佐世保市議会 > 2019-09-11 >
09月11日-03号

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  1. 佐世保市議会 2019-09-11
    09月11日-03号


    取得元: 佐世保市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-11
    令和 元年  9月 定例会           9月定例会議事日程            第3号                 令和元年9月11日(水曜)午前10時開議第1 一般質問-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ-----------------------------------出席議員(33名) 1番 田山藤丸君    2番 鶴 大地君 3番 松尾俊哉君    4番 小田徳顕君 5番 角田隆一郎君   6番 宮田京子君 7番 橋之口裕太君   8番 久保葉人君 9番 萩原 活君    10番 宮島武雄君 11番 佐藤文子君    12番 久野秀敏君 13番 永田秀人君    14番 北野正徳君 15番 山下廣大君    16番 永安健次君 17番 湊 浩二郎君   18番 山口裕二君 19番 崎山信幸君    20番 林 健二君 21番 森田 浩君    22番 柴山賢一君 23番 小野原 茂君   24番 大村哲史君 25番 田中 稔君    26番 草津俊比古君 27番 浦 日出男君   28番 長野孝道君 29番 松尾裕幸君    30番 市岡博道君 31番 大塚克史君    32番 古家 勉君 33番 山下隆良君-----------------------------------説明のため出席した者 市長        朝長則男君   副市長       山口智久君 副市長       田中英隆君   基地政策局長    東 隆一郎君 行財政改革推進局長 佐々木謙一君  企業立地推進局長  豊原 稔君 防災危機管理局長  中尾和章君   契約監理室長    小寺紀彰君 企画部長      中島勝利君   総務部長      田所和行君 財務部長      橋口昌浩君   観光商工部長    井元保雅君 農林水産部長    吉田敏之君   都市整備部長    池田正樹君 土木部長      杉本和孝君   港湾部長      神崎良平君 市民生活部長    中西あけみ君  保健福祉部長    塚元 勝君 子ども未来部長   渡辺恵美君   環境部長      木村陽三君 水道局長      谷本薫治君   消防局長      西崎正明君 教育委員会教育長  西本眞也君   農業委員会副会長  松永信義君 代表監査委員    宮崎祐輔君   選挙管理委員会委員長職務代理者                             安井 浩君-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長      池田真二君   事務局次長議会運営課長                             宮崎謙一郎君 課長補佐兼議事調査係長           藤原理教君     10時00分 開議 ○議長(崎山信幸君)  出席議員は定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(崎山信幸君)  日程第1一般質問を行います。 順次質問を許します。29番松尾裕幸議員。 ◆29番(松尾裕幸君) (登壇) おはようございます。 29番自民党市民会議の松尾裕幸と申します。よろしくお願いいたします。 今回は2項目について質問させていただきます。 最初に、子育て支援における幼児教育・保育の無償化についてであります。 今回は、いよいよ本年10月から全国的にスタートする幼児教育・保育の無償化に当たり、佐世保市の子育て支援において、幼児教育・保育の無償化をどのように捉え、取り組もうと考えていらっしゃるのかなどの視点から質問をさせていただきます。 さて、幼児教育・保育の無償化に係る発端として、国の文部科学省においては、さかのぼること平成21年3月時、「幼児教育の無償化に関する論点」をまとめておられます。その中で、まず幼児教育については、取り巻く環境変化や背景等が整理されております。内容としましては、「生涯にわたる人格形成及び義務教育の基礎を培う重要なものであることが、教育基本法学校教育法といった法律上も明確化され、質の高い幼児教育を全ての国民が享受できる環境づくりの必要性が高まっていること」、「その効果が犯罪の減少や所得の増大につながるなど、社会経済全体に及ぼすほどに見込まれること」、「少子化対策の面からも、子育てや家庭の負担軽減は喫緊の課題であること」、「諸外国においても幼児教育の重要性を踏まえ、無償化の取り組みが進んでいること」などが示されており、これらの要因を受ける形で、幼児教育の無償化を通じ、全ての国民に幼児教育にアクセスする機会を実質的に保障する必要があるとの方針に至っております。 その後、この方針に基づき、平成26年から毎年度、幼児教育・保育の段階的無償化が実施され、佐世保市においても国に準じた対応を行ってきておられます。 そこで、平成26年以降、幼児教育・保育の段階的無償化に関し、具体的にどのような内容により随時実施してこられたのか、また、そこから得られた効果についてお尋ねいたします。 一方で、昨今、新しい経済政策パッケージ、骨太の方針2018、幼児教育無償化の制度の具体化に向けた方針等を踏まえ、令和元年5月10日に、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律が成立し、本年の5月17日に公布されたことを受け、御承知のとおり、幼児教育・保育の無償化が本年10月から実施されることとなっております。 改めて、今般の幼児教育・保育の無償化に係る内容に関し、その対象者や対象範囲の大幅な広がりなどから察するに、今までの段階的に実施されてきた無償化の取り組みにおいて、それらの集大成に値するものだと思っております。 現に自治体が実際に担う各種事業・サービス等に与える影響を想定してみましても、平成27年の子ども・子育て支援新制度導入以降、極めて大きなインパクトとなり得るものと思われます。 このような一連の無償化に係る変遷に加え、今般の幼児教育・保育の無償化に係る位置づけや内容等を踏まえる中で、係る事務処理対応のほか、政策的な事業展開等においてどのような影響を想定されているのか、また、それらの影響に対して、どのように対策を講じていく考えなのかお尋ねいたします。 2項目めの質問であります。この動物愛護に関する質問につきましては、私自身が平成6年の9月定例会で初めて動物愛護センターについての質問をし、動物愛護センター並びに学校飼育動物を含めた質問としては、今回で9回目となります。動物愛護センターにかかわることについては、改選前の自民党市民会議で、旭川市の動物愛護センターに出向きましたし、今期の文教厚生委員会の皆さん方も旭川市の動物愛護センターを見学されておりまして、動物愛護センターに対する考え方が当市議会、当局の中でも物すごく進んでいると思っており、この動物愛護センターができることに関して、前向きな姿勢で取り組んでいただくことに感謝を申し上げたいと思っております。 ここでは、動物愛護センターの質問はいたしませんが、今回、動物の愛護及び管理に関する法律改正に伴う犬猫の殺処分頭数の減少に向けた取り組みについて、質問させていただきたいと思います。 日本全国では、犬が約900万頭、猫が約1,000万頭飼育されており、犬猫ともに野外での飼育から室内での飼育がふえるとともに、適切な健康管理により寿命も延び、今やペットは家族の一員としてかけがえのない存在となっております。 その反面、犬猫の多頭飼育や虐待などの問題を取り沙汰されることが多くなっているほか、依然として多くの犬猫が保健所において殺処分されているのが現状であります。特に長崎県はその数が多くなっており、平成27年度から29年度にかけて、全国の犬猫殺処分頭数が3年連続ワースト1位になっております。佐世保市では、地域猫活動への助成や、収容動物の譲渡推進などの取り組みにより、年々殺処分は減少してきております。平成28年度の中核市移行前の平成27年度は、犬は38頭、猫は863頭の殺処分をいたしておりましたが、昨年度は、犬が9頭、猫は401頭と、直近3年間で殺処分の数は減少してきております。 しかしながら、このような成果があらわれている一方で、依然として市内各所で犬の放し飼いや、無責任な野良猫への餌やりは後を絶たず、地域住民の皆さんは大変迷惑をしております。 今後も、動物愛護や適正飼育に関する啓発など、一層の取り組みが必要ではないでしょうか。 さて、令和元年6月の国会におきまして、改正動物の愛護及び管理に関する法律--以下、動愛法といいますが--が可決成立しました。この法律の中で、ペットショップやペットの飼い主に対して、犬猫に対するマイクロチップの装着や登録が義務化されたと聞いております。 佐世保市では、保健所における犬猫の殺処分の減少に向けて、動愛法の改正に伴うマイクロチップの義務化について、どのようにお考えなのかお尋ねいたします。 あわせて、佐世保市としてこのマイクロチップの普及啓発について、今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。 以上、1回目の質問を終わります。 ◎子ども未来部長(渡辺恵美君) (登壇) おはようございます。 1項目めの子育て支援における幼児教育・保育の無償化に関する御質問のうち、まず、幼児教育・保育の段階的無償化における今までの取り組みと効果についてお答えいたします。 議員御案内の文部科学省における平成21年当時の論点等を踏まえ、平成25年6月、幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議において、「幼児教育無償化は、全ての子どもに質の高い幼児教育を保障することを目指すものである」という基本的な方向性が示されました。 その後、平成27年度からスタートする子ども・子育て支援新制度の運用を見据えた上で、平成26年度から、必要な環境の整備や財源の確保等を図りながら、低所得世帯や多子世帯を対象として、段階的に保育料の負担軽減がなされてきました。 そこで本市では、国の制度改正に準じ、子ども・子育て支援新制度がスタートした平成27年度以降において、保育所、幼稚園、認定こども園等に通う低所得世帯における保育料の軽減や、第2子目の保育料の免除などのほか、通常は一定の年齢制限を設けた中でカウントして第3子目となる子どもさんの保育料を免除するものを、低所得世帯においては、その年齢の上限を撤廃して第3子目の保育料を免除するなど、保育料に係る無償化の対象世帯の範囲を拡大してまいりました。 また、本市独自の対応といたしましても、保育料の階層区分を国の基準より細かく設定することで保育料の負担軽減に配慮するほか、安定した保育の提供及び利用者の利便性の向上のため、保育を必要とする全ての子どもについて、保育所等の1日11時間の利用が可能となる、いわゆる保育標準時間認定の統一を行うなど、さまざまな取り組みを展開してきているところでございます。 結果として、就学前児童の保育施設への利用割合が年々高まるなど、子育て世帯経済的負担の軽減を通じ、幼児教育・保育の機会均等に少なからずつながってきているものと考えております。 次に、本年10月から実施される幼児教育・保育の無償化により想定される影響と対策に関する御質問についてお答えいたします。 今般の幼児教育・保育の無償化においては、改正された子ども・子育て支援法の理念に、「子どもの保護者等の経済的負担の軽減について適切に配慮されたものでなければならない」という文言が明記されたことを踏まえ、3歳児クラスから5歳児クラスの幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する子どもたちの保育料が、世帯年収にかかわらず全て無償となります。 一方、ゼロ歳児クラスから2歳児クラスの子どもたちについては、住民税非課税世帯を対象として、保育料が無償となります。 なお、通園送迎費、いわゆる園バスの利用料のほか、食材料費、行事費などは、これまでどおり保護者に御負担いただくこととなりますが、年収360万円未満相当世帯子どもたちと、全ての世帯の第3子以降の子どもたちについては、おかずやおやつ等の副食費が免除されることとなっております。 そのほか、保育の必要性の認定を受けた子どもの幼稚園における預かり保育や、認可外保育施設等の利用料についても一定の金額の範囲内で無償となります。 このような負担軽減に係る内容の拡充に伴い、本市において対象となる方々につきましては、今までの段階的無償化の場合と比較して大幅にふえ、約7,400人と見込まれること、また、一部の施設を利用する子どもの保護者におかれては、無償化を受けるための申請が新たに必要となるほか、認可外保育施設等においても無償化対象施設となるための申請手続を一部要するなど、多くの子どもさんを対象に、複雑な仕組みでの運用となり、混乱を生じることが想定されます。 