佐世保市議会 > 2020-12-08 >
12月08日-04号

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  1. 佐世保市議会 2020-12-08
    12月08日-04号


    取得元: 佐世保市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-11
    令和 2年 12月 定例会           12月定例会議事日程            第4号                 令和2年12月8日(火曜)午前10時開議第1 一般質問-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ-----------------------------------出席議員(32名) 1番 宮田京子君    2番 田山藤丸君 3番 松尾俊哉君    4番 小田徳顕君 5番 鶴 大地君    6番 角田隆一郎君 7番 橋之口裕太君   8番 久保葉人君 9番 萩原 活君    10番 宮島武雄君 11番 佐藤文子君    12番 久野秀敏君 13番 永田秀人君    14番 北野正徳君 15番 山下廣大君    16番 永安健次君 17番 湊 浩二郎君   18番 山口裕二君 19番 崎山信幸君    20番 森田 浩君 21番 柴山賢一君    22番 小野原 茂君 23番 林 健二君    24番 大村哲史君 25番 田中 稔君    26番 草津俊比古君 27番 長野孝道君    28番 松尾裕幸君 29番 市岡博道君    30番 大塚克史君 31番 古家 勉君    32番 山下隆良君-----------------------------------説明のため出席した者 市長        朝長則男君   副市長       山口智久君 副市長       田中英隆君   基地政策局長    北村敬男君 行財政改革推進局長 東 隆一郎君  企業立地推進局長  川口康博君 防災危機管理局長  中尾和章君   契約監理室長    松永浩一君 企画部長      中島勝利君   総務部長      田所和行君 財務部長      橋口昌浩君   観光商工部長    井元保雅君 農林水産部長    吉田敏之君   都市整備部長    溝口勝利君 土木部長      杉本和孝君   港湾部長      大塚 健君 市民生活部長    中西あけみ君  保健福祉部長    野村成人君 子ども未来部長   渡辺恵美君   環境部長      木村陽三君 水道局長      谷本薫治君   消防局長      西崎正明君 教育委員会教育長  西本眞也君   農業委員会副会長  松永信義君 代表監査委員    宮崎祐輔君   選挙管理委員会委員 和田 隆君-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長      池田真二君   事務局次長兼議会運営課長                             宮崎謙一郎君 課長補佐兼議事調査係長           藤原理教君     10時00分 開議 ○議長(崎山信幸君)  出席議員は定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(崎山信幸君)  日程第1一般質問を行います。 初めに、各位におかれましては、11月20日の議会運営委員会において、一般質問の実施中における本会議の対応については、新型コロナウイルス感染症拡大防止の一環として、密閉、密集、密接の3密を避ける取組として、議員においては会派内での出席議員の調整を行うこと、また、理事者におかれては、市長並びに一般質問の答弁など、関係者以外の方については御退席いただくとの申合せでございます。それぞれに御退席お願いいたます。 それでは、順次質問を許します。17番湊浩二郎議員。 ◆17番(湊浩二郎君) (登壇) おはようございます。自民党市民会議の湊です。 今回、またトップバッターになりまして、1年の間に2回もなりました。 それでは、通告に従い一般質問を行います。 まずは、クルーズ船誘致の取組について伺います。 私は、平成25年6月定例会において、当時、日本へ寄港するクルーズ客船のほとんどが10万トン級以上であるにもかかわらず、三浦岸壁は韓国釜山とのフェリー就航のために整備され、7万トン級までしか受入れができない状態でした。今後、10万トン級以上の大型クルーズ船誘致についてどのように対応していくのかということを一般質問しました。 その後、朝長市長や当局の働きにより、三浦岸壁の延伸工事が行われ、現在では16万トン級クルーズ客船まで受け入れるようになりました。そして、今では、佐世保港へ寄港するクルーズ客船数は、三浦岸壁の整備を契機に増加し、2017年が84隻、2018年が108隻、2019年が79隻と、全国で8位から9位にまで大きく成長しました。 また、それに加え、佐世保港が官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾に選定され、三浦岸壁に加えて、令和2年4月に浦頭岸壁の供用が始まり、多くのクルーズ客船が入港し、海外からの観光客も見込まれていたことから、多くの市民も関心を寄せていました。当然、私自身も期待に胸を膨らませていたことは言うまでもありません。 しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大により、特に横浜港に停泊中のダイヤモンドプリンセス号船内での感染が大きくマスコミに報道されたことにより、いまだ浦頭岸壁には一隻も入港できず、現在に至っていると聞き及んでおります。 そこで、両岸壁において、今後のクルーズ客船予約の状況と、現在のクルーズ客船誘致の取組についてお尋ねしたいと思います。 続いて、九十九島観光公園についてお伺いします。 九十九島観光公園については、今年6月定例会の都市整備委員会において、今年度当初に予定していた公園管理棟整備補助金の執行を凍結するとの報告を受け、また、続く7月臨時会においては、係る予算約4億6,000万円を減額補正されました。 この公園は、先ほどクルーズ客船の部分で申し上げた今年4月から予定されていた浦頭岸壁の供用開始をにらみながら整備を進められてきたと認識しております。国際クルーズ客船が入港していない状況が、九十九島観光公園の事業凍結の判断に大きく影響したものと考えます。そういった意味では、九十九島観光公園事業も同様に、新型コロナウイルス感染拡大の影響が色濃い事業であろうかと思います。 そこでまずは、この公園を整備した目的、観光公園という名称から、観光客の誘致、受皿となることを意図していたと思いますが、どのような目的をもって計画されたのですか。それを踏まえて、令和2年度当初予算時に想定されていた建物、公園管理棟の整備目的はどういったものであったのでしょうか。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、どのような判断で凍結を決められたのか、以上、確認の意味を含めてお尋ねします。 さらに、建物整備は凍結したものの公園整備自体は進めているとの認識をしておりますが、いつ、どのような形でオープンするのか、進捗状況も含めてお尋ねしたいと思います。 1回目の質問を終わります。 ◎港湾部長(大塚健君) (登壇) おはようございます。 クルーズ船誘致の取組についてお答えいたします。 まず、今後のクルーズ客船の予約状況についてですが、一定打診はいただいているものの、その大半が中国を発着としたクルーズ客船によるもの、いわゆる外航クルーズであり、コロナ禍にある現在においては、入国制限等のため、商業運航再開の見通しは依然不透明な状況です。 一方で、去る10月26日に佐世保港に寄港したにっぽん丸などの日本船社のクルーズ客船による国内クルーズにつきましては、先月より本格的に商業運航を再開されております。主に、横浜港や神戸港を発着港とした2日から4日程度の短期間のクルーズが、来年3月頃まで発表されており、その中では佐世保港への寄港は予定されていない状況でございます。 また、クルーズ客船誘致の取組についてですが、コロナ禍以前は、日本船社、外国船社を問わず、幅広くポートセールスを行ってきておりましたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、従来の誘致活動が全くできなくなり、メールやテレビ会議などを活用しながらの情報収集などの活動にとどまっておりました。 しかしながら、国内クルーズ再開のためのガイドラインが発出された本年9月18日以降におきましては、日本船社に対し従来のポートセールスを再開できるようになった次第でございます。 また、日本に支社を構える外国船社についても、可能な限り機会をつくり、積極的に接触を図っております。とりわけ商業運航を再開した各日本船社に対しましては、先般のにっぽん丸受入れの経験を生かしながら、鋭意ポートセールスに取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ◎都市整備部長(溝口勝利君) (登壇) おはようございます。 九十九島観光公園の進捗状況などについての御質問にお答えします。 九十九島観光公園は、長崎県の障がい者福祉施設であるつくも苑跡地において整備している観光公園であり、そこから望む景色は風光明媚な西海国立公園九十九島や国際クルーズ拠点の浦頭岸壁、西海市の大島大橋まで一望できる大パノラマが広がっております。 具体的な役割、目的につきまして、これまで議会などでも説明してまいりましたとおり、地域が主体となって取り組まれている俵ヶ浦半島振興の取組と調和した半島のゲートウエー機能となり、また国内外から佐世保市を訪れる多くの観光客の受皿となる九十九島観光の新たな拠点を整備することであり、それは現在においても変わってございません。 整備に着手した平成29年当時、既に多くの国際クルーズ船観光客が近隣の展海峰に来訪されていた状況に鑑み、国際クルーズ船観光客の受皿としても大いに期待するところであり、本年4月に予定されていた浦頭地区の国際クルーズ拠点施設の供用開始にできる限り足並みをそろえるよう、鋭意整備を進めてきたところでございます。 そういった中で、本来、今年度には国際クルーズ船観光客をはじめ、国内外からの観光客を受け入れることができる飲食、物販、体験機能を備えた建物を整備する民間事業者への補助金を予算化しておりましたが、議員御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、海外からの観光客はもちろん、国内観光も停止状態となってしまいました。 そのようなことから、全国的に観光関連産業が受けたダメージは大きく、経済状況が落ち込んでいる中、民間事業者の投資意欲が低下していることが想定され、本事業についても参画することが難しいものと判断したことから、7月の臨時会において予算の減額補正を行ったものでございます。 一方で、現地においては、今年度末の暫定供用開始に向け、植栽工事や舗装工事など、必要最低限の公園整備を進めている状況でございます。 以上でございます。 ◆17番(湊浩二郎君) (登壇) 御答弁ありがとうございます。 それでは、再質問をいたします。 さきに述べたように、三浦地区におけるクルーズ客船の寄港回数は、2017年が84隻、2018年が108隻、2019年が79隻と、全国で8位から9位までに成長いたしました。今後、官民連携により整備した浦頭岸壁が供用され、多くのクルーズ客船が入港し始めれば、長崎港などクルーズ客船の寄港数を加えると、都道府県単位では上位になることは間違いございません。 しかしながら、日本船社のクルーズ客船については、それぞれ2017年が2隻、2018年が3隻、2019年が2隻と、全体の2~3%程度しかありません。私は、この12月定例会でクルーズ客船の誘致について、国内にも目を向けるべきではないかと質問しようと考えていた矢先、10月26日に日本船社のクルーズ客船にっぽん丸の受入れを決め、当日は200名を超える日本人観光客が佐世保市を訪れました。そして、事故もなく、無事帰路に就くことができました。 このことは、コロナ禍において日本初の試みであり、佐世保港がクルーズ客船受入れの大きな実績として、旅行会社や船主など関係者には注目されているはずです。ぜひこのチャンスを生かし、佐世保市がこれまで積極的に誘致を行ってきた外国船社のクルーズ客船に加え、日本船社のクルーズ客船の拠点港へと変貌できれば、国内観光客の増加と、この先のIR誘致にも大きなはずみがつくのではないかと思います。 先ほど、佐世保港に寄港した日本船社のクルーズ客船の割合が少ないことは申し上げたとおりでございますが、一方、横浜港はクルーズ客船の寄港数の半分を日本船社が占めております。佐世保港との違いはどこにあるか、お伺いしたいと思います。 次に、九十九島観光公園について再質問します。 なぜ先ほど質問でこの公園と国際クルーズ客船の関係を整理したかと申し上げると、九十九島観光公園について整備を始めた当初に想定していた国際クルーズ客船の観光客に特化した大型レストラン、観光農園がいわゆる爆買いの収束などによって難しくなってきた中で、後づけで動植物園の移転の検討を始めたというイメージを持っている人が多いように感じているからです。 私は、動植物園というのは、観光施設でありながらも教育施設として重要な役割を担っていると思っております。先日、小学生の息子と森きららに行きました。厳しいことを言うようですが、施設の老朽化が進んでいることは、お客さんの目にも明らかで、動物の展示やイベントも工夫されているようでしたが、子どもは楽しめても、大人にとって、到底1日いて楽しめるような魅力的な施設ではないように思いました。 動物園で有名な北海道の旭山動物園や、昨年度講演をいただいたアニマルエスコートサービスの佐藤社長が運営されている民間の神戸どうぶつ王国や那須どうぶつ王国では、子どもはもとより大人も楽しめるものとなっております。だからこそ多くの来客者が来ていると思います。本市も九十九島動植物園森きららについても、子どもはもちろん、大人も楽しんでいただく施設とするためには、施設の老朽化を考えても、私は、思い切って移転し、新しい魅力的な動植物園として再整備するのも一つの考えではないかと思います。 そこで、九十九島観光公園に動植物園の移転を検討するに至った背景をお尋ねします。 また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、今年度の判断を見送ったと聞いておりますが、昨年度検討した移転構想の概要について、その判断につながる集客や収支の考え方をお尋ねします。 これも今年6月定例会において、総務、企業経済の両委員会に報告された内容と重複する部分もあるかと思いますが、確認の意味を含めてお尋ねします。 現在の動植物園の老朽化に鑑みると、新型コロナウイルス感染症拡大の状況とは関係なく、移転の検討を進め、早急に判断すべきと考えますが、今後どのように検討を進めていくのかお伺いしたいと思います。 ◎港湾部長(大塚健君) (登壇) 横浜港と佐世保港の違いについてお答えいたします。 議員御案内のとおり、国土交通省が令和2年9月に公表した資料--2019年の我が国のクルーズ等の動向によりますと、横浜港におけるクルーズ客船の寄港回数は188回となっており、そのうち日本船社については101回で全国1位、全体の半数以上を占めております。横浜港において日本船社のクルーズ客船の割合が多い要因といたしましては、背後圏に人口が集積していることや、空港などから港までの交通アクセスが充実していることなどの理由から、日本有数の発着港となっているところにあるものと捉えております。 日本船社による寄港地選定については、顧客の関心を引くため、常に新しいクルーズ商品を考案する必要性から、日本全国における四季折々の景観やイベント等を組み込んだ多種多様なツアーを考えられることに伴い、寄港地も特定の港に集中せず、広く分散しているといった傾向が見てとれ、佐世保港はそのような中で寄港地として利用がなされているものと考えております。 以上のように、発着港と寄港地、そこが横浜港と佐世保港との大きな違いであると考えております。 以上でございます。 ◎企画部長(中島勝利君) (登壇) おはようございます。 2項目め、九十九島観光公園への動植物園移転についての再質問につきましては、私から答弁させていただきます。 まず、九十九島観光公園への動植物園移転を検討するに至った背景についての改めての御質問でございました。 議員御指摘のとおり、現在の動植物園は老朽化が進んでおり、数年後には約半分の施設が一般的な鉄筋コンクリート造建築物の耐用年数を経過する状況にあることから、近い将来、抜本的な再整備は避けて通れない状況がございました。一方、全国の公設動物園と同様に、入園料収入で管理運営費を賄うようになっておらず、毎年1.5億円の指定管理料として公費負担をしており、今後さらなる厳しい財政状況の中で、施設の老朽化の課題と相まって、動植物園の将来について議論せざるを得ない状況でございます。 このような状況の中で、整備中の九十九島観光公園には、動植物園の整備に十分な平地が確保されており、加えて、その名のとおり、九十九島を見渡す眺望と周辺に豊かな自然環境を有している状況がございました。 議員御指摘のとおり、教育機能という観点からも、市民に愛されてきた動植物園を存続するための一つの方策として、九十九島観光公園に新たな動植物園として移転リニューアルすることで、入園料の見直しを含めた収支改善と抜本的な施設の老朽化対策の双方を市民の皆様も御理解いただき、解消することができるのではないかと考えたものでございます。 昨年度に検討した移転構想においては、全天候型施設を導入すること、動物本来の動きや生態、生息環境を魅力的に展示し、またそれらを来園者に伝えるために、エンターテインメント性のあるイベントやショーなどに取り組むことにより、子どもも大人も楽しめる動植物園とすることを基本コンセプトとしているところでございます。 動物園経営のプロによる経験値と銀行系コンサルタントによるマーケティングの視点を持って検討した結果、移転構想を実現するためには、前述のような動植物園の魅力アップによる集客力の向上と併せて、入園料のみならず飲食や物販、イベント等によって収益性を高める必要があったことから、移転の可否判断に当たっては、民間事業者との意見交換によって事業成立の見込みを確認する必要がありました。 しかしながら、先ほどの都市整備部長の答弁と同様に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、民間事業者投資意欲低下が想定される中では適切な判断ができないものと考え、令和2年度中の判断を見送ったものでございます。 また一方で、御指摘のとおり現状の動植物園の老朽化に鑑み、抜本的な対策が迫っていることに加え、民間事業者におきましても、ポストコロナにおける新たな事業展開に目を向け出しているという期待も感じているところでございますので、早速年明けには、テレビ会議などを利用したオンラインでの民間事業者との意見交換を積極的に始めたいと現在考えているところでございます。 以上です。 ◆17番(湊浩二郎君) (登壇) 御答弁ありがとうございます。 それでは、再々質問に移ります。 観光庁の調査によれば、2019年の日本人国内旅行消費額は21兆9,312億円で、前年に比べ7.1%増、約1.4兆円の増でありました。内訳は、国内旅行消費額のうち宿泊消費額は17兆1,560億円、前年比8.6%増、日帰り旅行消費額は4兆7,752億円、前年比2%増となっております。また、訪日外国人旅行消費額は、2019年4.8兆円で、国内旅行消費額と比べると4分の1程度にとどまっているのが現状です。マスコミでは、外国人観光客インバウンドがあたかも日本観光を支えているような報道が連日されておりました。外国人観光客で一番多い中国人観光客でさえ、旅行消費額は1.8兆円弱で、日本人の国内旅行消費額の8%程度であります。 佐世保市は外国人観光客誘致に力を入れてきた経緯がありますが、観光庁調べの数字が表すように、国内観光の消費額の82%以上が日本人によるものであります。