、ネットワーク能力を持ち合わせている人材であると考えます。図書館を訪れる人がどのような情報を求めているのかを理解し、多岐にわたる情報の引き出しから、それぞれのニーズに合った適切な情報を提供することができるような能力が発揮されることで、図書館が今以上に魅力ある施設になり得ると考えるからです。  また、図書館がその場所で来る人を待っているだけではなく、時には地域に飛び出していき、地域の様々な主体と連携して、本の魅力を伝えることも大切であると考えます。  まずは司書資格に加え、調整能力や企画力のある人材の育成や活用に向けて、どのような取組が可能か伺います。 ◎會田 中央図書館長 魅力ある図書館づくりには、マネジメント能力を発揮することが重要であり、司書資格を有するなどの専門性に加え、地域や学校、他部署との調整であったり、新しいイベントなどの企画を立案したりといった調整能力や企画力を備えた職員が重要であると考えます。  人材育成に向けて、従来の研修に加え、司書講習派遣対象の大学通信講座への拡大や、館長、副館長対象のマネジメント研修などを実施してまいります。また、人事所管との連携により、意欲のある行政職員としての総合的な企画・調整能力を身につけた人材の確保を進めてまいります。  さらなる人材の確保に当たり、例えば様々な資格やこれまでの職業経験から、高度な専門性や知見を有する区民を採用するなど、図書館マネジメントを支援できるような経験豊富な外部人材の活用を進めてまいります。 ◆神尾りさ 委員 次に、目指すべき方向性の二点目に掲げられている、多様化する地域の図書館ニーズ等への対応についてです。  ネット予約が普及し、必要な本をインターネットで予約して、図書館では受け取るだけという借り方が一般化しつつあるように感じます。  そこでまずは、区立図書館全体における昨今の貸出数とネット予約の貸出数の傾向について伺います。 ◎會田 中央図書館長 区立図書館全体で年間六百万件を超える図書の貸出し、これはほぼ横ばいでございますが、予約の受付としては、令和二年度年間約二百四十万件あり、そのうちインターネット予約受付件数は約二百十七万件でした。インターネット環境の普及に伴い、平成二十九年度百九十万件だったネット予約の件数は、令和二年度約二十七万件増加しており、予約受付に占めるネット予約の割合は九割近くにまで迫っているところです。 ◆神尾りさ 委員 全貸出数が横ばいの中、ネット予約数は増加傾向にあることが分かりました。読みたい本はインターネットで予約し、図書館に受け取りに行く人が増えているということを考えると、図書館という施設自体には、本の貸出しのみならず、滞在したくなるような居心地がよい場所づくりが求められていくと考えます。本が好きでない人にも気軽に立ち寄ってもらえるような居場所としての図書館づくりについて、どのような取組が考えられるのか伺います。 ◎會田 中央図書館長 区民が気楽に立ち寄ってもらえるような滞在型の図書館として、第二次世田谷区立図書館ビジョン第三期行動計画素案においては、人が集い、つながりの場づくりに取り組むことを記載しています。利用者参加型や交流型の事業を実施したり、利用者がお互いに交流を深めるきっかけを提供し、気軽に会話や飲食のできるスペースや、人が集うための場を設けるなど、既存設備の効率的な利用による活用を検討したり、今後の図書館の改修、改築等の機会を捉えることにより、くつろぎの場や居心地のよさ、快適性の向上などに取り組んでまいります。 ◆神尾りさ 委員 最後に、区内各地域の特色を生かした図書館づくりについて伺います。  これからの各図書館には、平均的に同じような本を並べることよりも、それぞれの特色や魅力を生かし、訪れる価値を創出する工夫が求められるように感じます。例えば福祉の町梅丘では、医療と健康の情報コーナーを設けたり、最も来館者が多い経堂は、ビジネス関連の情報を提供したり、玉川台図書館では、世田谷美術館資料コレクションを設置するなど、図書館と地域との連携が見られます。また、今後、指定管理者制度が導入される図書館においては、これまでできなかった新たな取組も可能となります。  各地域の図書館ならではの魅力を今以上に引き出し、そこに行かなければ得られない情報を提供できるような体制を整えることや、各図書館の異なる魅力を区民に分かりやすく発信する必要があると考えます。見解を伺います。 ◎會田 中央図書館長 地域図書館は、地域、地区に根差した知の拠点であり、魅力ある図書館づくりに向けて、それぞれの図書館の特色が鮮明であるべきだと考えます。  地域の文化に関する郷土史など、地域の歴史や特性に応じた資料の収集の充実や、地域で活動する団体や多世代の様々な利用者との連携した事業などを実施するとともに、中央図書館が中心となって講義やワークショップを実施して情報を共有し、また、民間事業者のアイデアやノウハウを活用しながら、地域特性や利用者ニーズに応じた自由度の高い図書館サービスの充実を図ってまいります。  また、各図書館の特色や取組について区民の認知度を上げるために、広報紙、インターネット、電子的な媒体を活用して、より一層の情報発信に取り組みます。各図書館ならではの特色の検討については、来年度設置する(仮称)図書館運営協議会において、区立図書館全館の運営状況の確認や利用者目線の新たな図書館サービス導入の検討なども行い、各図書館ならではの魅力を引き出してまいります。 ◆神尾りさ 委員 各図書館がそれぞれの特色を出し、利用者のニーズに応じた自由度の高い図書館サービスの充実を図っていくとのことですので、既にある工夫を凝らされた図書館を参考にしたり、新たなアイデアを形にしたりすることで、今後ますます魅力的な図書館サービスが展開されていくことに期待し、質疑を終わります。 ○加藤たいき 委員長 以上で国際都市せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、小学校での教科担任制についてお伺いいたします。  現在、区立小学校では学級担任制が、中学校では教科担任制が取り入れられております。報道によりますと、令和四年度から小学校高学年の英語、理科、算数、体育の四教科に教科担任制の導入が予定されております。教科担任制では、教員が特定の科目に特化することによって、授業の質の向上や教員の負担軽減が期待されます。さらに、複数の教員の目で子どもたちを見守ることも可能になるなど、大変大きなメリットがあるように思います。  しかし、独自に教科担任制を採用してきた自治体がある一方で、これだけのメリットが考えられながらも、をはじめ多くの自治体で採用に至らなかった理由も当然あると思います。  ここで伺いますが、では、現在の学級担任制と教科担任制について、どのように評価しているのかお伺いいたします。 ◎毛利 教育指導課長 文部科学省の有識者会議では、小学校高学年からの教科担任制の在り方について、外国語、理科、算数、体育の四教科を優先的に専科指導の対象とする報告書案をまとめております。  これまで区内の公立小学校においては、学級担任が教科の指導に当たる学級担任制が取り入れられており、高学年を中心に、音楽や図画工作、家庭科など一部の教科において専科指導を行っております。  今後、小学校高学年における教科担任制の拡大が進めば、専門性の高い教科指導による授業の質の向上や、小学校から中学校への円滑な接続などが期待されます。さらに、授業準備の効率化により、教員の負担軽減や、複数の教員による多面的な児童理解が進むことも期待されています。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。学級担任制と教科担任制について、の評価を伺いましたが、教科担任制の一部導入まで既に半年を切っております。教育委員会の準備状況についてお伺いいたします。 ◎毛利 教育指導課長 世田谷では、今年度から都教育委員会より、小学校教科担任制の推進校一校が指定されております。今後、教科担任制の効果的な指導の在り方などの研究を進め、その研究成果など、区内の全ての学校に広く共有してまいります。あわせて、教員の採用、配置を担う都教育委員会に対して、教科担任制の拡大に伴い、教科の専門性の高い教員の配置を確実に実施するよう要望をしてまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。授業の質の向上や教員の負担軽減、子どもの見守り環境の向上が期待できる教科担任制に私は期待しております。円滑な実施ができるように、課題を整理して、しっかりと学校現場をサポートしていただくようお願い申し上げます。  引き続き、教員の多忙化の解消について伺います。  教員の多忙化については、以前から問題となっており、でも負担軽減のため、様々な取組をされてきたと思います。しかし、コロナ禍で学校生活の安全や学習環境を確保するために、新たな対応が求められていることと思います。特に二学期の開始に当たっては、分散登校やオンライン学習など、教員の負担が大きかったのではないでしょうか。教育委員会は、教員の負担軽減に向け、どのように取り組んでいるのかお伺いいたします。 ◎毛利 教育指導課長 新型コロナウイルス感染症への対応については、二学期の開始に当たり、デルタ株の拡大のおそれがあったことから、分散登校とオンライン学習の併用、通常登校とオンライン学習の選択制の期間を設け、十月一日より通常の教育活動へと段階を追って実施することで、新型コロナウイルス感染症対策と学びの保障の両立を図っております。  教育委員会では、今年度より全学校にスクール・サポート・スタッフを配置できるようにしており、用務主事や学校包括支援員などとも協力しながら、児童生徒の学習、生活環境を整え、教員ができるだけ授業に注力できるよう支援をしております。  教員の働き方改革はまだ道半ばであり、今後とも、人的、物的な支援を行うとともに、各学校における公務や行事などの見直しについても引き続き推進していくよう、校長会と連携して取り組んでまいります。 ◆くりはら博之 委員 御答弁ありがとうございます。授業だけでなく、部活動の指導など、教員の仕事は様々だと思います。それらの業務の全てについて、コロナ対応によるプラスアルファが必要となってきております。コロナの収束を願うばかりですが、現実的にはまだしばらくコロナ禍が続くと思います。  以前質問をいたしました部活動支援員制度もそうですが、DXなど様々な取組によって教員の負担軽減に取り組んでいただきたいと思います。教員の負担を軽減して、勤務時間を適正に管理した上で、子どもに向き合う時間を十分に確保していただき、引き続き教育委員会の努力を求め、質問を終わりにいたします。 ○加藤たいき 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 私は、子どもたちにとって学校は楽しいところでなくてはならないと思っています。毎日子どもたちの通学を見ていますと、元気よくおはようと言う子がいると、今日は何かいい授業があるのかなとか、おはようと言っても、小さな声でうんと言いながらおはようと言う子は、今日はお母さんに怒られたのかなというふうな感じもします。  また、通学の頃にいつも楽しみなのは、小学生、中学生もいるんですが、幼稚園に向かう子や、保育園に行く子どもたちがお母さんの自転車に乗っかって、元気よく手を振ってくれる、これが本当の毎日の楽しみでございます。本当に手を振ってくれるのが楽しみです。  また、コロナの関係で、教育活動は、もう一年半がたとうとしていますが、昨年当初は、休校や分散登校と徐々に学校を再開しました。学校も地域も手探り状態でのスタートでした。特に学校での勉強も、友達とのおしゃべりは少なく、静かに学校の先生の話を聞くことが多かったり、運動会や学芸会、音楽会など、行事についても、中止や規模を縮小しての実施となりました。  しかしながら、今年度は、学校や子どもたち、地域、保護者の努力のかいがあって、少しずつですが、学校の教育活動も日常を取り戻すことができたのではないかとつくづく感じています。  そのような中、私が心配しているのは、修学旅行の宿泊行事の実施がどのようになるかということです。昨年度は、宿泊行事が実施できなかった代わりに、いろいろ各学校で工夫して行っていましたが、日帰りの旅行を実施したり、お笑い芸人さんを呼んで楽しんだ学校もあったと記憶しています。そのような取組は大変すばらしいものだと思います。その準備をした学校には、大変感謝していると保護者の方も言っていました。  とはいうものの、やはり昔ながらの同じ釜の飯を食うという言葉もありますが、子どもたちが友達と寝食を共にするということは、何事にも代えがたい貴重な経験になると思います。  そこでまず、修学旅行の実施についてお伺いします。修学旅行を含めて、校外の活動は、教科の学習だけでは学ぶことができない大切な学習の機会であります。各学校においては、コロナ対応をしながらも、子どもたちの学習の機会を保障すべきと考えますが、の見解をお伺いします。 ◎毛利 教育指導課長 宿泊行事や校外での活動は、ふだんとは異なる生活環境の中で、自然や文化などに親しんだり、よりよい人間関係を築いたりするなど、貴重な学習の機会となります。  昨年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、宿泊行事や校外での学習が中止となったり、規模を縮小したりせざるを得ない状況でありました。  教育委員会といたしましては、新型コロナウイルス感染症への対応と学校での教育活動が両立できるよう支援をしてまいります。 ◆青空こうじ 委員 の考えをお聞きして、安心しました。  おかげさまで下北沢小学校の六年生が、十日の日曜日、日光に修学旅行に行きました。今日帰ってきます。ありがとうございます。そして、川場の移動教室も含めて支援をお願いしたいと思います。  次に、修学旅行の行く先についてもお伺いします。  新幹線であっという間に目的地に着くのでしょうが、私が中学校の頃は、品川駅に集まって、修学旅行電車に乗っかって、京都、奈良まで行きました。当時はホテルもあまりありません。私たちが泊まったのは、古いオオツヤ旅館でした。一階の池のコイを捕まえたり、食事をした大部屋で泊まって、電気を消した後、みんなで枕投げをしたり、先生に怒られた思い出があります。奈良では鹿に追いかけられたり、京都ではきれいな舞妓さんの後ろについていってはぐれてしまったこともありました。その頃の様子は今でも目に浮かびます。  奈良、京都だけではなく、我が国には、文化や風習があって、本当にすばらしい国だと思っていますが、その中でも、広島や長崎は、さきの大戦で大きな被害を受けましたが、国民の大変な努力によって、そこから復興し、現在の世界に誇る日本を築き上げてきました。そこを訪れることはなかなかできないと思いますが、改めて平和とは何かを考えさせてくれる場所でもあるのではないでしょうか。  現在も修学旅行で行く先は奈良、京都が多いと思われますが、広島や長崎を訪れ、平和について学ぶ機会とすることも意義深いと考えますが、の考えはいかがでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 各学校におきましては、それぞれの教育課程に基づき、修学旅行や校外学習の行き先や内容などについて決めているところです。修学旅行については、歴史の学習と関連づけて奈良や京都を訪問することが多い傾向にありますが、平和教育と関連づけ広島などを訪問する学校もございます。  教育委員会といたしましては、各学校が特色ある教育を実践できるよう、今後も支援をしてまいります。◆青空こうじ 委員 京都とよく奈良というんですが、京都と奈良じゃなくても、もうちょっと反対に上がっていきますと、日本海側に向かっていきますと、福知山といういい場所があります。ここもお城があったり、もうちょっと先に行くと日本海に出ます。そこには舞鶴という有名なところがあります。今のお子さんたちは分からないんですが、舞鶴というのは、中国やロシアのほうから引き揚げてきた人たちがみんな、京都の舞鶴、そして長崎の大村湾のほうへ泊まっております。ぜひそういう場所も、京都だけだったら、そっちのほうへ行くのもいいと思うんですが、そういう考えはあるのかないのかお伺いします。 ◎毛利 教育指導課長 先ほど申しましたように、各学校において行く先は決めておりますけれども、今いただいたような御意見を広く共有いたしまして、より特色ある教育活動が実践できるよう支援していきたいと思っております。 ◆青空こうじ 委員 小学校六年間、中学校三年間、思い出深いものになっていただければ幸いです。  私からの質問を終わります。ありがとうございました。 ○加藤たいき 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時二分休憩    ──────────────────        午後零時五十五分開議 ○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 自由民主党世田谷議団の文教領域の質疑を始めます。  私からは、初めに、幼児教育について何点か伺っていきます。  いよいよ、本年十二月に旧若林小学校の跡地に開所になる教育総合センターの中の一つの機能として、乳幼児教育支援センターがあります。世田谷全体の乳幼児教育を進めていくためにも、教育総合センター内での大きな役割になるというふうに思います。  以前、平成三十年の予算特別委員会で私からこのような話を一度しました。地域の子ども食堂にて、そこの施設長の方から、最近来ている小学生から、子どものままでいたい、大人になりたくないと子どもたちから打ち明けられたことを伺って、その理由として、単純な大人への憧れはあるけれども、身近な大人である親を見て、大人の苦労であったり、役割を知り、大人になりたくないという話でした。その場で私自身はやはり危機感を感じ、自分自身も一人の親として、はっと自己を見直す機会でもありました。そういった話です。  人間は誰でも大人になり、厳しい現実を知り、その中で生きていくということが、小学校のうちからそのことに気づいて、大人になりたくないというふうに思っている子に関して、子どもだからこそできる伸び伸びとした、時にははしゃいだり、無邪気に遊んだりといったことを十分にしないまま大人になっていってしまうのかなということが懸念されるのかなというふうに思います。  子どものときにしかできないすばらしい体験をして大人になってほしい、そして、生きていくための最低限のルールを少しずつ覚えていってほしいと思いますが、大人になり、社会に出ていく上で何か目標を持って励むことであったり、人とうまく関わる力であったり、それは幼いときから育んでいかなければなりません。  こうした気持ちを自我が芽生える段階、乳児期においての教育に非常に有効だと、その中で言葉として新しい、注目されている非認知能力という言葉に置き換えられて注目されるようになりました。  人間の能力は大きく認知能力と非認知能力という二つに分けられます。御存じの方も多いと思いますが、認知能力とは、IQに代表されるような点数とか、数値化できる知的能力のことで、IQという言葉は一般的にもよく知られていると思います。大人が子どもたちの能力を把握する上で参考にしやすい指標の一つだと思います。  一方で、非認知能力とは、認知能力以外の能力を指す言葉で、テストなど数値化することが難しい内面的なスキルを指します。テストで数値化されにくい能力は幅広くて、非認知能力と位置づけられるため、具体的にイメージしづらい、様々定義されるケースもありますが、簡単に幾つかの言葉はちょっと述べますけれども、やり抜く力であったり、自分を信じる力、自己肯定感、やる気、集中力、忍耐力、理性、精神力、判断力、行動力、あるいはリーダーシップ、協調性、思いやり、応用力、また失敗から学ぶ力、あとは工夫をする力などなど、これらの言葉は非認知能力という言葉にあまりなじみがなくても、この中身は子育ての中で一度は見聞きしたことがあるものばかりであって、ぜひ我が子に育んでほしいと願うようなものも多いと思います。子どもが人生を豊かにする上でとても大切な能力であるというふうに思います。  非認知能力の育ちがその後のライフサイクルに大きな影響を及ぼすといった研究成果が諸外国において示されていて、その研究によると、三歳から四歳の幼児期においては、その非認知能力を育む教育を受けていないグループと、受けている子どもたちを比較して、認知能力という点では、先ほどの点数ではかれるものに関しては差がないものの、よりその後の安定した社会生活だったり、あるいは犯罪率、生活保護受給率も低いということが示されました。この結果を受けて、両者の差を生み出したものは、認知能力以外の力ではないかというふうに考えられるようになって、すなわち、テスト等ではかることのできない非認知能力であり、その能力こそが世界の対応力につながって、子どもたちの人生をより豊かにしたと言えると思います。
     今の子どもたちが生きる社会は、国際化であったり、ボーダーレス化が進み、ますます変化に富み、多様化しています。この時代を生き抜く上で今改めて非認知能力が注目されていますが、教育委員会では、幼児教育・保育推進ビジョンにもありますけれども、たくましく未来を生き抜く子どもたちを育むため、どのような乳幼児期における教育、保育を目指し、その中で非認知能力の育み方について、新教育総合センター内での乳幼児教育支援センターでの非認知能力の育て方、育み方の具体的な取組についてまずお聞きします。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 人間が持つ可能性や感性、自己肯定感、粘り強くやり抜く力、また協調性といった委員のお話のありました非認知的能力につきましては、子どもたちがこれからの社会を生き抜く力として重要であり、非認知的能力が最も伸びる時期は乳幼児期だというふうに言われております。  としましても、乳幼児期に非認知的能力など、これからの社会を生き抜く力の基礎を育むことが重要であると考えており、本年十二月に開設する教育総合センターの機能の一つである乳幼児教育支援センターにおいて、子どもたちが遊びや生活の中での様々な体験を通して、こうした能力や資質を培うことができる機会や環境の創出に取り組んでまいります。具体的には、幼児教育環境支援専門員の派遣による様々な素材を活用した芸術創作活動の支援や、外遊びや自然体験、五感を使う様々な遊びなどを通して、子どもたちが文化芸術や自然などに触れ、新たな発見や様々な体験、体感をすることができる環境づくりに取り組み、子どもたちの体験的な学びの支援を図ってまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 今御説明いただきましたけれども、この非認知能力というのが重要と言われながらもやはり普及が進んでいるとはまだ言えないというふうに思います。その原因の一つとしては、先ほども環境ということもありましたけれども、いろいろな部分に関して、可視化したりとか、評価をしづらいという点があると思います。認知できない能力であるがゆえに、可視化できない。その成果に至る、どうしてそういう結果になったか、成功、失敗も含めて、そのプロセスであったりとか、それによってどういう行動が変わっていったかというところの観察というのが非常に重要で、そこは評価しやすいというか、評価できる部分ではないかというふうに思います。  そこをしっかり評価するためにも、ポイントとして記録をするというところだと思います。記録については、やはりデジタル化が進んでいる近年であっては、ICTを活用したデータの蓄積であったりとか、利活用も有効であって、それを連携した取組が必要ではないかというふうに思います。  教育委員会として、その非認知能力が育まれていく過程で、その能力を伸長の度合いをどのように評価していくべきなのか伺います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 委員御指摘の非認知的能力の評価につきましては、今後、が、子どもたちがこれからの社会を生き抜くための力の基礎の育成に取り組んでいく上で、課題の一つであると認識しております。しかしながら、同時に、非認知的能力は、知識量や知能指数といった認知的な能力とは違い、評価や数値化することが大変難しい能力であるとも捉えております。  といたしましては、非認知的能力を伸ばす取組を通じて、子どもたちが日々成長していく姿を把握することが重要であると考えております。具体的には、子どもたちが日常の様々な体験の中で行動し、考えていくプロセスなどに着目し、教員同士で話合いをしながら、一人一人の子どもの考え方や行動の変化、変容を見取ることにより、またそれを記録化することなどにより、それぞれの非認知的能力がどの程度伸びているか、成長しているかを判断してまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 先ほどから教育総合センターが十二月に開設ということで、移転をして、新しく開所して、引き続き同じ内容でやっていくことというのももちろんあると思うんですけれども、新しい施設で、環境も整っていくという中で、こういった取組というのをやっぱりしっかりと示していただきたいというふうに思います。  それをどういうふうにはかっていくかというところで、記録をして、そのプロセスを見ていくというところですけれども、それを身近に見るためには、その施設というのを一定以上、の直営である幼稚園、こども園を含めて八園あると思うんですけれども、やっぱりそこに関して、幼児期においても、しっかりその指標をはかる一つのポイントだというふうに思っています。  その中で、以前にも私、幼児期においてもICTの環境に触れていくということも、子ども自身の目線では大事じゃないかなというふうに思っていまして、タブレットを各園に配ったらどうかとか、そういう話はさせていただいていました。教育総合センターができた暁には、各園に配るのが難しいようであれば、教育総合センターに幾つかのタブレットの台数を配備して、例えば区立園だったり、私立園だったりとかでも、課外授業じゃないですけれども、そういったもので子どもたちが集まって、そういったことが体験できるような場所になるべきだなというふうに思いますし、そこでの、今のデジタルネーティブと言われている子どもたちは、やはり大人たちが思っている以上に使い慣れて、さわり慣れている環境ができているというふうに思います。  ただ、その中でやっぱり怖いのは、リテラシーの問題だったりとか、そういった部分も、その頃から少しずつ教えていくべきなのかなというふうにも思いますし、昨今、本当に悲しい事件もありましたけれども、そういったところの未然の予防というか、しっかりとセーフティーネットをしいて、子どもたちに伝えていく、それはやっぱり幼児期であったりとか、そういったところから育んでいく必要が私はあるのかなというふうにも思います。  教育総合センターに出向いてさわらせたりする機会というのをしっかりつくっていくというところで、非認知能力というところの育みにもつながるその体験の一つとして、幼児期からICT環境に触れることも有効であるということですけれども、先ほど区立園の話をしましたが、それを率先的にやっていくということで私は例を挙げていますが、区立幼稚園、保育園の教育、保育の特色の一つ、世田谷ならではでやっているというところの一つにもなるというふうに思いますが、見解を伺います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 乳児教育支援センターでは、子どもたちが様々な体験を通して非認知的能力等を培うことができる環境づくりの一つの手法としまして、幼児教育・保育へのICTの活用の検討、研究を進めていくことを想定しています。