そのため、本市といたしましては、広報させぼやホームページ、SNS等のさまざまな媒体を活用した案内のほか、お知らせ用の簡易なチラシを作成し、利用されている保護者の皆様へ各施設を通じて配付するなど、市民や事業者の方々に対しては、「できるだけ早く」、「漏れなく」、そして「わかりやすく」に留意しながら、周知、広報を適宜行っているところでございます。 また、無償化に伴う政策上の影響としましては、子育てや教育に係る経済的負担の軽減を図るという趣旨において、少子化対策としての効果が見込める一方で、待機児童の増加が懸念されるとともに、改めて教育・保育における機会の公平性についても問われてくるものと考えられます。 そこでまず、待機児童の問題につきましては、保育士等の処遇改善を図るとともに、保育施設等に対する人件費の一部助成や雇用対策、若年層の移住・定住促進等といった多方面での保育人材の確保に係る各種取り組みのほか、保育所等の計画的な施設整備を行うなど、ソフト・ハード両面での取り組みを通じ、年度途中における待機児童の解消に努めております。 一方、教育・保育における機会の公平性という観点では、地域間の公平性の面で、離島である黒島地区の家庭的保育者等の確保や、空白地区における病児保育室の新設に係る補助事業、また、障がいの有無を捉えた医療的ケア児の保育施設に係る研究等について、取り組みを進めているところでございます。 いずれにいたしましても、今後、まずは無償化に伴う事務処理において、現場の混乱により市民サービスの低下を招かないよう適正な執行を図るとともに、その後における実際の政策的な影響も見定めていく中で、本市の財政状況に係る厳しい見通しを踏まえた経営の視点による行政運営という考え方を基本としつつ、適時、有効な方策を講じながら対処してまいりたいと存じます。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) おはようございます。 2項目めの動物の愛護及び管理に関する法律改正に伴う犬猫の殺処分頭数の減少に向けた取り組みについての御質問で、マイクロチップ装着の義務化の内容と効果及び普及啓発についてのお尋ねにお答えいたします。 本市では、平成28年4月の中核市移行により、動物愛護に関する事業を本格的に展開し、収容動物の譲渡の推進や、地域猫対策などにより、犬や猫の殺処分頭数の減少に取り組んでまいりましたが、依然として犬や猫の殺処分頭数は多く、より一層の取り組みが必要と考えております。 議員の御質問にありましたとおり、本年6月に改正動物愛護法が公布されました。今回の改正には、動物の所有者等が遵守すべき責務規定の明確化、ペットショップ等動物取扱業のさらなる適正化、虐待などの動物の不適切な取り扱いへの対応の強化、犬や猫に対するマイクロチップの装着の義務化などの内容が盛り込まれております。 この中で、犬や猫に対するマイクロチップに関しましては、犬や猫等の販売業者に対し、マイクロチップの装着及び情報登録が義務化され、その犬や猫を譲り受けた飼い主につきましても、情報登録が義務化されることになります。 また、愛護団体や一般の飼い主が現在所有しております犬や猫につきましても、マイクロチップの装着を努力義務とする旨が規定されております。 マイクロチップは、動物の体に埋め込むことで、個体識別、身元証明になり、世界中でも広く使われております。 我が国では、近年、犬や猫などのペットを中心として利用者が急増しており、迷子や災害などで飼い主と離れ離れになった犬や猫のマイクロチップの情報を照合することで、飼い主の元に戻る可能性が高くなっております。 ただし、よく誤解されがちですが、マイクロチップGPS機能を備えているものではございませんので、マイクロチップにより、一般の犬や猫が今どこにいるのかを探すことには利用できないものでございます。 今回の動物愛護法の改正により、マイクロチップの装着が義務化され、それが普及していくことで飼い主への返還率が向上し、殺処分頭数の減少が期待されるとともに、捨て犬や捨て猫の抑制にもつながり、飼い主の責任意識の向上も見込めるものと考えております。 また、福岡市や横浜市など、既に個人で飼育している犬や猫へのマイクロチップ装着に対する助成制度を実施している自治体も複数ございますので、その効果や、他の自治体の動向などを研究してまいりたいと考えております。 なお、改正動物愛護法によりますマイクロチップ装着の義務等に関しましては、公布から3年以内の施行となっており、本市におきましては、今後とも国等の動向を注視しながら、長崎県や長崎県獣医師会、動物愛護ボランティア団体などと協力し、市民の皆様への普及啓発等、必要な取り組みを行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆29番(松尾裕幸君) (登壇) 答弁ありがとうございました。 それでは、順番を変えて、まず2項目めの動物の愛護及び管理に関する法律改正に伴う分につきましては、今部長のほうから答弁がありましたけれども、3年間猶予があるからといって、ゆっくり構えていたら大きな間違いでございまして、早急に動いてほしいと思っております。 なぜかと申しますと、私も昔、コリー犬の小さいやつで、シェルティという犬を2匹飼っていたんです。当時は室内ではなくて、家の駐車場の横に大きな柵をつくって、その中で自由に動かれないように飼っていたんですけど、犬というのは雷に弱いんです。少々高い柵でも越えていきますが、2匹のうち、1匹は戻ってきました。やっぱり1日ぐらいかかって戻ってきた。もう1匹は、いまだかつて戻ってこないんです。シェルティですから、人懐っこい犬でしたので、誰かが飼ってくださっているだろうと自分では思っているんですけれども、当時、こういうマイクロチップみたいなことがあればよかったのではないかと思って、今回こういう質問をさせていただきました。 人間でいえば、マイナンバーカードを一生懸命普及しようとされていますけど、いまだこのマイナンバーカードを使っている人は少ないということであります。マイクロチップはお金がかかる話ですけれども、もし犬とか猫をちゃんと自分たちの家族にしていきたいというなら、犬にマイナンバーカードみたいなものを下げて回るわけにいかないですから、やっぱり自分の家族として犬を飼っている人、猫を飼っている人に対しては、物すごくいいことではないかなと思っています。マイクロチップを入れたら何か痛いのではないかという懸念があると思うのですが、全然痛くないそうですね。僕はしたことないですからわかりませんけど。 なので、今後、短期間のうちに対応してもらいたいと思います。つけないという人は初めからつけないんですね。自分が飼って、かわいいなと思ったら、やっぱりつけていくと思うんです。お金がかかることですから、若干の補助をしていただくとかいろいろな形で、お店で売っているものはつけてから、それをどのように加味してやるのかという判断は、他都市を研究しながらやっていただければと思っております。 また、森田議員、松尾俊哉議員がこの動物愛護センターマイクロチップの話はされるみたいですから、この件はここでとどめさせていただきたいと思っています。 それから、1項目めの子育て支援における幼児教育・保育の無償化について、再質問をさせていただきます。 佐世保市では、幼児教育・保育の段階的無償化に係る国の動向等に応じ、その都度、適切に対応してきており、また、ほかにも保育料の取り扱いに関連する取り組みとして、子ども・子育て支援新制度の導入に伴い、保育時間を保育標準時間に統一化したり、保育料の徴収基準を統一的に整理、運用したりと、利用者の立場を考慮しながら、本市独自の柔軟な対応を図ってきていることも認識をしております。 その結果、子どもたちに対して、生涯にわたる人格形成の基準を培う幼児教育の機会を等しく保障するという面で、一定の成果に結びついていることについては、十分に評価できるものと考えております。 しかしながら、一方で、子育てや教育の経済的負担の軽減を図る少子化対策としての成果に関しては、実質的な効果、すなわち合計特殊出生率を捉え、事態を好転させるまでのものはなかなか見出しづらいというのが実情ではないかと思います。 そのような中、段階的な無償化の取り組みの集大成とされる今般の幼児教育・保育の無償化に当たっては、その制度上のインパクトを考慮するに、今までなかなか実を結ぶところまで到達できなかった少子化対策としても、実質的な効果につながっていく好機だと期待しております。 また、気にかかるのが、今般の幼児教育・保育の無償化に伴う国の考え方として、給食費における主食費と副食費の負担方法について、幼稚園等に伴う1号認定の子どもと、保育所に通う2号認定の子どもで異なっているため、公平性の観点から、無償化を機に扱いを統一し、各施設において保護者から徴収する方針が示されました。 このような公平性の確保を基本とする国の考え方については理解できるものの、やはり保護者にとっては概して、幼児教育・保育に関して全てが無償になると思っていらっしゃることから、出費が一部でも残ることについて負担を感じられるようで、実際に不満を口にされる方など、見聞きしたりもしております。 今般の幼児教育・保育の無償化における政策上のインパクトも薄らいでしまうのではないかと危惧しており、長崎県内の自治体の対応状況を見ましても、同様の懸念を持っていらっしゃるようでございます。 保護者の負担感、不満感を少しでも払拭するため、給食の副食費における独自の減免措置を講じようとする自治体が相次いでおり、それは、少子化の進行に苦労する各自治体での都市間競争の様相を呈しております。 そこで、このような今般の幼児教育・保育の無償化をめぐる諸事情を考慮する中で、一つの対応策として提案をさせていただきます。 具体的に申しますと、給食費の副食費における独自の減免措置に関し、第2子目以降を要件として無償化するなどの方法が想定されます。財政規律や公平性等の観点に配慮しつつも、今後、人口減少、少子化、高齢化など、本市を取り巻く情勢についてますます厳しくなることが想定される中、自治体同士都市間競争において優位に立つことの重要性を認識した上で、好機と捉える今般の幼児教育・保育の無償化に当たり、その効果を担保し、また、より高めるために、補完するような独自のアクションを起こされたらどうかと思いますが、市長としての御所見をお願いいたします。「第2子の壁」というものが問題ということで提言しております。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) おはようございます。 子育て支援における幼児教育・保育の無償化についてということで、特に給食の副食費における市独自の減免措置に係る御提案に対しまして、私の所見をというお尋ねでございましたので、お答えをさせていただきます。 今般の幼児教育・保育の無償化に当たっては、子どもたちに対し、幼児教育・保育の機会を等しく保障することはもとより、経済的負担の軽減を図るという趣旨において、有効な少子化対策になり得るものと認識いたしているところであります。 そこで、議員からるる御指摘がございました給食の副食費における保護者からの実費徴収に対する御意見や、何らかの対応を求める動きなどについては、市としても注視をしてまいったところでございます。 去る7月には保育の現場を代表する主たる関係団体である佐世保市保育会及び同保護者会から、佐世保市に対し、副食費における保護者からの実費徴収について、市で全額負担してもらいたい旨の要望書が提出されたところでございます。 また、長崎県による直近8月現在の調査では、副食費の実費徴収に対し、県内21自治体のうち半分以上の11自治体において、独自の減免を実施する意向が示されております。 一方、本市の少子化対策に目を向けますと、子育て支援全般にわたり、適宜、さまざまな取り組みを推進してきており、全国の自治体と比較しても総じて見劣りのしない状況にあるものの、少子化の大きな流れにおいて、実質的な効果、すなわち合計特殊出生率の向上という面では、ほぼ全国共通の悩みではないかと思いますが、事態を好転させるまでの顕著な成果を得るには至っておらず、新させぼっ子未来プランや、佐世保市まち・ひと・しごと創生総合戦略が最終年度を迎え、総括するに当たり、今後においても、この直面する難題に対し、より実効性のある取り組みが求められているところであります。 なお、副食費に係る無償化関連事業といたしましては、今定例会において、副食費の徴収免除の対象に合わせ、子ども・子育て支援新制度に移行していない私立幼稚園に通う該当世帯の子どもなどに対し、助成を行うための予算案を提案させていただいております。 これは、幼児教育・保育の無償化に伴って始まる副食費の徴収に関し、新制度に移行している保育所や認定こども園等と、新制度に移行していない私立幼稚園との間で、利用する施設によって差が生じないようにする観点から、対応を要するものでございます。 いずれにいたしましても、本市の子育て支援に当たっては、今般の幼児教育・保育の無償化に係る実効性をより高めるべく対策を講じているところでございますが、副食費において、2子目以降を要件に無料とするなどの市独自の減免措置を趣旨とした議員の御提案に関しては、少子化の主な背景にある第2子の壁など、昨今の取り巻く諸事情を総合的に勘案する中で、一考を要するものと捉えており、見込まれる効果や財源の確保等の面で精査をしながら、事業内容の詳細設計を行うなど、早急に検討を進めてまいりたいと思っているところでございます。 ◆29番(松尾裕幸君) (登壇) 市長、答弁ありがとうございました。 