特にクルーズ客船においては、コロナ禍により外国船は停泊することができませんので、停泊ができる日本船社に多く寄港させれば、乗客に佐世保市の夜のまちも満喫してもらい、旅行消費額を増やすことが可能となります。 日本人が多く乗船する日本船社のクルーズ客船ジャパネットクルーズのような日本旅行社がチャーターする外国船社のクルーズ客船を誘致することが有効と考えられます。そのような機会が増えれば、佐世保港が日本船社のクルーズ客船の拠点となり、IRの誘致が実現したときに、日本人観光客は空路、陸路に加え、海からも日本各地からクルーズ客船で佐世保市を訪れることがステータスになるのではないかと考えられます。つまり、観光客による消費を地域経済の活性化につなげていくためには、クルーズにおいても日本人観光客の誘致を促進させることが有効であると思われます。このことを踏まえ、今後、日本船社のクルーズ客船の誘致に積極的に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。 また、九十九島観光公園についても、ポストコロナにおける本市の観光の再興の視点から、市民はもとより国内観光客の来訪が期待できる動植物園が国内観光客の集客の一つの原動力になるのではないかと考えられます。それを踏まえると、現地で休園や部分閉園をしながらリニューアルを行うのではなく、現地は開園したままイベントなどのソフト的案により魅力を向上することで集客を維持向上させていきながら、一気に移転整備してリニューアルによる集客効果を最大にするという考えもあるのではないかと思います。 先ほど、企画部長から集客の向上による収支改善と老朽化した施設の抜本的課題の双方を解決する手法として、九十九島観光公園動植物園移転の検討に至ったと答弁がありましたが、収支改善にとどまらず、もっと多くの観光客を引きつけるような動植物園を目指すべきではないかと思います。 加えて、これまでの議会答弁の中で、九十九島観光公園に整備した広大な丘からの九十九島の景色は、既存の展望台とは異なる壮大な眺めと聞いておりますが、これまで整備に投じてきた12億円という費用に鑑みると、動植物園移転を含めてこの九十九島観光公園が、全国から観光客が訪れるオンリーワンの施設となるようにすべきと考えますが、市長の御所見をお願いしたいと思います。 これからは私の案でありますが、絶景を楽しみながら、公園から海岸付近まで上下するケーブルカー、ロープウエー、リフトなどの装置を造れば施設の目玉となり、海上からでも九十九島観光公園を訪れることが可能になると思われます。また、コロナ禍から平常に戻った後も、佐世保版GoToトラベルを実施すれば、さらに日本人観光客増が見込めるのではないかと思います。このことは大きな予算が伴い、現実的であるかどうかは見当がつきませんので、答弁は必要ありません。頭の片隅にでも置いてください。 以上を含めて、市長の御所見をお伺いしたいと思います。質問は以上です。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) おはようございます。 湊議員の質問にお答えさせていただきます。 まず、今後の日本船社のクルーズ客船誘致の取組についてお答えをさせていただきます。 議員御案内のとおり、本市観光の振興のためには、これまで同様に日本人観光客の誘致は大変重要と認識しており、特にコロナ禍の現在においては、直ちにインバウンドが見込めないことから、内需の取り込みがより一層重要になってくると考えております。日本人観光客の誘致に取り組むに当たり、本市の象徴である港を活用したクルーズ客船誘致は欠かせないものの一つと認識をいたしております。 これまで佐世保港においては、地の利を生かしながら、主に中国を発着する外航クルーズの受入れを行ってまいりました。議員御案内のとおり、昨年寄港いただいたジャパネットクルーズのように、外国船社のクルーズ客船をチャーターして日本人を募集するようなクルーズ商品も増えてきております。これにより、近年、日本人のクルーズ人口拡大が見られているため、このタイミングを捉え、日本人をターゲットにしたクルーズ客船の誘致に、より力を入れていく必要があると考えております。 佐世保港への今後の寄港につきましては、当面不透明な状況が続くと考えておりますが、商業運航が再開された国内クルーズに関しましては、来年春以降のお問合せもいただいておりますことから、機を逸することなく寄港につなげてまいりたいと考えております。 また、先ほど横浜港と佐世保港との違いについての御質問の中で、港湾部長から、発着港について触れさせていただきましたが、発着港においては、遠方からの乗船客の方々が乗船前や乗船後に宿泊や飲食、周辺観光を行うことが考えられるとともに、クルーズ客船における物資の調達といったことも考えられるなど、一般的に港湾周辺地域での消費が促進される傾向にあるものと聞き及んでおります。 過去、佐世保港におきまして、平成30年と平成31年に飛鳥Ⅱが最終港として寄港した際、下船後の市内及び周辺地域における宿泊を伴ったツアーが催行され、通常の寄港と比較して、周辺地域も含め経済効果が高くなったものと考えられる状況がございました。 そのようなことから、国内クルーズにつきましては、これまでと同様に、寄港地としての受入れはもとより、発着港として佐世保港を利用していただけるよう、受入体制をしっかりと整えながら、船社に対して精力的にアピールをしてまいりたいと考えております。 私といたしましては、より多くの国内クルーズを誘致することで、本市を訪れる日本人観光客の増加につながり、そのことが観光振興、ひいては地域経済の活性化に寄与するものと考えますことから、引き続き長崎県とも連携を図りながら、トップセールスを含め外航クルーズの再開を見据えた外国船社への誘致活動も継続しつつ、これまで以上に日本船社への誘致活動に取り組んでまいる所存でございます。 次に、九十九島観光公園について御質問がございました。 全国から多くの観光客が訪れるオンリーワンの施設とすべきということで、私の考えをということでございました。 現在、コロナ禍において、一旦検討を止めておりますが、近い将来のポストコロナ、アフターコロナの社会状況を見通し、今こそ検討を進めることが必要だと考えております。 議員御指摘のとおり、全国から多くの観光客を引きつける動植物園とするためには、単に新しい施設を整備するだけではなく、運営面において、来訪者を飽きさせないよう計画的にイベントを実施することや、様々なメディアを活用した戦略的なPRといった民間の経営ノウハウを導入することが肝要であると考えております。あわせて、九十九島観光公園は、動植物園移転候補地とともにロケーションを十分生かせる十分な土地が確保できることから、例えば、動植物園と連携した宿泊施設や相乗的な集客効果を生むようなアトラクション施設との一体的な運営といった民間投資が期待でき、「世界で最も美しい湾の一つである九十九島」を見渡すオンリーワンの公園になるのではないかと考えております。 そのような視点を持ちながら、動植物園移転の検討を前に進めるよう指示をしたところであります。また、仮に動植物園を移転するとなった場合でも、移転オープンまでの数年間の活用策についても、ポストコロナという視点で、いわゆる3密を避けるといった視点を持って、早急に検討するように指示をしているところであります。 この公園には、十分にソーシャルディスタンスを取れる広大な芝生の丘がありますし、この半島には、九十九島かきをはじめ豊かな食材もございますので、例えば、地域の豊かな食材を楽しめるバーベキュー施設や、最近、男女年代等関係なく、手軽に気軽に、そして豪華に楽しめるキャンプとして幅広く人気が出てきているグランピングなど、コロナ禍で脚光を浴びているアウトドアの要素を取り入れることも十分可能であると考えております。 さらに、俵ヶ浦半島は、九十九島の眺望のみならず、周囲に日本遺産の構成施設である丸出山観測所跡地や展海峰、花の森公園といった地域資源に恵まれておりますので、そのポテンシャルをさらに生かすためには、トレイルコースを紹介するだけでなく、特色あるメニューをつくり出し、差別化することが必要であろうかと考えております。 全国では最近、健康増進と交流人口増加の双方を狙ったクアオルトウオーキングが人気を博しているとお聞きをいたしております。そこで、特色あるウオーキングメニューを官民連携で造成し、この公園を拠点に、俵ヶ浦半島が全国的にも一目置かれるようなウオーキングブランドとなればと期待をいたしております。このオリジナルな要素を生かすことがオンリーワンの公園につながるものと考えております。 動植物園の移転検討と併せ、仮に動植物園を移転するといった場合の移転オープンまでの数年間の活用策を含めた九十九島観光公園の活用の全体像については、令和3年度にはその方向性をお示しすることができると考えております。 以上でございます。 ○議長(崎山信幸君)  4番小田徳顕議員。 ◆4番(小田徳顕君) (登壇) 日本共産党の小田徳顕です。 通告に従いまして順次質問をいたします。 1項目めの新型コロナウイルス感染症についてですが、新型コロナウイルスの感染者増加が全国的に見られ、第3波ではないかとも言われていますけれども、市民が実際に新型コロナウイルス感染症に感染したのではないかと感じたときに、どのようにして検査を受ければよいのか、どこで受ければよいのか分からないという声がいまだに寄せられています。 そこで、まずは相談から検査までの体制の現状を説明していただきたいと思います。 2項目めの学校再編についてですが、児童生徒一人一人に目が届きやすい少人数学級については、これまでも教育現場から求める声が上がっています。現在、コロナ禍の中で3密を避ける新しい生活様式などが求められており、新型コロナウイルスなどの感染症対策の観点からも、教室での身体的距離を取るべきだとして、党派を超えて国会議員などからも少人数学級を求める声が高まってきています。国の財務当局は、教員の増加が8万人から9万人必要との試算から難色を示しているようですが、文部科学省では、今後10年かけて30人に引き下げた場合、少子化によって追加的な財政負担は少ないとの試算の上で、実現に前向きのようです。 一方、佐世保市教育委員会においては、学校規模の適正化や適正配置を目指し、学校の統合や校区の見直しなど、学校再編を進めていく方針を示されています。コロナ禍で少人数学級が注目される中で、学校の統合は、この少人数学級の考え方と相反する方向性とならないか。この点について、本市が進める学校再編における学校規模の適正化の考え方を伺いたいと思います。 3項目めの石木ダム建設事業についてですが、土地収用法の明渡し期限を過ぎて、ちょうど1年が経過いたしました。この間も、石木川原の地元住民の方々は抗議活動を続けられていますが、いまだ行政側との話合いが行われておらず、工事が強行され続けています。そもそも長崎県は、地元住民全員の合意が得られない限りは工事に着手することはしないという覚書を締結していたにもかかわらず、強制的に測量調査を行いました。さらには、理解を得るどころか、土地収用法により強権的に土地の権利を奪い、住民からの話合いの要請にも応じず、一方的に工事が進められています。住民の方の権利を奪い、約束をほごに進めるやり方は基本的人権の侵害ではないでしょうか。 そのような中、先日、長崎新聞で知事や市長のインタビューが掲載され、それぞれの見解が述べられていました。その中で知事は、話合いのためなら工事中断もとする考えが示されていました。一方で、土地の明渡しについては、行政代執行も手段の一つとして排除しておらず、工事も中断されることなく続けられています。話合いをする気持ちがあるのであれば、工事を中断し、真摯な姿勢を住民に示すべきではないでしょうか。 また、市長はインタビューの中で、行政代執行の請求について、市民や議会が求めるならばとの発言をなされています。これは一体どのような意味でしょうか。市長の見解を求めます。 4項目めの核兵器禁止条約についてですが、核兵器の開発・保有、使用を禁じる核兵器禁止条約を批准した国と地域が発効の要件となる50に達し、条約は来年1月に発効することになりました。日本は唯一の被爆国であり、広島県、長崎県は被爆地です。長崎県下の市長として、核兵器禁止条約の批准に対して、また核兵器禁止条約が来年1月に発効されること、日本政府が賛同しないことに対しての市長の見解を求めます。 以上、1回目の質問を終わります。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 小田議員の質問にお答えいたします。 石木ダム建設事業に関する質問にお答えをいたします。 まず、話合いに関する私の認識からお示しさせていただきますと、もともと長い年月をかけて数多くの話合いを重ねてきた結果、約8割の住民の方々に御理解をいただいてきたところであります。しかし、残る住民の方々に対しては、私自身も市長就任時から事業認定申請時まで、毎月現地に足を運び、呼びかけてまいりましたが、話合いのテーブルについていただけない膠着状態が長く続いたことから、土地収用法に基づく事業認定申請に至ったものであります。 現在は、住民の方々が訴訟を通じたやり取りをすることを選択されており、訴訟当事者となっている本市といたしましては、現在は司法の場を通じて双方の考え、見解を示し合っているところと認識をしている次第であります。 なお、基本的人権との御指摘もございましたが、これまで示された司法判断においては、基本的人権を含めて住民の方々に対する権利侵害は一切ないとの判断が示されているところであります。 次に、私のインタビューの発言の意図とのことでございましたが、以前も申し上げましたように、事業の進め方につきましては、長崎県が主体的に判断するものであります。本市といたしましては、市民や議会の大方の総意として何らかの要請等があれば、それは長崎県にきちんとお届けし、県御当局の判断を仰ぎますということを意図して発言したものでございます。 次に4項目め、核兵器禁止条約についての質問がございました。 まず、申し上げておきたいのは、平和を希求する思いは皆誰しも同じであると思っております。佐世保市としては、条約の批准という外交問題については国の専権事項であるため、意見を述べる立場にはございませんが、日本政府の考え方としては、核兵器を直ちに違法化する条約に参加すれば、米国による核抑止力の正当性を損ない、国民の生命、財産を危機にさらすことを容認することにもなりかねないこと、また、この条約は現実に核兵器を保有する核兵器国のみならず、日本と同様に核の脅威にさらされている非核保有国からも支持を得られていないことから、現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に現実的な核軍縮を前進させる道筋を追求することが必要であり、核兵器保有国や核兵器禁止条約支持国を含む国際社会における橋渡し役を果たし、現実的かつ実践的な取組を粘り強く進めていくという国の、政府の考え方が示されているところでございます。私もこの考え方について理解をし、支持するものでございます。 以上でございます。 ◎保健福祉部長(野村成人君) (登壇) おはようございます。 1項目めの新型コロナウイルス感染症に係る本市の検査体制についてお答えいたします。 感染の疑いがある方が受診及び検査を受けるまでの流れといたしましては、ホームページや各種メディア、チラシなどにより広く広報を行っているところですが、まずはお電話による事前相談、次に医療機関等を受診し、必要に応じて検査をするという流れになります。 相談先といたしましては、かかりつけ医、もしくはかかりつけ医がない場合は、長崎県が設置しております24時間対応の受診・相談センターとなります。受診・相談センターでは、相談者が受診することができる診療・検査医療機関を紹介されますので、事前に電話連絡をした上で受診し、医師が必要と判断した場合に検査を実施することになります。検査につきましては、相談をした医療機関または地域・外来検査センターなどで検査をすることになります。 なお、現在、市内におきましても、長崎国際大学をはじめ保険診療などによる検査ができる医療機関等も増えてきている状況です。 以上です。 ◎教育長(西本眞也君) (登壇) おはようございます。 小田議員の2項目め、学校再編について、少人数学級編制と学校再編との関わりについてお答えをいたします。 現在、小中学校等の学級は、小学校1年生を35人、その他の学年を40人を上限として編制することと定められていますが、よりきめ細やかな指導の実現と感染症対策のために、30人程度の少人数学級編制の検討が始まっております。 本市教育委員会の学校再編における学校規模適正化の考え方は、クラス替えを可能とする学級数の確保を目的といたしており、少人数学級編制は学級数の確保の点からも効果があると考えております。 そこで、クラス替えができないために学校再編の検討を要するとされている学校を対象として、令和2年度に30人学級が実現した場合を試算しておりますが、30人学級編制によってクラス替えが可能となる学校は24小学校中の約3割に当たる6校、また8中学校中の約4割に当たる3校にとどまると想定されます。加えて、再編の検討対象小中学校の児童生徒数は、今後20年間で3割以上減少していくと見込まれており、30人学級が実現いたしましても、学校再編を行わない現状のままでは、クラス替えができない学年、学校が増加していくと予想されます。 したがいまして、本市の学校再編につきましては、クラス替えができる学級数の確保を目安に、地域の実態に応じて柔軟に検討していくことを方針として、望ましい教育環境整備のために鋭意推進していく必要があるものと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆4番(小田徳顕君) (登壇) 再質問を行います。 新型コロナウイルス感染症についてですけれども、相談から検査までの体制については理解をいたしました。 今後、新型コロナウイルス感染症が高齢者施設などで発生した場合は、入所者は重症化リスクが高いと考えますが、同じような体制で行うのでしょうか、伺います。 2項目めの学校再編についてですが、本市の学校再編の進捗として、既に一部地域で説明会が始められていると聞いています。学校の存在は、子どもたちと保護者だけでなく、地域住民にとって非常に重要なものであり、その再編においては、これらの方々への丁寧な説明が求められると思いますが、教育委員会としては、保護者、地域住民への説明を今後どのように進められていくつもりでしょうか、説明を求めます。 3項目めの石木ダム建設事業についてですが、冒頭申し上げましたように、明渡し期限から1年が経過したことを振り返る意味も含めて、工事の中断や住民との話合い、行政代執行への見解等、今後の石木ダム建設事業について、長崎県の判断としてではなく、佐世保市長としてどのように考えておられるのか、市長の見解を求めます。 4項目めの核兵器禁止条約についてですが、禁止条約への参加を求める意見書を採択した自治体は500に迫ろうとしています。世論調査では、7割の国民が、日本が禁止条約に参加すべきだと答えています。政府には、唯一の戦争被爆国として地球上の核兵器廃絶に主導的役割を果たすこと、また、市長には日本の禁止条約への参加についての署名活動へ署名していただくことを要望いたしまして、この質問は終わります。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 小田議員の再質問にお答えいたします。 石木ダム建設事業についてということでございますが、工事等の今後の見解ということでございます。 専門的知見を要するダム建設工事や用地交渉等は長崎県が主体的に実施しているもので、その詳細は本市が把握するところではございません。 また、繰り返しになりますが、石木ダム事業は、川棚川の治水や川棚町の利水・地域振興等を含めて総合的な判断が求められるため、本市が単独で判断できるものではございません。本市といたしましては、ウィズコロナの中で求められる公衆衛生の役割や疲弊した市民生活や地域経済の中での渇水の影響を考えますと、事業の必要性、緊急性は高いことに変わりございませんので、引き続き本市の実情を県に伝え、県御当局の判断を仰いでいく考えでございます。 以上です。 ◎保健福祉部長(野村成人君) (登壇) 1項目めの新型コロナウイルス感染症についての再質問についてお答えいたします。 高齢者など重症化リスクが高いと言われている集団等につきましては、クラスターが発生した場合の影響が極めて大きくなりますことから、早期発見の取組強化が重要であると認識しております。 厚生労働省からの通知によりますと、「高齢者施設において感染が1例でも出た場合などにおいても、当該施設に属する者の行政検査を実施できる」となっており、本市におきましても、施設内で感染が発生した時点で積極的疫学調査を実施し、感染拡大を最小化するために、陽性者と接触のあった入所者や職員の方々に対して速やかに積極的な検査を行うように考えております。 本市といたしましても、リスクが高い場合などは、幅広く検査を行うとともに、市民の皆様が安心できるような体制づくりを図ってまいりたいと考えております。 以上です。