例えば子どもたちが自分で撮影した写真をほかの子どもたちに見せたり、説明したりするなど、幼児期からICTに触れたり、活用したりする機会を設けることにより、子どもたちの好奇心を刺激し、主体性や積極的に物事に取り組む姿勢を育み、小学校でのタブレットの活用による教育につなげていきたいと考えております。  といたしましては、ICTの活用をはじめとします多様な手法を通じまして、体験的な学びを通じた非認知的能力の育成を推進していくとともに、特色ある教育、保育の実践を図ってまいりたいと考えております。 ◆青空こうじ 委員 子どもたちそれぞれ本当にいろんな得意技、特技を持っていて、自分の知識だったりとか、虫が大好きなんだとか、恐竜が大好きなんだとか、そういった情報というのは、今までだったら難しい本だったりとか、年代向けの本でいろいろ制限があったりとかするものもありますけれども、インターネットを通じてうまく情報を使えば、それが動画で表現できたりとか、あるいは自分で写真を撮ったりとか、そういったところの自分の自慢できるものを自分でつくれる。それは、やっぱり使わせて、コンテンツをつくる人と、使わせてやっていく人と、それぞれ分かれてやっていく。そういったところの拠点となって子どもたちのそういった教育、新たな視点でつなげていただきたい。しっかりそこが新しい教育総合センターの魅力の一つとして実現していただくように強く要望いたします。  続いて、一般質問に引き続いて、少しICTを活用した教育の質の部分に関しましてお話しさせていただきたいと思います。  一般質問において教育環境の整備とともに教育内容について、区内小学校六十一校、中学校二十九校、九十校全体それぞれに格差があってはならないというふうなことを話してきました。一定の指標を持ってICT教育を推進する、そのためにも、教員間、学校間での情報共有というのをスピード感を持って、しっかりとICTの環境を活用して、学校間の垣根を越えて進めてくださいという話をさせていただきました。  教職員の方それぞれが、好事例となった授業事例を随時共有することで、教育委員会内でそれをさらに好事例として各校に発信をしていく、そういったところをしっかりと進めてくださいという話をさせていただきました。さらに、児童生徒間においての共通課題だったりとか、研究発表の共有というのも並行して進めていくべきだという話をさせていただいておりましたけれども、そこに、今回、また教育総合センターのところも話を織り込みますと、教員の研修の拠点にもなるわけでございます。  その好事例を集約して展開するといったときに、教育総合センター内での情報発信の拠点となる、それをいわゆる情報発信のハブとなるような機能というのを発揮するために、この教育総合センター内に集めた情報を分析し、それを横展開していくために、専門的に評価、検証していくための専門家のような方が必要になるのではないかという話をさせていただきます。この点、産学官連携じゃないですけれども、やはり学校主体、あるいは教育委員会主体である中に、民間企業の方の視点であったりとか、あるいは学識経験者の方の視点であったりとか、いろんな方の支援が入ってコンテンツを様々つくっていかないといけないというふうに思いますけれども、その点についての見解を伺います。 ◎隅田 教育研究・研修課長 ICTを活用した多くの実践の中で、ほかの教員のモデルとなる好事例を見つけ出し、他校の実践に生かせるよう普及啓発を図るために、専門家の知見やアドバイスを受けることが必要であると考えています。現在、学識経験者等の専門家のアドバイスを受けながら、教員間の情報共有システムを運用して、好事例を集約したり、配信したりしているところです。  今後は、教育総合センターの開設を契機として、学識経験者等の専門家のアドバイスを受けながらデータベース化して、円滑に好事例が集約されたり、共有されたりする仕組みの改善に努めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 学識経験者等の専門家のアドバイスを受けながらデータベース化をしていくというところで、これをより具体的に示していただきたいというふうに思います。  今、一人一台のタブレットと、あと校内ネットワークの整備も進んで、GIGAスクール構想というのはもう着々と進んでいるわけですけれども、ちょっと一つ、その本格指導をされる前の二〇一八年の調査を見たところ、ちょっと注目できるところがあったので、少し紹介させていただきたいというふうに思います。  ICTの活用状況、日本の児童生徒における学校の授業でのデジタル機器の利用時間というのは、OECDの加盟三十七か国中、当時これは最下位だったというふうに聞いています。コンピューターを使って宿題をするという頻度も最下位でしたけれども、一方でですけれども、インターネット上でチャットをする、または一人用のゲームで遊ぶという頻度は、OECD加盟国中、何とこれは一位なんですよね。やっぱり遊びから入っていくというところもあるのかなと、やっぱり学習で使うというところは何が障壁になっているんだろうというところもしっかりと見ていかなければいけないというふうに思います。  やはりGIGAスクール構想以前に、デジタルネーティブの今の子どもたちは、既に動画サイトだったりとか、SNSを通じて情報を得ています。児童生徒たちのネットスキルというのはもう昨今急速に伸びていると同時に、使い方について学習面につなげていく取組というのを伸ばしていかなければならないというふうに思います。そのためにも、教員のICT活用指導力を向上させるための研修コンテンツ、あとは研修体系についても、専門家人材からのアドバイスというのをしっかりと受けて、構築していくべきだと思いますけれども、この点についても見解を伺います。 ◎隅田 教育研究・研修課長 現在、専門家や民間企業などを含めた外部の人材の支援を受けて、様々なアプリの機能拡張やその活用方法の研究について、教員のICT活用指導力を短期間でブラッシュアップさせるよう研修内容の設定や教材の作成などを行っているところです。  今後とも、専門家等との連携を深めながら、教育総合センターで運営される教員研修のコンテンツや研修体系などを充実させるとともに、コンテンツ等をアーカイブ化し、いつでもどこでも誰でも学び直しができるようにして、教員のICT活用指導力の向上に努めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 コンテンツをアーカイブ化して誰でも見られるようにということでしたけれども、実際にその視点を民間企業等を含めて外部人材の支援をしっかりと受けるということも今おっしゃっていただきましたので、そこら辺しっかりと人材の活用という点で進めていただきたいというふうに思います。  インターネットの教育を進めていく上で、先ほども幼児教育の中でリテラシーの話をさせていただきましたけれども、この点について少し意見になりますけれども、ICTの教育を進めていく上で、リテラシーの補完、しっかりと守っていくこと、ネットいじめから子どもたちを守っていかなくてはいけないということも伝えたいというふうに思います。  ネットがなくてもいじめというのはやっぱり起きてしまうものですし、インターネットでいじめというのは、先ほども言った町田市での痛ましい事件においては、ネットで起きていることは、学校の中だけじゃなくて、学校の外、家の中までついてくるということがそのとき、御両親が嘆かれていたのを私も記憶しています。  一方で、インターネットの正しい使い方ではないですけれども、逆に勇気づける使い方というのもあると思います。匿名でも構わないからSNSを使って、例えば私はあなたのことを嫌いじゃないよとか、俺はおまえの味方だよとか、そういうメッセージをいじめられている子どもにも送ってほしいというふうに思います。それだけで全員が敵じゃないかもしれないなというふうに思って、苦しんでいる被害者が少しでも安心できる時間であったりとか、いじめの傍観者にもやれることがあると。インターネットは人を傷つけ、本当に取り返しのつかないようなことになるための道具ではないというふうに思います。使い方次第で人を救うこともできるという事例もあるはずだと思います。  本当にこういったところをしっかりと子どもたちにも伝えていく。それから先ほど言った、やっぱり幼児期から少しずつでもいいからそういったことを共有していくということが必要なんではないかなというふうに思います。  私は、このICT教育のいろいろ質疑をしている中でも、やっぱりリテラシーの内容だったりとかというのは、必ず並行して進めていかなきゃいけないということは本当に強く思いましたので、その点も踏まえてしっかりと推進していただきたいというふうに思います。そこがネットいじめだったりとか、そういった部分の対策にもつながっているんだという認識を持って進めていただきたいというふうに思います。  私から最後にお聞きします。  コロナ禍における学校行事について、先週、先々週と地元の学校では運動会が開かれまして、最初の週は一年生、三年生、五年生で、翌週は二、四、六年生という形で学年を分けて地域の学校ではやったわけですけれども、ほかの学校では一日でやったりとかすることも聞きました。  そんな中で、コロナ禍であったから、こういうことができた。例えばオンラインで何かつながったとか、あるいは少人数だからこそできたものだったりとか、あるいはここから先、運動会は既に終わったものじゃなくて、日光林間学校、あと川場の移動教室、そういったところも今、日程として予定されている学校が数多くあると思います。そういったところの取組について、現状、今のことを伺いたいということと、これからに向けてのことがあればお伺いしたいと思います。 ◎毛利 教育指導課長 各学校においては、新型コロナウイルス感染症の対応をしながら、できる限り教育活動を実施するよう工夫しながら取り組んでおります。  例えば運動会では、種目の精選や学年ごとの実施をすることで、学校での密を避けるとともに、オンラインで各家庭に中継することで、遠くに住んでいるおじいさんやおばあさんも運動会を見ることができたと感謝の言葉があったとの話も聞いております。  また、宿泊行事についてもできる限り実施し、中止の場合でも、日帰りでの旅行や学校でのイベントの実施など、子どもたちの希望を生かしながら、工夫して取り組んでいます。  教育委員会といたしましては、各学校の取組を共有し、よりよい教育活動が実践できるよう、引き続き支援をしてまいります。 ◆青空こうじ 委員 そういった、先ほど事業内容、好事例を共有してということですけれども、様々な面でやっぱりオンラインを通じて共有できるというところが本当に強みだとして、しっかり今後もやっていただきたいというふうに思います。  あとは、現場の先生方だったりとか、日々コロナの安全管理というか、責任を重々感じながら、このまま今続けていて、もう一年以上たっていますけれども、そういった行事が今できていることに感謝申し上げたいというふうに思いますし、これから本当にまだ、今少しコロナが収まりつつありますけれども、波がありますので、そういったときにもしっかりと耐え得るような、教育委員会としてもしっかり支えをしていただくように要望いたしまして、私の質疑を終え、阿久津委員に交代します。 ◆阿久津皇 委員 私からは、いじめ対策についてまず伺ってまいります。  先ほど河野委員の質疑の中でも、町田の事例について触れることがありました。町田では、二〇二〇年の十一月ですか、いじめを受けていたとするメモを残して自殺をされたと。小学校六年生の女の子ということですけれども、この事件が発生したのが町田のICTの推進校であったということで、当時の校長先生は、二十年以上前からICTを学校教育に取り入れてきた先駆者であったと、GIGAスクール構想の旗振り役でもあるということで知られていたということです。  実際に配付されたタブレットというのが、クラス番号と出席番号、これによってIDが管理されていたりとか、要は、誰がどういうIDだとかというのが分かっちゃうわけです。パスワードが共通だったということで、割と誰でもなりすましというか、他人のIDでログインして、他人になりすまして様々なことができたりしたということで、セキュリティー的なところが脆弱であったわけですけれども、これがどうやら、いろいろ報道を見ていたりすると、校長先生の、あえて子どもの自主性に任せて、その失敗の中で学ばせるみたいな、そういったところもあえてしていたというようなことが表現としてありました。結果として、使えるアプリも制限がかかっていなかったりして、実態としては、子どもたちは授業中自由にインターネットを検索したりとか、ゲームをしていたとか、そういったことがあったと、いわゆる無法地帯のような状況であったというふうに聞いています。  この事件は、このお子さんは、昨年の九月のアンケートで、心のアンケートというところで、いじめについて担任に訴えるわけですけれども、学校は全く対応しなかったと。重大事態として報告されたのが、亡くなってから二か月半後ということで、その対応の遅さというものが指摘されているところです。  こういった事例が今ここに来て相次いでいまして、今年に入って、旭川ですとか、山形県の酒田市なんかでも大変痛ましい事故が相次いでいるということです。  また、いじめに関してちょっと調べてみると、おおむね十年周期で繰り返されるというようなことが続いていまして、いじめが初めて社会問題化された第一波、第一の波というのが、一九八〇年の半ばに、これは中野の事例ですけれども、当時、学校の先生、担任の先生もそれに参加していたという葬式ごっこです。学校を休みがちだったお子さんのたまたま休んだ日に、クラス全体でその子のお葬式ごっこというのが行われるという事件ですけれども、それが一九八〇年半ばにあって、その後、沈静化したと言われるほどいじめは激減するということなんですが、また、今度、九四年、約十年後に愛知県の中二男子生徒の自殺ということがあって、これもまた学校側の対応というものが問題になったということです。  その後、また十年後に、今度、二〇〇五年頃、いじめの自殺事件が相次いで発生し、そのときには北海道の滝川市で小六の女児の問題が発生したりとかということで、それは最後、第四波というか、四つ目の大きな波として言われているのが、二〇一一年の大津市の中二男子生徒、自殺の練習をさせていたというような衝撃的な事件なんですけれども、これを受けて、いじめ防止対策推進法が制定されるということです。  その大津市の事件から、お子さんが亡くなって、自死されてから、昨日でちょうど十年ということで、そのお父さんが記者会見というか、取材に応じていましたけれども、そこでおっしゃっていたのが、結局十年たっても現場は何も変わっていないんじゃないかと、そういったことの危機感を持っていらっしゃるということなんです。こういった形で十年周期で繰り返される、その都度学校の問題が指摘されても、同じことが繰り返されてしまうということが続いているということです。  今、つらつらと申し上げましたその事例に全て共通することが、お子さんのほうから学校側に、いじめがあるんだと、何とか助けてくれということを訴えても、対応が後手後手に回ってしまうということなんです。  まず伺いたいのが、世田谷区内におけるいじめの認知件数です。ここについては、かねてから都内でも、あるいは全国と比較して随分低いということが指摘されていて、世田谷の子どもは比較的落ち着いているというような評価もあったりしますけれども、この世田谷におけるいじめの認知件数、これが低いことについてどのように分析されているか教えてください。 ◎塚本 副参事 文部科学省の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査においては、世田谷区立学校のいじめの認知件数につきまして、全国や都の数値と比較すると、低い値になっております。このいじめの認知が低いことについては、これまでのいじめの定義の変遷に伴い、各区においていじめとして捉える基準に違いが生じていることが原因の一つではないかと認識しております。 ◆阿久津皇 委員 それは、今、各区でいじめの基準に違いが生じているということなんですけれども、その御答弁をそのまま受け止めると、世田谷区内の小学校、中学校では、ほかのと比較して認知のハードルというものがちょっと高いんじゃないかと。前はいじめであろうというか、いじめと考えるような事案が発生しても、それをいじめと認知するハードルが高いということがあって、結果的に認知件数が少なくなっているということが推測できるわけなんです。なかなかいじめの認識というのができない理由のうちの一つかなということで、いじめ防止対策推進法で定められている、そのいじめの定義ですけれども、本人がつらいと感じたら、それはもういじめなんだということをしっかりと認識して、子どもの立場に立って現場では対応していただきたいなというふうに思います。  先ほど申し上げた事例の中でも、お子さん、あるいは親御さんから学校にSOSが発信されるわけですけれども、そこから取り返しがつかなくなる段階まで、割とあっという間に来てしまうんです。先ほど申し上げた町田の事例では、九月のアンケートでいじめの申出をしたにもかかわらず、なかなか対策がされず、十一月には自殺をしてしまうと。  また、今年、山形県酒田市で、中学校一年生の女の子が、登校時間中に校舎の四階から飛び降りて亡くなったということで、これに関しても昨年の十一月には教育相談の中で本人からいじめの申出があったにもかかわらず、学校側は明確な根拠のある情報ではなかったということで、その因果関係について認めないということで、その三か月後には、そういった形で最悪な結果を迎えてしまうということなんです。  子どもたちが発するそのSOSをしっかり認知して対応すること、それがその初動体制みたいなものが一番大事になってくるんですけれども、世田谷で認識率が少ないということに対して、しっかりと高めていかなきゃいけないんだろうなというふうに思うんですが、その辺についての見解を教えてください。 ◎塚本 副参事 全ての教職員がどんな軽微ないじめも見逃さず、的確に認知することは大変重要なことであると認識しております。今回改訂いたしましたいじめ防止基本方針でも、いじめの早期発見、早期対応を心がけるため、いじめを広く捉え、対応できるよう、定義の理解を深めるとともに、いじめを積極的に認知し、教職員個人が情報を抱え込むことなく、学校組織で確実に対応することを改めて明示しております。  教育委員会といたしましては、いじめ対策に向けて、保護者や関係機関とも連携を図りながら、教職員が一体となり、組織的に対応できるよう取り組んでまいります。 ◆阿久津皇 委員 今御答弁の中にも、教職員が抱え込むことなくというお話がありました。やはり学校の現場の方ですとか、先生方に伺ってみても、いじめが自分の教室、あるいはその学年で発生するとなると、学校や教員の評価、あるいは指導力みたいなところにも疑問が生じてしまうというところで、どうしても隠蔽というか、なかなか出したがらないというようなことは容易に想像できるわけですけれども、子どもに限らずですけれども、複数の人間が集団で生活していれば、そこには何かしらの人間関係が発生して、いじめに近いような事案、その兆候というものは当然見られるわけで、いじめゼロみたいな、いじめがないとするほうが不自然であろうと。  うちのクラスにいじめはありませんなんていう先生方は、逆に考えれば、子どもたちのことをよく見ていないんじゃないかと、子どもたちとしっかりコミュニケーションが取れていないんじゃないのというところで、逆にその先生方の指導力というか、子どもたちを見る力みたいなものを疑う必要があるんだろうというふうに思います。  また、いじめの重大事案化というんですか、亡くなるような事態まで持っていかないことには、認知件数をまず上げていって、しっかりと把握していく、アンテナを広げていくということと同時に、その認知されたものをしっかりと対応して、調査対応して、重大事態まで発展させないということ、それと同時に、またもう一つは、同じことを繰り返さないためには、何が起きていたのかということをしっかりと検証して、報告というか、きちんとまとめると、知見として残していくということが必要になると思います。  今般、では、いじめ問題対策委員会というものを設置されるわけですけれども、その設置の意図について教えてください。 ◎塚本 副参事 改定したいじめ防止基本方針にも記載しておりますが、学識経験者や弁護士等の専門家による第三者委員で構成される世田谷いじめ問題対策専門委員会の設置を令和四年の四月に考えております。この専門委員会を設置することで、委員の方から各専門分野における情報に加えて、学校や教育委員会のいじめの対応の在り方にも広く御意見をいただくことにより、対応の強化を図るとともに、重大事態についても迅速に調査を行ってまいります。 ◆阿久津皇 委員 その重大事態に対しても迅速に調査を行っていくということで、その初動調査というのが大変重要になってくるんだろうという中で、町田の事案を見ましても、SNSなんかを使ったやり取りがある中で、加害者とされる子どもたちの書き込み、あるいは投稿といったものは、発覚後には削除をされていたりとか、あるいは時間がたつほどにその確認というのが難しくなってくると、またその被害者、加害者、親御さんを含めた、教職員を含めた聞き取り調査というものもどんどん難しくなってきますので、まずは迅速な初動調査というものが必要なんだろうというふうに考えます。  また、第三者委員会が構成されるということですけれども、第三者委員会のその構成に関しても、これは旭川の事例ですけれども、旭川では、それもまた今年の二月なんですが、二月に中学二年生の十四歳の女の子が、自宅を出て行方不明になったと。三月二十三日に公園の中で発見されるんですが、もう凍死をしていたということで、どうやら失踪当日にはもう亡くなっていたんじゃないかということです。  この事案に関しては、これも同様に、親御さんから再三、学校に相談したけれども、加害者にも未来がある、十人の加害者の未来と一人の被害者の未来、どっちが大切ですかみたいな、そんな発言があったと。信じられないような状況ですけれども、そういったことがあったということも報道されていました。  この事案では、被害者が在籍していた中学校の校長と近しい人物、近しい立場の人物が第三者委員会に含まれているということも指摘はされているところで、町田の事案でも御両親が第三者委員会というものの独立性に対してやっぱり疑問を持っているということがあります。先ほどの迅速な対応というところも一つですし、第三者委員会のメンバー構成みたいなところもそうなんですが、制度をつくられた、制度をつくって委員会を設置するということで、制度をつくることで満足するのではなくて、やっぱりその中身についても実効性のあるものにしっかりとしていっていただきたいということを要望いたします。  また、いじめに関しては、事故の対応ももちろん大切なんですけれども、未然に防ぐ取組というのがより重要なんだろうなというふうに思っておりまして、ではいじめの未然防止というところはどのように取り組んでいるのか教えてください。 ◎塚本 副参事 いじめは、早期に発見し、迅速に対応していくことが重要であり、学校は様々な未然防止に向けた取組を行っております。各学校においては、担任だけではなく、教職員全体で複眼的に児童生徒のふだんの様子を観察するとともに、何かいつもと違うと感じたり、見つけたりしたときには、教員全体で児童生徒の情報を共有するなど組織的に対応しているところです。  ほかにも学校では、未然防止のための取組として、学校生活アンケートや学級の満足度などをはかるQ―U調査を活用した子ども一人一人の困り事や集団への適応状況の把握、道徳の授業をはじめとした人権教育の充実等に取り組んでおります。  今後、教育委員会といたしましては、各学校でのいじめの未然防止に向けた取組を把握し、支援することで、いじめ防止に向けた対策に努めてまいります。 ◆阿久津皇 委員 今おっしゃったのが、道徳の授業をはじめとした人権教育の充実ということですけれども、文部科学省もいじめ撲滅というところに対しては、国のなすべき取組として、まず、道徳教育というものを挙げています。まさにいじめ対策、いじめ撲滅の対策として、小学校が二〇一八年度から、中学校が一九年度から、道徳の教科化ということで内容が強化されたわけですけれども、文部科学省の有識者会議の中でも、今日のいじめ問題の増加の一因として、長年、道徳教育自体を教育現場が忌避してきたということで、原因の一つだろうということは指摘しているところです。  世田谷子ども条例でも、誰であってもいじめはしてはなりませんという表現をされていて、ならぬものはならぬものというか、あいづっこ宣言、会津の什の掟というものがありましたけれども、そういったところの道徳教育を子どもたちに教えていくことをしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  先ほど大津の事件からちょうど十年ということがありまして、なかなか現場が変わっていないというとこありましたが、多様化が進む現代社会において、他人に寛容になって、人間としてしてはならないことを正しく区別できる能力、そういったものを育む上では、家庭や地域での教育というものが大切になってきますし、道徳教育の重要性というものをしっかりと認識していただきたいということを申し上げまして、次の質問に移ります。  続いては、BOPについて伺っていくんですけれども、いじめの防止の第一となる道徳教育というところでいくと、教育基本法では、道徳教育の目的のところで、心身ともに健康な国民の育成というふうに規定しています。でも、心身ともに健康なところで重要となってくるのが、今、先ほど申し上げましたが、多様化する社会の中で、様々な環境の変化の中で、子どもたちは大変ストレスを抱えていると。そのストレスの増大が他者に向かってしまったりとかというところも指摘されているわけですけれども、そのストレスの発散、これをしっかりと日常の運動、あるいは遊び、部活動等で発散させることが重要だろうというふうに指摘されているところです。  その子どもたちのストレスを発散していく上でも、また心身ともに健康な国民を育成する上でも、子どもたちにとっては、遊び場であったりとか、活動する場所、そういったものの確保が必要となってくるということで、それは物理的な場所もありますけれども、自由で安全に活動できる、そういった場をしっかりと提供していかなきゃいけないということで、子どもたちの遊び場ということで、一人当たりの公園面積というものは、今、年々増えているということですけれども、公園でできる遊びの内容というところも、割と規制が、近隣からの苦情なんかも増えてきたりというところで規制がかかってきたりして、区内ではボール遊びができる公園が十一か所しかないとか、子どもたちの遊び場、あるいは活動の場というのが制限されてきているんだろうなというふうに感じているところです。  