やっぱり何でも100%というのはなかなか難しいということでありますので、佐世保市の財政状況を考えながら、一番効果があるものは何かということを考えていく必要があると思うんです。何でもかんでも無償、無償と言ったら、今度は小学校、中学校の給食はどうなるんだという話が出てくるわけですね。こういうものはやっぱり国がしっかりと整理した中で、詳細にわたってきちんと決めていかなければ、各自治体がおのおの自分たちの思いの中でやっていくというのはなかなかきつい話でありますので、北村先生も大臣になられましたし、(終了ブザー)どんどんこういうものもやっていただけるようなことで頑張っていただければと思います。 ○議長(崎山信幸君)  21番森田浩議員。 ◆21番(森田浩君) (登壇) おはようございます。 公明党の森田浩でございます。 通告に従いまして順次質問させていただきます。 まず、防災・減災対策についてであります。 近年、記録的大雨が相次ぎ、年月の時を置かずして、日本のどこかですさまじい豪雨災害が発生している状況であります。 昨年の西日本豪雨では200人以上の方々が亡くなり、平成における最悪の豪雨災害となりました。九州南部でも、本年6月末より降り続いた記録的な雨量により、総雨量は7月1カ月分の3倍に達した地域もあり、河川の堤防決壊や土砂崩れなどが相次ぎ、死者も出ている状況であります。 そして、先月末には、今度は九州北部を大雨が襲い、本市においても北部地域で甚大な被害をもたらすものとなりました。 まずは、このたびの豪雨により被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。私たち公明党会派としても、翌日、早速、被災地に赴くとともに、その際拾い集めた被災者の生の声を即日のうちに要望書という形で、朝長市長を初め各所管部長へ届けさせていただきました。 市長におかれましては、速やかな指示と配慮をいただき、大変にありがとうございました。 また、江迎町及び鹿町町の河川氾濫箇所や地すべり状況等について、行政幹部の皆様とともに現地視察を実施させていただきましたが、当日は御多忙な中にもかかわりませず、関係者の皆様には大変感謝をいたしている次第でございます。 さて、自然がもたらす猛威の中でも最も身近な脅威になっているのが水害ではないでしょうか。豪雨災害、土砂災害が一段と頻発化、激甚化する中で、問題はいかに自分の命を守るかであります。 昨年の西日本豪雨の際には、最大で860万人に避難勧告が出されましたが、実際に避難行動をとられた方は1%にすぎなかったとのことで、この豪雨による死者は全国で224人にも達しました。 気象庁では、災害後のアンケートで、注意情報、危険情報が受け手側に危機感として十分に伝わっていない上に、防災情報は数が多過ぎてわかりにくいという意見が寄せられたそうであります。 また、「経験したことがない」とか、「50年に一度」などの防災用語になれてしまっていることから、避難がおくれたケースも見受けられるということでありました。 このため、受け手である住民が直感的に理解できる防災情報をということで考えられ、この6月から運用開始となったのが、これまでの防災情報をまとめた5段階の警戒レベルであります。 私は、より緊急的に、より簡潔に住民に伝える情報としては、これまでよりわかりやすいという点で、画期的ではないかと思っておりますが、新たな運用を始めた防災情報として十分に地域住民に浸透させるには、まだまだ時間を要するものだと思います。 そこで、当局としては、この5段階警戒レベルというものについて、市民がどのように受けとめていらっしゃると判断されているのか。また、今後、この5段階警戒レベルについてどのように周知を図っていかれるおつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。 次に、マイ・タイムラインについてお尋ねいたします。 政府の中央防災会議によりますと、死者・行方不明者が200人を超えた昨年7月の西日本豪雨では、避難勧告の対象となった最大860万人のうち、わずか0.5%しか避難されておらず、逃げる気持ちがあっても、実際に行動に移すことの難しさが指摘されました。 そのため、台風や大雨のときに自分や家族がとるべき行動を時系列に沿って一覧表に書き込み、災害発生時に自分の行動のチェックリスト、判断を助けるツールとして役立たせようというのが、マイ・タイムラインであります。 現在、住民の避難行動を促すマイ・タイムラインの作成を後押しする自治体がふえてきていると聞いておりますが、当局としては、このマイ・タイムラインの有効性をどのように認識しておられるのか、お尋ねいたします。 次に、災害発生時に必要に応じて開設される避難所についてお尋ねいたします。 温暖化の影響もあってか、異常気象により災害が頻発し、激甚化してきております。特に、台風や豪雨により、川の氾濫や土砂崩れ等への不安から、河川付近や山際にお住まいの方々については、避難所に身を寄せる機会がふえてくることが予想されます。 本市の場合、避難所として地区公民館や小中学校の体育館を利用することになるわけでありますが、大型災害発生の場合には、体育館への避難が中心となり、しかも避難生活が長期に及ぶ可能性も否定できません。 体育館となると、畳の上とは違い、お年寄りや体の不自由な方への配慮が必要になろうかと思いますし、一時的にせよ、多くの方々が身を寄せる場所となるため、特に女性への配慮として最低限のプライバシーは守られるべきだと思います。 各地で災害が相次ぐ中、被災者の肉体的・精神的疲労を和らげるため、避難所の環境改善に取り組む自治体もふえてきております。 そこで、本市の体育館を含め、避難所の実態調査と環境改善に取り組んでいただきたいと思うのですが、当局のお考えをお伺いいたします。 次に、今、民間資格の防災士の資格を取得しようとする人がふえているようであります。 NPO法人日本防災士機構によりますと、増加の背景として、地域防災の担い手としてのニーズが高まっているとのことでありました。 防災士に期待される役割は主に二つあると言われ、一つは、防災・減災の観点から、知識や技能を生かして、自分や家族の身を守ること。もう一つが、初期消火や避難誘導、避難所開設など、災害直後の対応でリーダーシップを発揮することで、いわば自助と共助の分野が活躍の舞台となります。 しかし、資格取得後の活動はおのおのに委ねられており、ほとんどの方が身につけた防災士としての知識、技能が十分に生かし切れていないのが現実であります。防災士資格者の多くが、職場からの勧奨による取得であったり、職務上必要であったりするためかもしれません。防災士をいかに活用するかという視点が、行政も含め地域の課題の一つであろうかと思います。 特に、防災士に占める女性の割合は全国でも約16%にとどまり、本市においては、過去の推移からして、さらに低率であろうかと思います。 しかしながら、防災・減災に資する女性の視点は欠かせないことから、せっかく技能を持っている女性防災士を地域や職場、各団体の軸として、災害への備えを一層強化していくようにしていければと思うところであります。 そのためには、女性防災士同士の情報交換、連携といったことが大事であり、自治体としても把握が必要ではないかと思います。 そこで、本市においては、女性防災士についての把握と連携、活用についてどのようにお考えになり取り組んでおられるのか、また、今後どう取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 次に、本年3月、国産の乳幼児液体ミルクの販売が始まりました。災害時にはお湯の確保が難しい事態も想定され、備蓄をしていく考えの自治体も出てきております。 長崎新聞の記事によれば、液体ミルクは当初、主に災害時の備蓄としての活用が想定されていましたが、哺乳瓶にそのまま注げる利便性から、育児の負担軽減になると好評で、外出時や夜間の日常的な利用が急増しているとありました。 政府としましても、災害時に必要な物資として液体ミルクの備蓄を全国自治体に呼びかけていると聞いております。 本市においては、液体ミルクの備蓄は検討していないのか、お尋ねしたいと思います。 次に、孤立防ぐ「断らない相談支援」についてであります。 内閣府が中高年層を対象に初めて実施した全国規模の調査結果が、本年3月下旬に公表され、40歳から64歳でひきこもり状態の人は、全国で推計61万人に上ることが明らかとなりました。 今回の調査結果は、2015年に実施された15歳から39歳の若年層のひきこもりの推計約54万人を上回っており、もはやひきこもりが若者特有の現象ではないことが証明される形となりました。 また、今回の調査によって、ひきこもりの期間の長期化も鮮明となっており、5年以上のひきこもりが約5割を占め、10年を超えるという人も約3割に達しているということであります。 高齢となった親とともに社会から孤立した状態となっているケースも少なくありませんし、多くは一家の家計を高齢の親が担うなど、いわゆる8050問題を含む状況の深刻さがうかがえるものであります。 また、調査のうち、悩み事に関しては誰にも相談しないという回答が4割を超えていることから、中高年のひきこもりの人を抱える家族が社会から孤立した傾向になりがちなことが見てとれる状況となっております。 そこで、当局として、この内閣府の調査結果を踏まえ、推計値を含めた本市の状況及び結果についてどう見ておられるのか、お尋ねいたします。 次に、今回の内閣府の調査では、ひきこもりのきっかけとなったことについて、複数回答で聞いたところ、「退職したこと」が36.2%、「人間関係」と「病気」がともに21.3%、「職場になじめなかった」が19.1%の順となっており、ひきこもりに入る時期が就職氷河期とも重なっている人などは、就職がうまくいかなかったことが原因の一つである可能性もあると分析されております。 40歳以上のひきこもりの人がおられる家庭では、本人の年齢が上がるとともに親の高齢化も進み、親である自分が亡くなった後の子どもの生活、将来を案じつつも、何もできない状況にもがき続け、やがて高齢化に伴う病気や介護で経済的な困窮に陥るなど、複合した課題が重なる中で生活をしておられます。 しかし、行政としても、こういった方々の実態についてはなかなか把握しづらく、本人と話ができないばかりか、そもそも会えないというのが実情であります。 家族も、世間のひきこもりへの偏見を逃れるため、具体的に動かないという傾向も見受けられます。 以前の一般質問の御答弁では、中高年のひきこもり対応については、行政のみならず、NPO等との連携や庁内連携を駆使しながら行っているとの趣旨をお伺いいたしましたが、本市では、この多様で複雑なひきこもりの対応について、具体的にはどのように取り組んでおられるか、お尋ねいたします。 次に、政府においては、介護や病気、貧困、ひきこもりなど、複数の悩みで行政窓口に相談に見える人に対し、行政の縦割りを越えた総合的な支援体制をつくりたいとして、本年6月に閣議決定をなされた経済財政運営と改革の基本方針2019、いわゆる骨太の方針に、断らない相談支援の輪を広げることが明記されました。 厚生労働省によりますと、支援を必要としている人の60%は二つ以上の問題を抱え、34%は三つ以上抱えて悩んでおられ、その問題の内容は、さきに述べた8050問題や、親の介護をしながら子育てをするダブルケアなどであります。 これに対して自治体は、親の介護なら高齢者福祉、ひきこもりは生活保護や障がい福祉の担当窓口、子育ては教育委員会や子ども未来部など、相談先が多岐にわたるため、問題ごとに別々の窓口を回っているうちに、相談者、困窮者の心が折れ、孤立を深めてしまう状況があるのではないかとして、断らない体制の構築が求められているわけであります。 これには先進事例があり、神奈川県座間市では、2015年度から全ての相談を断らず丸ごと対応する窓口を市生活援護課に設け、生活困窮者自立支援事業に力を注いでいるそうであります。担当課によれば、同課の取り組みは、諦めずに何でも相談してもらいたいというメッセージが込められていると話されております。職員向けの研修会を開催したり、相談者の困り事を記載して他の担当課と情報共有するための「つなぐシート」の導入など、庁内の連携体制の強化も図られております。さらに、行政の対応だけでは限界があるため、例えば、フードバンク事業を行うNPO法人などの力もかりながら事業展開を図られているものであります。 こうした断らない姿勢が功を奏し、悩み事の解決や改善に結びつくケースがふえてきているとのことで、担当課では、断らずに解決策を探す中で、庁内連携や地域との協力が深められてきており、今後もさらに支援を充実させていきたいとの抱負を語られております。 このように、寄せられた相談を断らずに受けとめられるよう、部局の垣根を越え、また、地域を巻き込んでの丸ごと支援に取り組む自治体もふえてきております。 本市におきましても、市民にとって相談をしやすい体制の整備及び必要な支援を制度横断的に行う伴走型支援の検討を進め、断らない相談支援を実践すべきではないかと思いますが、当局の御見解を求めます。 次に、SDGsについてであります。 皆様、このバッジ(掲示)を御存じでしょうか。これは、SDGsの取り組みを象徴しているバッジで、実はこの質問をするに当たりまして、鶴大地議員が、このSDGsの取り組みに深いに御理解と御賛同をいただいておりますことから、けさ提供いただいたものでありまして、この鶴議員の心強い思いを背に、質問に移りたいと思います。 