    ◎教育長(西本眞也君) (登壇) 小田議員の再質問にお答えをいたします。 今後の学校再編に係る説明の進め方について御質問がございました。 本年10月からPTAや地区自治協議会の役員の皆さんなどを対象に説明会を開始しておりますが、これは学校再編に関する意思決定や合意の場ではございません。教育委員会の再編案をお示しし、地域ごとに御意見をいただきながら、問題点の洗い出しや解決策の検討を行い、次年度に予定しておりますより多くの保護者、地域住民の皆さんとの意見交換につなげていきたいと考えているところでございます。 教育委員会といたしましては、学校再編の基本方針として丁寧な合意形成を掲げており、地元の御意見をしっかりと伺いながら、子どもたちのための教育環境の整備と、よりよい地域づくりを目指した再編計画を組み立てていきたいと考えております。 以上でございます。 ◆4番(小田徳顕君) (登壇) 最後に、要望を含めて述べさせていただきたいと思います。 新型コロナウイルス感染症についてですけれども、今後さらなる検査体制の充実と、特に情報を得る手段が少ない高齢の方や障がいをお持ちの方々への広報の充実を要望したいと思います。 学校再編についてですけれども、本市においては、学校再編に関して特に何も決まっておらず、地域の方々に今後説明をしていくとのことですけれども、最後に要望を述べます。 大規模校の解消はともかくとして、児童生徒数が減ったからといって安易に地域から学校をなくすことは、地域コミュニティを壊すだけでなく、子育て世代が居住地として選ばなくなることから、さらなる人口減少につながるのではないかと危惧しています。 安倍前首相の諮問機関--第32次地方制度調査会専門小委員会で、学校統廃合の進め方などを盛り込む「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」に対して、委員から、「地域の小学校に子どもが通えないところに若者が住むはずがない、地域全体で子どもを育てる考え方からすれば、統合すればよいというものではない」と述べ、統合推進は地域衰退につながると指摘しています。 さらに、政策研究大学院大学が行った調査による実証分析では、統廃合を行った小学校は、統廃合を行わなかった小学校に比べて、学力の指標である平均正答率が低かったとの報告が出されています。このことからも、基本方針のうち小規模校を不適正と決めつけて、学校規模適正化の名による学校統廃合は避けるべきだと考えます。 無理な学校統廃合禁止と、住民合意、小規模校の存続と充実、学校の地域的意義の3点に留意しつつ、地域の方々の理解と協力を得るように説明をしていただくことを要望いたします。 3項目めの石木ダム建設事業ですが、現在、知事は行政代執行の可能性を排除していません。一方で、石木川原の住民の方々が諦めて出ていくこともありません。私は、この民主主義国家の日本において、行政代執行など絶対にやるべきではないと考えます。 先ほど、長崎新聞のインタビューの記事を取り上げました。今回のインタビューは、石木ダムの問題に解決の糸口はないかとの思いで企画されたと聞いています。私はこの記事を読んで、知事、市長、町長、支援者、地権者、それぞれの見解から共通するのは話合いです。程度の差こそあれ、それぞれの立場がその重要性を認識していると感じました。県に対して工事を中断してでも話合いを実現するよう、市長から主体的意見を述べていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。 ○議長(崎山信幸君)  暫時休憩いたします。     11時01分 休憩     11時20分 再開 ○議長(崎山信幸君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。14番北野正徳議員。 ◆14番(北野正徳君) (登壇) 自民党市民会議、北野正徳でございます。 通告に従いまして一般質問を行います。 事実をどう認識するか、そして真実や真意をどう伝えるか、難しいなということを一般質問のたびごとに感じます。名探偵コナンのように、「真実はいつも一つ」と言い放つことができればいいのですけれども、世の中は複雑で、そう単純ではありません。そもそも事実と真実はどう違うのか。本来は、事実に基づいて真実が語られるのですが、その主張される真実とやらは主観的で、まるでトリックアートのように事実の見え方はいろいろで、それぞれの立場に真実がある、決して真実は一つではないように思います。複数の真実が争うのが世の常でありまして、今日は太平洋戦争の開戦の日ですけれども、戦争はその一つの帰結であるかなと思ったりもします。だからこそ政治は、伝えること、決定すること、その能力や技術が問われます。 一般質問の意義は、現状、事実に対し市民と行政、あるいは議員と行政が共通の認識を醸成することにあるのではないかと思います。そして、その共通の認識を土台として課題を抽出し、この課題もまた共通の認識をする。そして、この共通認識した課題に対し、方策、政策が議論され、決定をされる。この一連の作業が市民監視の中、公開で行われる、これが議会における一般質問の意義であると思います。 今回の一般質問は、市民の日常にとても大事な2点ですが、現状認識と課題の共有を図り、解決のための方策、政策を提言させていただきます。「真実はいつも一つ」、コナンの言葉の次には、「見た目は子ども、頭脳は大人」と続くのですが、私も、見た目は子どもサイズですが、大人の知恵と、何よりも佐世保市議会議員としての使命と情熱を持って、この一般質問を行います。 まずは、持続可能な地域公共交通の在り方についてであります。 9月定例会の一般質問において、バス路線一体化後の現状については共通認識ができたと思います。そのことを踏まえて、今回は課題の共通認識を図りたいと思います。 この地域のバス運行体制は西肥バスに一体化されましたが、担い手であるバス運転士の給与は、西肥バス、させぼバス、交通局退職者の三つのパターンが併存しております。正社員に対し、派遣や臨時、アルバイトなど働き方は違っても、職場は違っても、同一労働同一賃金の観点から、それぞれの待遇差はどこまで許容されるのか、今まさに日本全国で裁判などで提起され、判例が積み上がっている状況であります。三つのパターンの運転士の在り方は、運転士確保のための苦肉の策のようにも見えますが、この体制は過渡的なものなのでしょうか。令和4年度以降を対象とした公共交通再編実施計画においても、現状の三つの雇用形態は維持されるのか、お尋ねをいたします。 次に、新道建設と地場企業の生産性向上のための工業団地造成による道路混雑解消についてという、若干長いテーマになりましたけれども、小佐々町のウエストテクノ佐世保に至る道路混雑の課題であります。 この問題も、まずは現状認識のすり合わせが必要であると思います。これまでもたくさんの市議会議員、県議会議員の方々が関わり、住民や企業関係者からこの渋滞の苦情を聞き、行政に働きかけ、対応がなされてきたと思います。特に地元の永安議員におかれましては、平成25年3月、26年3月、27年12月、29年6月、30年12月、令和2年3月の6回、一般質問において取り上げられております。 私は、そうした地元の永安議員をはじめとした関係者の御尽力もあって、見返橋を小佐々側に渡った県道の改良や佐々川沿い右岸の県道改良など、よく対応していただき、見違えるほどに改良されたと現状を認識いたしております。ただ、地元や、さらに鹿町の一部の方々の日常交通に加え、旧小佐々工業団地に700名、ウエストテクノ佐世保に800名が通勤するという絶対的なボリュームに対し、見返橋を小佐々側に渡った後は1本の県道に収れんするという構造には限界があります。信号の時差などの工夫や企業側の時差出勤などの対応、運用においてできることはまだあるのかもしれませんが、道路改良としての対応は一定完成形であると思いますが、いかがでしょうか。 ただ、それでも渋滞は解消しておらず、今なおお困りの方々が多数いらっしゃると、関係市民は認識していますが、行政のお立場では渋滞は解消されたというお考えでしょうか。 さらに、令和2年3月定例会、永安議員の新たなる産業道路の必要性を訴える一般質問に対し、土木部長より次のようなお答えがあっております。「西九州自動車道の松浦佐々道路が、近い将来、佐々インターチェンジから松浦方向へ延伸されますと、江迎、鹿町方面への通過交通が西九州自動車道に転換することが想定され、ウエストテクノ佐世保周辺の交通環境が大きく変わる可能性がある」ということですが、これはウエストテクノ佐世保に至る県道渋滞の直接的な解消策とは考えられませんが、どのような意味なのでしょうか。 以上3点を踏まえて、ウエストテクノ佐世保周辺の交通渋滞関係についてお伺いをいたします。 以上、1回目の質問といたします。 ◎企画部長(中島勝利君) (登壇) 北野議員の1項目め、持続可能な地域公共交通の在り方についてお答えをいたします。 バス運行体制一体化後の佐世保市地域公共交通再編実施計画に基づくバスの運行に当たりましては、交通局を廃止し、西肥自動車に路線を集約した上で、させぼバスが一部路線の受託運行を担うという方針の下、運行体制の最適化による競合路線の再編を図ってきたところでございます。 一体化へのスムーズな移行を図るために、させぼバスが受託する路線で不足する運転士につきましては、交通局の廃止に伴い、市の職員となった運転士を3年間、市からさせぼバスに退職派遣をいたしております。退職派遣職員等につきましては、派遣期間中もさせぼバスの給与体系ではなく、本市の給与体系に基づくこととしており、させぼバス運転士の人件費と格差が生じております。 退職派遣職員の人件費につきましては、させぼバス運転士の人件費相当額まではさせぼバスが負担し、これを超える人件費につきましては、旧交通局が運営をしておりました駐車場等の収益を充てることといたしております。 一体化前におきましても、旧交通局、させぼバス、西肥バスの3社の運転士の給与に差がありましたが、一体化後も同様に経営状況や労働条件、雇用形態がそれぞれ異なっていることから、給与に差が生じているものと理解をしております。 三つの雇用形態の継続に関するお尋ねでございますが、運行体制一体化後の検討におきましても、次期再編実施計画におきましては、させぼバスへの退職派遣を前提とした運行形態によらず、2社の運転士による運行維持が可能となるよう、現在、両事業者における運転士の確保や系統、ダイヤ等の見直しの検討を行っている状況でございます。 しかしながら、一方で中途退職者の増加やコロナの影響に伴うバス利用者の減少などにより、バス事業を取り巻く環境が一体化前の時点と大きく変化しておりますので、次期再編実施計画の策定に当たりましては、路線再編による市民への影響や今後の運転士の採用状況などを踏まえ、状況に応じ運転士不足への対応を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎土木部長(杉本和孝君) (登壇) 2項目めの新道建設と地場企業の生産性向上のための工業団地造成による道路混雑解消につきまして、道路改良の完了並びに渋滞解消の認識等についてお答えいたします。 ウエストテクノ佐世保周辺の渋滞対策といたしましては、長崎県におかれまして、工業団地入口交差点での右折帯の整備や佐々川右岸の道路拡幅工事を実施され、それぞれ平成28年12月と令和元年8月に整備が完了いたしております。 その結果、西九州自動車道につながる産業道路としてのネットワークが完成し、一定のハード整備につきましては完了していると認識しております。この効果の検証といたしまして、佐々川右岸の道路拡幅工事完了後に、工業団地周辺の朝の通勤時間帯である午前7時から8時30分までの1時間30分の交通量調査を行った結果、佐々川右岸側において146台の増加、一方、見返橋を経由する交通量は118台の減となっており、交通の分散化が見られ、渋滞の緩和が図られております。しかしながら、現時点においても、朝夕の通勤時間帯においては、工業団地入口をはじめとする周辺の各交差点におきまして、一定の渋滞が残っていると認識しております。 こうした中、本年10月に工業団地入口交差点において、鹿町方面への朝の7時から9時の間の青信号時間が10秒間延長され、渋滞緩和の一定の効果が見受けられております。今後とも関係機関と連携し、渋滞状況を確認しながら、効果的なソフト対策を講じてまいりたいと考えております。 一方、さらなる道路拡幅等のハード整備については、沿線の建物の立地状況などから困難であると考えておりますが、交差点や右折帯などにおける局部的な改良につきましては検討の余地があると考えておりますので、引き続き状況を注視しながら、渋滞状況の改善に向け、関係機関との協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、西九州自動車道松浦佐々道路開通後のウエストテクノ佐世保周辺の交通環境の変化についてお答えいたします。 現在、松浦佐々道路の進捗につきましては、松浦市側において全面的に工事に着手されており、江迎工区につきましては、本年度から江迎町乱橋より工事に着手されるなど、加速度的に事業進捗が図られております。県におかれましても、鹿町町から(仮称)江迎鹿町インターチェンジを結ぶ主要地方道佐々鹿町江迎線鹿町工区の工事が実施されており、令和8年度の完成を目指して事業を進められております。 これらの道路が完成しますと、江迎、平戸方面はもとより、鹿町町の一部につきましても松浦佐々道路に交通の転換が図られ、既存道路の混雑が緩和されるものと予測されます。仮に鹿町支所から佐々インターチェンジまでの経路について試算いたしますと、小佐々町を経由する既存ルートの場合、距離にして約14キロメートル、所要時間は20分かかります。一方、松浦佐々道路と整備中の県道が開通いたしますと、距離は約13キロメートル、所要時間で約13分と、大幅な時間短縮が見込まれ、小佐々町、鹿町町を行き来する交通量が減少することを見込んでいるものでございます。 また、現在、佐々インターチェンジが末端のインターチェンジとなっていることに起因する佐々インターチェンジ周辺での渋滞につきましても、松浦佐々道路の延伸効果に加え、現在進められている4車線化事業による相浦中里インターチェンジの渋滞緩和が図られることにより、相浦方面から平戸方面への交通が西九州自動車道に転換されることも予測されます。 以上のように、今後の交通量の転換を鑑みた場合、ウエストテクノ佐世保周辺における交通環境の変化は少なからず生じるものと推察しているところでございます。 ◆14番(北野正徳君) (登壇) バス事業の件ですけれども、ポイントは運転士の確保ということかと思います。こうした苦肉の策から見える現状は、バス運転士という働き手が慢性的に不足していること、さらには赤字路線という言葉に象徴されるように、路線バス事業の採算性が悪く収益が上がらない結果、魅力のある収入が実現できないことにあるのではないかと思われます。 将来を含めた運転士確保、運転士にとって魅力的な収入の実現についてはどのようにお考えかをお尋ねいたします。 道路の件ですが、よく分からなかったのですけれども、要するに西九州自動車道の関わりは、佐々町の渋滞に対して鹿町町から来る車が減るから、幾らか緩和されるかなという話なのですか。 ただ、ウエストテクノ佐世保の渋滞対策の道路はほぼ完了した。しかし、今なお渋滞は解消されていない。この現状認識については共通の認識ができたと思います。 ここで視点を変えます。菅政権誕生以後、中小企業の生産性向上、再編が政策の大きなテーマになっておりますが、前回の一般質問でお話をしましたが、日本は1人当たりのGDPが低い、つまり生産性が悪い。もうすぐ韓国にも抜かれるかもしれないという状況になっております。その原因は、中小企業の中小零細な事業者において生産性が低いということが言われていますけれども、市内の地場の商工業の現状についてどのようにお考えでしょうか。 また、これは私の実感ではあるのですけれども、市内の地場企業は、後継者や雇用の難しさから経営を閉じる方向への動きと、一方で、顕著に業績を伸ばし、撤退する側のシェアを引き継ぐ形で事業を伸ばす動きの二極化が見られています。銀行自体も再編をされましたけれども、新しい銀行も大きな使命として、廃業される側の経営資源を拡大する側にマッチングすることを課題に設定されています。拡大する側は、拡大の機会に生産設備を高度化、集約して大規模化したい、そんな御意見も私は聞きます。相浦の新しい工業団地は6ヘクタールの一括分譲ということでありますが、地場企業においてはそこまでの設備投資は若干難しいと思います。せいぜい1,000坪前後ではないでしょうか。 そこで、地場企業のために、小規模な工業団地の分譲を考えてはいかがでしょうか。そうしたことも含めて、地場中小企業の振興策をどのようにお考えかをお尋ねいたします。 ◎企画部長(中島勝利君) (登壇) 1項目め、地域公共交通の在り方についての再質問についてお答えをいたします。 バスの運転士不足は全国的にも大きな問題となっておりまして、各事業者でも運転士確保に苦慮されているところでございます。運転士確保の取組といたしましては、させぼバスでは新聞折り込み、フリーペーパー、求人ウェブサイトなど様々な媒体を活用した募集のほか、ハローワーク主催の事業者面談会に参加をされております。また、西肥バスでも同様に、ハローワーク、企業説明会、運転士体験、運転士採用情報サイトを立ち上げるなど、両社ともに常時運転士の募集を行っておられるものの、応募が少ない状況にあると聞き及んでおります。 本市といたしましても、運転士確保の重要性に鑑み、させぼバス運転士募集を市広報等を通じ行うほか、西肥バスで取り組まれております運転士養成員制度に関し費用の一部を補助するなど、両社の取組に対して支援をしているところでございます。 また、移住希望者に対するバス運転士への就業PRに力を入れておりまして、就業希望者と事業者との仲介を行うほか、若者の移住定住促進のための奨学金返還サポート制度におきましては、市内で路線バスの運転士として就業する場合に補助金を加算、支給するなどの要件を、本年度に追加をいたしました。 運転士が不足する要因は、給与以外にもあるとは思われますが、職業を選択する上で年収は最大の選定要素になるものと考えております。 このため、一体化に際し運転士の維持、確保の取組の一つとして、一体化前には届いていなかった西肥バス、させぼバス運転士の諸手当を含む平均年収370万円を目指すことを市、両事業者、3者の共通認識としております。 市といたしましても、この目標値を達成し、さらに上げていくことによって、路線とサービス水準の維持に不可欠な運転士の確保につながるものと認識しておりますが、コロナ禍による経営状況の悪化が、処遇改善の進捗に影響するのではないかと懸念をしているところでございます。 また、バス運行体制一体化後におきましても、一部の路線や時間帯によっては重複が生じている路線や乗車率が低い路線などもあり、これら系統や発着地の見直しによっては運転士の必要数を削減できる余地があるのではないかとも考えられます。運転士の確保は、バス運行を維持するための重要課題であることから、人的確保策と運行体系見直しとの一体的な取組によりまして、サービス維持に必要な運転士数を確保し、バス路線維持に努めたいと考えております。 以上です。 ◎観光商工部長(井元保雅君) (登壇) 2項目めの新道建設と地場企業の生産性向上のための工業団地造成による道路混雑解消につきまして、地場企業の生産性と規模拡大についての現状認識と工業団地造成に関して、私からお答えいたします。 