また、一方で、ゲーム機やタブレット等の進化、普及、こういったことで外で遊ぶ機会が減っている、あるいは習い事が増えているというところで、二〇一七年のインターネット調査では、子どもが外遊びをする時間が減少したとする保護者は九二%だということで、それにコロナ禍も加わって、子どもたちの抱えるストレスであったりとか、心身的な負担というのは相当大きいんじゃないかなということが想像できるわけです。  そこで重要となってくるのが、学校の校庭、あるいは体育館、そういった場所の子どもたちの活用というところでBOPについて伺っていくわけですけれども、以前は学校、放課後というのは、下校時間まで割と自由に遊ばせていて、下校の時間までどの子どもも校庭で遊んでいるということがありましたが、現在は新BOP、あるいはBOPというものに登録しないと放課後はなかなか学校に残ることができないというふうに聞いていますけれども、この新BOP、特にBOPというものはどのような経緯でできてきたのか教えてください。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 子どもたちの身近な場所に安全な遊び場を確保することを目的に、昭和二十九年に小学校の校庭開放事業を開始しました。後に遊び場開放事業となり、日曜、祝日等に校庭を開放しています。この遊び場開放事業を経まして、子どもたちの放課後の遊び場を確保することは重要であるということから、身近な安全な場所である学校施設を活用したBOP事業を平成七年度より八つの区立小学校で開始をいたしました。その後、平成十一年度に学童クラブ事業を統合した新BOP事業を開始し、現在に至っております。 ◆阿久津皇 委員 その安全な遊び場の確保ということを目的として、週末の遊び場開放をされていたんですが、それを放課後にも拡大というか、適用していって、それがBOPとして確立してきたということだと思うんですけれども、今でも週末は遊び場開放というのは行われています。その中で平日はBOPということで、BOPと遊び場開放、これはどのように違うのか教えてください。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 遊び場開放事業は、主に日曜、祝日等の学校休業日に区立小学校の校庭を開放し、対象は区内に住所を有する児童と成人の付添いのある幼児としております。運営は、PTAや地域住民によって組織された学校ごとの遊び場運営委員会が行っており、開放日に配置された指導員が遊び方のアドバイスなどを行っております。現在、五十四校で実施をしており、開放日は学校によって異なっています。  一方、BOP事業は、日曜、祝日、年末年始等を除き通年実施しており、対象は参加を希望する区立小学校の児童としております。運営については、事務局長と児童指導職員や新BOP指導員らで行っており、現在全区立小学校で実施をしています。BOPにつきましては、小学校施設を利用して放課後の遊び場を確保し、児童が遊びを通して異なる年齢の児童の交流を促進することで、創造性、自主性、社会性等を養い、児童の健全育成を図ることを目的としています。  校庭や体育館などそれぞれの活動場所に応じて、児童指導職員や新BOP指導員らが見守りを行い、集団で遊ぶことも、個人で遊ぶことも自由に行うことができるよう、児童の自発的な遊びを尊重しながら実施しております。 ◆阿久津皇 委員 遊び場開放は、PTAや地域住民による運営であって、BOPは、事務局長等職員がそこに携わってくるというところが一番の違いなんだろうなと思うんですが、聞くところでは、BOPでは、一部ボールが使えないであったりとか、ちょっと内容について制限がされるというようなことも聞いていますし、登録制、およそ六割の子が登録しているということで、その残りの四割の子というのは、遊びたくてもその場で遊べないということで、遊び場の安全確保をして、専門的な職員を配置するということによって、結果的に子どもたちに対して、人数的に、あるいは内容的にちょっと制限が加わっているんじゃないのというような指摘もあります。  子どもたちの心身を動かす遊びというのは、脳や体を刺激して、様々な能力を育むということで、子どもたちのストレスを発散し、健全な心身を育成していく、あるいはいじめの防止にも結びつくというところで、教育委員会としては、子どもたちの活動を制限することなく、校庭を目いっぱい使った遊び場、そういった活動の場の確保が必要だなというふうに思いますけれども、見解を教えてください。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 委員お話しのとおり、子どもたちの健全な心身育成などの上で、遊びの場として、小学校の校庭や体育館が果たす役割は大きいものと考えております。  現在、学童クラブとBOPを一体とした新BOP事業では、放課後の小学校施設を活用し、エリア分けや軟らかいボール使用に限定するなどの場合もありますが、校庭ではサッカーやドッジボールなどボールを使った遊びや一輪車乗り、また、体育館ではミニバスケットなど、子どもたちが自由に遊ぶことができるようにしており、今後も引き続き小学校施設を放課後の安全安心な遊び場として運営してまいります。 ◆阿久津皇 委員 ちょっと時間がなくなってきてしまいまして、最後、私のほうから一つ、特別支援学級について伺っていきます。  今般、特別支援学級ということで、新たに自閉症・情緒障害特別支援学級というものを設置しましたが、その目的について教えてください。 ◎柏原 教育相談・支援課長 お話にございました、自閉症・情緒障害特別支援学級につきましては、本年四月に、小学校においては、多聞小学校、船橋小学校、中学校においては、世田谷中学校に開設したところでございます。  では、自閉症またはそれに類する障害がある児童生徒は、通常の学級で学びながら、特別支援教室、いわゆるすまいるルームにおいて、対人関係や行動上の課題の改善に向けた支援や指導を週に二時間程度受けておりますが、この特別支援教室での支援、指導では十分にその成果を上げることが難しい児童生徒もいるため、固定学級として自閉症・情緒障害特別支援学級を設置したところでございます。 ◆阿久津皇 委員 自閉症、あるいは情緒障害というところに対応すると、そういったところの認知が進んできたというような話なんですけれども、自閉症というのは、社会的関係の形成が困難であったりとか、興味や関心が特定のものにこだわる、そういった性質があったりとか、情緒障害においては、状況に合わない感情、気分が持続して不適切な行動が引き起こされるなど、学校生活や社会生活に適応がなかなか難しい子どもたちということで、そういった子どもたちが生活、あるいは学習していく上では、本人をよく知る専門家、あるいは家族のサポートというものが重要とされていて、本人の特性に合わせた教育環境を提供していくことは重要であるというふうにされています。それがまさにこの特別支援学級というものの開設なんです。  そういった子どもたちの数、自閉症スペクトラム、ASDと言われるものです。一%から二%、あるいはADHD、多動性障害というのが五%から一一%いるとか、この数は一定数いて、その割合というのが増加傾向にあるということなんですが、今般、小学校二校、中学校一校設置するということですけれども、これではなかなか少ないんだろうなというふうに思っていまして、今後、さらに整備計画の見直しも行うということですので、新規開設も含めてしっかりと進めていただきたいというふうに思います。  当事者主権という言葉がありますけれども、普通学級で学習に臨む子どもやその親もいれば、子どものペースに合わせた学習というのを望む方もいらっしゃいます。いずれにしても、当事者である障害を抱えたお子さんたちが、自立して充実した学びを得ることが一番重要なんだろうというふうに思いますし、そういった当事者の希望に合致した学びの環境をしっかり提供していくこと、これが合理的配慮であって、あるいは真のインクルーシブ教育につながってくると思いますので、その数をしっかりと整えていくこと、あるいは地域偏在、これも知的の学級も含めてまだまだあります。こういった地域偏在の解消もしっかりと進めていただきたいということを要望しまして、菅沼委員と替わります。 ◆菅沼つとむ 委員 最初に、福祉領域で質問しました世田谷のひきこもり調査で、不登校からひきこもりになった生徒二九・二%、約三〇%、ひきこもりの定義では十八歳以下はひきこもりと言いません。第一に、区立小中学校の生徒の不登校は、実際にはひきこもりがほとんどだというふうに思います。教育委員会の対策を聞きます。 ◎柏原 教育相談・支援課長 お話にあったとおり、ひきこもりの二九・二%の方が不登校であったということで調査結果が上がっております。その状況を踏まえますと、不登校の未然防止、早期支援、長期化予防に係る取組を着実に推進していくことが重要と考えております。  今回、十二月に教育総合センターのほうを開設しまして、不登校の支援については強化を取り組んでまいります。総合的な窓口の設置、専門家によるチームの設置というものに取り組んでまいりますが、併せて福祉所管との連携についてもしっかりと強化して取り組んでいく必要があると考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 第二番目にひきこもり、不登校は早期発見ですよ、早期支援ですよ。本当にきちんとやっているのか、具体的に確認します。
    ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校の未然防止、早期発見、早期支援につきましては、学校の中で教育相談としてスクールカウンセラーの配置をしております。また、教員の中ででも、児童の異変に気づきましては、早期に相談支援につないだりということで、統一的な取扱いをしながら、必要な支援につなぐ取組を行っているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 対応しているということなんですけれども、不登校のひきこもりが三〇%あるんですよ。対応していたら、要するにそのパーセンテージが低くなって、きちんと下がるはずなんですよ。では、現場でどういう対応をしているのか聞きます。 ◎柏原 教育相談・支援課長 確かに不登校児童生徒の中には、支援機関の相談支援を受けていない不登校児童生徒というものも一定の割合いるものと認識しております。そういった児童生徒につきましては、粘り強く声をかけて相談支援につなぐというところで、長期的に対応しているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 本当にしているのかなと。  第三に、区立小中学校は年間一日も出席しなくても卒業できますよね。それで、卒業すれば不登校、ひきこもりの生徒の関係がなくなるわけですよ。学校の不登校が少なくしないと、世田谷全体のひきこもりが少なくならない。その辺は、教育委員会だけじゃなくて、小中学校、それから現場の校長、それから先生方も含めて、対策を本当にしているのか。親子の会話ぐらいはしていると思うんだけれども、その辺は具体的にどういうふうにやっているのか聞きます。―なし。ないときには、教育長か教育監だな、部長、課長が答弁できないなら。どうぞ。それも拒否する。  次に行きます。残念ながら、ひきこもりで一番困るのは子ども、家庭、それから中学校で卒業して一回もしないでずっと行ったときに、じゃ、それはどうなんだと。学校を卒業したら、私たちは関係ないよと。では、ひきこもりはなくならない。それをどういうふうに考えるのか。早め早めに手を打たなくちゃいけないし、本当にひきこもりというのは、その人、人、子どもたちによって全部環境が違うわけだから、その辺をやっぱり考えていただかないと、これは直らないよ。最終的には、学校のほうがこのままざるみたいにひきこもりをつくっていたんじゃ、やっぱり本当に子どもたちのことを考えてやっているのか疑問だというふうに思います。  次に、区立小中学校の海外派遣の事業について聞きます。  区立小中学校は、五年生の生徒は姉妹都市であるオーストラリアのバンバリー市、それからオーストリアのウイーン市のドゥブリングに派遣しています。平成十年からはバンバリー市でホームステイを体験しています。令和元年からフィンランドのヘルシンキ市、ヴィヒティ市に生徒を派遣し、ホームステイの体験をしています。中学校の場合には、生徒はカナダのウィニペグ市とオーストラリアのバンバリー市にも派遣をしています。派遣を行った翌年には、相手の国の生徒がホームステイをしています。  第一に聞きます。残念ながら、令和二年、三年はコロナ感染対策で派遣することができませんでした。令和四年度の予算は大丈夫なのか聞きます。 ◎塚本 副参事 現在は、来年度の小中学校の海外派遣については実施の方向で進めております。今後、コロナ感染症の状況を踏まえ、受入れ先と調整をしてまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 それと、ただ派遣といって予算がつけばいいという話じゃなくて、世田谷の生徒の派遣先の国の相手国にどういうふうに早めに交渉するか、それは具体的にいつ頃からやるのか聞きます。 ◎塚本 副参事 現在、姉妹都市とのほうでは少しずつ調整をしている、向こうの様子を伺いながらということでございます。実際に十二月に子どもの募集をかけますので、その前にきちっとしたお話合いをして、決定をしていきたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 次に、区立小中学校の全員の子どもたちが行けるわけじゃない。それは当たり前の話だけれども、例えば時差が合えば、オンラインで交流などできるんじゃないか、行かない人も体験ができるんじゃないかというふうに考えますけれども、どういうふうに考えているか聞きます。 ◎塚本 副参事 姉妹都市につきましては、現在、国際課とも調整をしているところでありますけれども、学校同士でオンラインでつなぐようなことも進めていきたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 国際課と協力してしっかりやっていただきたいというふうに思います。  次に行きます。学校給食の共同調理場方式についてお聞きします。  第一に、世田谷では、学校給食は用賀、太子堂、共同調理場の方式をやめて、区立小中学校は全校をおいしくて顔の見える給食にすることに決まっていました。自校方式にする計画でしたが、なぜ七校だけ残っているのかお聞きします。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、太子堂調理場の機能を活用しつつ、学校の改築、大規模改修に合わせまして、できる限り速やかに給食室の整備を進めて、各学校での自校調理化を目指しているところでございます。現在、太子堂調理場では、調理施設が整備されていない中学校七校に給食を配送しているところでございまして、そのうちの一校につきましては、学校の一部改築に合わせて、令和六年度から自校調理化するという方向でございます。残りの六校につきましては、今のところ具体的な計画はない状況でございまして、しばらく太子堂調理場のほうを活用していく必要があると考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 なぜ共同調理場から自校方式にしろと言っているのか分かりますか。 ◎山下 学校健康推進課長 自校調理化のメリットとしましては、学校のそれぞれの行事、あるいはカリキュラムに合わせた、それぞれ学校独自の献立の作成が可能になったりだとか、あとは食物アレルギーの対応も十分できるというところ、また、調理が済みまして、速やかに出来上がった給食を配膳することができるというようなことで、衛生管理上望ましいというようなメリットがございます。このようなことから自校調理化のほうを進めているものと認識してございます。 ◆菅沼つとむ 委員 それは違います。実際に共同調理場というのは、今、保健所がうるさくて、八時からジャガイモをむいて、カレーライスを全部作って持っていくわけです。ところが、おいしい給食をやるのには、作ってから二時間半か二時間四十分でトラックに乗って運ばないと時間が間に合わないです。自校方式の場合は、約四時間ぐらい調理ができるわけです。そうすると、顔の見えるおいしい給食を作ろうとしたら、自校方式しかないわけです。子どもたちのために教育委員会がやるんだといったら、やっぱりそのぐらいのことをやっていただかないと。  それから、太子堂調理場ができて四十七年たっているわけですよね。太子堂調理場が給食を運んでいる七校のうち、五十年以上たっているのが四校あるんです。先ほども一校説明してくれましたけれども、学校の改築のときの給食室は、この四校は造るのか、それを聞きます。 ◎山下 学校健康推進課長 先ほど御答弁差し上げましたとおり、一校につきましては、一部改築に合わせて令和六年度に自校調理化を図ります。残りの三校につきましては、現在のところ未定でございまして、老朽化に伴うほかの学校の改築、大規模改修、また今三十五人学級の対応のほうも進めておりますので、そういった中でできるだけ速やかに学校の調理室の整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 同じ教育委員会なんだから、ちゃんと情報を共有してくださいよ。片っぽは、改築の五十年間のやつはきちんと第三期に向けて建て直すといっているんだ。だから、その辺を含めて、じゃ、この七校のうち、今五十年以上たっている学校が改築になったとき、給食室を造るのか造らないのかと聞いているわけ。これも答弁なし。 ◎青木 教育環境課長 学校の改築に当たりましては、整備に当たりましては、では標準設計仕様書というものを作成してございます。その中で、改築する建物の規模の中に、学校の給食室を整備することになってございますので、今後、改築に当たりましては、太子堂調理場の在り方等も踏まえながら、学校への給食室の整備を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 よろしくお願いします。  次に、小中学校の施設の改築、耐震、三十五人学級の開始についてお聞きします。  第一に、世田谷は、学校施設は、Is値〇・七五以上となるように耐震補強工事を今やっています。学校は災害時の拠点であります。二十六校の学校でIs値〇・七五以下の耐震が終わっていない学校は今何校ぐらいありますか、聞きます。 ◎秋元 副参事 今、耐震工事につきましては、今年度十五校で耐震補強工事を実施しておりまして、そのうち来年度までにわたる三校が終了する四年度には、〇・六未満の全校舎の補強が終了いたします。今、委員のお話にありましたが、さらに〇・六以上で〇・七五未満の学校が残り七校となります。この七校につきましては、当初は令和五年度以降に改修するという計画でしたが、できる限り前倒しをして、令和四年、令和五年の二か年で工事が終了するよう関係所管と調整してまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 今、答弁で、令和四年か五年には必ずやりたいということなんですけれども、予算の確保はできているの。予算がなかったらできないでしょう。 ◎秋元 副参事 来年度も二か年にわたる三校については予算要求しておりますし、それから七校につきましては、今、来年度に向けて、予算要求をしております。ここでまた査定の中で決まっていくものというふうに思っておりますが、できるだけ早く前倒しをして、完成させたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 次に、第四に、世田谷の学校の改築、この十年間で全面改築は十五校、一部改築は七校、区立中学校の五十年以上たっている古い校舎は四十四校まだ残っています。どのように改築していくのか聞きます。 ◎青木 教育環境課長 学校施設の整備につきましては、昨年度に策定いたしました世田谷学校施設長寿命化計画におきまして、令和二十八年度までの三期に区分した実施計画を基本とし、改築を進めることとしてございます。  今、委員御指摘がありました築五十年以上の建物を擁する学校につきましては、令和八年度までの第一期、また令和九年度から十八年度までの第二期に位置づけられてございますので、順次、長寿命化の可能性を判断するための基礎調査を実施するとともに、耐震性や施設の老朽化の状況などを踏まえながら、整備方針の策定に向けて取り組んでまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 今、答弁いただきましたけれども、世田谷の学校施設の計画では、実際には長寿命化計画と、五十年以上の古い校舎が、基本的には第一次、第二次、第三次までに順次直していきますよということなんですけれども、逆に第三次までやるということは、約二十年以上改築を二校ぐらいやると百億以上の予算を毎月つけられるのか。この辺はどういうふうに思っているの。 ◎青木 教育環境課長 先ほどお話ししました学校施設の長寿命化計画につきましては、公共施設等総合管理計画との整合を図りながら取りまとめてきたところでございます。総合管理計画は、現在一部改定を進めているところでございますけれども、将来経費のシミュレーションを踏まえた財政目標が設定されてございまして、そのあたりも当然学校施設の経費につきましても、その中に含まれているものというふうに認識してございます。 ◆菅沼つとむ 委員 よくお金がないとか、様々な代表だとか、一般で言っていますけれども、それは基本的には七年間景気がよくて、今年も思った以上に税収が下がっていない。それで、世田谷の教育委員会が子どもたちのためにきちんとした環境でやるには、やっぱり改築、大規模改修をやらなくちゃいけない。そうすると、毎年一年間に百二十億円ぐらいを入れておかなくちゃいけない。その辺はやっぱりしっかり考えていただかないといけないというふうに思います。  それで、もう一つは、一緒に言っておきますけれども、学校だけでなくて、幼稚園のほうも五十年以上たった幼稚園がありますからね。それも考えておいていただければなというふうに思います。  今、なぜ百億円以上のお金をそろえなくちゃいけないかというと、平成二十九年なら、投資的経費、改修だとか、建て替えとか、改築、あれが百二十二億円、この三年間は、大体その半分ぐらいなんですよ。七十億円とか、六十億円、やっぱりその辺はしっかり見ておかないといけないというふうに思います。  第六に、昭和四十年代の校舎の時代は、はっきり言うと、イメージ的には元東京オリンピックの時代ですよ。の学校を改修するときに、例えば学校改修をするときにコンクリートの解体をしますよね。その中に瓶だとか、缶だとかが今まで入っていたんですよ。だから、ちょっと四十年代の学校は、長寿命化というものは難しいんですよ。今の学校はしっかりやっているから、六十年とか、六十五年もつと思います。四十年代のところの学校は、実際にはいけいけどんどんの時代ですから、厳しいと思いますけれども、その辺のお考えを聞きます。 ◎青木 教育環境課長 世田谷の中で唯一長寿命化を開始した深沢中学校がございます。そのときも、現場のほう、工事期間中見させていただきましたけれども、委員御指摘のとおり、躯体の状況が悪いところが幾つかあったところでございます。そういったところは、中性化の抑止であったりとか、躯体の補修をしたところでございます。  今後、昭和四十年代に築造された学校につきまして、今後、長寿命化の調査を行いながら、の状況も把握しながら、長寿命化の可否について判断してまいりたいと考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 本当に危ないと思いますから、これは早めに改築していただくほかないというふうに思います。  七番目に、学校の改築の国の補助金、平米単価は約二十四万円から二十五万円、の改築に関わる経費、平米単価四十万円から四十二、三万円ぐらいです。国の補助金が全然今の時代に合っていないんですよね、少な過ぎて。  それから、例えばの一校四十五、六前後だと思うんですけれども、の学校を建て替えるときに、国の補助金て公にどのくらい入ってくるの、一校に対して。 ◎青木 教育環境課長 国の補助につきましては、負担金及び交付金がございまして、算定基準に基づきまして、おおむね約一割強となってございます。 ◆菅沼つとむ 委員 一割ということは、四十億円から四十五億円だったら、四億か五億、そうするとプレハブ住宅ぐらいしか、国の補助金がない。教育監、国によく言っておいてくださいよ。うちのほうは子どもたちのために安全安心でやりたい。教育委員会も子どもたちのために頑張りたいと言うけれども、何せ予算がなかったらつくりようがない。この辺はお友達がたくさんいると思うんで、よろしく言っておいていただければなというふうに思います。  大分時間がなくなりましたので、ここは要望にしておきます。令和七年から三十五人学級に伴い、世田谷の学校の改修は十五校あります。改修工事は具体的にきちんとスケジュールを組んで、遅れないようにしていただきたい。それからまた、の改修事業者を使っていただきたい。区内業者の育成でよろしくお願いしたいというふうに要望しておきます。  次に、世田谷の図書館についてお聞きします。  世田谷は、第二次世田谷区立図書館ビジョン第三期行動計画(素案)をまとめました。第一に、気になる点を聞きます。平成十三年の世田谷の区民の本の登録者、借り主等の登録者数は四十六万人でした。令和二年度までに二十年間ずっと本を読む登録者が減っているわけです。それで約二十万人登録者が減っているわけです。本の登録者数は、これは実際には減って、人口はどうなんだといったら、平成十三年から比べると、令和二年までは十三万人人口が増えているんです。だから、本の登録者が約二十万に減った原因は何か聞きます。 ◎會田 中央図書館長 図書館の登録者数でございますが、登録に関するルールを平成二十八年から二十九年にかけて変えました。それまでは、一度登録した方については、ずっとそのまま登録というのは消えないという形でしておりましたが、それを三年間というところで、三年に一度更新という形で、その三年間、いずれも利用されていない方については、一旦利用者の登録から外して、新たに登録していただくような形、三年で新たに登録するような形といたしました。その結果として、二十九年から登録者数が二十七万五千ぐらいに一旦落ちておりますが、その後、ほぼほぼ横ばいというところで、令和二年度まで来ているというところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 だけれども、教育委員会が出している、ここにあるあらましというものがあるんですけれども、それを見ると、やっぱり二十万近く減っているわけですよ。それと、これをただ、やり方を変えたとか、そういうことで二十万人の数が減るということは考えられない。ということは、今まで本を置いておいたなら、区民が、登録者が借りに来るという時代はもう終わったんじゃないか。それから、やっぱりこれだけ減っているわけですよ。ずっとデータを見ると減っているわけだから。今までのやり方がやっぱり駄目だった。では、どういうふうにやったらほかのも含めて増えてきているんだ。  