既に皆様御承知のとおり、SDGsとは、国連において2015年9月に、加盟193カ国により採択された国際社会の共通目標であります。「サスティナブル・ディべロップメント・ゴールズ」、別にインパクトを狙ったものではありませんけれども、誰一人取り残さないという理念を掲げ、持続可能な社会の実現を目指し、2030年までの達成に向け、取り組まれているものであります。 貧困や飢餓の撲滅、環境保全、健康と福祉の増進など、17項目の目標からなり、貧困状態にある全ての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させるといった169のターゲットが設定されております。 この世界的な流れを日本でも加速させようと、政府内においてSDGsの推進本部を立ち上げ、企業や自治体、さまざまな団体におけるSDGsの取り組みを後押ししようと、2017年に「ジャパンSDGsアワード」を創設し、2017年度には12の企業、団体、そして18年度には15の企業、団体を表彰いたしております。 これには、食品ロスを減らす取り組みや、CO2 の排出削減を目指す印刷技術、健康生活の実現に貢献、女性の就労や活躍を支援する取り組みなど、SDGsの目標に沿った事業の展開が見られます。 ちなみに、推進本部では、この9月30日まで第3回アワードの公募を行っているそうであります。 さて、このSDGsについては、公明党の明石前議員が昨年の12月に本議会で初めて取り上げた際には、まだ耳なれない言葉でありましたが、国際社会の中では頻繁に取り上げられるとともに、国内においても急速に周知が進み、新聞紙上やニュース等でも接する機会がふえてまいりました。 今、国際社会に対立と分断の危機が深まる中で、対話と協調を旨に平和外交を志向する我が国の役割は、決して小さくはないものと思います。 我が国の食品ロスの削減や環境衛生への取り組みなど、世界に先駆けたSDGsの普及や実践は、世界を牽引するものであり、同時にそれは地方創生に資するものであるとも思います。当局のお考えをお尋ねいたします。 次に、地方自治体の取り組みを見てみますと、例えば徳島県では、新時代の消費者のあり方として注目されているエシカル消費に取り組んでおられます。エシカル消費とは、環境、人と社会、地域のためになるかどうかを考えながら商品やサービスを選択することで、例えば、環境への配慮なら自然エネルギーを活用する、人や社会なら障がいのある人がつくった物を買う、地域なら地産地消を心がける、こうしたことを日常生活の中で実践することがエシカル消費であります。これは、SDGsの12番目の目標、「つくる責任つかう責任」に合致し、キーワードとして持続可能な生産と消費が挙げられているものであります。 また、熊本市では、熊本地震の際の経験を踏まえ、災害に強いエネルギーシステムの構築に取り組まれました。それは、電気自動車の活用により、避難所や病院などへ電力を供給するというもので、副次的に電力を発電する可燃物焼却施設での可燃物の焼却が中止されない限り、持続可能な体制として整備されたものであります。熊本市は今年度、政令市で唯一SDGsの達成に向けての先導的な取り組みを認定する自治体SDGsモデル事業選定都市に選ばれております。 このように、全国の自治体ではSDGsの概念に基づく取り組みがさまざまになされていると思いますが、今御紹介した徳島県や熊本市のほかに、どのような取り組みがなされているのか、お尋ねしたいと思います。 次に、さきに述べましたが、一昨年12月に首相官邸で開催されました第1回ジャパンアワード表彰式では、自治体や大学、大手企業、ボランティア団体などとともに、児童数352人の公立の小学校が栄えあるSDGsパートナーシップ賞特別賞を受賞いたしました。この学校は、東京都江東区立八名川小学校であります。実は、教育は、17あるSDGsの目標の一つであり、全ての人に包括的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯教育の機会を促進するとされております。 八名川小学校の校長は、特別賞の受賞の際のインタビューに際し、「教育分野から参加して賞をいただけたことは極めて意義深いことであるし、SDGsにおける教育の重要性を社会に発信するよいチャンスを得たと思っている」と答えられております。 八名川小学校は、東京の下町にある中規模の学校であり、大学附属でも私立の名門校でもありません。では、なぜSDGsの実践に高い評価を受けたのか。八名川小学校を訪れた全国各地の教員は、児童による学習発表会の様子を見学し、驚嘆したとのことでありました。自分たちでテーマを決め、自分で調べたことを自分の言葉で表現し、課題について自由な発想で何らかの解決策を見出していく。見学に訪れていたある教員は、「こうした取り組みを1年生から積み上げているのがすごい」。別の教員も、「総合学習はどこの学校でも必ず行っているが、SDGsの理念を意識してここまでしっかり取り組んでいる例はないのではないか」と感想を語っていたそうであります。 八名川小学校は、ユネスコスクールとしてSDGsの理念の実践を続けてきたとのことで、この実践には特に二つの観点が必要だということであります。一つは、人格の発達や自立心、判断力、責任感などの人間性を育むこと、もう一つが、他人との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、かかわり、つながりを尊重できる個人を育むことだそうであります。 八名川小学校の校長はさらに踏み込んで、教育はSDGsの中心でなければならない、学びと実践が一つにならなければ、世界を変える力にはならないからだと指摘されております。 こうしたSDGsの理念を教育現場において具体的に展開する取り組みについてどうお考えになるか、お伺いしたいと思います。 次に、改正動物の愛護及び管理に関する法律と動物愛護センターについてであります。 本年6月、動物の虐待に関する厳罰化や、犬及び猫へのマイクロチップ装着の義務化などを盛り込んだ、超党派での議員立法による改正動物愛護法が成立いたしました。 同法は、動物の愛護と適切な管理を目的として1973年に制定され、その後、2005年の改正では、国の基本方針の策定や、悪質なペット業者の規制強化、動物実験への配慮規定の追加がなされました。2012年の改正では、生後間もない犬猫の販売を規制、そして殺処分ゼロを自治体の目標とすることが盛り込まれました。 そうした取り組みもあり、2005年には36万5,000匹だった犬や猫の殺処分数は、2017年度には4万3,000匹となり、12年間で8分の1以下へと大幅に減少したわけであります。 さて、今回の動物の虐待に関する厳罰化について、殺傷した場合、これまでの2年以下の懲役または罰金200万円以下から、5年以下の懲役または罰金500万円以下に引き上げられたことに関し、余りに重過ぎるのではないかという意見がある一方で、これは、器物損壊が懲役3年で、動物の殺傷が2年なのはおかしいのではないかとの訴えに基づくものだそうです。 今回の改正につきまして、動物虐待も含め、当局としてどうお考えになっているのか、お尋ねをしたいと思います。 次に、改正動物愛護法の成立に続き、獣医師の質の向上という観点から、獣医師の診療補助や動物の看護などを行う動物看護師の国家試験を創設する愛玩動物看護師法が成立いたしました。動物看護師については、民間団体による認定資格はあるのだそうですが、資格がなくても仕事ができるため、提供するサービスにばらつきがあったということから、国家資格として位置づけたのだということであります。 この国家資格が進んだ国では、専門知識を持った人材の活躍により獣医師の資質向上につながっているとして、日本でも同様の効果が期待できるものとされております。 ただ一方で、資格の取得については一定の負担も生じることから、本市の既存の動物病院や愛玩動物関連事業者等に、この法律の成立がどのような影響があるのかについてお尋ねをしたいと思います。 次に、相浦地区に整備を予定されております動物愛護センターについてお尋ねいたします。 現在、有福町にあります犬管理所は、人目につきにくい薄暗い場所にあり、私の先入観かもしれませんが、犬猫を殺処分するだけの暗いイメージを払拭させることができないのが事実であります。 しかし、いよいよ動物愛護センター建設への具体的な計画が動き出し、本市でも犬猫の殺処分ゼロに向けた取り組みが開始されるだけでなく、動物愛護の啓発拠点施設としての要素もあわせ持つ施設になろうかと思います。 そこで、新設される動物愛護センターがどのような設備、機能を有する建物になるのかについてお伺いをいたします。 以上、1回目の質問を終わります。 ◎防災危機管理局長(中尾和章君) (登壇) おはようございます。 1項目めの防災・減災対策についてのうち、防災情報とマイ・タイムラインについてお答えします。 新たに運用が開始された5段階の警戒レベルに対する認識について御質問がございました。 議員御案内のとおり、平成30年7月の豪雨を踏まえ、災害の危険度の高まりを直感的にわかりやすくし、住民の皆様が適切に避難行動をとれるようにするため、ことし6月から自治体による避難勧告等の発令や、気象庁による防災気象情報の発表の際には、警戒レベル1から5を用いるようになっております。 本市としましては、広報させぼの7月号において警戒レベルに係る説明を掲載しておりますが、運用が始まって間もないことから、まだ市民の皆様に浸透している状況にはないと認識しております。 市政懇談会や防災講習会でも警戒レベルのチラシを配布しておりますが、今後とも各地区の会合などの機会に出席いたしまして、周知を図ってまいります。 マイ・タイムラインにつきましては、個人が作成する防災行動計画であり、台風や大雨による災害が起きると予想される時刻から時間を逆算して、いつの時点で何をするかを整理しておくものです。各家庭がマイ・タイムラインを作成することで、避難するタイミングを逃さない効果が高いとされています。 作成を容易にするためのガイドラインを出している自治体もありますので、本市といたしましても先進地の取り組みを学び、普及させてまいりたいと考えております。 次に、災害時の避難所の環境改善についてのお尋ねがございました。 市の指定避難所につきましては、各地区公民館を中心に、一部の小学校、中学校の体育館などを開設しております。 地区公民館には和室があり、空調設備もございますが、小中学校等の体育館は板張りであり、空調設備もないことから、今年度、飲料水、非常食、毛布とあわせて大型扇風機やジョイントマット等を配備するようにしており、幾らかでも避難所の環境を改善するよう努めているところでございます。 しかしながら、避難所のプライバシー保護につきましては、現在、特段の配慮がなされている状況にはありません。プライバシーの問題につきましても、避難者へのアンケート項目としまして御意見を伺い、できる範囲にはなりますが、避難所環境の向上を図ってまいりたいと考えております。 次に、女性防災士の把握と活用につきましてお答えいたします。 佐世保市の防災士は、日本防災士機構によりますと、ことし8月末現在で288人、そのうち女性は34人で、全体の12%となっております。また、平成28年からの3年間で、佐世保市の女性防災士については1.41倍と伸びております。 本市としましては、市内にお住まいの防災士のうち、地域の防災活動に協力する意思表示をいただいた方80名の情報を地区自治協議会に提供しており、そのうち7名の方が女性防災士でございました。 ことし10月には長崎県主催で防災士の受験資格が与えられる3日間の防災リーダー講習会が広田地区公民館を会場として実施されますが、現在、90名以上の受講申し込みがあり、そのうち女性は27名ということでございます。 女性の目線でのきめ細やかな防災への取り組みということも必要性があるものと認識しておりますので、女性防災士の方には、私どものほうから御連絡をし、男性が見落としがちな点についてアドバイスをいただき、また、防災活動への女性の参画について御意見をいただきたいと考えております。 以上でございます。 ◎市民生活部長中西あけみ君) (登壇) 1項目めの防災・減災対策についてのうち、液体ミルクの備蓄についてお答えします。 液体ミルクは、販売するために厚生労働省の許可が必要ですが、これまでは各メーカーが積極的に取り組んでいなかったことから、許可を受けたメーカーがおらず、国内では生産がされておりませんでした。 しかし、熊本地震の際に海外からの提供があったことから注目を集め、その存在が知られることとなり、生産への取り組みが始まったものの、平成31年3月から全国で順次販売が開始されて間もないことから、現物備蓄品として導入すべきかの検討には至っておりませんでしたが、災害時の液体ミルクは、議員御紹介のとおり大変有効であると思われます。 本市が行っております現物備蓄については、水、非常食、おむつ等を含めた消耗品となっておりますが、災害時に物資の提供を受ける流通備蓄という方法もあり、主に通常の食料品や日用品のほか、その他の物品の提供もいただけるようになっております。 この流通備蓄については、本市が協定を締結している3社のうち、1社が液体ミルクの取り扱いを行っていることから、災害時においては必要に応じて液体ミルクの提供も可能ではないかと考えております。 