まず、中小企業の生産性向上につきましては、市としましても、少子高齢化や人手不足等への対応など厳しい事業環境を乗り越えるためにも、生産能力の高い設備へと一新させ、事業者自身の労働生産性の飛躍的向上を図る必要があるとし、種々支援施策を講じております。 また、規模拡大につきましても、市場の新陳代謝を図るためにも、優れた技術やサービスを保有しているにもかかわらず、経営者の高齢化等により廃業を余儀なくされる企業等を買収して、規模拡大を図ることは、将来的に生産性向上につながっていくものと思われます。 本市としましても、中小企業によるこうした取組への支援施策としまして、生産性向上特別措置法等による固定資産税の課税免除制度や市内事業者間の事業承継資金にも利用可能な制度融資を設けております。しかしながら、議員の御質問にございました本市の商工業の現状としましては、労働生産性は多くの産業で全国水準より低い状況にあります。今後さらなる人口減少が見込まれる中、地域経済の発展のためには、生産性を高めていくことが重要であると認識しております。 次に、本市における工場用地造成につきましては、これまでも市内外の企業立地の受皿として工場用地を造成する場合は、一定の企業集積や投資規模及び地元雇用など、事業効果を見込んで実施してきております。その一方で、比較的小規模な工場用地開発については、協同組合が実施する工場集団化事業などの高度化事業の手法を用いて実施されており、市としては中小企業基盤整備機構からの資金調達面での支援を行っておりましたが、近年においては、組合単位での事業自体が行われなくなっております。 議員御提案の小規模団地の造成については、従来の資金調達時の支援に限らず、先行的に工場用地を造成し、地場企業の規模拡大を誘導する手法として捉えることができます。この場合におきましても、さきに述べました事業効果や財源調達の可能性も含め、十分な研究が必要になるものと思われます。 以上でございます。 ◆14番(北野正徳君) (登壇) バス路線についての答弁で確認できることは、運転士--働く人の確保ということであります。一般的に、中小の零細な企業において社員の定着率が悪いというのは、当然、給料ということもあるのですけれども、それよりも将来が不明確であるということが第一に挙げられているということです。10年後、20年後に自分がその会社で働いている姿が見えない、だから転職すると、そういうことが原因とも言われています。 先ほど、路線バスの生産性という話をしましたが、見方を変えれば需要と供給のミスマッチということになります。地域住民、市民が円滑に移動を求める需要に対し、路線バスがそれを実現する交通手段を供給していないということです。サービス低下による需要減、つまり利用者減ですけれども、それでますますサービスが悪くなると。 しかし、もう一方の見方では、少子化や人口減で利用者が減ったために採算が悪くなって適切なサービスを行うことができなくなったと見ることもできます。さらには、地域公共交通は、そもそも需要と供給や、ましてや採算の悪化を利用者が負担すべきではないという考えもあります。移動の自由は基本的人権であり、シビルミニマムとして利便性、低廉性、速達性に配慮した地域公共交通を維持しなければならないという考え方で、バス料金の上限制や市が連節バスを購入し民間に貸与すると、そうした政策を実施している自治体もございます。 このように、現状の共通認識はできても、課題の捉え方はいろいろあります。将来の捉え方も、人口減少で公共交通の需要は減少するという見方もあれば、マイカーを手放した高齢者の移動の自由をどう実現するか、学校統廃合で児童生徒の遠距離通学の手段をどう確保するか、むしろ公共交通の需要は大きくなるという考え方もあります。 国においても、モビリティサービス、モビリティマネジメントの考え方の下、過度に自動車に頼る生活から適切に公共交通を利用する生活への転換が提唱されています。人口が減っても、あるいは人口減だからこそ、持続可能な地域公共交通が地域の持続、自立のエンジンになるとも言えます。地域公共交通の現状は共通認識できたとしても、課題を共通認識し、ましてや解決することはとても難しいということを実感します。 そこで、今回の一般質問の提言ですけれども、この際、将来イメージの共有を図ってはどうでしょうか。立地適正化計画というまちづくりの将来像があります。そこに連動した持続可能な地域公共交通の将来構想、例えば、地域内の交通は現在のデマンドタクシーやまめバス、地域間に中型バス、都市軸を大型バスや低床の連節バスなどが運行する。さらには、MRやJR佐世保線も加えた交通モード全体で機能を整理し、役割を分担する。この地域におけるモビリティサービスの将来像をコンサル等の専門的な視点を取り入れて作成していただいたらどうでしょうか。これはまた、バス運転士という働き手の将来にわたる人生設計にも役に立つことであると思います。御提言をいたしますが、いかがお考えでしょうか。 次に、混雑解消の件ですけれども、観光商工部長からいただいたお答え、私も実感して、ただ、資金的な支援はするけれども、土地は自分で見つけてくださいということだと思うのです。ここで、この渋滞解消のための新道建設と地場企業のための分譲地の話を合体して、市長に御提案をいたします。 佐々川右岸に拡幅整備された県道の途中から山側に切り抜き、ウエストテクノ佐世保の入口に向かって新道を敷設してはどうでしょうか。その際、県道をウエストテクノ佐世保側に右折した道路の右手、「ほっともっと」の裏周辺に通称長田のため池と呼ばれる池がございますが、この長田池は1万9,186平米あり、公共用財産として資産経営課の管理となっております。この長田池を新道敷設のために山から切り出す搬出土で埋め、造成し、地場企業の事業高度化用地とする。1,000坪ほどの分譲地が6区画ほどできます。分譲対価によって公共工事の費用対効果のハードルは解消し、市の遊休資産を活用し、渋滞を解消し、地場産業を活性化することができます。 この事業をすぐに採用してくださいとは言いませんけれども、ぜひ調査をしていただきたい。実現可能性の調査を真摯に行うことは、進出した企業やこの地域で生活している方々に対する行政の責任であると思います。渋滞こそが生産性低下の大きな要因ともなっております。 市町合併というのは朝長市長の大きな成果であると思います。この市町合併の効果で、今回、小佐々町と吉井町は過疎対策法の部分過疎から外れるかもしれないと。人口減少率が緩やかになったということであります。これに加えて、この合併町の小佐々町に、佐世保市でも有数の産業集積ができ、そこは進出企業もあれば、地場企業の高度化の拠点でもあるということになれば、これは大きな政治的な成果ではないかなと思います。合併特例法から外れたとしても、3年か5年の延長期間があるということです。この過疎事業については100%充当の70%交付税で見るという制度でありますから、相浦の工業団地よりもさらに有利に事業を進めることができるのではないかと思います。ぜひ考えていただきたいと思います。 ある政治家が優秀な官僚に対して、「彼は物すごく優秀である。一つの提案に、できないことを10個ほど合理的な意見を述べることができるんですよ」と、優秀な官僚を表したようです。やはり行政としては、できないことを上げるということも一つの能力、役割かもしれませんけれども、政治は少しでも可能性があることにチャレンジするということが、まさに政治の役割であろうかと思います。ぜひとも(終了ブザー)この可能性にチャレンジしていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 北野議員の質問にお答えをいたします。 議員御提案の新設道路につきましては、これまでも複数の議員や地元からの御提案があっております。佐々川大橋を越え、ウエストテクノ佐世保周辺へ直結するルートとなりますと、いずれも急峻な山間部を通過することとなり、道路新設には多大な費用がされること、また、土木部長答弁のとおり、今後の交通環境の変化を見据えた場合、現時点で新設道路を計画段階に移行することは現実的ではないと考えております。このことから、まずは再度、渋滞状況の調査や局部改良の具体的な検討について、関係機関と協議を進めるよう指示したところでございます。 その上で、議員御提案の道路新設につきましては、地形図などを用いた机上調査などに基づく効果や費用の検証作業を実施したいと考えております。今後の企業成長のためには、生産性向上や付加価値の増に向けた取組への支援については、これまで以上に必要があることは議員と意を同じくしているものでございます。 議員からの小規模団地造成の御提案についても、市内企業の生産性向上に資するものと理解をいたしております。 なお、具体的に調査を実施する際には、市内企業の皆様からの用地取得希望の声の高まりも必要な要素であろうと思われますし、本件に限らず、対象を選定するに当たっては、候補地までの交通利便性も考慮しつつ、造成コストをいかに低廉に抑えられるか、また、地域に及ぼす影響などの配慮も必要になるものと思われます。現状としましては、今後の市内事業者の動向を注視してまいりたいと考えております。 なお、地場企業の事業高度化用地として長田池を造成することと、道路の新設を併せて計画することにつきましては、公共工事のコスト縮減効果並びに市内事業者の生産性の向上に資するものと推測されますが、まずは各事業がそれぞれに必要性や効果等が成り立つことが前提であると考えており、各事業の検証結果を見極めることが肝要であろうかと考えております。 以上です。 ◎企画部長(中島勝利君) (登壇) これからの時代における公共交通のあるべき姿について、御提言を含めて再々質問がございました。 人口減少に比例しまして、公共交通の利用者も年々減少しており、市内バス路線では毎年4%以上の利用者が減少している状況であります。また、少子化に伴い通学定期の利用も減少してきており、現行どおりのサービス水準を維持し続けることは困難な状況となってきていることから、経営効率化の観点からも、実態に応じた効率的な路線、ダイヤ等の見直しは不可欠な状況となってきております。 将来にわたって持続可能な公共交通を維持し続けるためには、単に多くの人を運ぶといった固定観念から脱却し、人口減少に対応した運行形態に変革していくことが肝要であるものと認識をしております。 議員お尋ねのとおり、各交通モードが持つ機能や特性を生かしながら、一体的な交通ネットワークの連携により、市民の移動に係る傾向や実態に対応した公共交通網を構築する必要があるものと考えております。 バス路線におきましても、乗り継ぎによる効率化、移動の速達性、各交通モードの役割分担など、最適で効果的な公共交通網の形成が求められているところでございます。また、その際には、都市計画マスタープランや立地適正化計画との方向性と整合させながら、都市核、地域核、生活核を結ぶ幹線を軸とした交通ネットワークの構築や、生活圏域においてはデマンドタクシーなどのバス路線を補完する移動手段の充実を図る必要がございます。大きな変化を伴う交通体系の構築には、交通事業者の協力と市民の理解や認識を深めていただく取組が不可欠でございます。 また、検討に当たりましては、コンサルなどの専門性などをもって分析する必要があるほか、市民意識の醸成にも一定の時間を要することから、段階的に体制整備を図っていかなければならないと考えております。 現時点におきましては、コロナ禍に伴う影響など、一体化時点で想定できなかった大きな状況の変化に対処しながら、まずは現再編実施計画に基づく運行体制をしっかりと維持していくことが重要であると考えております。 その上で、次期再編実施計画につきましては、その上位計画となります次の公共交通網形成計画に盛り込むべき新たな交通網の考え方を踏まえた実施計画の検討に着手しているところでございます。 以上です。 ○議長(崎山信幸君)  暫時休憩いたします。      12時02分 休憩      13時30分 再開 ○副議長(山口裕二君)  それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。22番小野原茂議員。 ◆22番(小野原茂君) (登壇) 皆さん、こんにちは。 市民クラブの小野原茂です。 通告に従い、順次質問いたします。 1項目めの令和2年度日野川流域の日野・椎木地区における豪雨対応についてと2項目めの島瀬美術センターの指定管理化についてそれぞれ質問いたします。 初めに、日野川流域の日野・椎木地区における内水対策についてお尋ねいたします。 近年、温暖化の勢いはとどまるところを知らず、今年も梅雨時期に前線が停滞し、記録的な豪雨となり、河川の氾濫などにより数多くの死者を出し、甚大な被害をもたらした熊本南部の洪水災害、また、県内でも、7月6日に1時間の降水量が94.5ミリの記録的豪雨を観測した大村市では、河川の氾濫や冠水などの被害が数多く発生し、災害弱者の避難時における課題も改めて突きつけられました。 佐世保市でも、梅雨前線の影響は大きく、市内各地に豪雨をもたらし、土砂崩れや河川の氾濫により道路冠水が起こるなど、地域住民に大きな被害を与えました。特に、私が住む日野・椎木地区においては、日野川河川改修工事が遅れていることと重なり、今年も6月末には未整備区間から河川が氾濫し、日野・椎木地区に浸水被害が広がりました。数年前にも氾濫を起こし、付近の民家の床上浸水が発生しております。一刻も早い日野川の改修工事の完成が望まれるところであります。 また、日野川牽牛崎橋から下流側の草木の伐採と川底の浚渫の要望が、日野地区連合町内会から県に対してありましたが、即対応していただくこととなり、緊急浚渫推進事業として新たに予算を計上していくとのことでした。 さらに、県道日野松浦線の共立自動車学校付近の道路冠水については、今年度、ソフト面での対応で、冠水地帯における注意喚起の浸水警報装置として2か所に警告灯の設置も行っていくと県から報告をいただいております。 一方、老朽化の著しい相浦川において、河川の氾濫並びに堤防決壊のおそれがなかったのは、現在行われている中里橋付近からMR鉄橋まで県の伐採、掘削工事が行われていることが功を奏したのではないかと思うところであります。 しかし、早く相浦工区に進んでいただかないと、道の駅「させぼっくす 99」がある愛宕地区から相浦橋にかけて土砂の堆積が喫緊の課題となっております。平成30年の豪雨災害では、相浦川と市の河川の小立川との合流地点では堤防がえぐられ、あわや決壊寸前の被害が発生しました。そのため、今でも小立川左岸には大型土のうが積まれたままで復旧整備には至っておりません。 また、その下流側の老朽化した三つの固定堰一帯には大量の土砂が河道の断面を阻害しているので、川底掘削と併せ、三つの堰の統合に向けて現在設計が行われております。 次に、愛宕山麓の川迎町公民館がある相浦川右岸側の堤防かさ上げが難しいことから、川底の浚渫と併せ、右岸側にパラペット設置の計画がなされております。 次に、下流側に進みますと、現在行われている川下地区でありますが、この左岸側一帯は、西部下水道処理水の放流に対して、地元からの水道局への要望事項でありますが、和田津美神社参道に貫通ボックスは設けず、今年度は土砂を浚渫するための車道を設け、左岸側に沿って車道を掘ることで樋門の整備が行われることとなり、川下地区の内水対策が前進するものと思われます。 次に、二級河川小野川の下流側も水害対策の一環として、右岸側の余水吐きの完成、また、河口の水門や両岸の整備も完了し、あと残るは母ヶ浦地区の曲田橋下流側の大量の土砂の堆積が課題でありますが、今年度から数年かけて掘削工事が計画されております。 以上述べましたように、相浦川や小野川も課題山積で大変気になるところでありますが、今回は、度々浸水被害が起きている日野川流域の内水対策に焦点を絞って一般質問することといたします。 今年も椎木・日野地区においては、6月25日早朝の豪雨による日野川の氾濫とその流域の道路冠水、また、7月6日にも、早朝の豪雨による道路冠水などに対し、県・市一丸となって内水対策に取り組んでいただいておりますが、まだ課題解決には至っておりません。これまで満潮時における長坂方面からの大量の雨水による日野新町の浸水対策や、星和台や日野小学校などの高台からの雨水が日野川に吐き切れないことが、日野川流域の浸水が解消されない大きな原因であり、そのためには、日野川への分水を急ぐと同時に、公共下水道雨水渠事業による椎木調整池に相浦川へ強制排水する椎木ポンプ場の建設と水路の整備が喫緊の課題となっておりましたが、今年秋に念願の椎木ポンプ場建設事業がスタートしたことは、日野・椎木の住民にとって大変ありがたいことであります。 あと残るところのもう一つの課題である日野地区の内水対策が大きな鍵となるところです。しかし、これは、一朝一夕にできるものではなく、日野川流域の水害問題は、過去50年以上に遡り治水事業として国・県・市や地域の水害対策に取り組んでこられた行政と地元有志の方々の長年の血のにじむような努力の成果ではないかと思うところです。 振り返りますと、昭和40年当時、私が15歳のときに甚大な被害をもたらした佐世保市豪雨災害では、日野川の河川の大氾濫によって日野川流域一帯が海と化し、ほとんどの住宅が浸かり、新築だった我が家も床上浸水となりました。その後、40年の年月を経て平成19年に佐世保市議となり、まさか私が住む水害常襲地帯の日野川流域の治水工事に取り組むことになろうとは考えてもおりませんでした。しかし、職工として現場で培ってきた技術を生かして、それが水害対策に応用できたことはまさしく地元貢献だと思うところです。以後、大雨のたびごとに、あるときは真夜中に、あるとき早朝未明に、長靴はいつも浸かりながら浸水対策に取り組んでまいりました。そのかいあって、現在、日野・椎木地区においては、公共下水道雨水渠事業による整備が進められていることや、日野小学校下低地帯の道路かさ上げによる浸水対策、そして、要所要所の排水ポンプ施設による浸水対策や水路の整備が行われておりますが、まだ水害解消には至っておりません。 以上のことから、日野・椎木地区における内水対策の実施内容及び進捗状況についてお尋ねいたします。 次に、2項目めの島瀬美術センターの指定管理化についてお尋ねいたします。 今回、島瀬美術センターを含む3館--アルカスSASEBO、島瀬美術センター、文化ホールの指定管理制度導入に係る指定管理者指定議案が上程されている件については、その趣旨から大いに歓迎するところであり、今後、3施設の連携が図られ、幅広い活動が行われることにより、さらに佐世保市の文化が発展していくものと期待するところです。 一方で、今回質問に立ったのは、平成23年9月定例会の一般質問をはじめとして、今日までの一般質問において、文字・活字文化振興の観点に立ち、島瀬美術センター収蔵庫に眠る寄贈作品のモニターによる一般開放など、積極的な収蔵作品の適切な管理、活用及び研究が必要ではないかとの思いをいまだ強く持っているからでもあります。島瀬美術センターの開館当初から社中展中心の貸し館事業で手いっぱいだったがために、佐世保市の歴史が詰まった収蔵庫の中が手つかずのまま管理されていなかったことが今日まで尾を引いているのだと思うのです。 島瀬美術センターの収蔵品は、次代に継承していくべき佐世保の歴史、文化を物語る財産であり、また、観光などその他の政策に生かせる資産でもあります。しかしながら、その基礎となる管理や研究については、まだその取組が不十分であるという認識の下で、昨年12月定例会において改めて指摘を行ったところであります。 そこで、その際、答弁のあった収蔵庫の整理や調査研究に対する考え方の整理について、現在の進捗状況をお伺いいたします。 時代は変わり、平成25年、島瀬美術センターは、民間から登用された館長の専門性を生かし、これまでセンターを訪れたことのなかった方々に向け、質の高い美術特別展、裾野を広げる企画展の開催に取り組み、来館者数の増など成果を上げてこられたと認識しています。特に、狭い中にも世界の絵画の巨匠たちの作品展が次から次へと開催される現状は、他都市でも類を見ないものであり、私も開催の案内を大変楽しみに待っている市民の一人です。ただ、今後は、その絵画に特化した専門性を書や工芸、考古、民族など分野を広げ、深めていく時期に来ているのではないかと思っております。 