例えば二十三の中で、一人当たりの本の貸出数は、世田谷は下から六番目、ほかのは一生懸命図書館に来るように努力してやっぱりやっているわけです。だから、図書館ビジョンのほうで、やっぱり新しく借りる人が多く、人が来るようなことを考えていただきたいというふうに思います。  時間が来ましたので、自民党の質問を終わらせていただきます。 ○加藤たいき 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時十五分休憩    ──────────────────     午後二時二十五分開議 ○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆福田たえ美 委員 これより、公明党の文教委員会所管の質問をしてまいります。  まず初めに、就学相談について質問してまいります。  就学先に悩む保護者の方から相談をお受けする機会が多くなりました。世田谷における昨今の就学相談の件数も増加傾向にあり、小学校、中学校への進学と、また、すまいるの利用と合わせた件数は、平成二十七年度の六百一件から毎年件数は増え続け、令和二年度には千八十七件になっております。  就学相談が人生初の方が多いというこの状況の中で、どのようなプロセスを経て就学先を決めるのかが分からないといった不安を抱きつつ、最終的に子どもが安心して学べる教育環境にたどり着きたいとの思いは共通しております。  就学先を決定する際の就学相談とはどのようなものなのか、文部科学省の記述によりますと、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人、保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当である。合意形成を行うことを原則として、最終的には市町村教育委員会が決定することが適当であるというふうに書かれております。  この合意形成を図りながら最終的にの教育委員会が決定していくということですが、最終的なこの決定までのプロセスというものが、世田谷が発行しておりますこの「ふれあいの教育」に就学相談の流れとして記載がされております。この中身について、今日は大きく拡大してまいりました。  就学相談につきましては、まず、これが世田谷がホームページにも、この「ふれあいの教育」にも掲載しているものなんですけれども、これをぱっと見てすぐに理解ができるかといいますと、文字がたくさん羅列していますが、実際にお母様がどんな資料を準備して、最終的にはこの就学支援委員会というのが大きなポイントになっております。様々な医学的所見等も含めて、ここに資料が集まって、ここにはお子さんは実際には来られませんので、専門的な方が資料を基に判断を下しながら意見をまとめていき、お母様、保護者の方に連絡をして、最終的に決定をしていくという流れになっているんですけれども、ここの中には、どんな資料がいつまでにということが書かれていなかったりなどして、初めて相談をする方にとっては非常に分かりにくいというような状況がございました。  このような状況の中で、就学相談における就学先の決定において、総合的な判断を要するというふうになっていますが、においてはどのような情報に基づいて検討を行っているのでしょうか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 就学相談は、障害のある子ども一人一人について、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人、保護者の意見、就学支援委員会からの意見、学校や地域の状況を踏まえ、総合的な観点から就学先を決定するものでございます。  就学相談をお受けすると、保護者の方からお子さんの状況や様子を記載した就学支援ファイルを御提出いただくとともに、保護者の方の承諾を得て、保育園や幼稚園、利用されていた支援機関などからも情報収集を行い、お子さんの様子を客観的かつ正確に把握するとともに、保護者の就学先についての考えや希望を確認しております。その上で、教育相談室の心理相談員による発達検査や行動観察、各小中学校の教員や都立特別支援学校の教員等による行動観察を行い、それぞれの専門的見地から望ましい就学先の見解をまとめております。  これらを基に、医療、心理、教育の専門職で構成する就学支援委員会を開催し、発達検査や行動観察の結果、関係機関からの情報、保護者から提出された資料等を基に、多様な視点から検討を行い、子どもにとって望ましい就学先について意見をまとめております。 ◆福田たえ美 委員 今御答弁いただきましたが、区民の方から就学相談を受けたけれども、適切な就学先に決定したと言い難いといった、こういった御意見をいただきました。  そこで、なぜそのようなお声が届いたのかということも含めて、他の自治体の就学相談の流れを調べていきました。そうしましたら、二十三の多くの自治体が、総合的判断のまず資料を、就学支援委員会が開催されるまでに準備をするようにという旨が記載され、かつこの総合的判断の資料というものの中に医学的所見を位置づけ、主治医もしくは教育委員会での医師との面談の機会を設けておりました。子どもにこの適切な学習環境を判断するためには、この総合的判断の資料というものが明確になっているということが重要だとなっております。  そこで、総合的な判断の中で、世田谷ではこの医療や療育に関する情報も踏まえた検討をしっかり行っているのか伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 就学相談に当たりまして、希望される就学先によっては、医師による見解や配慮事項等を伺うため、所定の医師診察記録の提出が必要になる旨を保護者の方に対し申込時に説明しております。また、保護者との面談等において事前に提出された就学支援ファイルに基づきまして、療育相談機関での様子や医療に関する情報についても丁寧に聞き取りを行っております。  就学支援委員会の際には、発達検査や行動観察の様子や就学前期間、在籍校からの情報とともに、保護者の方から聞き取ったこういった情報についてもお示しし、検討を行っているところでございます。 ◆福田たえ美 委員 今、御説明をしていただきましたが、今私がパネルで作らせていただいたこの「ふれあいの教育」に書いてあるところには、このような詳細が示されていないということと、あと医学的な所見等に関しても、医師の診察記録の提出が必要である旨は伝えてはあるということですが、この総合的な判断というところにどこまでそれが組み込まれているのかということがまだ疑問に残るところです。  まずは、この就学相談の見える化というのを進めていくべきではないかというふうに思います。総合的判断に必要な資料が何なのか、また準備にかかるこの期間、また決定までのプロセスというものが伝わる内容と表記の工夫が必要と考えております。世田谷のこの就学相談の資料には、用意する資料が何なのか、いつまでなのかが書いておりません。  そこで、他の自治体の例をちょっと出したいと思います。これは国分寺市に御許可をいただき、こちらを掲載させていただいております。先ほどの世田谷のものと多分同じ内容で、就学相談の流れというものが書いてあります。全く構図なんかは見た感じ違うなと思いましたのが、ここの就学支援ファイルの作成というので、保護者、相談室、医師、学校ということで、この情報が子どもたちを直接見ている方々からの専門家に様々所見をいただいて、それをこの個別支援委員会と向こうでは言っていらっしゃるみたいなんですが、ここまでに用意をして、そこで初めて総合的な判断をしていくというような形で、親御さんたち、保護者の方にも、このような資料をいつまでに用意すればいいのかなということが分かるということで、非常に保護者の方にとっても安心して臨めるという状況になっております。  これが国分寺市だけかと思いましたら、二十三も相当このような詳しい情報と、かつ丁寧な期限なども決めて、資料を集めるようにということで、中央、新宿、杉並など多くの自治体が保護者に分かりやすい案内を作成しておりました。  ここで総合的な判断に必要な書類をいつまでにそろえるべきか、書類を準備するまでの期間も併せて明記することで、大切な子どもの就学先を決定する準備を行っていけると思います。  そこで、他自治体を参考に、就学相談に当たり、必要となる手続や情報等について、保護者に事前に分かりやすく周知すべきと考えますが、の見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 就学相談に当たりましては、やはり不安を抱えている保護者の方もいることから、必要となる手続や情報を分かりやすく丁寧にお伝えする必要があるものと認識しております。引き続き、保護者の気持ちに寄り添いながら、事前に御準備いただく資料や相談の流れなどについて丁寧かつ正確に説明していくとともに、他自治体の取組も参考にしながら、で作成するパンフレットやチラシにつきましても、保護者にとってより分かりやすく具体的な内容に見直しを行うなど、保護者の方が安心して相談できるよう丁寧な周知に努めてまいります。 ◆福田たえ美 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。  続きまして、不登校相談支援について伺ってまいります。  本年の第一回定例会で質問いたしました不登校生徒への進路相談会の開催につきましては、全生徒に情報を配信し、八月七日に実施がされました。会場とオンラインと合わせて約百名の方が参加されたということですが、学校を休みがちな生徒は孤立しがちで、情報も乏しく、進路に対する不安は一層増大するばかりでありました。今後、個々に応じたさらなる支援を期待いたします。  昨年の決算委員会で質疑をいたしました不登校に関する相談先や施策の案内の区立小中学校の全世帯への配布を求め、本年五月に不登校の相談先と支援の御案内が配布されました。学校を通じて得ることが多かった情報を事前に入手することで、早期に相談につながりやすくなると考えます。配布された案内に相談窓口として、不登校相談窓口、教育相談室が記載をされていました。不登校相談窓口や教育相談分室では、不登校の相談に対してどのような対応や支援を行っているのか伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校に関する児童生徒や保護者からの相談につきましては、教育センター内にある総合教育相談室における不登校相談窓口や教育相談室の各分室で相談に応じております。不登校相談においては、心理士やスクールソーシャルワーカーといった専門職が、児童生徒、保護者の悩みや不安を丁寧に聞き取り、児童生徒一人一人の状態に応じて、専門的見地からの助言や心理的な援助を行うほか、ほっとスクールや保護者の集い、福祉や医療などの関係機関の紹介を行うなど、不登校児童生徒とその保護者への支援を行っております。 ◆福田たえ美 委員 心理的援助を行いながら関係機関の紹介を行っているということですが、関係機関との観点からお聞きしたいと思います。不登校の子どもたちへの支援には、ほっとスクール、また民間のフリースクールや通信制の教育機関などがあります。は、さらに不登校への施策を進めるべく、令和四年四月、不登校特例校分室の開設に向けて動き出しています。  不登校特例校分室の説明会を拝見させていただきました。わらをもつかむ思いで参加されている保護者の方は、不登校特例校との言葉に、不登校ぎみな我が子が対象になるのではとの期待を胸に参加されている様子がうかがえました。  私も初めて不登校特例校を耳にしたときに、不登校なのに学校とはどんな生徒が対象になるのかと疑問が多かったのが率直な感想でした。そこで、調布市の不登校特例校分室の現場を見学することが理解の一歩となると思い、会派で視察をしてまいりました。調布市の不登校特例校教室、はしうち教室の入室案内には、対象となる生徒が明記されていました。不登校の道のりは一人一人異なっており、混乱期、低迷期、回復期の三つの時期に分かれている。はしうち教室は回復期の段階に入った生徒のもう一度学校生活を送ってみたい、外の世界とつながりたいという思いに応え、小集団による教室環境や、個に応じた支援内容、方法により成功体験を積み上げていきます。  不登校特例校は回復期の段階での受入れ学校とのことです。不登校支援の施策は、児童生徒の状況に合った適切な支援策の重要性をここで確認させていただきました。  不登校対応は、保護者の状況も重要なファクターとして取り入れ、一層適切な支援につなげようとしているのが秋田県です。子どもと保護者のそれぞれの状況とファクターと、そしてステージを決定して、ステージごとに教員、保護者の対応を示すことで、適切な対応へとつなげていました。不登校の状況と対応の見える化が不安の解消の一歩となっております。  そこで、不登校児童生徒一人一人の状況、状態に応じた支援の重要性と保護者の理解促進に向けて、他自治体を参考に取り組むべきと考えますが、の見解をお聞かせください。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校への対応支援に当たりましては、保護者を含めた関係者が、児童生徒一人一人の状態を共通認識し、その状態に応じた支援を適切に行っていくことが重要となります。現在、不登校相談におきましては、相談員と保護者が不登校、登校渋り、保護者のためのハンドブックなどを活用しながら、児童生徒の状態に関する共通理解を図りまして、状態に応じた支援策を検討しているところでございます。  保護者の方がお子さんの状態を客観的に把握することは、状態に応じた支援を行っていく上でも重要と考えております。今後、先進的な取組をしている自治体の例も参考にしながら、検討していきたいと考えております。 ◆福田たえ美 委員 ぜひとも調布市の不登校特例校がどんな人が対象なのかということと、秋田県のその学校、また保護者がどのような対応をすればいいのかというところまでが見えて、初めてこの不安が一歩でも解消されますので、ぜひとも本当にお願いしたいと思います。  不登校の期間が特に長期化をした保護者の方からなんですが、孤立と悲しみで何度涙をしたことかという言葉が今も心に残っています。不登校の相談は長期にわたることもあります。子どもたちの状況は年齢とともに変化をしていき、孤立がちな相談者に寄り添い続ける支援が必要であります。  我が党は、何度となく、教育総合センターの中核に不登校支援を重点的に取り組むことを求めてまいりました。十二月に開設する世田谷教育総合センターでは、不登校をはじめとした相談の情報を一元化し、蓄積されたデータを研究、分析し、一層充実した支援の構築をすることを求めてまいりました。
     昨年の決算委員会における我が党の質問に、配慮を要する子どもへの早期対応、継続的な支援につなげる研究を進め、支援に取り組むとの御答弁をいただきました。児童生徒の状態に応じて、適切かつ継続的な相談支援を行っていくべきと考えますが、の見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校相談をはじめ、いじめや特別支援教育などの相談件数は年々増加傾向にあり、その内容も背景も複雑なケースが多くなっている状況でございます。教育委員会では、こうした状況を踏まえまして、教育総合センターの開設に合わせ、就園、就学から卒業までの相談支援に関する情報を一元的に管理し、共有するシステムの運用開始に向け準備を進めているところでございます。  不登校に係る相談や支援に当たりましても、児童生徒の状態に応じた支援を切れ目なく一貫して行っていくことが重要となりますので、個人情報の取扱いに十分留意しながら、情報共有システムを活用し、これまで以上にきめ細やかで継続的な支援を行ってまいります。 ◆福田たえ美 委員 就園、また就学から卒業までの相談支援を継続して行える情報共有システムを活用しながら、きめ細かく実施するとの御答弁をいただきました。九年間のこの義務教育の期間を安心して相談を続けられる整備を確実に進めていただきたいと思います。  我が党が求めてきた不登校相談については、教育総合センターで本格的に実施するとのことですが、これからどのように進めていくのでしょうか。の見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 教育総合センターの開設と併せまして、総合教育相談室と教育相談室の世田谷分室が教育総合センター内に移転する予定となっております。移転後の相談体制につきましては、不登校相談のみならず、いじめや特別支援教育など、様々な相談に対応し、課題が深刻化する前に解決につなげる総合的な相談体制の構築に取り組んでまいります。  また、専門性の高い課題や緊急対応が必要な事案につきましては、早期に適切な解決に結びつけるために、従来の教育支援グループ、特別支援教育巡回グループに加えまして、新たに心理士やスクールソーシャルワーカーで構成する不登校支援グループの令和四年四月の設置に向けた準備も進めているところでございます。  不登校支援グループでは、学校やほかの専門家チームと連携しながら、困難事例への対応を支援するほか、不登校の原因分析や支援策の検討も行いまして、不登校に係る相談支援体制の充実を図ってまいります。 ◆福田たえ美 委員 しっかりとよろしくお願いいたします。  では、最後に、給食費の無償化について伺ってまいります。  公明党は従前より教育のための社会を旗印に掲げ、子どもは社会の鏡であり、子どもの幸福は社会の幸福につながることを踏まえ、教育のために社会が果たすべき役割、責任は大きく緊急を要する課題であると考えております。我が党は、平成二十九年第三回定例会から何度となく給食費の無償化について取り上げてまいりました。議会での議論を経て、令和元年十月、就学援助の制度を見直し、給食費の無償化の支給対象者を四人家族で年収約七百六十万円まで対象世帯とし、教育負担の軽減を一歩前に進める形となりました。現在、給食費無償化の対象者の九割が申請し、利用している状況であります。  はコロナで収入が五百九十万円にまで減少した世帯に、年度途中における特例申請を行うとのことですが、五百九十万円までの減少には至らないが、収入が減少した世帯にとって、教育費の負担感は大きいものとなります。給食の無償化を就学援助の枠を拡充し、実施していますが、コロナにより令和三年の所得が急変した家庭に対する特例申立てについて、全費目認定基準まではいかないものの、給食費支援の基準まで下がった世帯も支援の対象にすべきと考えますが、の見解を伺います。 ◎田中 学務課長 就学援助費は、学用品費の支給や給食費の免除など、就学に関する費用の一部を支援する制度でございます。四人家族で給与収入が五百九十万円以下の世帯に対して、学用品費、校外授業費、移動教室費、卒業アルバム費などを支援する全費目認定、給与収入が五百九十万円から七百六十万円までの間の世帯に対する給食費認定があります。いずれも通常、前年の所得により審査をしております。  一方、令和三年に新型コロナウイルスの影響により、失業や急激な減収などにより家計が急変した世帯に対する特例的な支援として、本年の収入で認定審査を行う特例申立てを実施しております。  新型コロナウイルスの影響により、学校改築など、様々なの施策に影響が出ている中、特例申立てにつきましては、全費目部分まで所得が減少された世帯を対象としております。 ◆福田たえ美 委員 今、課長から御答弁いただきましたけれども、確かにコロナでの施策に影響が出るということで、様々難しいということも分かるんですけれども、この緊急事態宣言の発令状況を見れば、区民の方がどれだけ大変な状況の中で生活を送っていたのかということが分かると思います。  まず、この緊急事態宣言の日数を確認しましたところ、二〇二〇年は四月七日から五月二十五日の合計四十九日間でしたけれども、今年に入ってから緊急事態宣言が完全に解除された十月一日までの間に何も発令されなかったのがたったの二十八日、それ以外は緊急事態宣言とまん延防止の期間でありました。区民生活に大きな制限がかかった二〇二一年の経済活動というのには大きく影響を受けていると思います。これは私には想像がつかないほど、本当に子育て家庭の方々にのしかかっているかと思います。  そういう意味でも、この就学援助の対象となるまで収入が減少しないけれども、やはり収入が減少しているという中での教育負担というものを感じている方に何も手だてをしないというのでいいのでしょうか。収入が減少し、給食費の無償対象となる世帯に教育費の負担軽減として、年度途中においても、コロナ対策として、緊急で対応すべきです。今こそ決断を下すべきと考えますが、再度、教育長に見解を伺います。 ◎渡部 教育長 先ほど課長より答弁いたしましたが、特例申立ては、新型コロナウイルスの影響により経済的に特に困窮をする世帯を支援することを目的としており、学用品費など全費目を認定としています。一方、今年の所得が七百六十万円以下まで減少された世帯につきましては、次年度、給食費を支援してまいります。  今後、新型コロナウイルスのいわゆる第六波など、感染状況の悪化に伴い、区民生活への影響が大きくなる際には、施策の優先順位などを考慮し、支援対象の見直しを検討してまいりたいと考えております。 ◆福田たえ美 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。  最後に、教育費の負担という観点で伺っていきたいと思います。文部科学省の平成三十年度子供の学習費調査では、保護者が一人の子どもに一年間で負担する費用を算出しております。公立小学校では、学校教育費が六万三千百二円、学校給食費が四万三千七百二十八円、公立中学校では、学校教育費十三万八千九百六十一円、学校給食費が四万二千九百四十五円、このような調査によって、義務教育は無償のように見えて実は保護者の負担が大変多いということが明らかになりました。  この学校生活で必要な制服、体操着、上履き、学用品などをやっぱり含めていきますと、負担感がなかなか拭えていないという状況です。財源の問題は大きいということは十分承知していますが、子ども・子育て応援都市にふさわしい子育ての土台をつくるために、今後の公教育をどのような方向性に進めていくのかということで、給食費の完全無償化について、の見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 学校給食に要する経費負担につきましては、学校給食法などの規定に基づき、食材費は保護者の皆様に負担していただいており、それ以外の施設管理費や人件費などについては公費で負担しているところでございます。全児童生徒約五万人の保護者の皆様に御負担いただいております給食費は、令和三年度の予算ベースでいいますと約二十七億円となっておりまして、一般会計の教育費全体の一割に相当する金額になります。また、では、毎年児童生徒数が増加しており、給食費の完全無償化を図る場合には、安定的な財源の確保が大きな課題であると認識しております。  教育委員会としましては、令和元年十月より就学援助制度の枠組みを見直し、認定基準を全体的に引き上げるとともに、給食費については、お話にありましたとおり、四人世帯で収入約七百六十万円の世帯まで支給対象者を広げておりまして、教育における保護者の負担軽減の充実を図っているところでございます。給食費の完全無償化につきましては、の財政状況を踏まえまして、他の自治体の取組や国、都の動向も注視し、慎重に考えていくべき課題であると認識しております。 ◆福田たえ美 委員 以上で私からの質問を終わり、佐藤ひろと委員に替わります。 ◆佐藤ひろと 委員 では、私のほうから続いて質問に入る前に、今の給食費の特例のほう、今回コロナということで、今、福田委員から話がありましたけれども、有事でございますので、そうしたことから含めて、一時的にでも世帯収入が七百六十万円以下に減少した場合は、しっかり手だてをしていく、そういう訴えをぜひ教育委員会として、また教育現場に携わる最前線の皆さんとして、の財政当局に訴えていただきたいと思います。そのために国から地方創生臨時交付金という自由度があるお金が下りているわけですから、その辺、しっかり緊張感を持って臨んでいただきたいということをまず申し上げておきます。  私のほうからの質問については、教職員の負担軽減ということで、昨年の予算委員会でも取り上げをさせていただきました。その令和二年度の予算の決算ということで、改めて私からもお伺いをしたいと思います。  そのときに私がお話をさせていただいたことに対して、まず答弁では、スクール・サポート・スタッフの配置を十二校から三十校に拡充します。また、理科支援員や外国人帰国児童生徒及び保護者の方への日本語指導などの支援員を配置するということで、理科支援員は、小学校四年生から六年生の授業を対象に、三十一校三十七名配置をする予定ですと。また、日本語指導等の補助人員の方は、小中学校二十校に二十四名配置をいたしますということで、それぞれ執行されておられたと思います。それについての評価、その負担軽減がどの程度減ったかということを含めて、その評価と来年度の予算について、その点に関してどのように見通しをされているのかお伺いしたいと思います。 ◎毛利 教育指導課長 これまで教員の負担軽減に向けて、教員の事務作業等の軽減のためのスクール・サポート・スタッフ、実験の補助などを行う理科支援員、外国人帰国児童生徒への日本語指導を行う日本語指導員の人員を区内小中学校に配置してまいりました。具体的な配置数としましては、スクール・サポート・スタッフについては、今年度全ての小中学校九十校に配置が完了いたしました。また、現時点で理科支援員については、小学校四、五、六学年を対象に十八校に配置し、日本語指導等補助の人員については、小中学校で二十五校、三十四名を派遣しているところですが、三月までにはさらに増える見込みです。  配置した学校からは、教員の資料作成及び授業準備等のサポートや実験、観察などの授業準備時間が短縮し、負担が軽減されたと高い評価をいただいております。  教育委員会といたしましては、今後とも引き続き日々の業務における負担軽減を一層図り、教員が子どもに関わる時間を確保できるよう学校を支援してまいります。 ◆佐藤ひろと 委員 おおむね予定どおりということなんですが、理科支援員が当初の三十一校から十八校に配置というのは、これは学校の要望に合わせたということの理解でよろしいですかね。アイコンタクトでいいですよ。はい、分かりました。  では、そういったことで理解をいたしますけれども、併せて、そのときに部活動支援員制度についても質問させていただきました。単価をアップしますというお話を、監督については千円から千二百円に、指導員については八百円から千円に上げて、さらに顧問教員の引率への負担軽減を図るためにということで、円滑に採用できるよう教育委員会が介入をした上で、民間事業者を活用して、人材の確保を図りますという答弁でしたが、この点についての実績はいかがでしたか。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 部活の支援員制度は、顧問教員が専門的な指導をすることが困難な部活動において、技術指導面を補助する人材を配置し、継続的、安定的な部活動を推進することを目的とし、実施しております。