そのため、現時点では、液体ミルクの賞味期限が半年から1年と、現物備蓄としては短いことから、備蓄サイクルの取り扱いを考えた場合、流通備蓄という考え方に立っている状況でございます。 しかしながら、流通備蓄では、災害発生から提供まで数日かかる場合もあることから、即日対応できる現物備蓄について前向きに検討したいと考えております。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) 2項目めの孤立防ぐ「断らない相談」支援についてお答えいたします。 まず1点目は、内閣府による中高年を対象としたひきこもりに関する全国調査を踏まえ、佐世保市の現状と、それをどう受けとめているかについてのお尋ねでございました。 この内閣府における調査についてでございますが、昨年12月に生活状況に関する調査として実施されたもので、全国の199の市区町村で、200地点に居住する満40歳から64歳までの5,000人及びその御本人と同居する成人を対象として行われました。 調査の結果、ひきこもりと認められる出現率は1.45%となり、これを推計人口から換算し、全国での推計値を61万3,000人と公表されております。 また、これはあくまでも推計値になりますが、この出現率を本市に当てはめますと、本市の40歳から64歳のひきこもりの方の数は、約1,100人ということになります。 この調査では、ひきこもりの実態につきましても、「趣味に関する用事のときだけ外に出る」が0.58%、「近所のコンビニなどには出かける」が0.65%、「自宅からほとんど出ない」が0.06%など、出現率についてもあわせて公表されているところでございます。 本市といたしましても、ひきこもりに関する実態把握は大変難しい状況ではありますが、本市や相談窓口等の委託先であるNPO法人に寄せられる成人のひきこもりの相談件数は増加傾向にありますことから、今回の国における調査結果や今後の動向を注視しつつ、今後の対応に注力していく必要があるものと考えております。 次に、2点目の市民の多様な悩みへの対応及び実績ということで、ひきこもりの相談対応状況等についての御質問でございます。 まず、平成30年度のひきこもり相談の実件数は875件で、電話や面接、訪問等で対応いたしております。 ひきこもりの状態にある方は、基本的に人と会うことが難しく、その御家族におかれても周囲に相談したくないと思われる方も多く見られ、家庭訪問の対応も含め、相談窓口に結びつくまで、また、当事者との人間関係をつくるまでに相当の時間を要している現状にあることから、ひきこもりの原因等についての実態把握を初め、統計的な整理も難しい状況にございます。 その中で、ひきこもり状態から変化が見られたと思える事例について幾つか御紹介をいたしますと、御家族が個別家族教室に参加し、本人に対する対応方法を学んだことで、本人が家から出て通所することにつながったケース、また、本人が保健師とともにNPO法人に設置している居場所に行くようになり、他者との交流ができるようになったケースなどがございます。また、本人の支援をする際に、社会福祉協議会や相談支援事業所、若者サポートステーション等と連携・協力し支援することで、短時間の就労につながった方もおられます。 先ほども申し上げましたように、ひきこもりにつきましては、支援を始めてすぐに改善に向かうわけではなく、長期にわたる対応が必要となりますが、市といたしましても、本人の状態等についてより理解を深めながら、粘り強く支援を継続していくことが重要であると考えているところでございます。 次に、3点目の丸ごと支援窓口の必要性ということで、本市においても断らない相談支援を実践するべきではないかというお尋ねでございますが、現在、保健福祉部では、各担当課において、それぞれの専門性を生かした窓口対応を行っております。 その中で、例えば、生活福祉課が把握した生活困窮者の対応ケースにおいて、ひきこもり支援が必要ではないかと思われる場合には、障がい福祉課へつなぐなど、適切な支援が包括的に受けられるよう、関係課間において連携会議を設けるなど、連携強化にも取り組んでいるところでございます。 しかしながら、議員御指摘のように、相談者が複数の問題を抱えた状態である場合においては、基本的にはそれぞれの担当窓口で相談することとなり、相談者にとっては負担感があるものと思います。 国は、8050問題やダブルケアなど、生活上の複雑化した問題に従来の制度を越えて対応する包括的な相談支援体制として、断らない相談支援を来年度から強化する方針を示しており、市町村における事業実施のための政策的な支援を図るため、制度ごとの縦割りを整理した上で、新たな支援の仕組みを構築する必要があるとの考えを示しております。 本市といたしましても、国の動向や先進事例等について情報収集を行い、市としてどのような体制が望ましいのかを研究し、市民の皆様の負担軽減や問題解決につながるよう、庁内各部署との相互連携をさらに強化した包括的な相談支援体制の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、4項目めの改正動物愛護及び管理に関する法律と、動物愛護センターについてお答えをいたします。 まず、本年6月に改正動物愛護法が公布されましたが、今回の改正により、犬や猫などの愛護動物を殺傷した場合の法定刑が5年以下の懲役または500万円以下の罰金に引き上げられ、また、虐待等に対しては、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に引き上げられております。 動物への虐待を含め、このことについてどう考えるかとのお尋ねでございましたが、動物愛護法の第2条には、「動物が命あるものであることに鑑み、何人も動物をみだりに殺し、傷つけ、または苦しめることがないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、適正に取り扱うようにしなければならない」旨の規定がございます。 今回の改正により、物を破損する器物損壊よりも重い罰則が規定されたことは、人と同じように動物の命を尊重する必要があることを法によって明確にしたものと考えております。 本市内でも、不適切な飼育による犬や猫の虐待が疑われる事例もあり、所管する警察署と連携をとりながら対応を行う事例もございます。 今回の法改正におきましては、法定刑の引き上げのほかにも、犬や猫の所有者に対して、その飼育について義務が課せられたほか、不適正な飼育管理に対する都道府県の権限の強化などが定められております。 今回改正されました動物愛護法によって法定刑が引き上げられ、広く市民の皆様に周知されることにより、社会の目が動物愛護に向けられ、動物の虐待などの減少につながっていくものと考えております。 次に、愛玩動物看護師法についてのお尋ねでございますが、この法律は、犬や猫など愛玩動物の看護等に従事する方の資質向上を図るため、国家資格として愛玩動物看護師を定めるもので、ことし6月の国会において成立いたしました。 この資格を有する者は、獣医師の指示のもとで、経口による投薬やマイクロチップの装着などを実施することが可能となります。 今回の法制定により、看護の質の向上が図られ、動物愛護の推進が見込まれるものと考えております。 しかしながら、現在、市内の各所の動物病院にはさまざまな民間の資格や経験をお持ちの方々が勤務されておられます。それらの方々が愛玩動物看護師の資格取得をされる際の負担等の影響につきましては、制度の詳細が国から示されていないこともあり、現時点では明確になっておりませんので、今後注視してまいりたいと考えております。 なお、本制度につきましては、3年以内に施行されるものとなっておりますが、本市といたしましては、県や長崎県獣医師会と密接に情報共有を図ってまいりたいと考えております。 次に、動物愛護管理センター(仮称)の施設及び機能についての御質問でございますが、当センターは、来年度の工事着工に向けて、現在設計等を行っているところでございます。 計画段階での施設の概要といたしましては、約500平方メートルの平屋建てで、国立公園の中にあることから、周辺の景観と調和する外観にするとともに、団体の来館者にも対応できる駐車スペースを整備したいと考えております。 同センター内部におきましては、現犬管理所にもある犬飼育室のほか、猫飼育室、隔離室や処置室、犬や猫のトリミングを行う洗浄室、見合い室、講習室及びエントランスホール、さらには来館者の方が快適に犬や猫を見るための脱臭装置などを備えた施設を計画しており、動物愛護啓発の拠点となる施設として整備を進めているところでございます。 以上でございます。 ◎企画部長(中島勝利君) (登壇) 3項目め、SDGsの理念の普及と各種取り組みについてのうち、市としてはどのように取り組もうとされているのかという御質問でございました。 議員御案内のとおり、持続可能な開発目標、SDGsは、国際社会が2030年までに、貧困撲滅などを目標に立てて、持続可能な開発を実現するという共通課題に取り組んでいくための指針であります。 我が国におきましても、国連持続可能な開発サミットにおいて、誰一人取り残さない社会の実現を目指し、国際社会全体の普遍的な目標として採択されたことを受けて、持続可能な経済・社会づくりに向けて最大限取り組むことを表明しております。 このことを踏まえまして、国におかれましては、まち・ひと・しごと創生総合戦略2017改訂版におきまして、SDGsは先進国、開発途上国を問わず、世界全体で持続可能な開発を統合的取り組みとして推進するものであり、多様な目標の追求は日本の各地方における諸課題の解決に貢献し、地方の持続可能な開発、すなわち地方創生に資するものとされております。 一方、本市におきましては、まち・ひと・しごと創生総合戦略を第7次総合計画と一体的に策定することとしておりますが、SDGsにおける持続可能な経済・社会づくりという理念や方向性に関しましては、総合計画における考え方と共通しており、この第7次総合計画を着実に進展させることで、SDGsの目標達成に寄与するものであると考えております。 このことを踏まえ、市民や事業者等の理解が進むよう、SDGsの理念を踏まえた見せ方についても今後検討が必要であると考えております。 議員御案内のとおり、SDGsでは17のゴールが提示されており、市民、事業者、行政などのステークホルダー間で共通認識を持つことが可能になります。そして、この共通認識となる17のゴールを活用することにより、政策目標の理解が進み、民間事業者との合理的な連携の促進につながるものと考えております。 官民連携し、人口減少に歯どめをかけ、将来にわたって成長力を確保することを目指す地方創生の基本的な考え方は、持続可能な社会・経済づくりを目指すSDGsとおおむね一致するものであり、この理念に沿って、総合計画の取り組みに注力してまいりたいと考えております。 続きまして、SDGsに関する各自治体の具体的な取り組みについてでございますが、民間が調査した「全国市区・サステナブル度・SDGs先進度調査」で評価された幾つかの自治体の取り組みを見てみますと、例えば、京都市におかれましては、先ほど申しました行政施策の取り組みとSDGsの取り組みは共通するという考え方の中で事業を実施されております。具体的には、持続可能な脱車中心社会のモデル都市の形成を目指して、世界トップレベルの使いやすい公共交通と、歩く魅力にあふれるまちづくりを行い、一人一人が歩く暮らしを大切にすることによって、「歩くまち・京都」を実現する取り組みを進められております。このことで、市民、事業者が行った省エネの取り組みにより、総エネルギー消費量がピーク時から約27%削減され、また、歩道の幅を拡大し、車道を4車線から2車線に減らした結果、41%の交通量が減少されたことなどが評価されております。 また、東京都板橋区におきましては、区民、事業者を含めた多様な主体におけるさまざまな分野の施策において、スマートシティの考え方を導入することとしたスマートシティ推進方針の策定や、CO2 削減のため、公共施設での緑のカーテン設置、また、個人、事業所への省エネ機器導入補助など、地域資源やエネルギー補完による循環共生型の社会づくり、環境教育などの取り組みを行い、持続可能な開発目標に貢献されたことが評価をされています。 このように、SDGsの取り組みは行政の施策とおおむね合致するものであり、持続可能な経済・社会づくりという目的の中で、一体として取り組まれている状況でもございます。 本市におきましても、このSDGsの理念を踏まえた取り組みとして参考になるものであり、総合計画の運用に当たって意を用いてまいりたいと考えております。 以上です。 ◎教育長(西本眞也君) (登壇) 3項目めの教育現場でのSDGsの理念の共有についてお答えいたします。 平成29年3月に公示されました小中学校の学級指導要領を初め、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領、さらに幼稚園教育要領の全てが、持続可能な開発のための教育、いわゆるESDを基盤理念として改定されました。 そこで、学習指導要領の前文や総則には、持続可能な社会のつくり手の育成が目標として明文化され、そのために必要となる能力や態度を、環境、国際理解、人権、エネルギーなどの観点から、総合的に育成することとされました。 