今般、島瀬美術センター含む3館、アルカスSASEBO、島瀬美術センター、文化ホールを一括で指定管理化する議案が上程されていますが、その方向性と島瀬美術センターにおける複数のジャンルにまたがる収蔵品の整理や調査・研究を含めた専門性の向上について、今後どう取り組んでいくつもりなのか、今後の運営ビジョンについてお伺いいたします。 これで1回目の質問を終わります。 ◎土木部長(杉本和孝君) (登壇) 1項目めの日野川流域の日野及び椎木地区の内水対策についてお答えいたします。 まず、日野川について御説明申し上げますと、相浦川水系の二級河川で、流域面積2.4平方キロメートル、延長約2.3キロメートルの長崎県の管理河川でございます。二級河川相浦川との合流点から約1キロメートル区間は、河川の縦断勾配が緩やかで周辺が低地であることから、度々浸水被害が発生していたため、平成3年度に河口から約1.8キロメートルについて、河川改修事業として事業採択を受け、平成4年度から河道拡幅工事に着手され、河口部から順次継続的に整備が行われております。 現在、河口から約1.4キロメートルの地点のはこね橋付近までの河川改修が完了しており、令和2年度中にワシダオ橋(89ページで訂正)改修についても発注予定であり、令和5年度の工事完了を目標とされております。しかしながら、日野川は、潮汐の影響を受ける感潮河川であることから、満潮時には最下流部にある水門が閉じて排水ができなくなり、このときに大雨が断続的に降った場合には、日野川の水位上昇により、流域内の低地に浸水被害が発生しています。このため、当地区の浸水対策は、河川改修と内水対策を一体的に実施する計画としており、これまで本市において様々な内水対策を実施してきております。 内水対策の実施内容としましては、まず、平成9年度から都市下水路事業として事業着手しており、日野川河口部右岸に位置する椎木調整池から共立自動車学校横のコンビニエンスストアまでの水路を約270メートル新設しております。その後、公共下水道の許可区域(89ページで訂正)拡大に伴い、平成17年度に公共下水道雨水渠事業に切り替えて、日野及び椎木排水区として整備を進めているところでございます。 まず、日野川の左岸に位置します日野排水区についてでございますが、日野緑町から長坂町バス停付近までの流域となっておりまして、下流域の日野緑町に日野川へ強制排水するための日野ポンプ場を整備し、平成20年9月に供用開始し、中流域の日野新町に同じく強制排水用の日野第2ポンプ場を整備し、平成27年4月から供用開始いたしております。 この日野第2ポンプ場につきましては、低地部である日野新町に降った雨水を強制排水するためのポンプでありますが、既存水路の系統上、上流域の長坂町からの雨水も流れ込んでおり、現時点では、ポンプ排水能力を上回る水量を処理している状況であるため、今年度、日野川改修工事の進捗に合わせ、鹿子前入口バス停付近の交差点から上流域の雨水を日野川へ分水する工事に着手しております。この分水工事が完了いたしますと、日野第2ポンプ場への負荷が大幅に減少するため、日野新町付近の浸水被害がさらに軽減できるものと考えております。 続きまして、日野川右岸に位置します椎木排水区についてでございますが、相浦川に隣接する椎木調整池から星和台団地、日野小学校付近までの区域となっておりまして、現在、主な内水対策として、日野本町の日野川支流部と椎木調整池内の2か所に平成22年度から設置しております仮設ポンプによる強制排水で浸水被害の低減を図っております。 本仮設ポンプは、手動での運転方式であるため、運転管理については業務委託により実施しておりますが、近年の高度化された気象情報を基に、大雨が予報されている場合は、満潮時の約2時間前から本市職員が低地部の巡視を行い、委託業者と連携して適切なタイミングで運転を行っております。しかしながら、本仮設ポンプだけでは抜本的な内水対策とはならないことから、かねてから椎木調整池に新たな椎木ポンプ場の建設を予定しており、議員御案内のとおり、地元関係者の方々の御理解、御協力を賜り、本年度から建設工事に着手したところでございます。 この椎木ポンプ場は、毎秒4トンの排水能力を有する常設ポンプ場で、日野川の下流域の椎木排水区における抜本的な内水対策と考えており、日野川改修工事の完了年度と同じく令和5年度に供用開始を予定しております。 このように、令和2年度内の内水対策については、日野排水区では分水工事に着手、椎木排水区では、椎木ポンプ場建設工事に着手いたしておりますが、来年度以降の取組といたしましては、椎木排水区内に位置する市道長坂相浦線の日野小学校付近で豪雨時には道路冠水が発生していることなどから、日野川流域一帯の内水対策について、椎木ポンプ場の効果を踏まえ、雨水管渠の新設や既存水路のかさ上げ等について検討してまいりたいと考えております。 ◎企画部長(中島勝利君) (登壇) 2項目めの島瀬美術センターの指定管理化についてに対しまして、島瀬美術センターの収蔵品にまつわる現在の整理状況についてお答えいたします。 島瀬美術センターにおける収蔵品の整理につきましては、限られた職員によるマンパワーや各分野における職員の専門性などの課題があり、これまでなかなか取り組めていない状態でございました。 コロナウイルス感染症拡大防止の下、来館を制限することとなった今年度前半に、議員から御指摘をいただきましたこの課題を解決すべきと捉え、教育委員会と連携し、専門家の皆様の御助言もいただきながら、集中的に整理作業を実施することができました。 結果といたしまして、約8,000点の収蔵品につきまして、既存リストと現品の突き合わせ、コンディションチェック、教育委員会との所管の再整理など、一定の成果を得ることができたと考えております。 次のステップといたしましては、市民の皆様にこれらの島瀬美術センターの整理された収蔵品にもっと興味を持っていただけるように、いつでもどこでも携帯アプリなどで簡単にアクセス、閲覧いただけるようなサービス開始を目指して、次年度以降の準備を行っている状況でございます。 さて、次に、今後の運営ビジョンと調査研究を含めた専門性の向上についての御質問がございました。 本市として指定管理制度導入後におきましても、佐世保市の文化振興に関する大きなビジョン、将来像、基本目標や取組の方向性の設定、基礎調査などにつきましては、引き続き市側で責任をしっかりと担うことといたしております。その前提に立ちまして、指定管理者では、市の文化政策の方向性を十分に御理解いただいた上で、さらなる文化人材の専門性を育み、地域文化発展の力を最大限発揮していただけるような環境づくりに、今後、本市としてもしっかりと下支えに努めてまいりたいと考えております。 具体的な指定管理制度導入後の専門性の向上策について述べますと、これまでも島瀬美術センターにおきましては、職員の民間専門家からの登用、教育委員会から市長部局への所管変更など、専門性と機動性を高めつつ様々なチャレンジを行ってまいりました。 しかし、その一方で、職員の知見、能力、ネットワークといった専門性についての蓄積、継承の面におきましては、職員の異動という市が直営であることで生ずる構造的な課題が顕在化していることは否めません。このことは、今年3月に取りまとめました第2次佐世保市文化振興基本計画の策定時における文化振興委員会におきましても、この文化3館における課題として指摘をされており、改めて専門性の蓄積、継承、向上を今回の指定管理者制度導入の大きな目的の一つとしたところでございます。そこで、指定管理者側でも新たに専門的な職員を採用し、もって専門性の蓄積、継承、向上による課題解決を期待しております。 また、現館長を指定管理団体に派遣をいたし、館長が持つ絵画等の分野における専門性やネットワーク、知見を生かし、そのノウハウを指定管理団体へ継承させる仕組みづくりを検討しております。 このように、専門性が求められる調査研究においてや、それを生かした魅力的な事業展開につきまして、適切な役割分担の下、人材育成も含めた指定管理組織のレベルアップで、しっかりと取り組んでいけるよう、本市としてもきちんとモニタリングしてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆22番(小野原茂君) (登壇) 日野川流域の内水対策については、毎年起こる豪雨に対して、現在、公共下水道事業により、日野・椎木排水区一帯として整備が進められていることもよく分かりました。 また、日野排水区では、水路の整備のほかに、大雨時には日野ポンプ場や日野第2ポンプ場による雨水の強制排水が行われ、日野緑町や日野新町の浸水対策、そして、椎木排水区では、日野本町の日野川支流部と椎木調整池の2か所に設置されている仮設ポンプにより強制排水する浸水対策が講じられているとのことでありますが、このポンプについては、満潮時の豪雨対応ということで、水害時、その能力を発揮するのがポンプの役目であり、瞬時の対応が求められるのではないでしょうか。 しかし、今回、7月6日の日野川流域における豪雨では、日野ポンプ場のポンプが作動せず、日野緑町では一部道路冠水が発生しましたが、住民の安全・安心を考えると、やはり有事の際に威力を発揮するのが排水ポンプであり、しっかり機能を果たすことが使命だと思います。日野川流域では、それぞれ配備されている仮設ポンプや強制排水ポンプのどれ一つでも故障となれば、それこそ非常事態となって対応に追われることになり、内水対策とはなりません。 現在事業が進められている椎木調整池の新たな大型ポンプ設置についても、椎木地区だけではなく、日野川流域一帯の水害解消に向け大きな効果となるよう、また、最新鋭の高性能の強制排水ポンプと過信をせず、しっかり維持管理に取り組んでいただくようお願いいたします。 そこで、既設ポンプ場について、現在の管理体制と今後の対応方針についてお尋ねいたします。 次に、2項目めの島瀬美術センターの指定管理者導入に向けては、その収蔵品の活用を含めて、専門性の向上という視点が欠かせないという当局の考え方及びこれまで幾度となく行わせていただいた指摘に対して、進捗の見られなかった収蔵庫の整理が一定進んだことについては評価をしたいと思います。 答弁を聞きながら、8,000点にも及ぶ収蔵品を果たして短期間で整理、研究し尽くせるものだろうかという疑問も頭をよぎりましたが、今回の答弁におきましては、まず最初のステップであるリスト化が完了したということだと理解しております。つまり、今後、それら収蔵品の調査・研究に当たっては、これからだということです。 私個人の意見としましては、この収蔵品の調査・研究こそ指定管理者に任せ得る分野ではなく、市が責任を持って担うべき業務であると考えます。その点、指定管理者導入の大きな目的である専門性の向上及び導入そのものについては同意はするものの、若干拙速ではなかったかという思いも正直あります。言い換えれば、市として島瀬美術センターの専門性向上のために指定管理者を導入するという意図は十分理解できるものの、その中でも調査・研究という収益事業になりにくい分野を民間委託することで、これまで私が指摘を続けてきた収蔵品の本当の意味での活用の下支えとなる専門性の向上が、結果、おざなりになってしまうのではないかということを危惧しております。 そこで、指定管理導入後においても、調査・研究部門については市として専門職員や専門部署を設置するなどの取組が必要であると考えますが、市長の考えをお伺いして質問をとどめたいと思います。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 小野原議員の島瀬美術センターの専門性向上策についてということで御質問ございました。 2項目めの島瀬美術センターの指定管理化についてに対し、島瀬美術センターの収蔵品に関する調査・研究の今後の取組についてお答えをいたします。 まずは、今般の島瀬美術センターの指定管理業務の範囲設定に当たり、考古、民族に関する収集、保管、調査、研究の範囲については、学芸員の資格を有した職員を配置する市教育委員会が引き続き所管することといたしました。 また、この範囲に係る展示につきましては、指定管理者の管理業務と位置づけるものの、専門性を踏まえた内容とするため、教育委員会と連携、技術協力の下、実施することといたしております。 一方、残る絵画や書、工芸といった美術等における収集、保管、調査・研究、展示につきましては、指定管理者において専門的な職員の配置を求めてまいりたいと考えております。 このように、先ほど企画部長が申しましたとおり、市と指定管理者を含めた関係者で適切な役割分担の下、専門性が求められる調査・研究や、それを生かした魅力的な事業展開について、今後も取り組んでまいりたいと思います。 以上です。 ◎土木部長(杉本和孝君) (登壇) 再質問にお答えします前に、先ほどの1回目の答弁の中で、私が令和2年度の改修工事につきまして、鴛田尾橋の改修と申し上げるべきところをワシダオ橋と読み間違えたようでございます。 それから、公共下水道雨水渠事業の切替えに関しまして、公共下水道の認可区域の拡大に伴いと言うべきところを許可区域の拡大と申しまして、大変失礼いたしました。修正させていただきたいと思います。 それでは、1項目めの再質問にお答えをいたします。 現在、日野川流域で管理しているポンプ施設は、日野排水区に日野ポンプ場と日野第2ポンプ場、椎木排水区には日野本町と椎木調整池に仮設ポンプと、合計4か所ございます。お尋ねの管理体制のうち、運転管理につきましては、日野及び日野第2ポンプ場は、水位設定による自動運転方式でありますが、職員の現場巡視にて運転状況を確認しております。 また、仮設ポンプについては、手動運転方式となっており、先ほどお伝えしましたように、委託業者及び直営にて運転管理を行っております。 また、ポンプ施設のメンテナンスにつきましては、業務委託により保守点検を定期的に実施しており、梅雨時期前には一連の動作点検等も実施して、出水期の大雨に備えております。 そうした中、議員の御指摘のとおり、本年7月6日の梅雨前線豪雨時において、現場巡視時に自動運転である日野ポンプ場が正常に作動していないことを確認し、手動でポンプ運転を実施しましたが、日野緑町付近で一部道路冠水が発生いたしました。直ちに点検を行いましたところ、電気設備の故障が確認されたため、新品に交換して、現在は正常に作動することを確認いたしております。故障の原因は、落雷による影響と思われ、このようなトラブルをいち早く認知、対処するために、大雨時には、満潮時の約2時間前から本市職員2名を現地に向かわせて巡視を行うよう体制づくりをいたしておりますが、有事に対応するための施設が適切に稼働しなかったことについては、同様のトラブルを繰り返さないよう、さらに確実な管理体制を検討していかなければならないと考えております。 今後の対応方針といたしましては、定期的な保守点検や職員の現場巡視等について、継続して実施していくことはもちろんのことですが、遠方監視システムの導入についても検討していきたいと考えております。 さらに、現在の点検が電気系統を主とした点検になっていることから、施設の供用年数も考慮した適正な維持管理手法についても検討を行い、令和5年度に供用開始予定の椎木ポンプ場や他のポンプ施設も含めた総合的な維持管理体制を確立していきたいと考えているところでございます。 ◆22番(小野原茂君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 少し時間がありますので、思いを述べさせていただきます。 市長とされては、専門性を市側ではなく指定管理者側に蓄積していくというお考えということでした。私としましては、正直なところ不安は残っておりますが、その結果を見守りたいと思います。 最後に、指定管理者制度の導入後、まさに島瀬美術センターをめぐる変革が始まろうとしている中、今後、避けては通れない収蔵庫の問題にも触れておきたいと思います。 収蔵庫自体が狭隘であり、収蔵品の活用や新たな収蔵品の収集が難しい現状について、今後どのような取組を行っていくかについても注視してまいりたいと考えております。この点は指摘にとどめさせていただき、質問を終わらせていただきます。 ○副議長(山口裕二君)  5番鶴大地議員。 ◆5番(鶴大地君) (登壇) 皆様、こんにちは。 片仮名が一般質問に多めと最近で言われております自民党市民会議の鶴大地です。今回もよろしくお願いいたします。 2020年も残すところもう1か月を切っているというところで、2020年はまさに激動の年であったなと思います。そのような中でも、朝長市長をはじめとした当局の皆様、いらっしゃらない方も含めてコロナ対策や自然災害対策等、全力で走っていただいたことに感謝を申し上げます。ありがとうございます。年の終わりまで残り僅かではありますが、それぞれの皆様、議員の皆様を含めてお体に十分お気をつけて、引き続き佐世保市のためにお力添えをいただければと思っております。何か終わりのような話になってしまいましたが、私の質問はここから始めさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。 それでは、通告に従い2点の質問をさせていただきます。 まず1項目めが、デジタルトランスフォーメーション(DX)と、この後はDXという言葉も使わせていただきますので、御理解をください。先ほど冒頭でお話をしましたが、会派で、「片仮名では全然分からん。何だ、デジタルトランスフォーメーションというのは」と先輩から指摘をいただきました。お話をするとすれば、直訳を単純にしますとデジタル変革と呼ばれるようなもので、つまり、「進化した情報電子化技術を活用して、人々の生活をよりよく変えていきましょう」と言うと、日本語として分かりやすいのかなとは思います。 事の発端としては、経済産業省が、平成30年5月にデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会というものを立ち上げて、同年12月に発表したDX推進ガイドラインで日本版DXが明確となったわけです。そこでこう記載があります。 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化、風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と書かれています。まだ分かりづらいですね。つまりは、IT技術を使って新たなビジネスや組織をつくりましょうということだと思っております。 本市におきましても、本定例会における市長の提案理由説明においても、行政のデジタル化への取組に向けた組織の創設についてというところで、「デジタル技術を最大限に活用し、市民の利便性向上と効率的な行政経営の両立に取り組む」であったり、「デジタル化に向けた取組をスピード感を持ち、かつ着実に進めてまいります」といった御説明があっております。そして、補正予算においても、ITコンサルタントの活用だったり、オンライン申請システムの構築、AI入所選考システムの導入といった事業があり、まさに進んでいる最中というところは皆様御認識であると思います。 さらに、「日本のデジタル化というのは遅れているんだ」、そういう言葉をよく耳にされることがあると思います。少し調べて見ました。 国際経営開発研究所というところが出しているんですけれども、2019年発表の世界デジタル競争力ランキングというものによると、1位がアメリカ、2位がシンガポール、3位がスウェーデンと続き、日本は23位です。ちなみに韓国は10位。そこからも、先ほど話をしました日本のデジタル化というのは遅れているというのがお分かりいただけると思いますが、政府もそういった点を危惧してデジタル庁創設の動きや経済産業省がDXを推進するといった動きになっていると考えております。 そして、何より今の日本は、IT人材の不足、そしてシステムの老朽化といったものが問題と言われており、将来大きな損失を生むと危険視がされているという調査結果も出ており、今後の経済を考える上で、DXというのは必要不可欠であるというようなこととなっていると。 そこで、DXと言っても本当に幅広いお話になってきます。正直、今日いらっしゃらない当局の皆様のそれぞれにも関わってくるお話になってきますが、通告にもありますとおり、まずはDXでの経済活性化に着眼した質問をさせていただきたいと思います。 