部活動支援員は、学校が主に卒業生や地域の方々にお声がけをし、お願いしてきたところですが、担い手が見つからず、人材確保が困難な状況を踏まえまして、民間事業者を活用した人材確保の方策として、今年度、学校の要望に沿った部活動支援員を事業者が紹介する部活動支援員マッチングの事業を行うこととしました。  現在、部活動支援員を希望する区立中学校六校へ七人の紹介を行う手続を進めており、今年度は計十人の紹介を予定しております。  今後も引き続き、部活動支援員の人材確保が難しい学校へ他の手法も含めて支援を行い、安定的な部活動運営の確保と、教員の部活動指導に係る負担軽減に取り組んでまいります。 ◆佐藤ひろと 委員 今年度十人の紹介というのが多いのか少ないのか、なかなか難しいところですけれども、しっかりと学校現場の要望に迅速に応えていただくように、引き続きお願いをしたいと思います。  それで改めて、中央教育審議会は、二〇一九年一月に学校における働き方改革の答申をしているんです。これがその内容です。教師が子どものためであればどんな長時間勤務もよしとするという働き方は、教師という職の崇高な使命感から生まれるものであるが、その中で教師が疲弊していくのであれば、それは子どものためにはならない。教師のこれまでの働き方を見直し、教師が我が国の学校教育の蓄積と向かい合って、自らの授業を磨くとともに、日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子どもたちに対して効果的な教育活動を行うことができるようになることが、学校における働き方改革の目的であると、こういうふうにされていますね。  この後に、じゃ、具体的にどうやって業務を仕分けるんですかという考え方も、この中教審の答申に出ていまして、一つが、基本的には、学校以外が担うべき業務、二つ目には、学校の業務ですけれども、必ずしも教師が担う必要のない業務、三つ目には、教師の業務ですけれども、負担軽減が可能な業務というふうに分けられているんです。こうしたことも含めて、世田谷の教育委員会として、この働き方改革を学校の単位でお任せをしていくのか、それとも、の教育委員会として、学校の実情に応じて様々差はあると思います、何をもって負担軽減となるかということは。ただ、基本的な方針は定めていくべきではないかなというふうに私は考えているんですけれども、その点の見解はいかがでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 区内小中学校において、働き方改革を進めているところですが、教員の負担軽減に向けては、各学校における児童生徒数や規模、環境に応じた様々な課題があると認識しております。  教育委員会では、例えば昨年度末より、区内の全小中学校に電話対応による音声案内機能を導入、運用を開始しております。その状況を調査したところ、七割以上の学校が仕事の効率化につながったとの回答や、九割以上の学校が勤務時間外の対応の減少となったとの回答があり、負担軽減としての一定の成果があると考えております。  今後については、都教育委員会や他自治体での取組、指標等も参考にしながら、各学校に必要な支援について丁寧に聞き取り等を行い、実態に応じた支援となるよう努めてまいりたいと思っております。 ◆佐藤ひろと 委員 今、音声案内機能の導入、運用が開始ということで、これは我が党の今はなき高久議員が去年の予算委員会で質問させてもらったのが実現したということでございますが、このときにも私のほうでも引用させてもらいましたけれども、具体的に行ったことがどの程度負担軽減につながっているのかというのは非常に重要で、よく皆さん、こういった事業をやっています、取り組んでいますというふうにおっしゃいますけれども、区長のあれでいくと、参加と協働はいいんですが、その後に結果、結論、決断が伴わないと、これは意味がないんです。その後にちゃんと効果というのがあって、それをどう検証していくかというところまで見ていかないと、これは決して事業が進んでいるとか、うまく言っているということは言えないんです。  そこで、横浜市ってこういう働き方改革プランを市立学校でまとめて、毎年、年度ごとに取組状況をオープンしているんです。これは代表的に指標を全部決めて、これは時間外勤務月八十時間超の教職員の割合、横浜市の目標としてはゼロ%です。取り組んだ年度の平均値はどうだったかというのを全部数字で出して、なおかつ、三年間ぐらいの帯グラフで、こういうふうに変化をしていますということでつくられているんです。  これは非常に私も参考になりまして、ここに出しているのは時間外勤務の話ですけれども、例えば十九時までに退勤する教職員の割合が何%なのかとか、それから、健康のリスクとか、負担感指数の割合がどうなっているかとか、年休の取得日数の割合がどうなっていますかと。  指標についてはいいんですけれども、この目標をどうするかという設定については非常に難しい面もあるんですが、ただ、こういうふうに授業として行ったことを、指標として明確にして、なおかつ目標値を定めて、それがどういうふうな結果だったのかということを公表していく、また皆さんの中でも見える化をしていくことで、具体的に学校現場における教職員の方の負担軽減が進んでいるのかどうかという、そうした検証をしっかり重ねていくべきだと思いますけれども、教育長、いかがですか。 ◎渡部 教育長 今、委員お話しのとおり、現状を把握した上で効果検証していくということは、働き方改革を進める上でとても重要であると考えています。このコロナ禍で教員の働き方は従前と違っているんですが、教師が子どもたちと向き合う時間を創出するという本来の一番大切な目的を達成するためには、働き方改革を推進していきたいというふうに考えています。  今後につきましては、これまでの取組に加えて、出退勤時間の設定や、持ち帰りの業務量を把握するなど、適正な評価、検証を行ってまいりたいと考えております。 ◆佐藤ひろと 委員 学校現場の最前線ですので、そこに一番携わっている皆さんですから、それぞれの学校、個々に違う学校現場の教職員の方の負担軽減に向けて、随時、鋭意取り組んでいただきたいということをお伝えして、次の質問に行きたいと思います。  二つ目は、不登校児童生徒の方へのオンライン学習の活用についてということで、実は文部科学省は、もう二〇〇五年に不登校の児童生徒の方がインターネットなどを活用して自宅学習したり、学校外で指導を受けたりした場合、一定の要件を満たせば、校長の判断で、出席扱いにしますよという通知を発出しています。これは一昨年の二〇一九年十月にも再度通知をしているんです。恐らく、もちろんの教育委員会の皆さんも、これは御存じだと思っていますけれども、改めてどう認識をされて活動されているのか、また、これから活用していくに当たって、今現状どの程度まで進んでいるのかということについてお伺いしたいと思います。 ◎塚本 副参事 教育委員会といたしましては、文部科学省の通知の趣旨を踏まえ、オンライン学習等の具体的な事例を示して積極的に出席扱いとするよう学校へ通知をしているところでございます。九月の分散登校中には、不登校や不登校傾向にある児童生徒の約四割がオンライン学習に参加することができ、リアルタイムで配信される授業に参加したり、双方向型学習支援アプリを通じて教員と学習課題のやり取りをしたりすることができました。  現在オンライン学習についてのアンケート調査を実施し、不登校児童生徒に対する効果を検証しているところでございます。今後は、アンケート調査の結果等も踏まえ、オンデマンド等の活用等も含めた不登校児童生徒一人一人の状況に応じた個別最適な学習や支援の在り方について研究を深めてまいります。 ◆佐藤ひろと 委員 アンケート調査っていつまとめて、期間が決まっていましたっけ。もし分かれば、分からないですか。では、飛ばしましょうか、菅沼委員みたいに。 ◎隅田 教育研究・研修課長 ただいまアンケートにつきましては、児童生徒、保護者、教員に向けて実施をしております。今月には集計、まとまりますが、その後、十一月以降にそれをひっくり返して、分析をしてまいりたいと考えております。 ◆佐藤ひろと 委員 ありがとうございます。  それと併せて、令和元年十月二十五日の通知で、文部科学省の通知ですけれども、不登校児童生徒への支援の在り方についての基本的な考え方として、学校に登校するという結果のみを目標にするのではないと発出しています。また、今回の新しい通知をもって、この通知をもって、過去の不登校を生徒の問題行動として扱っていた通知などは、全て排除されることになっているんです。当然その通知は認識されていると思いますけれども、その上で、三つ項目が加えられています。  一つが、不登校児童生徒の学習状況の把握と学習評価の工夫、これについては、学校外での施設での指導とか、学習支援や進路指導を行う上でオンライン学習は活用できるんじゃないかという観点の一つ目です。  二つ目は、何らかの理由で改めて中学校等で学び直すことを希望する方、また、その学び直すきっかけづくりでのオンライン学習の活用。  それと三つ目は、そもそも民間の施設、NPO法人などが連携の協力をしたりとか、情報収集をしたりとか、提供したりすることに対するオンラインの学習の活用と、この三つについて、先ほどの通知の認識と併せて、取組状況をぜひお聞かせいただきたいと思います。 ◎塚本 副参事 不登校児童生徒に対しては、学校に登校するという結果を目的とするのではなく、様々な学びの機会を保障していくことが重要であると認識しております。不登校児童生徒の学習状況の把握と学習評価の工夫につきましては、当該児童生徒が自宅等でオンライン等を活用して取り組んだ学習成果を学校が把握し、努力を認め、励ます評価を行うこととしております。  改めて中学校等で学び直すことを希望する方への支援につきましては、きっかけづくりとしてオンライン学習を進めた後に、義務教育を卒業していても、三宿中学校の夜間学級にて受入れが可能であり、学び直す機会が保障されております。  民間施設との連携協力のための情報収集や提供につきましては、現在、NPO法人が参画してオンラインによる学習支援や相談支援等を始めているところでございます。今後もオンライン等を活用して不登校児童生徒一人一人の状況に応じた支援に努めてまいります。 ◆佐藤ひろと 委員 オンライン学習は、あらゆる場面、機会でぜひ活用していただきたいと思うんですけれども、やはり私個人的な見解としては、人と人とが対面で会って、接するということは、そこでしか得られない感情のキャッチの仕方とか、その人の息遣いとか、それから雰囲気とか、対面でしか味わえない、また経験できない、培えないものというのは、人間には必ずあると思っております。でも、登校だけを目標にしてしまうと、いつまでたっても突破口が開けないということもありますので、ぜひその活用については、ケース・バイ・ケースも含めて、その児童生徒に合わせた、またその児童生徒の日常生活に合わせた形でどう活用してあげられるか、ここは非常に重要だと思っておりますが、最後に、教育長、見解をお伺いしたいと思います。 ◎渡部 教育長 今回のオンライン授業では、私たちにとってもとてもうれしいことがありました。不登校の子どもたちが先ほど四割というふうなお話をしましたが、かなりの数として出てきてくれています。やっぱり子どもの状態に応じて、まだ顔を出したり、それから対面では難しいという子どもも、オンライン上だったら出てこられる、そこで学びが保障できるということが分かりました。  オンラインのそういうよさを生かすとともに、やはり人と人とのつながりでしか得られないという体験学習の大切さというのも十分にありますので、一人一人の子どもの状態をしっかりと見極めて、その個に応じた教育を推進していくということが、今こういうオンラインが発展した世の中で大事なことなのかなというふうに考えています。 ◆佐藤ひろと 委員 今、教育長からもお話しいただきましたけれども、実は私、前回の予算委員会でもお話ししたんですが、個人的なことで申し訳ありませんが、詩吟をやっていますと。おかげさまで今年五段になりました。そのときにずっと教わってきたのは、最近の日本語の私たちの日常会話では、イとウという言葉が消えていますと。私、佐藤ですけれども、サトー、トーで伸ばしますよね。空港だと、クーコー、だから、イとウが抜け、携帯はケータイと。こういった発音の変化というのは非常に由々しきことでもあると思いますし、私たち日常生活の中で、例えばスマートフォンとか、カーナビとかに音声認識で言葉を発すると、うまくキャッチしてくれなくてということもありますよね。  やはり発音の仕方というのは非常に私たちの生活にとって重要だと思いますし、その言葉に思いを込めて伝えをするという、ここがある意味では正確にオンライン学習でも生かされるんじゃないかなと思ってはいますので、そうしたことも踏まえて、ぜひ教育の根幹である現場で活動をしていただきたいということを要望させていただいて、公明党の質疑を終了いたします。 ○加藤たいき 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時十三分休憩    ──────────────────        午後三時二十五分開議 ○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  世田谷立憲民主党、どうぞ。 ◆いそだ久美子 委員 世田谷立憲民主党議団、文教領域の質問を始めます。  まず、世田谷九年教育の成果と今後の方向性について質問いたします。  世田谷九年教育を一から学ぼうと思い、のホームページで世田谷九年教育の推進を見ましたら、最新の更新日は平成二十四年、九年前でした。今年の主要施策の成果によれば、現在の成果指標は平成二十九年度から始まって、今年は実施四年目となっております。まずはホームページの記載内容を常に最新に保つようにお願いいたします。  さて、周囲の保護者たちにアンケートを取りましたところ、世田谷九年教育については、学校からの配付物もあり認知度は高かったですが、小学校、中学校の一貫教育というイメージにとどまり、内容はよく分からず、比較的知られているのは学び舎の取組でした。駅伝大会は中学生と一緒に練習できてよかったと小学生からの声もありました。  九年教育なので、九年連続して行い、その成果を見るのではという声もありましたが、成果の捉え方としてはどうなっていますでしょうか。定義とともに教えてください。 ◎毛利 教育指導課長 世田谷九年教育については、区立小中学校が一体となって、二十一世紀を生きる児童生徒一人一人の有する個性や能力を十分伸ばし、自立した個人として生きる基礎や、基本的な資質を養うことを狙いとしております。全ての公立小中学校は地域ごとにグループ、学び舎を構成しております。  学び舎ごとの取組として、子どもたちが役割分担し、互いの小中学校に出向き挨拶運動をするなど、学校、家庭、地域がより一体となって地域の教育力と特色を生かした教育活動や学校運営を進めてまいりました。  これまでの取組の成果としましては、学び舎ごとに小中学校の連携を充実させ、異年齢・異校種間の交流をさらに充実させていくことで、人間関係形成力の育成等の質の高い教育活動につながっております。 ◆いそだ久美子 委員 保護者や児童生徒は九年教育を、九年一貫、小中学校で合同で何かやることを主目的と考えており、成果指標に書かれている英語教育・国際理解教育、ICT教育環境の推進、体力向上・健康推進の取組というところまでは、九年教育の要素だとは捉えられていない様子でした。  のデータによれば、区内の居住年数で十代以下世代の居住率五年未満の割合は約四割、また、中学で区立中以外に進学するのが三六%です。九年連続して地元小中学校に在籍することを前提とせず、むしろ転入してくる児童生徒も入りやすいカリキュラムと、充実した支援体制が求められると考えられます。  カリキュラムが増えれば担当する教員の負荷も増します。本日は他会派からも多く指摘が出ていますが、特に人の支援が重要です。ICTにしても、部活動などの支援にしても、もっと地元人材を活用してはという意見が多方面からあります。  以前、私は、教員の負担軽減に関して、子育てが一段落した元PTAを事務補助員として雇用してはどうかと御提案しました。女性の再就職の厳しさもあり、区内には子育て後に就労していない優秀な人材、また、母校、卒業校に協力したい大学生が多くいます。以前は口コミで集めていた学校生活サポーターも公募するようになりましたし、世田谷九年教育の予算執行率も五七%と、まだ余裕があります。  支援員は東京都の差配を待つのではなく、ICTや語学、スポーツ、事務補助など、特性に応じた支援体制を、地域の人材を雇用してつくっていってはいかがでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 世田谷九年教育につきましては、学び舎ごとの目標や各学校の特色に応じて、人権教育、道徳教育をはじめ、理数教育やプログラミング教育、環境・エネルギー教育、ICTを活用した授業の推進など、工夫して実施しております。今後、教育の内容を精査するとともに、今日的な教育課題に応じて取組の重点化も検討してまいります。  人的支援につきましては、今年度、スクール・サポート・スタッフを区内全小中学校へ配置できるよう拡充して、資料作成や授業準備など多岐にわたる業務を担っております。また、一人一台の端末配備等における新たな業務に対応するため、ICT支援員をさらに増員して、各校の子どもや先生方の機器の操作、運用の補助などの支援を行っているところです。  今後とも、これまでの支援に加え、保護者や地域の協力を得られる取組を検討しながら、教員が授業に注力できる環境づくりに努めてまいりたいと思います。 ◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。ぜひ推進をよろしくお願いいたします。  最後に、九年教育の継承として、幼稚園・保育園段階から始まる「せたがや11+」ですが、パンフレットを見た保護者から、幼稚園からキャリア教育はあり得ないなどと指摘をされています。九年教育以上に理解が進まない懸念がありますが、今回は何を変えるのか。一番に力を入れたい施策は何でしょうか。教えてください。 ◎毛利 教育指導課長 「せたがや11+」では、教育の質の転換、誰一人置き去りにしない教育、子どもたちの学びを支える環境の整備の三つの柱を基に、キャリア・未来デザイン教育の推進や、幼稚園、保育所等と小中学校の連携強化、多様性の理解と学びの選択など十一の項目を位置づけ、発達段階に応じた取組を行っております。  取組の一つでありますキャリア・未来デザイン教育では、急速に変化する社会の中で、子ども一人一人が社会の担い手として、自らが課題に向き合い判断して行動し、それぞれが思い描く未来を実現できる人材を育成していくことを目指しております。  教育委員会としましては、今後も十二月に開設する教育総合センターを拠点とし、幼稚園や保育園に通う乳幼児から小中学校を通して、子ども一人一人の知的好奇心や探究心を大切にしながら、子ども自らが将来像を描き、人生の指針をつくることのできるキャリア・未来デザイン教育が円滑に行われるよう努めてまいりたいと思います。 ◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。  九年教育も「11+」もそうですが、数を前面に出すと後で調整が利かなくなります。別の領域の話ですが、例えば世田谷名木百選、これは何で百五十本もあるのかとは、最近地元の中学生に聞かれて、私も返答に困りましたが、ネーミングは時間の経過に対応できること、人により解釈が分かれないものを工夫して、保護者、児童生徒にも浸透しやすい内容にしていただけるように要望いたしまして、次の質問に移ります。  次は、世田谷デジタルミュージアムについてです。これもネーミングがポイントになります。デジタルミュージアムと言うからには、世田谷が所蔵している美術品や歴史資料がオンラインで見られるかと思って、アクセスしてみましたら、内容は文化財や歴史資料のみのようです。改めて本事業の基本コンセプトと、予算についても教えてください。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 世田谷デジタルミュージアムは、世田谷の歴史、文化財に関する一元的な情報管理と発信の仕組みとして、平成二十九年度に全体設計、三十年度に構築を行い、三十一年四月から公開を開始しました。開発費は約千九百万円で、そのうち五百万円は東京都の補助金を活用いたしました。また、ランニングコストはサーバー等の機器賃借料やソフトウエア保守料などで、年間約九百六十万円となっております。令和三年度は、このほか動画制作費として約百四十五万円となっております。
     世田谷デジタルミュージアムは、インターネットで閲覧できる電子博物館として、世田谷の歴史、文化に関する情報の効果的な発信を目指しております。郷土資料館や民家園で収蔵している歴史、考古、民俗などの資料、区内にある文化財や歴史に関する多くの資料をデジタル化し、一元的に管理、集約することで総合的なデータベースとして運用、管理しております。  これまでにも郷土資料館等で収蔵している資料や歴史に関する多くの資料が閲覧できるデジタルコレクションのほか、文化財を身近に感じていただくため、重要文化財大場家住宅の紹介動画を公開するなど、誰もが気軽に世田谷の文化財に触れられるよう努めております。 ◆いそだ久美子 委員 ありがとうございます。  そのコンセプトでしたら、ミュージアムというよりは文化財アーカイブに近いと思われます。閲覧者からすれば、世田谷には美術館があり、文学館があり、デジタルミュージアムがあると捉えられ、期待を背負う存在になっていると思います。  参考までに、宮崎県が監修している、みやざきデジタルミュージアムは、博物館、美術館、文化財が一つのサイトで閲覧できるようになっています。デジタルミュージアムで検索すると、世田谷デジタルミュージアムは、その完成度の高い、みやざきデジタルミュージアムより上、トップに近い位置で出てきており、同じく検索上位に出てくるのが長崎、軍艦島デジタルミュージアム。今年五月にオープンしたデジタル・ミュージアム・オブ・ジャパニーズ・ヒストリー・イン・ニューヨーク、ニューヨーク日本人歴史博物館など、いずれも完成度の高いサイトですので、世田谷も、これらと並んで公開している以上、恥ずかしくないように内容を充実していくしかありません。  ざっと気づくところでは、まだコンテンツが少ないです。江戸以前にこだわっているような感じがしますが、江戸以前だけが歴史ではありません。例えば、これから解体などで失われていく名建築、解体前の案内動画などを記録、保存すべきと思います。例えば、今、目の前で工事している世田谷庁舎、こちらもドローンで工事前に撮影してあるそうですので、そういうのも収蔵するとよいかと思います。  また、区民が参加し、一緒に作れるページが欲しい。区民から募集して、例えば戦争体験や当時の写真など、そして、今聞けるそのときの解説など記録して、の歴史の一部として継承すべきではないでしょうか。また、もちろん、世田谷美術館や文学館サイトとのリンクが欲しいところです。  先ほどの予算では難しいかと思いますが、そもそもこのようなデジタルミュージアムを企画するのに、文化・芸術振興課や、から補助金が十四億円近く下りている外郭団体、せたがや文化財団と連携してやろうという話はなかったのでしょうか。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 平成二十八年度に世田谷の文化財保存活用の総合的な方針として、世田谷文化財保存活用基本方針を策定いたしました。この基本方針に掲げた重点取組のうちの一つ、世田谷の歴史・文化に関する情報の効果的な発信に向けて、ICT技術を活用して世田谷デジタルミュージアムを構築し、その際、関係所管課と連携し、地域風景資産や、せたがや文化マップに掲載のおすすめコースなどをシステム上で確認できる仕組みをつくりました。今後も関係所管課と連携しながら、世田谷デジタルミュージアムによる世田谷の歴史、文化に関する情報の発信に努めてまいります。 ◆いそだ久美子 委員 コロナ禍による行動制限がまだ見込まれる昨今、オンライン学習や在宅で楽しみ学べるデジタルミュージアムは、世界的なトレンドになると思われます。ニューヨークや宮崎と並び称されるようなサイトとなるよう、の総力を結集して、レベルの高いものを作っていただけるように要望いたしまして、私も、今後この問題提起は続けてまいりたいと思います。  では、次の質問に参ります。旧池尻中校庭の活用、池尻小側からの使用継続要望についてお伺いいたします。  経済産業部が進める旧池尻中跡地活用についての問題点は、多くの他会派から、また、我が党の中山委員からも指摘がされております。十一月に跡地活用の素案が出るということですので、私からは文教領域について、校庭の使用に絞って質問いたします。  PTAからの要望書は私も発信者から頂いており、要約いたしますと、池尻小と池尻中は、まず隣り合わせにあります。池尻中が廃校になって後、二〇一〇年頃から、教育委員会から小学校校庭の芝生化の話が持ち込まれました。芝生の校庭には年三か月の養生期間が必要で、その期間の小学校の体育の授業やスポーツクラブの練習は、土のまま残してあるグラウンドの旧池尻中学校校庭を使うことを前提に校庭を芝生化して現在に至ります。  今回、経済産業部が旧池尻中学校校庭を含む敷地、全敷地を民間に占有させると、授業やスポーツ団体の運営に支障が出るので、池尻中の校庭は事業者と地域の子どもたちが共有できるように継続使用を要望するものです。計画の反対ではなくて、現在の使用状況、主に週末であり、使用者はほかに三宿中や多聞小、中里小、駒繋小、旭小など使っているそうです。  この要望書は教育長宛てになっていますが、この要望書については教育所管としてどのように対応されていますでしょうか。 ◎秋元 副参事 今お尋ねの旧池尻中学校の校庭につきましては、平成十六年度以降、池尻小学校の第二校庭として使用しておりまして、学校として授業等で、また、地域のスポーツ団体がサッカーやテニス、野球などに利用を続けているところです。また、旧中学校側の校庭を利用することで、今、委員からお話がありましたように、小学校側の校庭を全面芝生化しております。芝生の養生期間が十分に取れることから、芝生を良好に保つことができております。  このため、池尻小学校やスポーツ団体の関係者からも、現在の利用環境の確保などとともに、教育委員会にも積極的に関与してほしいという要望をいただいております。教育委員会としましても、池尻小学校の教育環境への影響を十分配慮しつつ、どのような手法が取れるのかを経済産業部と協議しているところです。 ◆いそだ久美子 委員 この事案で問題なのは、経済産業部が行うサウンディング調査の中で、校庭を体験農園にするなどといったグラウンド機能を失わせる案も出ているところです。憲法第二十六条第二項では「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。」とする義務教育の規定があり、また、我がでも、さきの世田谷九年教育に体力向上、健康推進の取組が成果目標とされていたはずです。の政策決定による民間事業者の土地活用より、国が定める義務教育の質を担保することが上位概念ではないでしょうか。  