議員御案内のSDGsは、このESDの理念に基づいて定められた国際目標でありますので、我が国の学校教育の指針であります学習指導要領や教育要領に基づいて実施している教育課程そのものが、SDGsへの方向性を同じくし、かつ支えているものであると認識いたしております。 具体例を挙げますと、次年度から使用されます小学校社会科の教科書には、「世界の未来と日本の役割」の単元において、「未来にわたってより多くの人々が豊かな生活を送るために、よりよい環境を残していくことが重要です。開発を進めながら環境を守っていくための努力や協力が、世界中で求められています」などの説明をもとに、自分たちができることを具体的に考える活動が設定されております。 このように、さまざまな教科や領域の中で、SDGsやESDに係る内容が積極的に取り上げられているところです。 また、あわせて、各学校が創意工夫を生かして教育課程を編成する総合的な学習の時間においても、これらの教科で学んだことを関連させながら、主体的、積極的に学ぶことが求められており、本市内においても、SDGsで示された17の目標に直接かかわる環境問題や国際問題をテーマとして取り組んでいる学校も多数見られております。 これらの学習は、ESDの視点で重視する能力、態度として示されている「未来像を予測して計画を立てる力」、「多面的・総合的に考える力」、「コミュニケーションを行う力」、「他者と協力する態度」、「つながりを尊重する態度」、「進んで参加する態度」などの育成に通じるものであり、新しい学習指導要領のもと行われるさまざまな教育活動を通じて、ESDの理念を支える資質、能力の育成を図れるものと考えております。 教育委員会といたしましても、本市の全ての学校において、この学習指導要領に対応した教育活動が展開されるよう、各学校への支援等を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆21番(森田浩君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。再質問をしたいと思います。 防災・減災対策のうち、災害時の避難所の環境改善について再質問をいたします。 先ほどの御答弁で、避難所の環境については、幾らかでも改善に努めていくとのことでございました。国が定めた災害対策基本法は、避難所の良好な生活環境の確保に努めるよう求めておりますが、避難所での生活は、当然ながら気が滅入ったり、時に体調を崩されたりとさまざまであります。それは、なかなか欲しい情報が得られないことで不安が増幅したり、また、家族や友人と容易に連絡がとれないことなどによるストレスも大いに関係するものと思われます。 そうしたことから、避難所では、インターネット情報を得やすいように、Wi-Fi環境をしっかり整備する必要があるのではないかと強く感じます。また、災害時だけでなく、これからの地区公民館の運用を考えましても、インターネット利用の促進が図られることは肝要かと思われます。ぜひ地区公民館にWi-Fi環境を整備していただきたいと思いますが、教育長の考えをお聞きしたいと思います。 次に、女性防災士の活用についてでありますが、本市の地域防災計画とは別に、自治会やマンション組合、NPO法人などが独自に策定する地区防災計画があり、本市は地区住民がみずからの手で独自に策定する地区防災計画について支援する事業を行っていると聞いております。 ちなみに、今年度は相浦地区自治協議会と針尾地区自治協議会が策定作業に取り組んでおられるそうでありますが、そうした地元住民による地区防災計画の策定過程で、女性防災士の目標、感性というものが生かされるよう、行政関与ができないのかお尋ねいたします。 次に、動物愛護センターの整備の考え方についてでありますが、今や人間社会に及ぼす愛玩動物、いわゆるペットの存在は揺るぎないものとなっております。動物のとうとい命を守り育むための適正な譲渡システムの構築は、動物にとっても、また、人にとっても重要な取り組みであると思います。 つきましては、本市といたしましても、全国にある動物愛護に関する先進的事例をさまざま研究されているものと思われますが、そうした研究の蓄積を今回整備する施設にどのように反映させていくおつもりなのか、お尋ねいたしたいと思います。 ◎教育長(西本眞也君) (登壇) 災害時の避難所の環境改善に係る再質問についてお答えいたします。 議員御案内のとおり、地域の災害対応の拠点となります地区公民館において、避難された住民の皆さんの良好な生活環境を確保するためには、情報に係る環境整備は大変重要と認識しておりますことから、昨年度、防災・減災事業として、全地区公民館にテレビ、充電器つきラジオを整備したところでございます。 また、通信手段の確保といたしましては、平成29年度のNTT西日本長崎支店と市との協定に基づき、災害時に携帯電話やネット通信がパンクした事態に陥っても利用できる特設公衆電話の設置も行っております。 お尋ねがございましたWi-Fi環境の整備については、災害時のライフラインとして、情報の受発信において有効であることから、国においても防災拠点におけるWi-Fi環境の整備が推進されており、災害時における環境改善としては、望まれているものの一つであると認識いたしております。 また、議員御提案のとおり、生涯学習及び地域活動の拠点である公民館にWi-Fi環境を整備することにより、通常時における公民館活動を促進する上でも、有効であると考えております。 特に、公民館を地域の活動拠点としてさらなる利用の幅を広げるコミュニティセンター化の検討もございますことから、興味深い御提案だと思います。 そのようなことから、設置に係る費用も含め、市としての避難所整備のあり方、そして公共施設におけるWi-Fi環境の整備のあり方も踏まえながら、地区公民館へのWi-Fi環境整備について、今後検討してまいりたいと考えております。 ◎防災危機管理局長(中尾和章君) (登壇) 女性防災士の把握と活動に係る再質問についてお答えします。 その地区独自の防災計画である地区防災計画の策定につきましては、本年度は相浦地区及び針尾地区の2カ所の地区自治協議会が取り組んでおられます。 この計画は、行政主導で行うのではなく、住民みずからが行うものですので、計画策定体制も地区自体が決めることになります。 本市職員はアドバイザー的な位置にありますので、計画に女性の立場、目線を取り入れることや、女性防災士の存在を情報提供としてお伝えしたいと考えております。 以上でございます。
    保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) 動物愛護管理センター(仮称)における動物愛護の取り組みについての再質問にお答えいたします。 同センターは、第一義的には動物愛護や命の大切さについて知っていただける施設にしてまいりたいと考えております。 また、新たな取り組みとして、猫飼育室においては、有福町の犬管理所では行えない子猫の保育を行うほか、管理室及び処置室では、小動物等の飼育管理、検査や治療を行います。 また、見合い室では、譲り受けを希望される方と犬や猫の見合いを行うことで、適正な譲渡の推進を図ります。 さらに、講習室やエントランスホールでは、しつけ方教室や、譲渡先の新しい御家族と暮らしている犬や猫の写真パネルの掲示などを行う予定といたしております。 また、精力的に活動されている動物愛護ボランティアの方々とも、これまで以上に連携し、同センターの活用を図るとともに、このような新たな取り組みを行うことで、市民の皆様が気軽に足を運んでいただけるような明るく親しみのある施設にしたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(崎山信幸君)  暫時休憩いたします。     11時38分 休憩     13時30分 再開 ○副議長(山口裕二君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。11番佐藤文子議員。 ◆11番(佐藤文子君) (登壇) 皆様、こんにちは。公明党の佐藤文子です。 9月に入り、すっかり秋めいてというはずでしたが、残暑といっていいほどのここ最近の暑さと、異常気象による豪雨や台風、また、2次被害によって亡くなられた方もおられると報道にありますように、非常に心配されるところでございます。被害に遭われました方々へ、まずもって心よりお悔やみと、また、お見舞いを申し上げます。 新人議員として、昨日からの一般質問における質問や答弁から多くの学びをさせていただいております。昨日の鶴議員が申された言葉や発信する力、そしてタイミングというワードは、私が本日質問させていただく内容に共通する部分が非常に多いと思いました。特にタイミングについては、市民の皆様に合わせたタイミングとして考え、言葉の力、発信力を少しでも発揮し、6月の一般質問に引き続き、医療・介護分野で質問させていただきたいと思います。 以前、私は看護師として病気の方に寄り添い看護を行ってまいりました。そして私の政治活動中のキャッチフレーズは佐世保健康都市宣言です。健康寿命延伸の取り組みについては私のライフワークになろうかと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 前置きが長くなりましたが、通告に従い質問を行います。 まずは介護予防・日常生活支援総合事業の現状と今後の展開についてです。 この介護予防・日常生活支援総合事業について質問する前に、やはり必要になってくるのは人口減少と少子高齢化というワードです。それぞれが国を挙げて問題に対する施策や市町村への主体的取り組みなどを推奨しています。高齢化というワードには、必ずといっていいほど認知症というワードも出てまいります。 皆様御存じのとおり、平成27年に厚生労働省は、「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」を取りまとめ、公表しています。認知症の状態、症状の詳細な説明はここでいたしませんが、日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究、平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業によると、国内の認知症の人の数はふえ続け、平成24年に約462万人で、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。正常と認知症との中間の状態である軽度認知症、いわゆるMCIと推計される約400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症の人、またはその予備軍と言われています。高齢化の進展に伴い、今後、認知症の方はさらに増加が予測されており、いわゆる団塊の世代が75歳以上となる平成37年には認知症の人は約700万人前後になり、高齢者に対する割合は現在の7人に1人から約5人に1人に上昇することが見込まれています。 新オレンジプランは7本の柱で構成されていますが、六つ目の柱は、認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデルなどの研究開発及びその成果の普及推進です。しかし、認知症は病態解明が不十分であり、根本的治療薬や予防方法は十分に確立されていないと言われています。 私の母はアルツハイマーの診断を受け、約7年になります。介護度は要介護1です。診断を受けてからは、ある程度は年々早いスピードで進行したように思います。私も含め父も、その症状への対応や、受け入れるまでの混乱もあり時間がかかりましたが、今は家族も大分その症状を受けとめることができ、現在は服用と認知症に特化したケアを受けながら生活しています。7年前にアルツハイマー型認知症診断を受けた際、専門の先生からこう説明されました。「認知症診断に至る以前から、それも数年時間をかけて、お母さんの認知機能は徐々に低下し始めており、このように進行した状態で家族が連れてくるケースが多く、現状ではほとんどだ」と言われました。そのときのショックは忘れられません。元気だった私の母が認知症になると夢にも思っていなかったこと、先生に言われて考えてみると、あのときの症状は初期の認知症のサインではなかったかと、思い当たる場面が幾つか頭によみがえってきたからでした。そこで私が認知症の初期症状として気づき、判断し、早く手を打てていたら、早く投薬してもらっていたらという悔しさ、看護師としての自分に対する情けなさ、母に対する申しわけなさで、とても苦しい時期が続きました。それだけ認知症の初期段階と誰もが理解し、治療に早期に結びつける難しさがあります。難しいからこそ認知症対策の予防普及活動を推進し、先進地事例などをもとに、さらにスピード感、危機感を持って取り組まなければならないと考えております。 先ほど研究結果を参考として述べましたように、今後、さらに国の動態、動向も確認しながら、先行して市も主体的に独自にしっかりと取り組まなければなりません。平成28年の厚生労働省国民生活基礎調査によると、介護や支援が必要となった主な原因として認知症が最も多く、次いで脳血管疾患、骨折、転倒などです。支援や介護を必要とする方がふえている中で、国は介護保険診療報酬の改定において、2015年に予防給付がマイナス23%、2018年には通所介護においてもマイナス4.7%と改定されました。