本市では、行政のデジタル化といった取組に対しては、先ほども話しましたとおり、積極的な動きというのが見えますが、DXにおいて経済を活性化させる手法、行政が便利になっていくデジタルガバメントが非常に進んでいくことは理解をしています。ただ、経済、それに掛け算をしていくという手法も絶対必要だと私は思います。どのように考えているのかなと疑問に思うわけです。 今までとは逆に、今回、委員会審査が先にあって、総務委員会で第144号議案の審査において確認をさせていただいた中では、現在のICT戦略の範囲拡大として、まちづくり政策におけるICT活用であったり、DXといったものを考えていくというような御説明がありました。それらがどのようにつくり上げられていくのかというところにも非常に興味を持っておりますし、非常に重要な分野であると思っております。 そこで、先ほども言いましたとおり、経済に着眼を置いて、質問としては、商工、そして、農林水産分野でのDXの推進、そして、DX推進での委託業務を市外ではなく市内で請け負えるようにするためのDX関連企業の誘致、それぞれの分野でのこれからの取組についてお伺いをいたします。 そして、2項目め、大きく話は変わり、空き家対策についてですが、この点に関しては、これまでにもたくさんの先輩議員さんが質問されてきた項目でありますので、提案も併せながらよりよい策への発展、進展というところで、空き家の減少へとつながることを願って質問させていただければと思います。 まず、本市の空き家等の対策ですが、平成27年の空家等対策の推進に関する特別措置法を受けまして、空き家等の適正な管理及び活用に向けた対策を総合的に実施するために、平成29年7月に佐世保市空家等対策計画を策定しております。そこで空き家バンクや相談窓口、補助制度を打ち出し、その対策を行っていると思っております。 そのような中、国全体に目を向けて見ますと、本年11月26日に国土交通省が発表した全国の空き家状況によると、所有者特定事務が完了している空き家は全国で38万軒にも及ぶというところで、そのように政府も地方自治体も多様に策を講じながら空き家対策をしている中であると思いますが、改めて以前の質問から時間もたっていると思いますので、まずは空き家対策における本市の現状と、そして、現状を研究した上での今持たれている課題、そして、それらへどう対策をしてくのか。対策の中でも、特に佐世保市老朽危険空き家の除却費補助金制度の現状についてお尋ねをいたします。 以上、1回目の質問を終わります。よろしくお願いします。 ◎観光商工部長(井元保雅君) (登壇) 1項目めのデジタルトランスフォーメーション(DX)についての御質問のうち、商工分野のDX促進に関しましてお答えをいたします。 近年、企業においては、深刻な人口減少や急速なデジタル社会の進展など、ビジネス環境の様々な変化に直面しており、企業間の競争は、今後さらに激化していくことが予想されております。このような中で、企業においては、デジタル技術を活用し、業務効率化やビジネスモデルの変革などにより、自社の競争力を高めていく取組の必要性がますます高まっているものと認識しております。 また、コロナ禍となって以降は、取引先とのオンライン会議やリモートワークなどの動きが広まっており、全国的にデジタル化の動きは加速していくことが見込まれます。そうした中、これまでの市内企業のデジタル化やDXに向けた取組の状況を見ると、企業によって取組にばらつきはあるものの、全体として低調な状況となっております。 こうした状況を受け、本市としましても、市内企業のデジタル化促進に向けた取組を昨年度から開始しているところです。内容としましては、市内企業からのIT相談に対応すべく、従来、商工会議所で実施しておりました専門家派遣事業にIT専門家を登録し、課題解決に向けた支援や自社でのIT人材育成を目的として、従業員のIT資格取得に係る受講料などの経費に対する補助制度、また、国のIT導入補助金の活用促進を図るため、企業や支援機関向けに説明会の開催などを実施してきております。 さらに、次年度に向けては、全国的なデジタル化の流れに対応するためにも、レベルや規模に応じたデジタル化への資金需要に対応する支援策、産業支援センター、商工会議所、金融機関などとの連携によるデジタル化支援体制の充実、また、本市に不足しておりますIT企業の誘致促進などの施策の検討も必要であるものと考えております。 今後の中期的な取組としては、「市内企業のデジタル化促進」に加えて、「IT企業のサテライトオフィス誘致など外部からの受入れ」、「スタートアップ支援によるデジタル技術を活用した新たなビジネスの創出」といった3方向からの取組が必要と考えております。 また、いずれの取組を行う上でも、企業における「ヒト」が主体的に取り組むことが重要であることから、IT人材の育成確保に向けた取組も不可欠なものと考えます。 企業のデジタル化促進については、国においては、デジタル庁の創設と併せて、大胆な規制改革に向けた検討や、県においても、「ながさきSociety5.0推進プラットフォーム」の立ち上げなどがなされており、今後、様々な施策が実施されることが見込まれることから、国・県の動向を注視し、市としても必要な取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎企業立地推進局長(川口康博君) (登壇) 鶴議員御質問の市がDXを主導するに当たり、企業誘致をどのように担うのかについてお答えをいたします。 企業誘致に当たっては、第7次佐世保市総合計画に基づき、本市の現状を踏まえた市外への人口流出抑制を目的に掲げ、工業高校生をはじめとする若年層の受皿となる製造業や、主婦層をはじめとする事務系求職者の受皿となるオフィス系企業の誘致に重点的に取り組んでいるところでございます。 本市の企業誘致におけるセールスポイントは、投資や雇用の条件を満たした場合に、オフィスの賃借料の一部や固定資産税相当額などを交付する奨励金制度に加え、市内の優秀な人材の確保などがございます。実際に、市内に立地していただいた企業からも、「優秀な人材が着実に採用できる」、「佐世保市民の方々は勤勉である」などの評価をいただき、市内での増設にもつながっているところでございますが、IT系企業の誘致におきましては、人材面などの課題があるため、まずはIT系人材のさらなる増加など、企業が進出しやすくなる環境づくりが必要だと考えております。 具体的には、先ほど観光商工部長が答弁しました「市内企業のデジタル化促進」、「IT企業のサテライトオフィス誘致など外部からの受入れ」、「スタートアップ支援によるデジタル技術を活用した新たなビジネスの創出」といった3方向からの取組のうち、企業立地推進局といたしましては、IT企業のサテライトオフィス誘致の取組との連携に加えて、これまでに誘致した企業の中には、ITサポート業務の強化を計画されている企業もございますので、そのような企業がIT系人材を育成される際に、人材の採用などの面で積極的にサポートをしてまいります。 これらの取組により、多様な就労の場の確保を図るとともに、将来的にはIT系人材の増加も期待されることから、そのような動きも注視しながら、今後も引き続き企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎農林水産部長(吉田敏之君) (登壇) 1項目めの最後として、農林水産分野についてお答えをいたします。 現在、農林水産分野におきましても、ロボットやICTなどのデジタル技術の導入により、作業の省力化や生産・漁獲時のデータ蓄積が可能となり、生産性や収益性の向上と併せ、後継者や新規就農・就業者への技術継承が容易になるなど、その効果が期待されております。 農業分野におきましては、令和元年度から、本市の特産品である西海みかんの産地において、生産から選果、貯蔵、出荷管理までをデータでつなぐスマート農業技術一貫体系の実証に取り組まれており、その実装に期待を寄せているところです。 さらに、施設栽培のうち、イチゴにおいては、温度や湿度、CO2濃度を管理する環境制御装置の導入が拡大しております。この装置は、各圃場の生育環境を常時データ化し、スマートフォンを介して生産者間で情報共有でき、収量の多い農家のデータを参酌しながら自らの生産現場に反映できるため、産地全体で収量や品質の向上が図られる効果があります。 このほか、露地栽培においては、ドローンによる防除作業や自走式草刈り機などの省力化機械、畜産経営においては、家畜の個体管理を行う牛群管理システムで安全な分娩を実現できる生産性向上機器など、少しずつではありますが、新技術の現場実装が進んでいるところです。 また、水産業、特に巻き網漁業などの捕る漁業では、従来から魚群探知器や潮流計などデジタル機器の導入が進んでおり、その性能も年々向上しております。これらの機器を装備する漁船の導入については、国・県と連携して支援を行っており、操業の効率化と漁獲量の増加に貢献しているものと認識しております。 さらには、漁業法の改正により漁獲報告が必要な漁業が拡大されることとなったことを機に、市内企業が簡単に報告書の作成が可能となるスマートフォンアプリの開発に取り組まれており、実証試験を行われております。このアプリは、過去の操業データを蓄積することにより、収益性の高い操業海域の選定などに役立てることもできると伺っており、より効率的で収益性の高い漁業へ移行することが可能となると期待しているところです。 また、育てる漁業では、陸上養殖における水温管理や水質等の環境データの収集・監視にデジタル技術が導入されており、天候等の自然に左右される海面養殖に比べ、安定的な生産と、より品質の高い養殖魚を育てることが可能となってきております。 このような中、本年3月に国が改訂した「食料・農業・農村基本計画」には、今後、農林水産業を成長産業にしていくため、デジタル技術の活用により、データ駆動型の経営を通じて消費者ニーズに的確に対応した価値を創造、提供していく新たな農林水産業への変革を実現することが不可欠であるとしております。 デジタル技術の導入については、投資額の高さや積極的にデジタル化に取り組む人材の掘り起こしなど、現場実装を進める上で乗り越えるべき課題も大きいと認識しておりますが、本市といたしましても、第7次佐世保市総合計画に掲げる「儲かる農林水産業」を実現するためにも、急速に進むデジタル技術を活用した作業の省力化や効率化が就労者の負担を軽減することで作業上の安全性の確保や収益性の向上につなげ、新たな担い手確保といった好循環を生み出す新たな農林水産業の姿を期待しているところです。 以上でございます。 ◎都市整備部長(溝口勝利君) (登壇) 2項目めの本市の空き家の現状と課題、その対策に関するお尋ねにつきましてお答えいたします。 議員御案内のとおり、空き家は全国的に大きな社会問題となっており、防災、衛生、防犯、景観などの地域住民の住民環境に深刻な影響を及ぼしております。 本市の空き家につきましては、平成27年度に市が独自で行った住宅実態調査におきまして、おおむね1年以上使用されていない空き家数が市全域で5,207棟、そのうち老朽化した危険空き家は973棟あることが確認されており、令和元年度までに全体で566件除却され、少しずつ空き家の除却は進んでいるものの、新たな空き家に対する市民からの相談件数も増えており、老朽化した空き家は全体的に増加傾向にあると推測されます。 空き家が増加している理由として、人口減少、開発地やマンションへの住み替え、相続問題などが推察され、今後も増加が予想される空き家をどのように減少させていくのかが、これからのまちづくりを進めていく上での課題であると認識いたしております。 現在、空き家を減少させるための対策として、平成29年に佐世保市空家等対策計画を策定し、空き家の活用を促すため、空き家バンク制度や、法律・建築・不動産など民間団体の専門家との協働による空き家に関する相談会の実施など、建築物の状態に応じた対策を実施しております。 また、老朽危険空き家に対する市民や地域からの相談につきましては、その所有者調査を行い、特に空家等対策の推進に関する特別措置法の施行以降、維持管理、活用、除却等についての指導、助言を継続的かつ積極的に行っており、所有者において除却される場合もございます。 一方で、法施行以前から経済的な理由を一つに、多くの空き家が除却されていなかったため、平成24年度から国の交付金を活用し、佐世保市老朽空き家除却費補助金(97ページで訂正)制度を設けております。この制度は、老朽化し、一定条件を満たす空き家を対象とし、除却費の40%で上限60万円を補助する制度でございます。制度の運用においては、人通りの多い道路沿いや通学路など、市民の住環境に既に影響を及ぼしているもの、または及ぼすおそれのある危険性の高い空き家を優先的に補助しており、令和元年度までに199件が除却されております。 なお、本制度については、毎年度多くの申込みがあっており、優先度を決めて実施している状況であり、全てに対応できていない状況でございます。 以上でございます。 ◆5番(鶴大地君) (登壇) それぞれにDX推進に向けて前向きな御答弁をいただきまして、うれしく思います。 DXに関してですけれども、まず観光商工部のこれからの取組の方向性について答弁をいただきました。これまでの取組、平成31年度時点の企業のIT活用に向けた佐世保市の取組も理解はしておりますし、それらを受けて次年度も支援策の充実を検討していただけると理解をさせていただきました。期待をしております。 そして、非常によかったのが、3方向からの取組の点のところでした。一つ目が市内企業のデジタル化促進、二つ目がIT企業のサテライトオフィス誘致など外部からの受入れ、ここに至っては、企業立地推進局の連携もあるというところ、そして、三つ目にはスタートアップ支援によるデジタル技術を活用した新たなビジネスの創出と。まさに3方向全ての方向からDXというものを推進していこうというところであると思いますが、中長期というお話があっておりましたが、ぜひ重要な着眼点であると思うため、すぐに、できる限りスピード感を持ってやるべき内容であることから、IT人材育成の取組としっかりと掛け算をして、スピードアップをしてよろしくお願いいたします。 そこで、1点意見ですけれども、現在行っているIT専門家の相談対応、お話がありましたIT人材育成の受講経費の補助というのは、まだまだ活用されていないのが現状だと聞いておりますので、これから本格的なデジタル時代に合わせては、企業や有識者のヒアリングをしっかり行ったりなど事業改善に努めていただければと。 また、企業が情報を調査する力に依存することなく本市から情報を提供していくというところにも着眼を置いていただいて、必要に応じては、例えば、他市のようにDX関連の協議会や情報化推進協議会など、官民連携の組織をつくることも検討していっていただければと思っております。 そして、次に、企業立地推進局からいただきましたが、サテライトオフィスの件は先ほどお話ししましたけれども、大学や高専などと連携して、IT人材の育成に取り組むというところで、市内就職につなげて市外への流出を防ぐといった効果も大いにある分野だと思いますので、よろしくお願いいたします。 一番言いたいのは、今後来るであろうDXの業務を市外の人にどんどん頼んでいくということではなく、そこに危機感を持って、強い意志を持って、市内の企業に受託をしてしてもらう。そこに至っては、企業が強くなっていかないといけない、もしくは、企業に来ていただいて、まずは業務を行ってもらい周りを育てていく。いろいろな動きがあると思いますけれども、企業の在り方というのが非常に重要になってきますので、そちらを含めて誘致、そして支援というところに取り組んでいただきたいという思いでございました。 そして、農林水産部から御答弁をいただきましたが、御説明にあったとおり、以前私も一般質問しましたとおり、スマート農業やスマート漁業というのは、もう非常に言葉も普及している分野ですので活用は進んでいるのだなと認識をいたしました。 しかしながら、答弁にもありました乗り越えるべき課題も多いと。デジタル技術の導入については、投資額の高さやデジタル化に取り組む人材の掘り起こしなどです。こちらも発信がまず第一だと思うのですけれども、やはりモデルの人をまずはお一人決めていただいて、そこには手厚い補助をする。そこで大きな成果が出て、効果が出たものを見ていただいて波及していくと。本来、そういった補助金のスキームであるとは思うのですけれども、そちらにもっと力を入れて、しっかりと効果を見せるといった部分で普及していくということにも取り組んでいただければなと思ったところでございます。 意見は置きまして再質問に移りますが、経済活性化に着眼してそれぞれ御答弁をいただきまして、その考えにおいては本当に共感ができるものでありました。DXが進むんだなと本当に今感じているところなのですけれども、これから重要なのは、そのスピードであったり、どういう規模で取り組んでいくのかというところだと思いますが、佐世保市のかじ取りをしっかりとされております朝長市長が、今後、DX推進をどのように組み立てていかれるのか、見解をお伺いをしたいと思っております。 次に、空き家対策についてですけれども、空き家増加の原因として、人口減少、開発地やマンションへの住み替え、相続問題などと答弁がありました。答弁なので深掘りをしていないのかもしれませんが、やはり、さらに深掘りをしていただきたかったなと思っております。人口減少をとっても、どの地域が特に多いのか。毎月の推計人口で調査できるでしょうし、例えば相続問題においても、被相続人の手から離れることなく空き家の処理に困っているのか、それとも、相続人が受け取って空き家の処理が滞っているのか。それによっても対策が変わってくると思うので、原因、ボトルネックを把握してしっかりと課題を見つけてそちらに対策していくほうが具体的な対策に仕上がっていくと思いますので、研究をしていただければと思っております。 そして、老朽危険空き家の除却補助金の現状についてというところで御答弁をいただきましたが、毎年多くの申込みがあっており、本年度は、全てに対応できない状況とありましたが、私に相談された方の中に補助を諦めた方がいらっしゃいました。その方は、申請段階で優先度は高い物件であったということですけれども、除却において、その場所に、重機が入らないというところから費用が高額になってしまって、補助上限の60万円では手出しが大幅に必要で、経済的理由から途中辞退をされたといったケースです。 ちなみに、調査をしてみますと、このような経済的にやめられたケースが佐世保市で令和元年度実績で4件もあっていると。民間建築物の維持管理は、所有者に第一義的な責任があるということは十分に理解をしておりますが、市民の安全な住環境の確保という観点では、本市の新たな施策を見いだす必要があるのではないかと思っております。 そこで、二つほど提案をしたいと思っているのですが、一つ目が、現行の佐世保市老朽危険空き家除却費補助金に特別枠というものを盛り込むことです。危険度の高い物件、かつ、所有者の負担が大きいであろう重機が入らないといった物件に対しては、補助上限額をかさ上げするといった制度へ改善をしてみてはどうでしょうか。 そして、二つ目に、除却ができないのであれば、そこを通る人たちが危険にさらされるような危険箇所のみの部分除去であったり、本来であれば違うのかもしれませんが、倒壊のおそれがあるのであれば、住民の安全という意味ではそれをせき止めるものを、建てるという考え方、せき止める安全対策工事を行うといった補助をしてはどうでしょうか。2点の提案の見解をお伺いいたします。 以上、2回目の質問を終わります。よろしくお願いします。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 鶴議員の質問にお答えをいたします。 デジタルトランスフォーメーション(DX)の促進に係る市内経済活性化について、総括して答弁をいたします。 御案内のとおり、国は、いわゆる骨太の方針2020でデジタルガバメントの構築を最優先政策課題とし、デジタル化への集中投資を行うという方針を示しております。 本市におきましても、行政のデジタル化による市民の利便性の向上とDXがもたらす市内の経済活性化は、第7次佐世保市総合計画に掲げるまちづくりの目標を達成するためにも重要なことであり、スピード感を持って確実に進めていかなければならないことであると考えております。 