現在事業者も未定であり、話合いできない状態ですが、だからこそ、校庭の使用方法、共有については教育所管が優先して計画に関与できると考えますが、経済産業部に申入れは可能でしょうか。 ◎秋元 副参事 旧池尻中学校の跡地活用として、校舎とともに校庭と体育館を一体的に活用するとの方針がなされておりますが、どこを境界とし、どのように使用するかは、現在、経済産業部との間で協議をしているところです。  また、委員お話しのとおり、教育の質を確保することは教育委員会が責任を持って対応しなければならない事項でありますので、文部科学省令の小学校設置基準で定められている校庭面積の確保ですとか、現在の芝生をどのようにするかなどにつきまして、校庭整備には学校の意見も聴きながら適切に対応してまいります。  今回の旧池尻中学校側の校庭使用につきましては、子どもたちはもちろん、学校、地域、また、今回の事業者の双方にとって、どのような活用や手法が最もよいのかを、経済産業部と教育委員会が連携して検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆いそだ久美子 委員 保護者は、子どもが育ち学ぶ環境を、もう体を張って守ってきていらっしゃいます。今回の要望書もいろいろ迷いながら、皆さんで考えて書かれたことと思われます。だからこそ、自治体には企業の利潤追求の支援より、子どもの育ち、学びを一番に考えてほしいと願っておられると思います。  最後に教育長に、本件に限らず、世田谷の全ての子どもたちの教育環境を同じ覚悟で守っていただきたいと思いますが、一言お願いします。 ◎渡部 教育長 今回の旧池尻中学校の跡地活用に関しましては、私のもとにも池尻小学校の保護者をはじめ、校庭を使用するスポーツ団体の皆様から多くの声をいただいております。このため、経済産業部との協議に当たっては、池尻小学校の校庭への影響についても十分に配慮をするようにと指示をしております。一方で、今回の跡地活用では、未来を担う世田谷の全ての子どもたちに新たな学びを実践する場となるよう取り組むとの方針も示されており、この点では期待をするところでもあります。  今後も経済産業部や関係所管との協議内容を注意深く見させていただき、その中で、どのような教育環境が必要か判断してまいります。 ◆いそだ久美子 委員 よろしくお願いいたします。  世田谷には、グラウンドが足りない、これまでも多く討議されているとおり、球技をする場所が足りないということは厳然たる事実でありまして、また、民間の事業者に任せると、必ずしも世田谷の子どもたちでなく、それこそ、あちこちの日本中の子どもたちでもそこを使えることになる。そう考えますと、最低限でも世田谷の子どもたちの授業やスポーツに使う、その用途は守っていただきたいと再度お願いいたしまして、質問者を替わります。 ◆中山みずほ 委員 私からは学校施設のZEB化について伺います。  今回の決算特別委員会で、私は、それぞれの所管に環境対策について伺ってまいりました。区民生活所管では環境配慮制度のことや気候危機対策会議のこと、また、都市整備所管では、この所管でできる気候危機対策は何があるのか、また、地区計画における環境対策、みどり率について伺ってきました。  まず、この文教所管でも伺います。昨年十月の気候非常事態宣言を受けて、文教所管として貢献できることは何でしょうか。 ◎青木 教育環境課長 教育委員会では、学校施設の改築や大規模改修におきましては、LED照明などの省エネルギー設備の採用や木材利用、また、太陽光発電による再生可能エネルギーの創出とともに、グリーンインフラの観点となる屋上緑化や雨水貯留浸透設備の整備など、環境に配慮した学校づくりに取り組んでまいりました。  学校施設は公共施設の中で最も多くの延べ床面積を占めております。世田谷気候非常事態宣言では、二〇五〇年度までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すとしており、持続可能な学校施設の整備をより一層推進することで脱炭素社会の実現に寄与できるものと考えております。 ◆中山みずほ 委員 さきの私の一般質問では、教育委員会では、環境負荷の低減や自然との共生に対応するとともに、子どもたちの環境教育に資するよう、省エネルギー化や自然エネルギーの活用、木材利用の促進など環境を考慮した学校施設、いわゆるエコスクールの整備を推進していると伺いました。  一方で、川崎市の新川崎地区の新設小学校があります。ここの先進的な施設ということで資料を確認しますと、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング、いわゆるZEB化ですね―と言われる快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した施設整備が進められております。  ちょっと今、確認したら、遅れているようなんですけれども、今の御答弁にあったように、学校施設というのは公共施設の中でも最も多くの延べ床面積を占めていると。そういったことを鑑みまして、脱炭素社会に向けての学校のZEB化は有用であると考えますが、の見解を伺います。 ◎青木 教育環境課長 国におきましては、脱炭素社会の実現に向けた施策として、学校施設のネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ZEB化を取り上げており、といたしましても学校施設のZEB化を推進すべきと考えております。しかしながら、大幅な省エネルギー化と再生可能エネルギーの創出により、エネルギー収支ゼロを目指すZEBは、省エネ技術の導入による建設コストの増加とともに、世田谷のように住宅密集地に立地している学校における再生可能エネルギーの導入手法が課題であると認識しております。これらの課題を踏まえながら、他自治体の先進事例も参考に、学校施設のZEB化の実現に向けた取組を進めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 国の地球温暖化対策計画というのが今、出ています。これは、パリ協定も踏まえた最新のもので、その中に地方公共団体実行計画(事務事業編)に記載すべき主な内容というのが書かれていまして、一部読み上げます。  具体的な取組として、特に地方公共団体保有の建築物及び土地における太陽光発電の最大限の導入、建築物における率先したZEBの実現、計画的な省エネルギー改修の実施など、いろいろ書かれているんですが、国が政府実行計画に基づき実施する取組に準じて率先的な取組を実施するようにということが書かれております。  今、御答弁にありましたように、いわゆるこの問題は、建設コストが上がるということだと思います。しかし、二〇五〇年ゼロカーボンを目指すと世田谷は宣言した中で、今、これから建てられる学校施設においては二〇五〇年もそのまま存続している建物なわけですね。ネットZEBを目指す検討を、まず始めるべきではないかと考えます。  もちろん全体の取組にも影響することを踏まえますと、すぐにでも計画に着手して、これからの学校施設の在り方を検討していくべきではないかと考えますが、教育委員会の見解、また、今後どのように取り組むか、伺いたいと思います。 ◎青木 教育環境課長 学校施設のZEB化に当たりましては、公共施設整備に関連する公共施設等総合管理計画や公共施設省エネ指針などの整合を図る必要がございます。そのため、まずはZEB化を実現する整備手法と、建設、維持管理のトータルコストなどを把握するためのシミュレーションの実施に取り組んでまいりたいと考えており、今後、予算措置等も含め、関係所管との調整をしてまいります。 ◆中山みずほ 委員 このZEB化というのも、いきなりゼロを目指すというよりは、順番がありまして、ZEB、完全なゼロというのを目指す、正味ゼロもありますが、ニアリーZEB、その後にZEBレディーという段階があります。そういったことも踏まえて計画、ぜひ実行ロードマップを引いていただけたらと思います。  ここに示します、これは、ZEB設計ガイドライン、ZEBレディー学校編というのがあります。これは奥付を見ますと、ZEBロードマップフォローアップ委員会というところがやっておりまして、委員長は早稲田大学理工学部の田辺教授、それ以外にも様々、いろんな大学の教授、また、ディベロッパーのエネルギー担当の方、そして、オブザーバーに経産省、国交省、文科省、環境省などが入っていて、それぞれ例えばホテルだったり、老人ホームであったり、いろいろガイドラインがあるんですけれども、これは学校のパターンです。  その中を少し見ますと、最初の前書きで書かれているのは、このIPCC第五次評価報告書によると、建築分野は二〇一〇年において、世界のエネルギー消費量の三二%を占め、このまま何も対策を講じなければ、二〇五〇年までに建築分野のエネルギー消費量は二、三倍になると予想されている。建築物はほかの工業製品に比べて寿命が長く、省エネルギー対策の効果が顕在化するまでに時間を要することから、迅速な対応が極めて重要だというふうなコメントが書かれています。  また、先ほどコストの話がありましたけれども、シミュレーションもありまして、例えば、今までの学校を一つ建てるといったときにかかる費用に対して、ZEBレディー、五〇%の場合は約一〇八%、八%増額だというシミュレーションが出ています。もちろん学校の様々な施設によって変わると思いますが、このシミュレーションを考えますと、八%のコスト増であっても、ランニングコストを減、減らしていくこと、また、補助金などもこれからは出てまいります。今も既にあると思います。ぜひ前向きに進めていただきたいと思います。  次に、また一般質問に引き続いて、教職員からの児童生徒への性犯罪防止に関する取組について伺いたいと思います。これは総括質疑でも桜井委員が行っておりますが、とても大切なことなので、改めてまた伺いたいと思います。  昨日の東京新聞、御覧になりましたでしょうか。教え子に性的欲求が抑えられず、教室に監禁、わいせつ容疑で板橋の小学校教諭を逮捕という、ショッキングな記事が出ておりました。一般質問でも申し上げましたけれども、五月に教員によるわいせつ行為を防止するための法律が議員立法で成立しております。わいせつ行為で免許を失効した教職員の再取得を教育委員会が拒めるようにしたものです。  今回の、この板橋の事件の捜査関係者は、被害に遭った児童生徒は教員を信じたい思いを持っており、指導との区別がつきづらい場合が多い。教員が立場を利用し、無防備な児童生徒にわいせつ行為をするのは悪質性が高いと話しています。成立した法律では、教員のわいせつ行為など、児童生徒、性暴力と定義し、同意の有無に関わらず禁じ、国や地方自治体、学校に防止や早期発見を求めているという記事でありました。  また、性被害の実態調査をしたものがあります。すみません、大変小さなボードで見えないと思うんですけれども、すごく単純な図です。ここ、横軸が年齢です。子どもの年齢です。性被害に遭ったということを、年齢別に遭った年齢をアンケートしたものなんですけれども、これは、さっきの午前中の田中委員からもありました一般社団法人Spring、性暴力被害当事者の会というのがありまして、その方々のお話を私は伺ってきました。五千八百九十九件、昨年の夏のアンケートを取った中で、ちょっと見えづらくてごめんなさい。一番左がゼロ歳から六歳です。一番棒グラフが高いところというのは七歳から十二歳なんですね。これは実に、全部で五千八百九十九件のうち千六百件が、七歳から十二歳という義務教育の間に性暴力が行われていたという実態があります。  また、同じくSpringのアンケートの中には、被害に遭って、これが被害だと自覚するまでの、記憶を失っているというか、もしくは分かっていないタイミングというんですけれども、これが、挿入を伴う被害に遭っていても十・八年。平均で、あれは私は被害に遭ったんだ、僕は被害に遭ったんだと分かったのが十・八年後と。いわゆるそのぐらいかかるというものです。  また、二〇一七年、刑法改正がありました。これは実に百十年ぶりに刑法改正があったわけですけれども、この中には積み残された課題がたくさんあります。今申し上げたように、被害があったんだと気づくまで十・八年以上、三割以上が十一年以上かかっていると言っています。ただし時効があります。強制性交等罪は十年が時効です。また、強制わいせつ罪は七年。気づいたときには時効が成立しているというのが今の課題です。  また、暴行や脅迫があったことを被害者側が裁判で立証しなければならないということもあります。また、上司と部下、先生と生徒、学校においては先生と生徒ということになりますが、こういう地位関係を利用した性犯罪に関しては、あまり法的には触れられていません。全く無視されている状態です。  あと、今話題になっています性交同意年齢の引上げ。今、日本は世界でもびっくりするぐらい低くて、十三歳であります。ここに関しても、十三歳って、まだ中学一年生であります。こういった法改正がまだまだ必要だという環境があるということを申し上げたいと思います。  さきの一般質問では、は、東京都教育委員会が作成した服務に関するガイドラインを活用して研修を実施するということで、服務事故防止を徹底してきたとおっしゃっていました。教職員の服務に関するガイドラインには、不適切な行為、セクシュアルハラスメント等の禁止として、他者の目に触れにくい場所での児童生徒に対する個別指導の禁止、児童生徒等に対する指導上不必要な身体接触の禁止などが具体的行動と示されておりますが、具体的には、このガイドラインはどのように活用されていますでしょうか。また、性犯罪防止のためにどのように位置づけられていますでしょうか。伺います。 ◎毛利 教育指導課長 教員の服務事故防止に向けてですけれども、服務に関するガイドライン等を活用し、各学校において、年度当初や夏と冬の二回実施する服務事故防止月間での研修はもとより、毎月の職員会議、朝夕の打合せなど、あらゆる機会を通じて研修を行っております。  わいせつ行為、セクハラについてはガイドラインの第Ⅰ章の一に位置づけられており、真っ先に取り組むべき内容となっております。研修においては懲戒処分になった過去の事例を複数取り上げ、具体的な場面で、どのように行動しなくてはならないのかを学んでおります。  世田谷の学校における服務事故は減少傾向にありますが、引き続き、服務事故の根絶に向けて取り組んでまいりたいと思っております。 ◆中山みずほ 委員 それ以外に、の教育委員会として取り組んでいる性犯罪防止の取組はありますでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 これまで教育委員会主催の全ての研修において、研修の冒頭等に体罰等についての自己点検や、効果的な指導を話し合う場面を設け、教員の服務事故防止に取り組んでまいりました。今後ですけれども、性犯罪防止の研修内容を研究いたしまして、わいせつ行為の根絶に向けた研修の実施と指導の徹底を併せて図ってまいりたいと思っております。 ◆中山みずほ 委員 今またちょっと、ほかの自治体事例として、毛利課長もお話を聞いていらっしゃるかと思うんですけれども、この千葉市の子どもへの性暴力防止対策についての提言というのがあります。これが本当にすばらしいんです。私も全部読ませていただきました。ホームページでも、もちろんダウンロードできます。  ここの中を見ますと、ちょっと御紹介しますと、千葉市では子どもへの性暴力発生防止の方策として、教育長が、性暴力から子どもを守る安全・安心な学校づくり宣言を、まず行っています。その中で発生の防止、早期発見、発見後の適切な対応を具体的に示しています。あと、この中に基本的な考え方が示されています。  これがまたすばらしいのは、まず一つ、教職員による性暴力は、法的な性交同意年齢に関わらず、学校現場では同意がある行為として評価されてはならない。いわゆる同意があるとは決めないということが明言されています。また、児童生徒に負荷をかけないようにするということで、実際、被害に遭ったといったときに、それ以上二次被害とならないようなことも明記されています。三つ目に、たとえ加害者が事実を否定したとしても、学校は被害者と加害者をまず分離する、そして、一人の性暴力被害児童生徒が判明した場合には、明らかになっていない性暴力被害児童生徒がいることを前提に、ほかの児童生徒の被害の開示を促すように、カウンセリングを適切に個別的対応を行わなければならないというふうに書かれています。  また、具体的なところで、加害者への対応は教育委員会が行うけれども、被害者の被害確認、面接等は児童相談所などノウハウのある機関が行うと、役割分担にも明記されています。学校は性暴力被害者支援のプロではないと明確に認めていて、児童生徒に対してはプロが行うべきだということも書かれています。  具体的には、発生の防止、まず発生をどうやったら防止できるかということに関して、物理的、学校の中ですね。物理的資格をゼロにする。あと、担任依存からの脱却、密室での一対一の禁止。これは実際、学校現場を見ると、私自身も経験がありますが、一対一に先生となるというのは普通にあるんですよね。指導をもらったりとか、遅れたところを教えてもらうとかって普通にあることですが、これを禁止しています。  また、心理的死角をなくすという、性暴力を生まない環境の整備をしています。また、子どもの守られる権利の保障を制度化しています。加害教職員個人の問題ではなく、学校全体の問題であるという認識の共有、教師の権力性を前提とした制度の構築、教職員の採用段階、養成段階における取組、教職員相互のチェック機能、報告義務、相談体制の充実ということも書かれています。また、性の人権教育の重要性ということも触れられていまして、この人権教育、さらなる推進ということで、児童生徒の、性教育の話は午前中もありましたけれども、ここにも触れられています。  このようなものをでもつくったらいいのではないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 今、委員からお話がありましたけれども、まず、教職員の任命、分限、また懲戒等に関しましては、東京都教育委員会に権限があるものですから、東京都教育委員会のガイドラインを活用しておりますけれども、教育委員会といたしましては、性犯罪防止、これを徹底してまいりたいと思っておりますので、今後、どのようなものができるのか、指導資料等の在り方等も含めまして、他自治体の事例も参考にしながら研究してまいりたいと思っております。 ◆中山みずほ 委員 最初に、服務事故は減少傾向にあると先ほど課長はおっしゃられましたけれども、さっき、今、データを見たように、性被害というのが認識しづらいと。ある調査によると、八割の子どもが認識できていないとも言われています。やはり防止が大事だということだと思います。  また、全体の三割が被害認識には、先ほども言いましたが、十一年かかるというデータもありますので、ぜひ徹底的な、まず防止策をお願いしたいと思います。  以上で私からの質問を終わります。 ◆羽田圭二 委員 私のほうからは、今日も多くの委員から質疑されておりますけれども、いじめと不登校の問題から質問をしたいと思います。  区内の小中学校のいじめの認知件数、今日、午前中、午後もお話がありました。その認知件数自体は横ばいといいますか、世田谷の場合はそのような数字になっていると。それから、不登校の件数は増加傾向にあるということが分かっていると。区立小学校から、先ほどいそだ委員も言っていましたが、区立中学校への進学率、これも横ばいという状況なのではないかということで、いじめの認知件数なんですが、二〇一八年が、たしかピークだというふうに世田谷の場合は言われておりまして、その際、三百四十一件あったということが言われているかと思います。  もう一つデータなんですが、区内の教員の休職者数ですね。これが小中合わせて三十七名に及んでいるというお話です。  私は、このいずれの課題も、は未然防止対策が大切だというふうに言ってきたわけで、そうであるならば、どのような対策が取られてきたのかということを改めて点検する必要があるだろうという観点から、今日の質問に至っています。  最初に、「ゲゲゲの鬼太郎」という漫画がありまして、一九七一年ぐらいにテレビで漫画の放映がされたというふうに伺っているんですけれども、この漫画について知っている方はいらっしゃいますでしょうか。知っているかどうかというのを答えていただきたいですね。すみません。 ◎毛利 教育指導課長 よく愛読しておったんですけれども、妖怪が出てくる漫画です。 ◆羽田圭二 委員 そうですよね。私もあんまり記憶がないんですけれども、少年サンデーとかマガジンとかに、何か一回掲載されたんですかね。その後、テレビ放映が七一年ということなので、私ももう、多分中学校を卒業しているんじゃないかと思うんですけれども、その頃から始まって。  問題というか、ここであるのは、私が言いたいのは主題歌なんですね。これはいろんな方が歌っているんですけれども、熊倉一雄というのが、何か歌っていたらしいんですけれども、最近は氷川きよしさんが歌っているんですかね。  その中で、その漫画の主題歌の中で「おばけにゃ学校も試験もなんにもない」というのがあるんですね。そういうくだりがあるんですね。学校がないというのは、ちょっと困っちゃうんですけれども、試験がないというのはあるのかなと。ただ、あと、これは前後するんですけれども、「今日は墓場で運動会」というのがあるんですね。だから運動会もあるんですね。運動会はあって学校はないんだという話なんですけれども。  そこで、この主題歌で言われている「試験もなんにもない」というやつですね。これはかつてというか、今でも話題になっているのかもしれませんけれども、公立中学校で定期試験を一旦廃止をしたという学校があって、それが区内の桜丘中学校と千代田区立の麹町中学校だということで、以前話題となりました。ただ、そうはいっても、なかなか全面廃止ということにはなっていないということは、それはそれで伺っているんですが、現在に至っていると。  既に両校とも校長先生が、たしか替わっていまして、あえてその校長の名前とかは、私は言うつもりは全くありません。その上で、今日的な話になっていたと思いますが。あと、よく言われているのが校則ルールの廃止だとかですね。なかなか公立学校では、できないと言ったらおかしいですけれども、なかなか賛否両論あって、非常にいろんな御意見も含めてあったのではないかと思います。  もう少し、その桜丘中学校の現状も含めてなんですけれども、見ていくと、学校選択制を取らないと言ってきた世田谷ですが、指定校以外の登校を基本的に認めてこなかったわけですけれども、依然、桜丘中学校は学区域を超えて登校されているお子さんの数が多いと。今年度は、当初六十四名の指定校変更があり、中途で既に十名がということになっていまして、七十四名が、もう指定校変更で通われているという状況になっているという話です。  そこで、区立桜丘中学校は現在でもそうした状況が続いているんですが、子どもたちを引きつけるものは何かということだと思うんですね。教育委員会は、その意味では、この桜丘中学校の取組に何を学んできたのか。これを最初にお聞きしたいと思います。 ◎塚本 副参事 世田谷は、全小中学校が地域運営学校となっているため、地域の学校に進学することを基本としておりますが、一方で、地域外の学校を選択して通っている子どもたちが一定数いることは認識しております。  その中で、桜丘中学校では、当たり前に教室で学ぶということに縛られず、教室で学ぶことが難しい生徒のために、職員室前につくられた個別の学習スペースや、子どもたちがいつでも使用することができる共有の学習スペースを設けております。このような一人一人を大切にすることを基本とした取組が、指定校変更を希望する生徒数の増加の一因になっていると考えているところです。 ◆羽田圭二 委員 今お話があったように、いろいろ個々の生徒といいますか、そこを尊重した対応がなされていると。二〇二〇年の三月の予算特別委員会で、先ほど質問いたしました中山委員から、次のようなことを言っています。  桜丘中の個に応じた教育や、子どもの自主性を重んじる方針は、全体の不登校対策やインクルーシブ教育に寄与する要素があると考えるが、いかがかという質問ですね。それに対して、途中省きますが、「世田谷が取り組もうとしている教育の質の転換ですとか、誰ひとり置き去りにしない教育に通ずるところがあるものと考えております。桜丘中学校のどのような取り組みが子どもたちを引きつけることにつながっているのかを分析し、その取り組みを世田谷全体の不登校対策やインクルーシブ教育のレベルアップにつなげていくことができるよう研究を進めてまいります。」という当時の教育指導課長の答弁があります。  ここで言っている、要するに、分析と研究というふうに言っているんですが、それがどのようにこの間、進められてきたのか、お聞きします。 ◎塚本 副参事 指導主事等が学校訪問の際に桜丘中学校に在籍する不登校であった、あるいは不登校傾向があった子どもたちが、生き生きと学習する様子を見ることができました。その要因としては、一人一人の居場所が確保され、自分のペースで学ぶことができること、また、生徒会が中心となって自分たちに必要な活動を考え行動するなど、自主活動が盛んであることが挙げられます。  このことから、生徒の自主性を尊重するだけでなく、子ども同士が互いを認め合うことにもつながった教育活動が実践されていると考えております。 ◆羽田圭二 委員 それは、ですから、以前に教育指導課長が答弁をした、世田谷が目指す教育方針といいますか、そことどうなのかということなんですが、その点はいかがですか。 ◎塚本 副参事 今、御指摘のとおり、世田谷で考えている一人一人を大事にするということに関しては、先ほどお話ししたとおり、子どもたちの居場所が確保されているということとか、自分自身で物を考えていくというふうな環境ができておりますので、その考えに沿っていると考えております。 ◆羽田圭二 委員 もう一つ指摘しておきたいことが、区内三か所、これも中山委員がたしか指摘しているんですが、区内三か所のほっとスクールの利用者数の偏在といいますか、城山と尾山台の一日の平均利用者数が定員数に届いていなかったと。当時の話ですけれども。希望丘は定員を上回る子どもが利用していると。これは改善されたのかどうか。その改善をどのように得られたのかということについて、お聞きしておきたいと思います。 ◎塚本 副参事 ほっとスクール希望丘は開設当初に利用者が集中し、定員を上回る利用状況がございました。その後、令和二年四月に定員を三十五人から五十人に増やしたことにより、また、運用から三年目を迎えたことにより、現在は安定した利用状況になっています。  また、今年度利用状況を見ると、ほっとスクール城山は定員二十五人のところ、一日の平均利用人数は約十八人の利用、ほっとスクール尾山台においては、定員十名のところ、一日の平均利用人数は約十四人の利用と、定員を上回る利用人数となっております。ほっとスクール城山と尾山台につきましては、ほっとスクールにおける魅力ある行事やイベント企画の実施により、利用人数が増えているのではないかと考えております。  引き続き、三つのほっとスクールでの合同会議やイベントを通じて、ほっとスクール希望丘のノウハウ等を共有してまいります。 ◆羽田圭二 委員 希望丘には何度か私も伺っていますけれども、お子さんといいますか、生徒児童の、非常にそれぞれ期待とか、あるいは内容、一日の生活等についても直接話を聞いて決めていくといったような、そういうことが進められているんだと思うんですね。そうしたことも含めて、ぜひ生かされていく必要があるのではないかと。  それから、もう一つは、学習塾など、産業分類で言いますと教育、学習支援業。これは区内の伸びなんですが、実は、千百事業所ぐらいで大体この数年推移していたんですが、平成二十四年で一回、千以下、九百四十二事業所に減るんですけれども、翌年度からまた再び千事業所を超えるようになっていて、現在は千二百事業所、統計を見る、現在見られる範囲ですけれども、そういう事業数になっています。  これも教育分野での課題になってきたかと思いますが、現在の学校の学習だけでは不足だと感じているお子さんへのフォローですよね。それを、言い換えれば学校の外側で行われているという状況があるんだと思います。そうなっていきますと、小中学校の児童生徒の塾通いについて、その人数は把握、多分していないんだと思うんですが、把握していれば教えていただきたいのと、教育産業やNPO団体なども含めて様々な支援が行われているわけですが、本来、公教育が果たさなくてはならない、そういう役割は私はあると思っているんですが、その点はいかがでしょうか。