それらを考えると、通所事業所の受け入れや体制にも影響し、事業経営のあり方も今後どのようになるかわかりません。 そこで、2015年4月から段階的に導入が行われた介護予防・日常生活支援総合事業は、2017年4月から全ての市区町村で提供が始まった新しい介護策です。以下、総合事業と申しますが、総合事業も一番の狙いは社会保障費の抑制と言われています。総合事業の財源の負担は市町村も含まれています。そのほかの狙いは、介護人材不足への対応、健康寿命延伸、サービス購入に対する価値観の変革、いわゆる自助精神への醸成と書かれてある資料もあります。この総合事業は、年齢や心身の状況などによって高齢者を分けることなく、誰でも一緒に参加することのできる介護予防活動の地域展開を目指すものと言われています。 そこで、2017年から本市でもスタートした介護予防・日常生活支援総合事業の取り組み、地域で実施されている自主活動としての介護予防活動の内容や支援内容についてお尋ねいたします。 次に、佐世保市国民健康保健実施事業に基づく保健事業についてお尋ねします。これらの内容は認知症とも深いかかわりを持つ生活習慣病、糖尿病についてです。厚生労働省によると、年人口動態統計の結果から、糖尿病や高血圧症が深くかかわる心疾患や脳血管疾患で亡くなる人の数は年々ふえていると言われ、平成28年の佐世保市保健福祉の統計資料では、1位から悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患です。 長崎県や佐世保市は国民健康保険加入者の1人当たりの医療費が全国平均より高く、厚生労働省が公表している平成25年医療費の動向調査でも全国で5番目に高い結果となっています。費用額上位としては、1位から統合失調症等、2位は腎不全、3位は高血圧性疾病となっています。2位の腎不全はさまざまな疾患から慢性腎不全になりますが、平成10年から新規透析導入理由は糖尿病性腎症によるものが第1位となっています。透析導入患者を減らせるかは糖尿病が鍵になっていることは間違いありません。佐世保市のデータヘルス計画の短期目標は、糖尿病有病者の増加の抑制、高血圧の改善、脂質異常症の減少、中期目標では新規透析患者数の減少、糖尿病性腎症等による新規透析患者数の減少、脳血管疾患死亡率の減少、虚血性心疾患死亡率の減少と、健康格差の縮小を掲げています。これから高齢期を迎える40から65歳の割合が人口構成として高く、今後、医療費もさらに高くなることが予測されます。 また、これもデータヘルス計画から、地域的な疾患では、慢性腎不全透析なしの割合は増加、さらに脳梗塞、脳出血や狭心症、心筋梗塞についても割合は減少しており、このことから生活習慣病の糖尿病、高血圧、脂質異常症等をきちんと治療し、重症化を予防することで、脳、心臓、腎臓を守ることにつながると考察されています。高額な医療費についても、脳血管、虚血性心疾患、人工透析への重症化を防ぐために、これらの基礎疾患となる高血圧、糖尿病、脂質異常症の方への早期受診勧奨と治療中断を防ぐ対策が必要になるとあわせて提示されていました。繰り返しになりますが、日本透析医学会が毎年実施している統計調査でも明らかなように、新規透析導入の原疾患の第1位は糖尿病性腎症で43.7%に上ると言われています。 そこで、生活習慣病、生活習慣重症化予防、糖尿病性腎症重症化予防プログラムの現状の取り組み、成果、ハイリスク者の選択基準とその後の管理及び受診勧奨についてお尋ねします。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) まず、1項目めの介護予防・日常生活支援総合事業の現状と今後の展開についてお答えをいたします。 平成29年4月から実施いたしております介護予防・日常生活支援総合事業についてですが、事業の目的は、高齢者が住みなれた地域で安心した生活を送るため、早目に介護予防を行うことで、要支援、要介護状態になることの予防、または軽減、もしくは悪化防止を目的といたしております。また、この事業は、要支援認定者及び基本チェックリストに該当した方を対象とした介護予防・生活支援サービス事業と、65歳以上の方全てが利用できる一般介護予防事業で構成されております。 まず、介護予防・生活支援サービス事業は、訪問型サービスと通所型サービスで構成されており、従来の介護予防訪問介護、介護予防通所介護に加え、住民が主体となる自主活動団体が実施する訪問型支え合いサービス及び通所型支え合いサービスがございます。さらに、通所型サービスにつきましては、短期集中予防サービスとして、3カ月から6カ月の短期集中で行う「きらっと元気教室」がございます。 次に、65歳以上の方が利用できる一般介護予防事業の一つとして、地域で自主的に介護予防活動を行う団体に活動費の一部を支援いたしております。この事業は、週に1回、介護予防体操を実施する団体を対象にしたものですが、地域に通いの場を創設することで、外出や他者との交流の機会もふえ、介護予防につながることを目的といたしております。 介護予防・日常生活支援総合事業を開始して以来、高齢者人口はふえているにもかかわらず、要支援認定者は約10%減少しており、これは地域の高齢者に介護予防の意識が少しずつ根づいてきたことが要因の一つではないかと考えております。 介護予防活動団体は平成28年度にモデル事業として4カ所を設立し、総合事業を開始した平成29年度は143団体、平成30年度は222団体となり、約4,300人の皆さんが参加をされております。活動内容は団体によってさまざまですが、約7割の団体が国も推奨しているいきいき百歳体操を実施いたしております。これらの団体へは、地域包括支援センターが初回と3カ月後に体力測定を実施し、1年後のフォローアップを行うなどの支援を継続しております。 次に、2項目めの本市の国民健康保険事業についてですが、国から出された保健事業の実施等に関する指針に基づき、平成30年度から令和5年度までの6年間を計画期間とする第2期保健事業実施計画を平成30年3月に策定いたしております。この計画は、生活習慣病を起因とする被保険者の疾病の予防、健康増進を図り、ひいては医療費の適正化を図ることを目的とし、この目的達成のために保健事業の実施、評価、改善等を行うものとされています。健康保持・増進のためには、日ごろから個人が生活習慣に気を配り、行政は定期的な健診の機会を提供し、その状態に応じた保健指導が重要であると考え、特定健診や特定保健指導を中心とした保健事業の取り組みを行っているところでございます。 第2期の計画策定に当たりましては、第1期計画を考察し、過去の健診受診者の実態及び脳血管疾患、虚血性心疾患及び糖尿病性腎症につながる糖尿病、高血圧、脂質異常症など共通リスクの経年変化、未受診者の把握の分析を行っております。その結果、本市におきましては、生活習慣病を起因とした疾病の割合が多いことや、人工透析患者数が平成20年度と比較して、この10年間で約50名増加しており、その原因疾患として糖尿病性腎症が多い状況であることがわかっております。このことにより、糖尿病、高血圧、脂質異常症があることで、脳血管疾患、虚血性心疾患、人工透析の発症リスクが高まることから、今後の保健事業の実施に当たっては、特定健診における血糖、血圧、脂質の改善を重点目標に取り組むこととしたところでございます。 御質問の生活習慣病重症化予防の取り組みといたしましては、平成23年度から重症化による合併症の発症、進展抑制を目指し、血圧、血糖、脂質、肝機能の検査データが基準値を超える方へ、保健師、管理栄養士、看護師が家庭訪問などで受診勧奨を行っております。平成30年度健診受診者の中では455名の方が対象となられ、訪問や面接、電話などで受診勧奨を行った結果、現時点で病院受診者数は254名、55.8%の方を医療へつなげることができております。 また、人工透析の原因である糖尿病性腎臓病の重症化予防の取り組みといたしましては、長崎県糖尿病性腎臓病重症化予防プログラムを参考に、昨年度、佐世保市国民健康保険糖尿病性腎臓病重症化予防プログラムを策定し、今年度からプログラムに沿って重症化予防に取り組んでいるところでございます。 御質問にございましたハイリスク者の選択基準についてでございますけれども、プログラムの中では糖尿病性腎臓病の5段階の病期において、特定健診結果より、たんぱく尿、腎臓のろ過機能を見る指標から、腎臓の機能低下が始まる2期から4期の方を対象とし、既に糖尿病の治療をされている方へは主治医と連携しながら、管理栄養士が個別保健指導を半年間行っております。 また、治療歴のない方、治療を中断されている方には、管理栄養士が家庭訪問で結果説明を行い、医療機関への受診勧奨を行っているところでございます。受診勧奨の平成30年度の実績は196名で、その後の受診者数が147名でございましたので、75%の方を受診へとつなぐことができております。保健指導におきましては、平成30年度は6名の方がこの保健指導を利用されており、対象者の抽出基準は、県の動向などを踏まえ、毎年見直しを行いながら実施をしているところでございます。 ◆11番(佐藤文子君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 それでは、介護予防・日常生活支援総合事業についての再質問に入ります。 週1回以上の頻度で体操活動をしている団体が市内220カ所以上あることは、現場の方の御尽力と、また、地域の皆様の御協力があってのことこそであり、その結果、介護予防、健康寿命延伸への関心や意識が高まっていること、地域の核となる地盤ができていることがわかりました。 介護予防の中でさらに検討しなければならないのは、軽度認知症と言われるMCIに対する対策です。しかし、平成28年から普及され、現在行われているのはほぼ百歳体操です。百歳体操の目的、効果、期待は、日常生活で必要とされる動作、それらに必要な筋力のアップ、いわゆる物を持つ、立つ、けがや痛みの予防改善です。百歳体操の評価については、導入時と導入されてからの3カ月に必要な測定を行うだけで、継続的なデータは収集されていません。 百歳体操などが導入されてから約3年も経過した中で、活動のマンネリ化対策や、新たにMCIに対する専門的見解のもと、介護予防事業のさらなる展開が必要であると思います。運動バリエーションはもちろん、認知機能改善や地域のコミュニティサロンとしての楽しみの提供について、今後、創成していかなければならないと考えます。さらに、認知症のプログラム導入や、認知症の疑いがあるような方を早期に把握し、医療機関へつなぐ体制を構築するなど、検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) 平成30年度から県事業の長崎県サロンリーダー養成研修・派遣事業を市内の1事業者が受託し、認知症に対応できるサロンリーダー養成講座を実施して約50名程度を養成されており、今年度も引き続き実施する予定となっております。 また、地域や職域などにおいて、認知症に対する正しい知識を持った理解者や支援者をふやすために、佐世保市の委託事業で認知症サポーター養成事業も実施いたしております。 あわせて、地域の団体へ運動や体力測定の支援をしていただける方を養成するために、平成28年度から「けんこう運動支援隊」の養成講座を実施しており、現在、100名ほどの方が登録され、団体の活動継続支援や新規団体の設立支援などを行っていただいているところでございます。 現在活動されている団体の大半は、介護予防体操だけではなく、体操の後に脳トレや趣味活動などを取り入れ、認知症予防プログラムも実施されておりますが、今後は活動のマンネリ化や高齢化によるリーダーの後継者不足も予測されております。 また、認知症の早期把握につきましては、認知症目安リストなど把握する手法はさまざまあるものの、個人によっては認知症と疑われることに抵抗を持ち、活動に参加しなくなる可能性もございます。 このようなさまざまな課題も見えてきたことから、昨年度、介護予防・日常生活支援総合事業検討会を発足し、定期的に関係機関で集まり、検討をしているところでございます。 ◆11番(佐藤文子君) (登壇) 介護予防活動は地域の自主活動になります。県からの受託事業による市域のサロンリーダー約50名と、認知症の予防の実践や普及を目的に養成講座を修了されている方がおられます。そのように受講していただいた方の活躍、活動の場をしっかり検討していくことは重要です。 また、けんこう運動支援隊の方もおられると思いますが、その研修内容や活動内容も今後見直すべき必要性があると思われた中で、介護予防・日常生活支援総合事業検討会が発足しているとのことですが、検討会が発足するに至った目的、検討会メンバーの構成、これまでの検討された内容についてお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) 介護予防・日常生活支援総合事業検討会についての御質問でございます。 平成29年度から実施いたしております介護予防・日常生活支援総合事業におきましては、市町村を中心に、地域に即した事業を展開することとなっております。この事業は、今年度で実施から3年目になりますが、事業について見直しの時期に来ているのではないかと思われ、中でも地域介護予防活動支援事業につきましては、一定数の団体が市内で立ち上がり、定着してきたことから、活動内容を活性化できるような補助金の見直し等を考えております。 