先ほどそれぞれの部局長からの答弁にもありましたとおり、市内経済活性化のためには、DXの観点では、市内企業のデジタル化促進とIT人材の育成、外部からの新規企業の受入れ、スタートアップ支援による新たなビジネスの創出といった方向から取り組んでいくことが重要であり、その中でも、「ヒト」が主体的に取り組むための人材の育成確保に向けた動きや、それらの動きに合わせた積極的なサポートは不可欠なものであります。 また、農林水産分野においても積極的にデジタル化に取り組む人材の掘り起こしが課題ではありますが、ICTの技術を活用することによる作業の省力化や効率化は、担い手不足の解消や生産性の向上にもつながるものと思いますので、その実現に向けた取組を進めていく必要があろうかと思います。 国(経済産業省)においては、DXのタイムリミットを2025年の崖と表現し、もしDXが進まなければ、システムの老朽化などで企業が競争力を失い、2025年以降、大きな経済損失が出る可能性があるとの見解を示されております。 また、デジタル化の推進においては、高齢者やICTに不慣れな方にも意を用いながら、不慣れな方を取り残すのではなく、誰もが取り残されないように、誰でも使いやすいように工夫していくなど、十分に考慮していく必要があるとも示されており、私としてもそのように考えているところであります。社会全体がデジタル化という大きな転換期を迎えている今こそ、本市のデジタル化の取組を加速化していくチャンスであると考えますので、国や県の動きに遅れることのないよう動向を注視しながら、第7次総合計画に掲げるまちづくり、政策に係るそれぞれの分野について、より積極的にスピード感を持って取り組んでいきたいと思っております。 また、鶴議員が今御提言もされましたDX協議会というものをつくってはどうかということ、あるいはモデル的なものをつくってということは、非常に大事なことだと思っております。特に企業が中心になっていかないと、行政で幾ら音頭を取ってもなかなか動いていかないと思います。企業自体も存続をかけて非常に危機感を持って対応していただくときではないかなと思っておりますし、先ほど、2025年の崖という表現もさせていただきましたが、まさにそういう状況になりつつあるのではないかと思っております。 そういうことを踏まえまして、誰がやるのかということが、一番難しいところでございまして、本来であれば、やはり自分の企業の存続をかけて企業の方が必死になってやらなければいけない時期であろうかと思いますので、そういうようなことを十分認識をしていただくため、協議会をつくったり、あるいは講演会を開いたりというようなことに取り組んでいく必要があるのではないかと思っております。 また、親和銀行と十八銀行が統合いたしました。そこに優秀な人材もたくさんいらっしゃるため、地域の振興を図っていく、あるいは企業の支援をしていくというようなことも銀行サイドもおっしゃっておりますので、銀行のすばらしい能力を持った方々を活用していく方法もあるのではないかと思っております。そういう方向も含めまして、今後検討させていただきたいと思っております。 以上でございます。 ◎都市整備部長(溝口勝利君) (登壇) 再質問に入ります前に、私の先ほどの答弁におきまして、佐世保市老朽危険空き家除却費補助金を佐世保市老朽空き家除却費補助金と答弁をいたしておりました。訂正をさせていただきます。大変申し訳ございませんでした。 それでは、再質問にお答えをいたします。 空き家につきましては、第一義的に所有者に責任があるとしながらも、老朽危険空き家周辺の市民の安全確保のため、少しでも除却が進むよう補助制度を設立し、運用してきたところです。補助額のかさ上げについての御提案がございましたが、現制度における補助率については、長崎市を含む多くの自治体が、国の交付金の限度である工事費の40%と定めていたことから同率とし、また、上限額につきましては、密集斜面地での平均規模となる延べ床面積100平方メートルの除却費用の見積額が150万円程度であったことから、その40%に当たる60万円を上限と定めてございます。 また、費用が準備できない所有者に対しましては、当時の親和銀行及び十八銀行と本市で覚書を交わし、除却費について優遇金利の融資制度を平成27年度から設定していただいておりますが、実績は2件と聞いており、制度についても改善の検討を進めていく必要も感じております。 なお、議員御提案の補助額のかさ上げについてでございますが、除却に取り組む所有者が増えることも想定いたしますものの、一方で、一定の費用負担は残り、その負担への抵抗から除却を敬遠されることも懸念いたします。 次に、部分除却や安全対策工事まで補助対象を拡大する御提案についてですが、現在は、国の交付金の条件が空き家の全部除却のみが対象となっているため、部分除却や安全対策工事は補助対象といたしておりません。 御提案の対象拡大については、あくまで応急対策であり、危険性が放置され、そもそも住環境における安全確保の課題が残されるため、事業効果の検証が必要と考えます。 いずれにいたしましても、議員御提案の件については、現行の空き家対策の取組を評価する中で、除却費補助金制度の在り方についても十分に検証し、有効性のある制度となるよう検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆5番(鶴大地君) (登壇) それぞれに御答弁をいただきました。 DXに関しては、市長から本当に前向きで、これからのDX推進において明るい未来が見えるような御答弁をいただきまして、非常にうれしく思いました。ありがとうございました。企業が主体であるといった言葉がありました。まさにそれも非常に重要であると思いますけれども、官民連携というところで、行政がエールを送り、企業が主体であるというのは私も認識をしております。走るのは企業で、そこに行政がしっかりとエールを送れるような、つまりはつながりがしっかりと取れるように、先ほど言われたような協議会といったものを積極的に活用していただければなと、本当に心から思っております。ありがとうございます。 そして、答弁の前半の部分で、第7次総合計画に掲げるまちづくり、政策に係るそれぞれの分野でスピード感を持って取り組んでいきたいとお話がありましたし、国の動向も相まって、各自治体のDXというのはより一層加速していくと思いますので、しっかりと他市に遅れるというわけではなく、もっと言えば他市にどんどん先んじて推進をしていただいて、経済活性化につないでいただければなと思っております。 先日、会派視察で、イノベーション立県を掲げる広島県にお邪魔しました。そこで、DX推進の一つであるひろしまサンドボックスを調査研究をしてまいりました。それは、デジタル技術を活用し、3年間で10億円の規模、10者、10事業あり、1件約1億円程度で企業に実証実験をしていただいて、地域の課題解決をしていただくといったもので、県の事業ではあるのですけれども、規模を工夫すれば、佐世保市でも活用できる策であると考えております。ぜひともそういったデジタル技術を武器に本市の課題解決を民間企業と連携して取り組む事業を構築してはどうかなと考えております。 デジタル技術というのは、よく人の仕事を取るといったようなお話がたまにあるのですけれども、最近は、人のヘルプ、人のよきパートナーと言われます。その人の力をさらに補助をする。人のよきパートナーとしての位置づけでDXといったものを推進をしていただきたいと思っております。本当にこちらの点は期待をさせていただきたいと思っております。 そして、空き家対策についてですが、2点の提案に対する御所見をいただきました。さらに議論を深めたい気持ちでいっぱいなのですけれども、事業決定までの経緯や財源等の要因があると理解をいたしております。 ここで一つの数字を紹介しますと、28万519円という数字。これは、平成30年度補助金活用による除却実績25件の固定資産税収入の影響額。例えば、この年度だけ見ても、着手が10年遅くなれば、280万5,190円の損失と言える部分もあるかもしれません。ある一面だけを突き詰めて研究するというわけにはいきませんが、先ほどの金銭面のお話であったり固定資産税の影響、御答弁にあった融資制度という部分にも(終了ブザー)目を凝らしていただき、研究を深めていただければと思います。 来年度は、空き家等対策計画の最終年度を迎える時期でありますので、御答弁のとおり十分に検証していただき、有効性のある制度となるよう検討していただきますようお願いいたします。 最後になりますが、今回の質問の機会をいただき、ありがとうございました。質問に当たりお力添えをいただきました皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。 以上で私の質問を終わります。 ○副議長(山口裕二君)  暫時休憩いたします。     14時52分 休憩     15時10分 再開 ○議長(崎山信幸君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。7番橋之口裕太議員。 ◆7番(橋之口裕太君) (登壇) 7番自民党市民会議会派の橋之口です。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。 本日、通告を3項目させていただいております。通告に従いまして質問いたします。 まず、1項目め、地域包括センターについてお伺いいたします。 地域包括支援センターとは、2006年に介護保険法等の改正により、市町村が設置主体として全国同時期に広がってまいりました。 佐世保市においても、当時直営という形で地域包括支援センターを設置され、現在は九つの地域包括支援センターを委託という形で、宇久も含めて全市内に設置しております。 これは、介護保険法では「地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設」と定められております。 まず、この地域包括支援センターの現時点における課題、そして、市の関わりについて伺いたいと思います。また、このことについては、湊議員、市岡議員、北野議員、最近では公明党会派の森田議員において、この地域包括支援センターについての課題、そして今後のありようについては市と議会と、また常任委員会においてもキャッチボールをしてきたところでありますが、改めて現時点での認識について伺いたいと思います。 そして、2項目め、指定ごみ袋制度の運用見直しについて御質問させていただきます。 この指定ごみ袋制度については、佐世保市において平成17年1月10日施行、そして市長当選後、公約であった当時導入されたシール方式を改める形で現在の2段階有料制度というものが定着をして、今日に至っております。 ごみの減量化、ごみ分別・資源化の徹底、そして負担の公平化という導入の目的を達成するために、様々な取組が行われております。 この制度も定着をしてきているわけでございますが、次の見直しも迫っていると伺っている中で、現時点における指定ごみ袋制度の成果等について、まずは整理をいただければと思っております。 3項目め、佐世保市犯罪被害者等支援条例制定後の取組について伺いたいと思っております。本日は答弁を予定しておりませんけれども、子ども未来部の渡辺部長、そして教育長にも同席をいただいております。 この佐世保市犯罪被害者等支援条例は、御存じのとおり、平成30年3月定例会において上程をされ、可決をされました。これは当時県内初めての条例制定ということで、御英断をいただきました朝長市長はじめ、この条例策定に汗をかいていただいた当時の部長、また職員の皆様に心から感謝するものです。 しかしながら、この佐世保市犯罪被害者等支援条例が制定され、今度の3月で間もなく2年を迎えようとする中にあって、制定後、当局とされてどのような動きがあったのか、取組をされてきたのか、このことについて、まずお伺いをしたいと思います。 1回目の質問を終わります。 ◎保健福祉部長(野村成人君) (登壇) 1項目めの地域包括支援センターについてお答えいたします。 現在、市内9か所に設置しております地域包括支援センターは、平成25年度より9法人に委託しまして、平成30年度からは委託期間を6年間とし、地域の高齢者の相談窓口として重要な機能を果たしていただいております。 そのような中、佐世保市の高齢者数は令和3年度にピークを迎え、後期高齢者数は令和11年度にピークを迎える予想となっており、生活スタイルの多様化や家族形態の変化など、高齢者の抱える問題も複雑化し、認知症高齢者の増加や高齢者の生命・生活を脅かす虐待など、支援困難な事例も年々増えてきております。 さらに、新型コロナウイルス感染症対策や風水害時の対応など、これまで以上に夜間や緊急時の対応が求められるなど、地域包括支援センターの役割はますます重要となってきておりますが、課題の複雑さから、時間的余裕やマンパワー不足、また高度な専門性が求められるなど、人材確保についても課題として認識しております。 このように高齢者を取り巻く環境も変化してきており、現在の地域包括支援センターが所管する圏域の広さや高齢者人口の大きさの妥当性については慎重に検討していく必要があるとも考えております。 次に、現在の取組といたしましては、長寿社会課では人材確保に関する補完的な後方支援といたしまして、認知症や虐待に関する事業や地域包括ケアに関する事業などを担当する保健師が12名、社会福祉士2名、理学療法士1名、認知症地域支援推進員3名、介護支援専門員1名などの専門職や事務職を配置しておりますが、さらなる連携の強化が必要であると考えております。 また、令和2年度より地域包括支援センターの持続的な機能強化を行うため、地域包括支援センター職員の1人当たりの高齢者数を見直し、5か所の地域包括支援センターで1名ずつ定員を増やしたところです。 さらに、地域包括支援センター職員の質の向上や業務の効率化を図るため、業務に関する研修の企画を行うほか、専門職の方々からも意見等の聴取を行い、事業の見直しを行っているところです。 以上です。 ◎環境部長(木村陽三君) (登壇) 2段階有料制度の採用によるごみの減量の推移と効果についてお答えいたします。 ごみ処理の有料化につきまして、国は、負担の公平化と住民の意識改革を進めるため、有料化を推進すべきと明確に示しているところでございます。 現在、全国の市や区の約60%がごみ処理を有料化しております。本市におきましても、平成17年より採用しているところでございます。 ごみ処理手数料の徴収制度につきましては、ごみ袋1枚目から手数料が必要な単純従量制と、排出するごみが一定量までは手数料が無料、一定量を超えると有料になる2段階有料制度があり、ごみ処理の有料化を実施している市や区の90%以上が単純従量制を採用するところでございます。本市は2段階有料制度を採用しております。 この制度を採用してからの本市の家庭ごみの1人1日当たりの排出量は、最も多かった平成12年は873グラム、ごみ処理を有料化した平成17年には613グラム、令和元年には532グラムと39%減少しており、これは人口10万人以上の都市では全国9位となっているところでございます。 この制度は、ごみ減量を頑張った人、ごみを減らした人が報われる制度でございまして、制度採用により今日まで確実にごみの減量が進んでおりますことから、一定の効果があっているものと考えております。 ◎市民生活部長(中西あけみ君) (登壇) 佐世保市犯罪被害者等支援条例制定後における取組についてお答えいたします。 犯罪被害者等が再び穏やかな生活を取り戻せるよう行政や市民、事業者が協力し、社会全体で犯罪被害者等を支えるまちづくりをすることがこの条例の制定趣旨となります。 犯罪被害者等とは、犯罪被害者やその家族、遺族である市民をいいますが、生命を奪われる、家族を失う、身体を傷つけられるといった直接的な被害に加え、事件に遭ったことによる精神的な苦痛や無責任なうわさ話などによる二次的被害にも直面される場合があり、適切な支援が必要とされています。 佐世保市の施策としては、相談窓口設置と情報提供、見舞金の支給、広報及び啓発等を行うこととしております。 また、佐世保市では、各警察署及び公益社団法人長崎犯罪被害者支援センターと支援の連携協力に関する協定をそれぞれ締結しております。犯罪被害者支援センターとは、公安委員会指定の犯罪被害者早期支援団体であり、臨床心理士、医師、弁護士等の専門家による支援や広報・啓発事業などを行う非営利の民間団体です。これら関係機関と連携の下、各施策の実施を図ることとしております。 まず、相談窓口ですが、被害直後から経済状況や御家族の状況に応じ、医療、福祉、住宅、雇用、学校など生活全般にわたる支援が必要なケースが想定されます。 実際の流れを申し上げますと、主に事件を知り得る立場にある担当警察署からの連絡後、総合的な窓口として設置している市民相談室に警察官が同行され、犯罪被害者等の御本人が来所されております。その際は、プライバシーに配慮し、個室などを準備した上で、事件について何度も説明するなど負担がかからないよう、必要な手続のワンストップ対応を行っております。 次に、佐世保市としてお見舞いの気持ちを表すものとして、見舞金を支給しております。国においては犯罪被害者等給付金がございますが、給付までにかなりの期間を要するとのことですので、市の見舞金は少しでも早期に支給できるよう努めております。見舞金額につきましては、御遺族に支給する遺族見舞金30万円、全治1か月以上かつ3日以上の入院を要する傷害を負われた場合に支給する傷害見舞金10万円となっております。支給の実績につきましては、これまで傷害見舞金が4件、遺族見舞金が1件でございます。 続いて、広報啓発等の取組ですが、犯罪被害者等に対する支援制度や、その必要性の広報のみでなく、周囲の不理解、配慮に欠けた対応に苦しめられることがないよう、直面する様々な困難について、市民に理解してもらうことが重要だと考えております。このため、ホームページ及び広報させぼへの掲載のほか、本年については12月1日から高砂駐車場7階連絡通路におきまして、殺人・放火事件、飲酒・ひき逃げ死亡事件など、実際に被害に遭われた御遺族の手記をつづったパネルを展示しているところです。 また、関係機関が実施する広報・啓発イベントへの参加・協力のほか、長崎県市町犯罪被害者等支援推進協議会での情報交換や担当職員対象の研修会など、関係機関との連携や職員資質向上を図っております。 以上でございます。 ◆7番(橋之口裕太君) (登壇) まず、地域包括支援センターについて再質問いたします。 今、これまでの流れ等についてお話をいただきました。その中で現状、課題、認識等、そしてまた、佐世保市がこれまで取り組んできたことについて整理をいただきました。 今回、非常に私も担当の方、また課長とディスカッションさせていただいて、あくまで今回は地域包括支援センターという機関に対する質問であって、結構混同してしまうのですが、地域包括支援システムというもっと大きな部分で、例えば、地域福祉の分野であったり、そういうところについてテーマとして考えていたのですけれども、あくまで今回は地域包括支援センター、この施設の抱えている課題に特化して、再質問をさせていただくということで整理をさせていただきたいと思います。 今あったとおり、佐世保市においても、これまで様々な機会を捉えて、この課題解決に努めてきたところであります。そのことについては敬意を表したいと思っております。 一方で、現在の地域包括支援センターの実際の現場の皆さんの状況、職員経験年数ということで最新の状況を教えていただきました。 九つの地域包括支援センターのうち、勤めている職員さんが全部で47名、専門職の方がいらっしゃいます。そのうち22名の方が5年以上の経験をお持ちだと。率にして46.8%、つまり半分以上の方は5年未満の経験である。特に1年未満の経験という方が25.5%ということで、なかなか職員さんの定着というのが難しい状況にあるかなと思います。実は毎年度経過を見せていただいたのですけれども、これは近年に限ったことではなくて、やはり若い職員さんの定着というものが非常に困難であるということを、まず共通認識として持ちたいと思います。 これも教えていただきましたが、令和2年度、各地域包括支援センター長の職種及び人件費の見積りというものを一覧にしていただきまして、比較するために勤務年数が7年の方の人件費見積額を出していただきました。 