    ◎塚本 副参事 今、委員御指摘の通塾率みたいなものについては、特段教育委員会では把握しておりません。教育委員会といたしましては、家庭の社会的な背景や障害の特性及び心身の発達の段階など、様々な課題を乗り越えて、子どもたち一人一人の学習を保障して支援していくことは重要であると認識しております。  子どもたちが地域と共に育つという観点や、カリキュラムマネジメント、教師の長時間勤務の状況等を踏まえ、教師のみならず、家庭や地域の協力を得ながら人的、物的な体制を整えて教育活動を展開することも重要であると捉えております。例えば、保護者や卒業生が主体となって、学習支援や進路についての相談を、休日の学校を会場に行っている中学校もあります。  今後は学校の取組や、都や国の動向を注視しながら、個別最適な学びの実現に向けて努めてまいります。 ◆羽田圭二 委員 ぜひその点も改善が求められていると。  大きな項目としては、あともう一つは、関連してですが、子どもの権利保障の問題なんですね。麹町と桜丘の二つの中学校に共通していることが私はあると思っていまして、その一つに、生徒会の中で何々を廃止をしたとか、生徒会の中で何々を決めたとかというのが共通点としてあって、麹町は運動会のクラス対抗リレーというのは廃止をして、桜丘中学校は、先ほど言った定期試験とか校則のルールについて一定の見直しを図ったということが、生徒総会で決めたということが言われているかと思います。  大事なことは、その決定のプロセス、どのような理由と内容で廃止をしたのかとか、決めたのかとかいうことと併せて、そもそも子どもたちが自ら考え決定する、決定権とか選択権とか言うかと思いますが、子どもたちの意見を尊重する学校運営、このところに着目することではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。 ◎塚本 副参事 今、御指摘のとおり、子どもたちが自分たちのこととして決定権とか選択をしていくということは、非常に重要であると考えております。中学生であると、やはり学級で考えたことを、それを生徒会のメンバーが考えていき、また、代表委員会とか生徒総会で決めていくというプロセスは、行っていっている学校も区内でも多いと聞いております。そういうふうな取組の中で、子どもたちが様々な自分たちの権利を考えていけるような、そういうふうな学校運営ということは非常に必要であると考えております。 ◆羽田圭二 委員 桜丘中学校に、先ほど申し上げたように指定校変更した方が、生徒数が多いと。そういう中で、不登校になってしまった生徒の居場所が校内にあるということは先ほど言われていました。これは、やってきたこと、桜丘中でやってきたことを他の学校でやり始めているというようなことも伺っておりますが、それらを含めて、今後どのようにこれを考えていくのか。あるいは、広げていくということがあるのかどうかも含めてですが、お聞きしておきたいと思います。 ◎塚本 副参事 学校教育において、人権尊重の意識を高め、生徒の自主性を尊重し、自己肯定感を高めていくことは大変重要であると認識しております。桜丘中学校においては、不登校生徒のための進路説明会や居場所づくりなどの取組がなされてまいりました。このような桜丘中が実施したノウハウを参考にしながら、児童生徒の実態に応じて不登校対策などを実施している区内の学校もございます。  世田谷区立小中学校では、各学校が特色ある学校運営を行っておりますので、校長会や副校長会等で情報共有を行いながら、そのよさを広めてまいります。一人一人の子どもたちが、より一層充実した学校生活を送ることができるよう、引き続き、教育委員会といたしましては、各学校の学校運営を支援してまいります。 ◆羽田圭二 委員 ぜひこれからも続けていただきたいと思います。  子どもの心に寄り添うといったときに、現在の学校の組織、機構では個々の子どもの心に寄り添うことが極めて難しいのではないかというふうに私は思っています。現在のクラス編制となれば、担任の教員はクラス全体の児童生徒を見なければならないということなんですが、それも非常に困難さを抱えているという状況にあるかと思います。  先ほどの前半の質疑にもありましたけれども、教員が個々の子どもに向き合って、一人一人の成長を見る、このことが非常に難しいのではないかと思いますが、見解を伺います。 ◎塚本 副参事 各学校において、教員が子ども一人一人のよりよい成長に関わっていくためには、子どもの抱える問題を十分に把握して、心理面や福祉面において幅広い視野を持って対応することが重要であると考えております。しかしながら、現在の教員の業務内容や労働の実態では、教員だけでは多岐にわたる問題に対して十分に対応し切れないことがあるとも認識しております。  子どもが家庭で抱える問題や、心理面での支援などに対して、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの専門家を活用してまいります。教員と連携して取り組んでいくことで、子ども一人一人の……。 ○加藤たいき 委員長 以上で世田谷立憲民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時二十一分休憩    ──────────────────        午後四時三十五分開議 ○加藤たいき 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆ひえしま進 委員 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑を始めます。  学校における新たな新型コロナ対策である、修学旅行など行事前に行う抗原定性検査についてお聞きします。  我が会派は、これについて明確に反対しております。その理由は、まず、PCR検査よりも感度が劣る抗原検査を無症状者に行っても陰性証明にはならないということであります。また、検査は希望者のみ、行事の前日にたった一回実施するというもので、検査を受けない人もいますので、全体の安全安心の保証にはならないということであります。  文科省も、この前の一般質問でも言いましたけれども、PCR検査を受けられない有症状者への緊急措置として使用する旨、通知していますし、日本医師会の中川会長も、抗原検査は陰性証明にならない、あくまで有症状者でPCR検査を受けられない人に限って使うべきと主張しています。つまり、この施策は無症状者へ何が何でも検査をしたいという保坂区長の強いこだわりにすぎず、科学的知見を用いず、区民利益を度外視した続・世田谷モデルであります。世田谷モデルは、希望した施設が対象の三割しかありませんでした。  以上は一般質問で指摘したことですが、実際に教育現場では、既にこの抗原定性検査が実施されてしまっていますので、その状況をお聞きします。検査を希望しない児童生徒の割合が分かれば、これもお答えください。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、二学期の開始に当たりまして、新型コロナウイルス感染症が深刻化している状況を踏まえ、学校での感染拡大の防止を目的としまして、社会的検査の担当所管と連携し、随時のPCR検査に加えて、新たに抗原定性検査を導入することといたしました。抗原定性検査を実施するケースとしましては、陽性者が判明した場合に、その濃厚接触者に対して実施する場合と、宿泊行事や部活動の大会参加前に該当する児童生徒に対して実施する場合の、二つのケースとしております。  御質問の修学旅行などの行事前に行う抗原定性検査の実施状況でございますが、昨日、十月十一日現在で、宿泊行事前の実施が小学校で二十四校、中学校で一校となっておりまして、合わせて約三千百名、また、部活動の大会参加前の実施が中学校二十四校で約三千百名、合計で約六千二百名に検査キットを配付し、その結果、今のところ学校から陽性が判明したという報告はございません。  また、検査を希望しなかった児童生徒の割合ということでございますけれども、こちらについては、検査自体が任意のものでありますので、その割合までは把握しておりません。 ◆ひえしま進 委員 現場の負担となることから、検査キットを配付しない自治体もあるとのことですが、世田谷の場合、現場の先生や保護者の声はどういったものがあるか教えてください。 ◎前島 学校職員課長 教育委員会としましては、行事前の抗原定性検査を実施している中では、学校や保護者からの御意見は具体的にはいただいてございませんが、検査キットを使用する上では、様々な疑問や不明点などが出てくるものと認識してございます。そのため、検査を実施する際に学校が実施、対応するためのFAQや、各家庭で検査キットを使用するための分かりやすい説明書などを作成し、滞りなく検査が実施できるようにしてございます。今後も、検査を実施していく中で、様々な御意見をいただきながら教育活動を継続していけるよう努めてまいります。 ◆ひえしま進 委員 百歩譲って、修学旅行などの宿泊行事前に検査することは、その気持ちはまだ理解できるとしても、部活動の大会前というのはどうなのかなと思います。  十月四日の日経新聞の夕刊に出ていましたが、今夏開催された全国高校総合体育大会、このインターハイの柔道で、PCRのスクリーニング検査で陽性となった選手が、その後、医療機関を受診して陰性になったにもかかわらず、その選手だけではなく、チーム全体が出場できなかったという例がありました。しかし、同じくバスケットの男子では、初め陽性疑いになっても、その後の医療機関などで陰性になれば出場できるという運用をしたとのことでした。  抗原定性検査はPCRとは違って、こういう検査上のトラブルは起こりにくいとは思いますけれども、問題は、陽性者が出た場合に修学旅行や大会の実施、参加の可否をどう決めるのか、判断基準、運用はどうなっているのかということでありまして、学校間でばらつきがあってはならないと思います。この点をお聞きします。 ◎田中 学務課長 陽性疑いとなった方は修学旅行や大会への参加を控えていただきます。その後、PCR検査を受診していただきます。なお、行事については基本的に実施をしてまいります。 ◆ひえしま進 委員 基本的には行事を実施するということなので、安心はしましたけれども、この記事でも、陽性疑いになった選手がチームに負い目を感じ、悩み苦しんだ例があって、心のケアの必要性を強調していました。一般質問でもこの点をお聞きしましたが、現在は幸いにして陽性者が出ていないということですが、今後、陽性者が出た場合、どうケアしていくつもりなのかお聞きします。 ◎田中 学務課長 抗原定性検査で陽性となり、宿泊行事や大会に参加できない児童生徒には、しっかり寄り添う心のケアを行い、周りの子どもたちには、新型コロナウイルスが誰もが感染する可能性があり、不当な差別や中傷が許されるものでないことをしっかり伝えるよう、学校へ指導してまいります。 ◆ひえしま進 委員 シーズンになってきたので確認しますけれども、運動会でも抗原定性検査をするということでよろしいですか。 ◎前島 学校職員課長 現在実施してございます行事前の抗原定性検査につきましては、宿泊行事前の検査と中学校の部活動の大会参加前の検査に限定してございます。これらの行事につきましては、ふだんの学校生活同様の感染対策の実施が困難であることや、部活動の大会への出場に当たり、安心して参加できる環境整備のために検査対象としたところでございます。  委員お話しの運動会につきましては、通常の学校内における教育活動の一環であること、また、本年の春に実施した運動会において、学校ごとに感染対策を工夫しながら実施し、それによるクラスターが発生していないことなどによりまして、運動会は検査の対象としてございません。 ◆ひえしま進 委員 部活では検査して運動会では検査しないというのは、理解に苦しむところでありますけれども、これは検査を強いられている教育委員会の苦悩が表れているというふうに受け取りたいと思います。  運動会についてですが、昨年は学年ごとで入れ替わるなど、それぞれの学校で様々な感染対策を講じていたと思いますけれども、今年はどのような対応を取る学校が多いか、教えてください。 ◎毛利 教育指導課長 昨年度は多くの学校で学年ごとの入替え制にしたり、種目数を減らしたりといった工夫や、保護者の人数制限、動線を一方通行にするなど、新型コロナウイルス感染症の防止に努めながら運動会を実施いたしました。  今年度は昨年度の取組を踏まえ、学年ごとの実施や種目の精選、動線の確保等に取り組むとともに、オンラインで運動会の様子を送信するなど、より一層の工夫を行い、運動会を実施しております。 ◆ひえしま進 委員 ここ最近は、急速にコロナの感染者数が減ってきておりまして、当然、引き続き怠りなく予防策を講じていかなければなりませんが、本家の世田谷モデルである定期検査は先月で終了し、スクリーニング検査も今年いっぱいで停止とのことです。この行事前検査はいつまで実施する予定なのか、確認します。 ◎前島 学校職員課長 抗原定性検査の実施期間につきましては、本年九月から十二月末までとしてございます。 ◆ひえしま進 委員 十二月で終了ということですから、やはり区長のパフォーマンスにすぎないということを強く指摘しておきます。  学校では慎重に感染対策を行ってきたことは承知していますけれども、我が会派の桃野議員も一般質問で取り上げていましたが、保護者の方から、塾など民間施設では、マスクは不織布のみと限定されているところもあるが、学校はどうなっているのかという声が届いています。どう対応しているか伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 新型コロナウイルス感染症対策のため、教育委員会では学校、園における新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインを作成しまして、感染拡大防止を効率的かつ効果的に行えるよう、各学校に周知しているところでございます。  委員御指摘の学校でのマスクの着用につきましては、九月八日に保護者の皆様に対して、一般的なマスクの中では最も効果があるとされている不織布マスクを可能な限りお願いするとともに、学校に対しても、教職員に不織布マスクの着用を指導するよう通知しているところでございます。なお、児童生徒や教職員の中には、感覚過敏、皮膚疾患、呼吸器の病気などにより、指定した素材での着用や、マスク自体の着用が難しい場合もあることから、個々の事情に応じた配慮についても併せて学校に指導しております。  今後も機会を捉えまして、不織布マスクの使用を推奨するとともに、正しく着用することが重要であることを周知し、学校での感染対策を徹底してまいります。 ◆ひえしま進 委員 HPVワクチンについてお聞きしますが、先日の福祉保健領域で他会派からも質疑がありました。国による積極的な勧奨が再開される方向となりまして、私も質問で取り上げてきましたので、大変喜んでいるところであります。  WHOは子宮頸がんを撲滅できるがんとして、二〇三〇年には女性の九割が十五歳までに接種を完了するという目標を掲げており、我が国は大幅に遅れを取っています。接種対象は小学校六年生から高校一年の女子となっておりまして、男子への拡大も議論されているようですが、学校現場での対応が大きな鍵を握ると考えます。今後の取組を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 子宮頸がんワクチン、いわゆるHPVワクチンにつきましては、平成二十五年度に定期接種が開始されておりましたが、厚生労働省から、副反応の発生頻度がより明らかになり、適切な情報提供ができるまでの間、積極的な接種の勧奨を差し控えるとの通知を受けまして、現在では積極的な勧奨を見合わせております。  令和二年十月には、ワクチンの有効性及び安全性等の情報提供に取り組むことが国から勧告をされまして、ではそれに基づき、接種対象者及び保護者宛てに国が作成したリーフレットを、からのお知らせとともに個別に送付しまして、その中で接種に関する相談窓口を御案内するとともに、学校に対しては接種対象の児童生徒より学校に接種についての相談があった場合には、国や都の相談窓口を御案内いただくようお願いしております。  なお、委員お話にありましたとおり、先日、厚生労働省の検討部会がワクチンの安全性や効果などを検討し、勧奨を妨げる要素はないと確認したと報道されております。今後、積極的なワクチン接種の勧奨が再開される可能性も考えられます。  教育委員会としましては、勧奨の再開に備えて国の動向を注視し、必要に応じて対象の児童生徒及び保護者への周知方法や学校への情報提供について、事前に保健所とも調整するなど適切に対応してまいります。 ◆ひえしま進 委員 最後に、学校での体育座りについてお聞きします。  この姿勢は児童生徒の体を痛めるからやめるべきとの専門家の指摘があります。山口県のある中学校では、これを廃止したと聞いていますが、世田谷の現状はどうなのか教えてください。 ◎毛利 教育指導課長 体育座りは、文部科学省の体育における集団行動の手引きに、体育座りの方法と図が掲載されて以来、集団行動様式の一つとして教育現場では定着しております。しかし、ニュースなどでも指摘されているように、その座り方による体への負担について様々な御意見があることは認識しております。子どもたちの健やかな成長に向け、今後、の体育を専門とする校長先生や教員の方々とも相談しながら、よりよい方法について研究してまいります。 ◆ひえしま進 委員 田中優子委員に替わります。 ◆田中優子 委員 替わりまして、私、田中優子から質問いたします。  まず、生涯にわたって子どもの視力を守ることができる可能性が高いと言われている、スポットビジョンスクリーナー、屈折異常を早期に発見する機器ですが、先週の福祉保健領域の質疑で確認しましたところ、来年度から導入する準備を進めているということで、本当によかったと思っております。  今年の三月の時点では、福祉所管では消極的な答弁に終始していました。ですから、私は、この文教領域で教育長に、福祉所管と協議して進めてほしいと申し上げました。渡部教育長からは、スポットビジョンスクリーナーはとても効果的であると聞いている、福祉所管と連携をしながら進めていくという力強い答弁をいただいたわけですが、恐らくあのときの教育長答弁が、来年度スポットビジョンスクリーナーの導入になるということにつながったのではないかと私は思っております。教育長のあのときの英断に感謝いたします。  まずは、来年度から三歳児健診、福祉のほうですね。そこで、このスポットビジョンスクリーナーを取り入れるということですけれども、例えば転入してきて、世田谷で三歳児健診を受けていないという子どもや、就学前相談を受けたい子、あるいは療育を希望するとか通級利用を考える子、様々な子がいるわけで、三歳児健診で取りこぼしているという子どもたちにも、ぜひ検査を受ける機会をつくるべきだと私は思います。  来年度は三歳児健診に初めて導入することで、いっぱいかもしれません。が、その後、できるだけ速やかに就学前健診でも実施できるよう準備していただきたいと考えるところですが、いかがでしょうか。 ◎渡部 教育長 令和三年三月の予算特別委員会での答弁を踏まえ、スポットビジョンスクリーナーの導入について、保健所と今後の進め方などを整理するよう担当に指示をしました。今般、保健所が次年度の三歳児健診での活用に向けて準備を進めることとなりましたが、小学校入学前に視覚異常を早期に発見して治療につなげることは大変重要なことと認識していますので、引き続き検討をしてまいります。 ◆田中優子 委員 ぜひ、それもお忘れなく準備を進めていただきたいということを要望しておきます。  次に、ICT教育関連で幾つか伺ってまいります。  今年の夏、お子さんが区立中学校に通っているという保護者の方から相談がありました。から貸し出しされているタブレットには勉強に関するもの以外は入れてはいけないということになっているけれども、友達がふざけてゲームを入れてしまった、高校受験を控えているのだけれども、推薦受験ができなくなるということも聞いたりして、どうしたらよいか悩んでいますということでした。私からは、まずは担任の先生に現状を正直に話して相談してみるということをお勧めしました。結論といたしましては、何も問題はなく、受験にも影響はないと担任の先生から言ってもらえたということで、そのお子さんも保護者の方も安心されたようです。  しかし、です。他人のタブレットを勝手に操作することができるということは、問題ではないかと私は思いました。なぜそんなことができるのかというと、端末のパスコードがクラス全員同じだからでありました。それを聞いて大変驚きました。確かに、一人一人パスコードが違うと、パスコードを管理するという先生はとても大変だと思います。子どもたちは忘れてしまうこともあるかもしれません。とはいえ、それではICTリテラシーが育たないと思いますし、今回のようなトラブルが起きたりもするわけです。その学校では、相談者の方以外にも、ほかにも同じようないたずらがあったということです。  まず、タブレット端末の現在の設定はどうなっているか、伺います。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 学習用タブレット端末の設定につきましては、子どもたちがタブレットの利用に習熟するまでの間は、端末のロックを解除するパスコードを共通のものにしておりました。一方で、マイクロソフトアカウント等のタブレット端末で使用する学習用アプリのIDは、児童生徒一人一人に異なるランダムな英数字のパスワードを設定し、他人になりすまして利用できないようにしております。  また、意見交換等に活用するため、マイクロソフト社のチームズアプリでチャット機能を利用できるようにしておりますが、必ず教員の管理下でやり取りが行われるよう設定しており、児童生徒のみでのやり取りはできず、チャットでのやり取りを後で削除できないようにしております。  なお、SNSや有害サイトは、フィルタリング設定によりブロックすることで安全な利用を確保しております。 ◆田中優子 委員 先月中旬には、町田市の小学生が二〇二〇年十一月に自死をしていたと。それは、タブレットの端末がいじめに使われたことが原因だったということが報道されました。九月十五日の東京新聞では、「配付端末いじめの温床に」という非常にセンセーショナルな見出しがつけられていました。  世田谷では町田市の事件のようなことはできないような設定だと、今、分かりましたけれども、端末のパスコードが共通というのは、やはりセキュリティー的に問題だと考えます。今後、設定変更も含め、どのように対応していくのかについてお聞きいたします。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 端末のパスコードに関しましては、これまでICT機器を使ったことがない児童も使用することも踏まえ、導入当初は共通のものを設定し、子どもたちが利用に慣れてきた段階で変更することとしておりました。学習用タブレット端末の導入から半年が経過し、利活用も軌道に乗ってきているところであり、なりすましなどの不正利用を防止する観点からも、端末の設定変更の時期が来たと判断しております。  既にセキュリティー強化のため、個人単位で任意のパスコードを設定いただくように運用変更を行い、授業等の機会を利用してパスコードの変更を進めており、近日中に全ての端末のパスコード変更を完了する予定でございます。  今後とも、セキュリティーの確保に万全を期し、子どもたちが安全にタブレット端末を授業や自主学習に活用できる環境を整えるとともに、各アカウントのパスワードや端末のパスコードを他人に教えないようにするなど、ICTリテラシーの指導につきましても改めて徹底してまいります。 ◆田中優子 委員 既に近日中にパスコード変更、それぞれになるということが完了するだろうということで、それについてはよかったと思います。  次に、学習用タブレットの活用について、さらなる活用について伺ってまいります。  世田谷区内の公立の全ての学校やフリースクールへのWi―Fi環境の整備、そして、生徒がWi―Fi環境を利用して使えるプリンター、インクなどの備品をしっかり整備して、必要なときはiPadから印刷できる環境を整えてほしいという要望が届いています。例えば、障害によって書くことが苦手なお子さんが、カラーテスト、漢字テスト、定期考査などの試験を受ける際、解答用紙を写真撮影し、「グッドノート」というアプリの編集機能を使って、そこに書き込みしたものを印刷して提出するという事例があるそうです。このとき保護者の方は学校と相談して、Wi―Fi環境がなくても使用できる、ちょっと高めの、高いらしいんですけれども、そのプリンターを御自身で用意して学校に持ち込んでいるということです。  ほかにもiPadを使ってテストを受けるとよいであろうと考えられる児童生徒はいると思いますが、学校貸与のiPadにアプリを入れることができなかったり、学校にテストを印刷できるプリンターがなかったりするため、また、保護者が自身で用意するには金銭的な負担が大きいということも考慮すると、先生としては勧めづらいという状況があるということを伺いました。  このようなことを考えると、障害のあるなしにかかわらず、全ての児童生徒が必要なときにいつでも使えるプリンターが学校に設置されていれば、iPadの使い方の幅がもっと広がると思いますし、また、保護者が個人的に用意して持ち込まなければならないという、このような状況は、すぐにでも改善すべきではないでしょうか。タブレット端末内のデータを簡単に印刷できるように学校のプリンターを増やすべきであると考えますが、見解を伺います。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 学習用タブレット端末内のデータは、現在のところタブレット端末から直接印刷ができず、クラウド上のファイルサーバー等でデータを共有し、パソコン教室や職員室等に設置するパソコンからアクセスして、同じ場所のプリンターから印刷という流れになっております。