9名中6名の方が7年の経験年数をお持ちです。一番高い方が511万2,000円、そして一番低い方が399万1,928円、それぞれの法人の処遇やその職場の勤務年数が別にある等によって異なるということであるのですけれども、地域包括支援センターのセンター長として経験年数は同じ7年、その差が112万72円。この6名の方の平均が454万3,421円ということで、要は佐世保市の公的な役割を担っていただいているにもかかわらず、それぞれの処遇というものに開きがあるという一例であります。 そして、実は佐世保市が直営時代、当時の職員数が62名いらっしゃいます。三つの地域包括支援センターで62名、そのうち正規職員は11名で51名が嘱託職員です。 先ほどの答弁にもあった市の職員体制を含めますと、現在の職員の数が64名ということで、三つの地域包括支援センター時代が62名、そして今、九つの地域包括支援センターになったけれども64名ということで、実質2名の職員体制の増強にしかなっていないという状況であります。相談件数等については、大きな伸びはないのですけれども、現状、その特殊性というものは増していっているという話です。 しかしながら、現状認識として、専門職の確保というのは非常に難しい。これは市においても、先ほど出てきた職種のうち11名の保健師だけが正規で、あとは会計年度任用職員というような実情がある中で、この専門職の確保、質の向上ということを考えていった中に、やはり人材確保ということだけをこれからも問題意識を持っていくというのは非常に難しいのではないかと考えられます。 ICT等を活用した業務の効率化をする中で、それを地域包括支援センターのほうにも取り入れていくことによって、人員、マンパワー不足というものを補っていくことで市民相談に対応する時間を確保するなど、そういう課題解決ができないかと思っています。 そして、社会福祉士等の専門職の確保について、これも市長に取り組んでいただきまして、採用が行われています。実際、この成果がどうだったのかということを気にしているところもあります。まず、その成果と今後の福祉人材の活用性について、これは総務部長に答弁をお願いしたいと思います。 2項目めであります。この2段階有料制度を取り入れることによって、ごみの減量が著しく進んだということは大変理解いたしました。 一方で、私の近い方も、ごみ袋を有効に使わないといけないということで、袋詰め放題、タマネギ詰め放題というような感じでごみ袋を引っ張れるだけ引っ張って一生懸命詰めて、週2回の収集に出すと足りないので週1回だけにしようと。いっぱい入れてビニールテープでしっかりと留めて、何とか努力をしようという、これもある意味、市民の現状としてあります。 そういった中において、その成果は理解します。しかし、ごみ袋の補助券作成、郵送、様々な委託によって約1億円近くこの制度を維持するための仕組みにかかっています。 メリットとしては、この1億円が毎年の制度維持にかかるかもしれないけれども、例えば、建設を行った西部クリーンセンターは、ごみを減量することによってダウンサイジング化することに成功し、結果としては建設コスト、維持コストというものが削減された。最終処分場の延命化という目的も達成できた。そういった意味では非常に成果があると私も思います。 一方で、この2段階有料制度の課題としては、これを取り扱っていただいている、現在308の登録販売店の皆様の並々ならぬ努力によって、この制度が維持されているというのも現状であります。 市として、この2段階有料制度の課題等について、どのような認識をされ、これを改善していく、制度を変更していくというお考えはないのかお伺いをしたいと思います。 3項目めであります。この犯罪被害者支援等について、今、市民生活部長から答弁をいただきました。 残念ながら、先月、この近郊において殺人という事件が発生をしてしまいました。この制度をつくったときに市長にもお話をした中で、条例はつくってもこれを使わないというのが一番望ましい姿である。それにこしたことは間違いない。しかし、万一のときに窓口の一本化であり、その犯罪被害者に寄り添いながら回復を高めていくための手だてを、その方が生活している基礎自治体としてしっかり取り組んでいこうということを確認し、市長においても速やかに条例の策定作業に取りかかっていただいた。そして、条例ができました。大変ありがたかったと思います。 佐世保市の事例でいいますと、この条例には確かにお見舞金制度もありますが、もう一方の大切な目的の中に、犯罪被害者等を支える地域社会の形成を図ることを目的とするというのがあります。しかしながら、現在パネル展は開催されていましたけれども、市の責務として、目的を達成するための施策を講じなければならない。 当時の条例策定の委員会の中で、当時の部長、担当課長が議員の質問において、しっかりと職員の研修も行っていきたいという答弁をされているにもかかわらず、実際問題、その研修、体制整備というものはどうだったのか。この条例策定の質問において、市長にもお願いしたのは、この条例ができることがゴールではなく、この条例を磨き、しっかりと受け止めていく体制をつくっていく、そのためのスタートにしていただきたい、そのための条例策定をお願いしたい、そのようにこの一般質問の場で申し上げました。 改めまして、この佐世保市犯罪被害者等支援条例策定から、これまでの取組を振り返って、朝長市長におかれましては、この佐世保市犯罪被害者等支援条例の意義と、そして、改めてこの条例を職員の皆さんに落とし込んでいき、この目的を達成するよう取り組んでいただきたいと思いますが、市長の御見識を伺いたいと思います。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 橋之口議員の3項目め、佐世保市犯罪被害者等支援条例制定後の取組についての再質問にお答えさせていただきます。 まず、犯罪被害者や御家族、御遺族の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 この犯罪被害者等支援については、誰もが思いもよらない犯罪に遭う可能性があることを認識し、我が身として考えていかなければならないことだと思っております。 条例制定から3年目となりましたが、制定目的の一つである被害者等の負担軽減に向けては、総合的な窓口対応や見舞金の給付を行うなど、主に被害に遭われた直後の取組として行っているところであります。 確かにその期間は、警察や犯罪被害者支援センターといった専門家からの支援が主であり、市としての取組は限定的になりがちなところは否めません。 しかしながら、犯罪被害者等の回復までの道のりは長期にわたり、そのニーズも時がたつにつれ変化するものと想定されますので、最も身近な窓口となる市において、中長期にわたるフォローを行ってまいらなければいけないと思っております。 そのために、まず、犯罪被害者等御本人の方との信頼関係を築くことが肝要であり、関係部署間でしっかり連携をしながら、担当職員一人一人がその気持ちに寄り添いながら、必要な支援を御提案できるようにすることが大事であります。 また、犯罪被害者等の状況に応じた適切な支援を行うため、警察や被害者支援センターとの協定に基づき、情報や意識の共有等も市自ら積極的に図っていくべきと考えております。 議員から御指摘がございました研修が十分だったのかということにつきましては、完全に十分だったとは申しません。そして、担当者が替わるということもございまして、その引継ぎがどうだったかということもあろうかと思います。このことにつきましては、しっかりと受け止めまして、今後、申し送りをしっかりしながら、そして、中長期にわたるフォローを行っていく体制づくりを実施してまいりたいと思っております。 ◎保健福祉部長(野村成人君) (登壇) 地域包括支援センターの再質問についてお答えいたします。 議員おっしゃるとおり、専門職の人員確保が難しい中、定員を増やすことは簡単ではないと考えております。 その中で、ICTの活用による事務の効率化によって対応時間を確保するなどについて御提案をいただきました。 現在、地域包括支援センターのシステムにつきましては、委託費の中で整備できるようになっており、システムを導入されているのは地域包括支援センター9か所中5か所で、システムもそれぞれ異なっており、残り4か所はエクセルや紙媒体で管理されています。 今後、システム導入による事務の効率化も研究しつつ、国が進めております介護システムの標準化などもあり、それらの動向を注視しながら、地域包括支援センターとのICT活用による情報連携についても検討したいと考えております。 また、長寿社会課におきましては、現在、高齢者の情報管理を紙媒体で行っているため、地域包括支援センターなどからの問合せがあった場合には、相談表や訪問記録の紙をたどる作業が発生しまして回答に時間がかかっておりましたが、これらを解消するため、今年度、高齢者相談管理システムの導入を進めているところです。 地域包括支援センターにつきましては、現場の職員の方々からの御意見も参考にしつつ、高齢者人口や圏域の広さなども考慮しまして、地域共生社会を見据えた体制整備につきましても、国の動向を注視しながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 1項目めの地域包括支援センターについての再質問のうち、本市職員としての社会福祉士採用の成果と今後の人材確保についてお答えをいたします。 まず、社会福祉士の採用経緯についてでございますけれども、平成28年6月定例会において、議員から福祉専門職の必要性について質問を受け、その際には「社会福祉士等の福祉専門職は、様々な分野での役割や活躍が期待されており、正規職員についても検討を始める時期に来ていると考えている」と答弁いたしております。 それを踏まえ検討した結果、本市においては、平成30年度から福祉行政に携わる保健福祉部や子ども未来部において、社会福祉士を一般事務職員に代えて配置いたしております。 これは、福祉制度全般を把握し、専門的な知見やスキルを有した社会福祉士という福祉専門職を採用、配置することで、支援が必要な方に対してよりきめ細やかな支援を行うことができるということを目的としたものでございますけれども、実際に、このことに加えて、各職場において、当該職員が他の職員から福祉制度に関する相談を受ける、あるいは他の職員へ助言を行っているなど、配置に関して効果があったものと認識をいたしております。 今後、福祉専門職の人材確保ということでございますけれども、まず、社会福祉士につきましては、先ほども申しましたように、この2年間の状況に鑑み、今後も継続した採用を行い、福祉部門に配置をしていきたいと考えております。 また、地域包括支援センターに関わる業務を含め、その他の福祉専門職の在り方につきましては、高度化、複雑化する福祉課題に応じた持続的な支援や職員の人材育成のための複数の配置先の確保といった観点等も踏まえて、今後、関係部局との協議を行っていきたいと考えております。 以上でございます。 ◎環境部長(木村陽三君) (登壇) 2段階有料制度の再質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、販売店様からは制度・運用に関して、「手続が煩雑」、「立て替えた手数料の回収までに非常に時間がかかる」、「万引きがあると立て替えた手数料を回収できず被害額が大きい」などの御意見を賜ることがございます。 これまでこのような意見を基に、手数料の還付請求から支払いまでの時間を短縮するために、販売店様が市民からお預かりになった補助券の回収を運送会社に委託し、効率化を進めるなどの改善を図ってまいりました。 購入補助券を使用しない2段階有料制度の運営方法といたしましては、行政から住民に直接ごみ袋を送付する方法などがありますが、本市の人口から考えますと、現実的に困難であろうと思います。 2段階有料制度そのものは、ごみの減量化、ごみの分別と資源化の徹底、負担の公平化を目的といたしまして、環境政策審議会での審査や、600を超える町内会などへの説明会、販売店様への説明会、市議会での御審議など多くの手続を経て、平成17年に運用を開始いたしたところでございます。 以後、市民の皆様からの声を伺いながら改善を図ってまいりました。補助券方式についても、皆様の声を基に、購入者の利便性とともに減量効果を維持する観点から採用したものでございます。 しかしながら、結果として、販売店様に大きな御負担をかけることとなっておりますことは、今後の検討材料であると認識しているところでございます。 以上でございます。 ◆7番(橋之口裕太君) (登壇) 再々質問いたします。 犯罪被害者支援については、市長に改めての決意をいただきました。佐世保市が当時動いたことによって、県内初の条例制定となりました。その後、県を動かし、県内の自治体も動かし、残すところは長崎市、大村市、諫早市、平戸市の4市で、それぞれ条例制定に向けて、今動いています。佐世保市を見習い、そして、佐世保市以上の制度をしっかりとつくっていくよう取り組まれているとお聞きをしているところです。 今回、こういうケースもありました。犯罪被害者の方がいらっしゃって、担当の方が一生懸命動いてくださった。やはり様々な手続はそれぞれの部局をまたがって行わなければならない。例えば、その方にお子様がいた場合には、教育委員会に手続は何かないか、就学支援の問題がないかなど。幼稚園・保育園のお子さんがいらっしゃったときには保育園はどうなのか。児童扶養手当はどうなのか。様々な部局間をまたいだ手続が必要になります。 しかし、現在、個人情報等の壁があって、佐世保市の職員が尋ねても、それぞれの規則の中で伝えられないという事象もあっているようであります。 この条例を基に、これは総務部が中心になっていかなくてはならないのかなと思うのですが、そういう事例のあった際の個人情報の扱いについて、どういうふうに行っていくべきなのかもぜひ検討し、制度を改めるべきところは改めていただきたいと、切に願います。全ては犯罪被害者の方の生活の復帰、それを佐世保市、そして市民みんなでしっかり支えていくため、この条例の根幹を再認識していただいて、速やかな作業に取りかかっていただきたいと期待をいたします。 まず、地域包括支援センターからお聞きしたいと思います。 それぞれ答弁をありがとうございました。 地域包括支援センターができてこの5か年、高齢者数は伸びていきました。しかし、要介護認定率は右肩に下がっていっているという状況もあります。これは、この地域包括支援センターの努力が第一義的にはあると思いますし、社会福祉協議会を中心とする地域福祉、また、各町内会、自治会を中心とする健康づくりを支援して、健康づくりという視点の中で、それぞれが健康寿命に対して取組を新たにし、それぞれ種をまいていることの成果が、要介護の認定率が右肩に上がっていっていない状況を佐世保市としてはつくれているのかなと思っています。 そういった中で、これを一層強化し、補強していくためにも、地域包括支援センターの職員について、先ほど言いました職員の確保、質の確保、そして、そこを補っていくための佐世保市としての体制整備、そしてICTの活用というものは、これは急務であります。 しかし、もう現総合計画の中にもこのICTの活用--システムの話になってしまうのですけれども--医療・介護の連携という形の中では積極的に導入すると既に佐世保市として掲げられているところでもありますし、これまでの地域包括支援センターに対する各議員の質問においても、当局は取り組むと答弁されてきました。その深化を常に進めていくためにも、またその進めていくための深化のスピードもぜひ上げていただきたいと思っております。 朝長市長に、地域包括支援センターに対する思い、期待、市長の御見識について改めてお伺いしたいと思います。 最後、ごみ問題でありますけれども、手数料は、1組売るのに10.5円でスタートし、消費税増税とともに、今11円であります。佐世保市で一番取り扱っているある企業は、実は商品券、お米券、ビール券と共にカウントをアウトソーシングしています。このカウント料金が1枚17円です。売れば売るだけ赤字が出る仕組みになっています。 そういったところを含め、官民連携という耳触りはいいのですが、実際問題、公のことを民間に努力してもらい、先ほど民間の努力を超えた部分がもう既に制度疲労としてあるのではないのか。私は、たなを貸しているだけかと思っていた。たなを貸してレジを通れば11円入ると思っていた。実際は手数料を含めた八百数十円で購入をする。1個万引きされたら、80個売ってペイする。こういう仕組みは、やはり(終了ブザー)改めていくべきではないかと考えております。 この見直しについて、市長の御見識をお聞きして、一般質問を終わります。よろしくお願いいたします。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 橋之口議員の再々質問にお答えいたします。 まずは地域包括支援センターについてでございますが、地域包括支援センターは地域福祉の最前線であり、地域包括ケアシステムにおける中核的な機関として重要な役割が求められておりますので、地域包括支援センターの機能強化を図りながら、今後、地域共生社会を見据え、地域包括ケアシステムの深化に努めてまいります。 したがいまして、地域包括支援センターが多岐にわたり専門的な機能を発揮できますように、人員体制の強化や関係機関との連携を密にして取り組んでまいりたいと思います。 また、地域包括支援センターの業務にICTを取り入れたらどうかという御提言もございました。御案内のとおり、国が進めるデジタル化の動きに遅れを取ることなく、本市におけるデジタル化を強力に推進する目的で、11月に総務部内にデジタル・ガバメント準備室を設置したところでございます。 本市のデジタル化を推進していくに当たっては、聖域なく各種業務における検討を行うよう指示をしているところであり、この地域包括支援センターに関連する業務についても例外なくICT化、デジタル化の検討を進め、事務の軽減化を図ることにより生じた時間を、より充実したサービスに振り向けていただくようにしたいと思っているところでございます。 いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、今後、地域包括支援センターは地域にとってますます重要な機関となると認識しておりますので、繰り返しになりますが、専門職の配置、デジタル化など、様々な手法を用いて地域共生社会の実現に向けて取り組んでまいる所存であります。 次に、指定ごみ袋制度の運用見直しについてでございます。 販売店様には、本市のごみ処理制度の基本であります指定ごみ袋の販売を市内の各地域で担っていただいており、併せて様々な御尽力をいただいておりますことに、改めて感謝を申し上げる次第であります。 このようなことに鑑み、販売店様の負担軽減につきましては積極的に取り組むべき課題であると考える一方、この根本的な解決には現行制度の見直しが必要となってまいります。 しかしながら、この見直しには市民の意見の把握や生活への影響、現行のごみ減量効果の維持の調査研究のほか、先ほど部長答弁でもありましたとおり、多くの過程が必要であり、なかなか直ちにというわけにはまいらないかもしれません。 これからのごみ処理制度は、販売店様の負担軽減も含め、よりよい制度となるよう、各方面の意見を賜りながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 先ほど販売店様に対するこのような負担があるということで具体的な事例をお示しになられました。この件につきましては、ごみ減量化制度全体を変えなければできないことなのか、それとも販売店様とのシステムの変更でできるのか、その辺も十分に検討いたしまして、方向性を定めてまいりたいと思っているところでございます。 また、販売店様にも制度の趣旨、そしてまた地球温暖化防止という環境政策の大義を十分に御理解いただいて、これまでも制度に御協力をいただいていると思いますので、今後ともぜひ御協力を賜りたいと思っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(崎山信幸君)  以上をもって本日の日程は終了いたしました。 次の本会議は明日10時から開きます。 本日はこれをもって散会いたします。     15時54分 散会...