このような方法で印刷できるプリンターは、小学校に四台、中学校に六台設置を基本としておりまして、さらに追加設置を行っている学校もございます。  タブレット端末は原則としてペーパーレスによる利用を想定しておりますが、必要に応じて簡単に印刷できるようにするため、リース期間満了に伴うプリンターのリプレースの際には、タブレット端末から直接印刷できるようにするとともに、増設も含めて検討してまいります。  また、委員お話しの事例にありましたような、配慮を要する児童生徒の提出物等の印刷対応等につきましても、個別の事案に応じて学校と相談しながら、必要と判断される学校については、プリンターの増設等の対応を検討してまいります。 ◆田中優子 委員 増設について対応していっていただけるということで、よかったです。  さらに、アプリの活用について伺います。小中学校でiPadの貸与が始まっているわけですけれども、保護者の方から見て、LD等の発達障害がある子どもと相性がよいとされているアプリがあるそうなんですが、それらが入っていないということなんですね。世田谷ではアプリのダウンロードは禁止されているので非常に残念ですとおっしゃっていました。  発達障害があっても、使い方によっては、これまでよりずっと学びの機会が増える、それがICT教育のよさであるはずです。ここはぜひ、希望があればから貸与しているiPadに障害のある子の学習と相性のよいアプリのダウンロードができるように、例えば校長権限を持たせるなどの工夫はできないでしょうか。伺います。 ◎齊藤 教育ICT推進課長 学習用タブレット端末は、安全で安定的な利用環境を確保するという観点から、自由にアプリ等をインストールすることはできず、教育委員会が一元管理していく設定にしております。一方で、学校や保護者、児童生徒からあらかじめインストールされていないアプリ、有用なアプリを新たに追加したいという要望や提案もございますので、学校からの申請に基づいて教育委員会が審査の上、アプリをインストールできるような仕組みを導入しております。  今後とも、特別支援教育等で活用できるアプリを含め、学習に役立つアプリの積極的な導入を通じてタブレット端末の活用範囲を広げ、学びの環境のさらなる充実に努めてまいりたいと思います。 ◆田中優子 委員 既にアプリをインストールできる、そういう仕組みとして成立しているということなんですけれども、恐らく保護者の方にまでそれが知られていないのかなというふうに思います。ぜひ、もっと活用できるように周知もお願いしたいと思います。  次に、アプリの読み上げ機能のことについて伺います。今使われている「キュビナ」というアプリですが、とてもよいと聞いています。しかし、「キュビナ」には読み上げ機能がないため、iPadの標準機能を使って読み上げるしかないそうなんですけれども、その精度がとても悪くて、何とか改善してほしいという声が届いています。これは何とかならないでしょうか。お聞きします。 ◎隅田 教育研究・研修課長 視覚障害のある子どもや、文字認識に困難さを抱える子どもたちにとって、音声読み上げ機能は学習支援に効果的であると認識しております。ただし、が今年度から導入しているドリル系アプリ「キュビナ」には、現在色覚障害のある児童生徒に配慮した機能や、イラストを拡大する機能などがついておりますが、音声読み上げ機能はございません。  引き続き、事業者に対して読み上げ機能の導入を働きかけるとともに、ドリル系アプリと音声読み上げアプリとの組み合わせや、翻訳機能アプリとの組み合わせの可能性や、ほかの事業者の視覚障害者向けのドリル系アプリの導入についても検討してまいります。 ◆田中優子 委員 きっとアプリなども日々進歩していくというか、日進月歩でいいものが出てくると思うんですね。そういうものにしっかり目を向けて、取り入れていただきたいというふうに思います。  今回相談のあった保護者の方からは、幸いにも、小学校時代も在籍中学校でも、合理的配慮をしていただいて、それを受け入れていただくことで、子どもは毎日楽しく学校に通っています、世田谷の教育環境には日々ありがたく思っておりますという言葉がありました。とても励みになる言葉です。しかしながら、まだまだ改善の余地があるわけです。今回指摘させていただきましたけれども、子どもたちがICT教育の導入によって学べることがさらに増えたと実感できるように、今日、提案、要望させていただきましたことを速やかに、できるだけ実施に向けて検討を進めていただきたくお願いいたします。
     次に、BOP登録をしている子どもたちの長期休暇におけるお弁当対応について伺います。  夏休みなど、朝から夕方まで滞在するとき、新BOP学童クラブの子どもはお弁当を持参して昼食を食べます。ところが、四年生になると学童クラブ登録ではなくなってしまうので、お弁当の持参ができなくなります。保護者の就労という状況は変わっていないのに、四年生になった途端、家に帰って一人で食べなければならないということで、困っているという声を保護者の方々から聞いております。  また、学童クラブに登録していない低学年の子がBOP登録で遊びに来た場合、昼食時には家に帰らなければならないので、とても大変ですという声も届いています。BOP登録でも保護者の働いているケースは多々ありますから、家に帰っても一人ぼっちという心配もあります。  実際、運用面で柔軟な対応をしているところもあるということで、禁止を徹底しているところと、対応にばらつきがあるというふうに伺っておりますが、所管ではどのように把握していらっしゃるでしょうかと聞いたのは、二〇一三年三月十五日です。あれから八年もたつのに、また同じ相談を私は保護者の方から受けるとは、本当に驚きました。  現場では柔軟な運用がなされているものと思っていたのに、いまだ対応がばらばらなのでしょうか。まず、現在運用面ではどのような対応を取っているのか、確認したいと思います。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 BOPは、生活の場としての学童クラブとは異なり、子どもたちの自主的な遊びの場を提供するという観点から、昼食については自宅で食べることを原則としております。ただし、保護者が不在となるなどの理由で事前に申出があり、新BOPで昼食を取る必要があると認められる場合は、保護者の用意したお弁当を食べることができることとしております。  また、学童クラブの対象ではなくなった四年生のBOP登録児童につきまして、児童の自立に向けた支援が必要な場合は、事前に保護者と面談の上、八月末まで弁当の持参をできるようにしています。 ◆田中優子 委員 必要としている家庭の児童は、お弁当を持参して食べてもよいと。BOPのほうであってもということなんですけれども、でも、原則禁止という通知とか、そのように注意をされると、もう多くの方が、ああ、駄目なんだ、諦めるしかないというふうなのが現状なんですね。これは、必要があれば相談してくださいと、保護者にそのことも知らせるべきではないですか。伺います。 ◎谷澤 生涯学習・地域学校連携課長 BOP登録児童の一年生から三年生、また、学童クラブ登録ではなくなった四年生の八月末までにつきましては、保護者の方と御相談の上で、お弁当の持参をできるようにしておりますが、このことにつきましては、今後、保護者会や新BOP登録案内のチラシなどで周知に努めていきたいと考えております。 ◆田中優子 委員 八年前に言ったことがまだ改善されていないんだと、ちょっと驚いたんですけれども、教育委員会のほうでは、いや、もうちゃんと対応していますよ、御相談いただければと言うんですが、現場では、そんな相談ができるなんて夢にも思っていなくて、何とかならないでしょうかと、このように相談がこちらに来るわけですね。  ですから、今、御答弁にもありましたけれども、保護者会やBOP案内、新BOP登録案内に、きちんと明記していただいて、誰も彼もということではなく、相談は可能ですよということで十分だと思うんですけれども、対応をしっかりしていただきたいと、周知もぜひきちんとお願いいたします。  以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質問を終わります。 ○加藤たいき 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆中里光夫 委員 それでは、日本共産党の文教分野の質問を始めます。  私からは、第二次世田谷区立図書館ビジョン第三期行動計画(素案)について質問をしていきます。  まず、民間活用についてです。この間、我が党は、図書館には指定管理者制度はなじまないと指摘してきました。世田谷指定管理者制度運用に係るガイドラインに、国の見解として、指定管理者制度については公の施設の設置目的を効果的に達成するため必要があると認められたときに活用できる制度、こう紹介されています。これは平成二十二年十二月二十八日の総務省通知に書かれている文章です。  この通知について、当時の片山総務大臣が記者会見でお話をしています。指定管理者の狙いは行政サービスの質の向上にあるんだと。ところが、コストカットに力点が置かれてきた嫌いがある。この通知は本来の意図を理解してもらうために出した。その中で、公立図書館は指定管理になじまないと私は思う。行政がちゃんと直営でスタッフを配置して運営すべきだ、こういう発言をしています。  日本図書館協会も、司書を地方団体の職員として配置することが適切であり、専門性の高い職員を長期的に育成、確保する必要がある、こういった意見なども挙げながら、図書館には指定管理者制度はなじまないとする声明も出しています。こうした意見は、コストカットで人件費を下げ、雇用や運営が安定せずに、専門性や継続性、安定性が担保できず、公立図書館の公的役割が果たせなくなることを危惧するということで共通していると思います。  世田谷でも指定管理者制度が導入された経堂図書館で、職員が毎年三分の一、入れ替わってしまうという問題や、毎年赤字収支であり年々増加している、この問題を指摘してきました。公共図書館としての安定性、継続性、大丈夫かと。  今日パネルを用意しましたが、皆さん、これは経堂図書館の収支です。この下のラインが収入で、この上のラインが支出。ですから、この差が赤字分ということになります。導入された平成二十九年、三十年、令和元年、二年ということですが、この収支のマイナスは、当初九十七万四千円でしたけれども、令和二年度は三百六十八万七千十六円というふうに、どんどん膨れ上がっているという、こういう数字が出ています。  また、職員が入れ替わるという問題ですけれども、このスタッフは約三十人なんですが、平成二十九年、三十年、令和元年、毎年約十名入れ替わっていると。が改善を指示したにもかかわらず、令和二年は六名入れ替わったというふうに聞いております。  は、こうした課題があることを認めて、事業者に改善を指示していると、この議会で答弁していますけれども、しかし、なぜこのようなことが起きているのか。はこれまで、その原因など一切明らかにしていません。経堂図書館における職員の入れ替わりや、収支の赤字の原因は何なのか、これを明らかにしていただきたいと思います。 ◎會田 中央図書館長 経堂図書館における指定管理者の評価は、指定管理者選定委員会で、全体的な施設の維持管理、運営について適切に対応していると評価をいただいたところですが、収支については、今、御説明のありましたとおり支出超過、これは人件費が主な原因と聞いておりますが―といった支出超過でありますとか、スタッフの入れ替わりにつきましては、令和二年度は一定の改善、事業者に改善を指示し、一定の改善をしたと考えてございますが、人事異動等に伴うスタッフの入替えがあるというところで、それは課題だというふうに考えてございます。  次期の指定管理者候補者の選定に当たっては、地域に根差したサービス向上と人材確保の取組の強化、人員体制の詳細報告の徹底といった改善の視点を取り入れてまいります。 ◆中里光夫 委員 原因は何かというふうに聞いているんですが、実際に異動が多いという事実を、今お話ししただけなんじゃないかと思います。  人件費がということですが、人件費で支出超過になっているのに、なぜ人の入れ替わりが激しいのか。その辺の原因はどうなっているのか、お答えください。 ◎會田 中央図書館長 支出超過につきましては、人件費が最初の計画から一年間たった報告書の中で、予定よりも多くなったというところでの超過と考えてございます。スタッフについては、異動というものは、我々の中でも一定程度の異動というものはあると考えてございますし、多くは、この事業者の会社内の、をもっと超えた範囲での異動というのがあるというところで、そこは一定の異動はあるのではないかというふうに考えてございます。 ◆中里光夫 委員 今の話だと、まるで通常業務だと三分の一入れ替わるのは当たり前だというふうに聞こえますよ。これは三分の一も入れ替わるのは、おかしいじゃないか、なぜそんなことになっているのかという議論なんです。結局、原因については把握していないということなんじゃないでしょうか。こうした状態のままでは、公共図書館としての安定性や継続性は担保できません。改めて烏山や下馬を含めた今後の民間活用方針は、立ち止まって区民参加で再検討することを求めます。  今後の運営体制の構築について、民間活用を計画的に導入するとした項目で、民間活用館の評価、検証を行うとビジョンには書いてあります。今般、教委は烏山、下馬の二館に指定管理者をモデル的に導入し、評価や検証を進めるとしていますが、この間、区長も民間活用は運用面での長所や短所も十分に検討すると言っています。  第三期行動計画期間の二年間は立ち止まって、区民参加で評価、検証を徹底する時期とするべきです。次の二年で六館目以降の民間活用導入など、認められません。見解を伺います。 ◎會田 中央図書館長 民間活用につきましては、世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会の報告書も含めて、魅力ある図書館づくりの実現に向けてということで、民間事業者の持つ専門性やノウハウ、柔軟性や迅速性などの強みを活用することとして、お話がありましたとおり、令和四年度から経堂図書館に加え、烏山図書館と下馬図書館にモデル的に指定管理者制度を導入してまいります。  お話のありました民間活用の評価、検証につきましては、令和四年度に設置の(仮称)図書館運営協議会で、区民参加で、また、学識経験者も入れ、様々な立場の方に参加いただいて、区立図書館全館の評価ということで全館の評価、検証を行ってまいりたいと考えてございます。 ◆中里光夫 委員 二年間の評価、検証ということで、来年度以降、その図書館運営協議会で行うということですが、それでは遅いと思います。今から住民参加で、もう始めるべきだと。当面、二館の指定管理者導入の手続は進んでいますが、しかし、総括で指摘してきたとおり、多くの区民はこのことを知りません。  区長は機会があったら意見を聴くと答弁しました。区長答弁で述べたように、地域住民の意見を聴く場をつくっていただきたい。指定管理者が決まってから区民周知ということではなくて、事業者の公募・選定段階から広く地域住民、区民に知らせ、区民の意見を聞く機会をつくるべきです。見解を伺います。 ◎會田 中央図書館長 まず、広く区民に広報ということでは、ホームページ等をさらに活用してまいりたいと考えてございます。  また、そういった意見を聴くということにつきましては、図書館単位の懇親会の機会をつくるとか、そういったことを考えてまいりたいと思っておりますし、また、来年度は、繰り返しですが、(仮称)図書館運営協議会を設けますので、この中できっちり議論していきたいと考えてございます。 ◆中里光夫 委員 ホームページに出せば区民周知になるというのは、これは違うと思いますね。地域の図書館なんですから、まさに情報を発信する場ですから、そういったものもきちんと活用しながら周知していくべきじゃないですか。直接。  それから、図書館単位の懇談会の機会をつくるということで、これはいいと思うんですが、これはいつからやるんでしょう。来年度を待たずにやるべきだと私は言っていますが。 ◎會田 中央図書館長 懇親会につきましては、これから協議というところでございますので、なるべく早く開催ということを実現してまいりたいと思います。 ◆中里光夫 委員 ぜひ実現していただきたいというふうに思います。  では、次に、蔵書の充実についてです。が示した図書館ビジョン第三期行動計画(素案)の添付資料に、利用者アンケートの最新のデータがありました。図書館に望むサービスは、蔵書や資料を充実するが四七・九%、断トツの一位です。二位の貸出し期間延長、二五・七%を大きく引き離しています。区民一人当たりの図書購入費も二十三中二十位と大変低い。利用者の強い要望は、低い図書購入費の実態の反映だと。利用者の声に向き合って蔵書の充実に力を入れるべきだと思います。  利用者の一番の要求である蔵書の充実、これはビジョンではどのような位置づけとなっているか。蔵書充実を重点課題として位置づけ、資料費を増額するべきです。見解を伺います。 ◎會田 中央図書館長 区立図書館の区民一人当たりの図書購入費は二百七・八円というふうに、あり方検討委員会の資料では述べており、二十三で比較すると二十位前後ということになってございます。  区立図書館全体で約二百万点の図書資料を世田谷は所蔵しておりますが、知と学びと文化の情報拠点としてふさわしい図書資料の充実は不可欠であり、第二次世田谷区立図書館ビジョン第三期行動計画(素案)においても、図書資料の充実に継続して取り組むとともに、将来を見据えた蔵書構成を検討することとしています。  今後とも、利用者の課題解決支援に対応するためのレファレンス資料とともに、地域の歴史や特性に応じた資料の収集の強化などを図りながら、知の拠点としての図書資料の充実を図ってまいります。 ◆中里光夫 委員 一人当たりの図書費用を見ますと、全体、二十三平均が三百七十四円に対して、世田谷が二百七円と、もう平均の五五%という水準で、本当に低いです。これで魅力的な図書館をつくろうとか言っても、これはどうなのかというふうに思います。やはり蔵書の充実が一番の要求だというのは、こういうところから来ている、もうはっきりしているんじゃないでしょうか。しっかりと進めていただきたいと思います。  次に、人材育成について伺います。今後の図書館運営の柱の一つに、中央図書館のマネジメント機能の強化があります。その中心は人材育成にあります。人材育成計画や研修の充実、人材確保と組織体制の強化、こういったメニューが並んでいます。  二十三は司書専門職の採用をしていません。そうした下で世田谷の常勤、非常勤ともに司書の割合は約三割です。図書館協会の統計によりますと、司書の割合、全国平均はどうかというと、常勤職員で五三%です。全国平均と比べ大きく立ち遅れている。これは世田谷だけじゃなくて二十三全体の傾向なんですが、これは本当に司書が少ないと。世田谷は人材育成、専門性のある職員の配置、これを進めるという方向を確認したんですから、これは特別の人事制度に司書の専門職の必要性を訴えて制度改正を求めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎會田 中央図書館長 二十三にはそういった専門職はございませんが、こういった図書館の専門性を維持していくためには、司書有資格者の育成、確保、これが重要であって、従来の司書派遣研修に加えて、派遣対象の大学通信講座への拡大や、司書有資格者職員の対象の専門研修の実施など、司書資格の取得を支援する仕組みを推進してまいります。  また、世田谷区立図書館運営体制あり方検討委員会からの報告では、知識と経験を兼ね備えた職員を一定の期間、同一職場に配置する仕組みを行っているがあり、世田谷でも検討できないかという提案を受けておりますので、人事所管と連携しながら検討してまいりたいと考えています。 ◆中里光夫 委員 今の人事制度の中でいろいろ工夫しながら進めるという、これは大いに進めていただきたいと思うんですけれども、やはり専門職としての司書、これは本当に二十三、できていないというのは、東京の図書館が元気がない原因だと私は思っています。世田谷から、図書館には人材育成が大事で、専門職が大事なんだというのを、ぜひ発信していただきたいと思います。  人材育成、中央館のマネジメントに学校図書館も位置づけることを提案します。全ての学校に学校司書が配置され、学校図書館の活用が進んできました。これをさらに質の高いもの、学校教育に役立つものとしていくために、区立図書館との連携や学校司書のスキルアップ、人材育成について図書館政策として位置づけていくべきだと思います。見解を伺います。 ◎會田 中央図書館長 小中学校との連携というところでは、例えば学校おはなし会の実施や団体貸出の図書の貸出し等、学校司書と連携しながら行っているものもございます。区立図書館と学校司書の人材育成につきましては、例えば合同研修の実施などということが考えられるかと思いますので、検討してまいりたいと思います。 ◆中里光夫 委員 ぜひビジョンにも位置づけて、しっかりと進めていただきたいと思います。  それでは質問者を替わります。 ◆たかじょう訓子 委員 私からは、特別支援教室「すまいるルーム」について伺います。  特別支援教室「すまいるルーム」とは、全般的な知的発達の遅れがなく、通常の学級での学習におおむね参加できるものの、情緒の発達に偏りがあるなど、発達上の特性によって一部特別な指導が必要と認められる場合に、コミュニケーションスキル向上などの指導を行う教室です。拠点校に配置された教員がグループ内の学校を巡回して指導します。基本的に児童は在籍する学校のすまいるルームで指導を受けます。  今年三月、東京都教育委員会は特別支援教室の運営ガイドラインを策定し、すまいるルームの指導期間を原則一年、最長二年とすることが盛り込まれました。また、東京都は特別支援教室の担当教員を減らすために、現行の教員一人につき、子ども十人から十二人へと教員配置基準を引き下げる、こういったことを市区町村の教育委員会に説明をし、既に学校ごとに立てた担当教員の削減計画を九月末までに都に提出していると伺っています。  東京都は小学校で三百八人、中学校で三十二人の削減をし、それらの教員を通常学級へ異動させるとしています。つまり、その狙いは、小学校三年生からの三十五人学級導入に合わせ、不足する普通級の教員を支援級教員削減で補おうとするものと考えます。  世田谷においては、今年度、四月時点での利用児童数、生徒数は千七百二十人、今年度、世田谷に配置されたすまいるルームの教員は百七十二人でした。十二人に一人の配置基準となれば、拠点校ごとに職員が、教員が一人削減される計算になります。  現状でも子どもは週一時間から二時間の指導となっており、ある保護者は、週に一、二時間のすまいるルームでは子どもの情緒安定などの効果が乏しい、時間数を増やしてほしいと伝えたが、それはできないと言われたというふうに伺いました。四月時点でのすまいるルーム通級者数で教員が配置されますが、年度途中から希望する子どもが増えるため、実態にそぐわない職員配置となっています。そのため子どもの指導に必要な時間を確保できない状況が常態化しているのが実態です。基準が引き下げられれば、子どもの指導時間が今よりもさらに短縮される可能性があります。  また、都のガイドラインでは指導期間を原則一年、最長二年と制限を設けました。特別支援教室に通った子どもの保護者の方からは、一年生から六年生まで通い、集中することやコミュニケーションについて改善が見られ、中学校からは普通教室で過ごしたと伺いました。子どものペースで教員が指導を進めることが重要です。  すまいるルームの教員の方からは、ほとんどの児童生徒が最高学年まで継続して通級しており、集団活動が苦手で教室に入ることができなかった子どもが入れるようになった、集団でいられる時間が増えてきた、かんしゃくを起こしやすい子どもが落ち着ける部屋でクールダウンすることで、集団に戻ることができるようになるというふうに伺っています。  今般の特別支援学級の制度改悪となる都の計画などに対して、公立小学校副校長会は九月六日に、日本共産党都議団との予算懇談で要望書を提出しました。どの子も安心して学べるために、必要に応じた支援員の配置や、各市町村への情緒障害固定級の設置のための予算配当など、特別支援教育のさらなる充実を求めています。  教育長、今般の特別支援教室の職員減や指導期間の制限について、どのような認識か。誰一人置き去りにしない教育実現のため、特別教育長会などを通して意見をしていただきたい。教育長に伺います。 ◎渡部 教育長 今回、このように十二人になるということもお伺いをしています。私たちとしても、世田谷としても、今後、他の状況等も参考にしながら検討を進めていく必要があるというふうに考えておりますので、教育長会でも、これはずっと課題にしてきたことですので、引き続き要望してまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 教育長は今まで誰一人置き去りにしない教育の実現と言っておられました。特別などの発言なども含め、今後充実させていただきたいというふうに思っております。  次に、すまいるルームの指導室環境整備について伺います。すまいるルームの個別指導は、多くが教室をパーティションやカーテンなどで区切ったスペースを利用していることが多く、隣の部屋の声や物音が伝わるため、子どもが集中できないなど伺ってきました。子どもの特質などに配慮し、対象となる子どもの教育環境を整えることが必要です。見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 特別支援教室につきましては、利用する児童生徒の数が年々増加していることもございまして、学校によっては学習室の確保に苦慮している学校もあるというふうに伺っております。特別支援教室の学習環境につきましては、児童生徒にとって落ち着いた環境であることが望ましいと考えておりますので、今後も各学校と協力しながら学習環境の向上に努めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 これも長いことお話を伺ってきましたので、ぜひしっかりと実現させていただきたいというふうに思います。  また、この間、すまいるルームの巡回指導用のタブレット端末がないとか、Wi―Fiがつながらない等の苦情が寄せられてきましたけれども、は十月にタブレットを配備するということを伺いました。Wi―Fiアクセスポイント追加も、追加調達も進めているというふうに聞いています。  授業準備などを作成するのはパソコンが必要なんですが、この設備が巡回校にはございません。拠点校でしかないとのことでした。今後、巡回校でも授業準備が進められるよう対応が必要であり、要望しておきます。  以上で私の質問を、日本共産党の質問を終わります。 ○加藤たいき 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○加藤たいき 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時三十分散会...