そこで、活動内容の活性化について、市役所内部だけで検討するのではなく、関係機関に御協力をいただき、検討会を発足することとしたものでございます。検討会のメンバーは、通所介護事業所、通所リハビリテーション事業所、地域包括支援センター、指定介護支援事業所、生活支援コーディネーターと関係機関で構成をいたしております。この検討会では構成員を固定化しておらず、検討する内容に応じた関係機関を参集することといたしております。 以上です。 ◆11番(佐藤文子君) (登壇) 総合事業検討会はメンバーを固定していないということですが、話し合いの都度、何を見直し、誰がどのように内容を整理していくのかが明確でないように思われますが、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) この総合事業の検討会はことし2月1日に発足しまして、現在まで2回開催しており、3回目を9月末に開催することといたしておりますけれども、内容につきましては、各検討会後に長寿社会課内で協議を行い、一定整理をして、次の検討会へ再度提案をいたしております。 構成メンバーを固定しない理由といたしましては、検討する内容によって専門性やかかわりが異なるためでございます。それは、先ほどの御質問でお答えしましたとおり、総合事業は、訪問介護事業においては、事業所が実施するものと住民主体で実施するもの、通所介護事業も事業所が実施するものと住民主体で実施するもの、また、短期集中的に委託事業で実施するもの、また、それらを利用する方のプラン作成をする事業や、地域の介護予防活動を支援するものなど多岐にわたりますので、構成メンバーを固定してしまいますと、検討内容によっては情報不足やニーズに対応できない可能性もございます。 また、検討内容全てを網羅するメンバーで構成いたしますと、日程調整等に時間を要し、スピード感を持って検討することが難しい状況となります。したがいまして、検討する事業に応じて適正な機関や職種を選定して実施しているところでございます。 今後、この会で異なる事業を検討していく中で、共通するような課題については、長寿社会課で必要に応じて提供できるよう、整理していくことといたしております。 ◆11番(佐藤文子君) (登壇) 答弁にございましたように、さまざまな活動団体がある中での継続支援や、実際に認知症の早期発見のためのチェックリストの活用など、デリケートな部分への考慮が必要です。地域の核、土台はできている中で、新しい取り組みを入れるにしても内容が多岐にわたっており、検討する内容は広範囲です。広範囲であるがゆえに検討するものが多く、現在の検討会の内容から計画立案までには至っていないという状況がございます。 政府はことし6月に、2025年までの認知症対策の行動計画となる認知症施策推進大綱を決定し、さらに新オレンジプランについても格上げ、対策強化を国が示しました。 認知症予防は、「1、認知症になるのをおくらせる」、「2、認知症になっても進行を緩やかにする」と定義しています。このことから、取り組む内容については、今後ますます専門性の担保をしっかりと保障する必要性があります。専門性の担保とは、先進地事例など研究データなどを保有し、現場経験が豊富で、知識と根拠のもと、現場で数多く実践している専門的な情報を持っている人材確保と言えます。今からは、予防方法の研究には、今後の取り組みに対し、実践したデータを継続的に収集し、研究していく必要性も当然あります。認知症施策推進大綱にも、これらのポイントは列記されています。 以上のことから、総合事業の検討会でこれらの議論を進める上でも、各骨子に対して専門部会の設立、そして構成メンバーの見直しをすべきであります。構成メンバーには、多角的に議論ができるよう、第三者の意見を取り入れ、各職能団体で通所介護・訪問介護事業所、居宅介護支援事業所などから選出され、より深く、また、この課題や問題に対する議論の深掘りができるように進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) 議員が御指摘されましたとおり、団体は全て同じような活動ができるものでもなく、抱えている地域課題もさまざまでございます。 今後は、地域性や団体の特性を幾つかに分類して、その団体に対応した支援方法を検討する必要があると考えております。そのためにも、先ほど述べましたとおり、構成メンバーには検討内容に応じてメンバーの入れかえや選定を図る必要があると考えており、今後は、これまでの構成メンバーだけではなく、必要に応じて専門部会を設置したり第三者を参集するなどして、総合事業全体の推進が図れるよう努めてまいりたいと存じます。 ◆11番(佐藤文子君) (登壇) 各質問に対し、御答弁ありがとうございました。専門部会の確立、専門部会によっての構成メンバーの選定、各職能団体から専門的な知識、経験豊富な第三者を含んだ構成メンバーを参集するということで理解いたしました。この介護予防・日常生活支援総合事業検討会がますます活性化され、PDCAサイクルを効果的に回し、机上の空論にならないよう、目標達成に向けて実践していただきたいと考えます。 次に、大項目の生活習慣病、生活習慣重症化予防、糖尿病性腎症重症化予防対策についての再質問に入ります。 答弁によりますと、保健指導や受診勧奨は、特定健診受診者の中から、対象者の選定と保健指導の優先順位、支援方法を定め、特定健診受診者のみを対象にされています。しかし、佐世保市データヘルス計画の中で、特定健診未受診者が2万4,190人と示してあります。佐世保市の特定健診受診率はわずか36%であり、受診率が過去数年にわたり変化もなく、また、上昇傾向にないのも懸念しております。 糖尿病性腎症重症化予防の取り組みでは、75%の方を受診勧奨による病院への再受診へ結びつけられ、成果を出されているということがわかりました。答弁の中にもありましたように、成果はあるものの、全国的にも佐世保市は人工透析患者数の割合は高く、さらに特定健診の受診率が低い場合、特定健診の未受診者にもハイリスクの基準に当てはまる方が少なくないと思われます。 今後はさらに、重症化予防対策については、特定健診の未受診者に対する対応が大変重要な課題と考えます。これらのことから、現在、保健指導、重症化予防対策についてはどのようにお考えなのか、新規透析導入者の方の特定健診受診率とともに見解をお示しください。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) 最初に答弁いたしましたとおり、健康保持・増進のためには、日ごろから個人が生活習慣に気を配り、行政が定期的な健診の機会を提供し、その状態に応じた保健指導が重要であると考えており、本市におきましては、特定健診や特定保健指導を中心とした保健事業の取り組みをしているところでございます。 保健指導を実施するに当たりましては、過去の健診データをもとに勧奨指導を行っている状況であり、議員御指摘のとおり、健診未受診者の中にも治療中の方や中断者がおられると思われますが、その対応にはかかりつけ医への相談も必要であり、診療報酬明細書、いわゆるレセプトだけでは健康状態の把握に必要な情報が不足しているなど課題が多いため、これまで健診未受診者へは実施していない状況でございました。 しかしながら、現在は、糖尿病のレセプトがある人で治療を中断されている方の情報提供がなされるようになったため、特定健診の受診勧奨を行う中でも中断に至った経緯などの把握に活用できるものと考えております。したがって、中断されている方へは、まず治療が必要なレベルなのかを知る手段として特定健診を受診していただくことを勧め、受診後の結果をもとに継続受診への働きかけを行ってまいりたいと考えております。 また、新規透析導入の方の特定健診受診歴につきましては、佐世保市全体の数は把握できておりませんが、佐世保市国民健康保険におきましては約3割という結果であり、7割の方は医療機関で管理をされておられますので、特定健診を受けていないものと推測をしているところでございます。 ◆11番(佐藤文子君) (登壇) 答弁の中にありましたように、新規透析導入された方の特定健診未受診者が7割という事実は非常に厳しい現実と私は捉えております。人工透析導入における疾患第1位は、何度も繰り返しますが、糖尿病性腎症であります。 糖尿病性腎症の分類は5段階に分かれ、それぞれ腎症第1期、第2期、第3期という言い方を専門的に行いますが、腎臓保護のためには腎症第2期が一番重要であり、第3期に進展しないためには対象者に合わせた血糖管理、血圧コントロールが重要になります。なぜなら、腎症第2期は、正常、いわゆる腎症第1期に戻ることができます。腎症第3期から腎症第2期へ改善することは難しいと言われ、腎症第3期からは腎症第4期へいかに進行をおくらせるかが目標となります。改めて再度申しますが、糖尿病性腎症への進展予防は腎症第2期が一番重要なタイミングであるということです。さらに、もう少し説明を加えますと、糖尿病性腎症の以前に、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症という合併症が併発されていることも少なくありません。 糖尿病は慢性の病気であり、治癒することは今の医療ではまだ難しい状況です。また、糖尿病は自覚症状が出にくく、ある程度悪化しないと症状として出ないこともあります。そのため、糖尿病が悪化したその時点で重症化、いわゆる糖尿病による腎症を来している方が多いのも現実であります。ですから、特定健診未受診者への対応、または診療情報明細書、いわゆるレセプトデータの活用により、新たな対応策が必要と考えます。 先行事例では、埼玉県や浜松市では、レセプトデータによる特定健診未受診者の方へも病院等の受診勧奨を行っています。私は大変有効な手段であると思うと同時に、特定健診未受診者で、さらに糖尿病診断を受けているけれども病院等への受診がない方への早期の受診勧奨はするべきと考えます。 レセプトデータの活用については、平成26年に一般質問があり、当時の保健福祉部長が答弁されていました。それから約5年経過した現在、レセプトデータ、いわゆる国民健康保険団体連合会のデータベースシステムとの結びつきは変化していないのか、また、埼玉県や浜松市で行っているような、治療中断や病院等への未受診の方が把握できるというレセプトデータシステムは活用できないのか、お尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) 国保データベースシステム--KDBといいますが--は、特定健診、医療・介護などの情報を活用し、統計情報や個人の健康に関する情報を提供することを目的として構築されたシステムでございます。以前のシステムでは対象者を絞り込んだ抽出ができませんでしたが、そのデータを利用し、新たに汎用的な抽出・集計機能を有した保健事業支援システムを併用することにより、国保データベースシステムだけではできなかった治療中断者の抽出が可能となりました。 したがって現在は、その機能を使い治療中断者を抽出し、そのデータを参考に、健診履歴のある方に対しては管理栄養士が面接して、状況確認と受診勧奨を行っているところでございます。健診履歴のない方は、これまで対象者としておりませんでしたが、議員御指摘のとおり、重症化予防の観点から、健診未受診者、治療中断者を医療につなげることは、糖尿病性腎臓病の進展予防のために有効であると考えますので、治療中断者の重症化予防対策として、先進地事例の手法を参考に、経費やマンパワー等の条件も考慮しながら、はがき、電話での勧奨等、受診率向上に向けて検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆11番(佐藤文子君) (登壇) 国保データベースシステムをカスタマイズできる集計機能の保健事業支援システムは、非常に有効活用できると思います。国保データベースシステムだけではこれまでできなかったことが、保健事業支援システムによって、ハイリスクとなるような対象者の抽出が独自にできるようになったということは、そのデータを活用し、新しい取り組みについても検討できるということです。 答弁の中にありましたように、保健事業支援システムで得られたレセプトデータの突合により、今後は、特定健診未受診者を対象とした糖尿病の治療を中断されている方へのはがきや電話での勧奨、注意喚起等を含め検討していただけるということは、市民の皆様の健康を守る、また、重症化する方を減らしていくための大きなきっかけや進展が得られるものと確信しております。なぜなら、特に糖尿病自体が重症化しないタイミングは、いかに病院未受診の方を減らせるか、治療へ再びつなげられるかがとても重要なのであります。 九州大学の福田氏の研究チームでは、糖尿病新規患者で糖尿病の早期でも、受診中断により合併症リスクは2倍という論文結果を発表し、治療を始めたら安易に離脱せず必ず継続をするよう警鐘しています。 水際でしっかりと糖尿病を悪化させない取り組みは、市民の皆様の健康寿命延伸はもちろんのこと、将来の医療費適正化、累積医療費の減少にもつながると考えますが、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) 水際で悪化させない取り組みについてですが、平成28年度から佐世保市内の腎臓専門医からなる佐世保市CKD対策委員会を発足し、その中で、糖尿病性腎臓病、慢性腎臓病の重症化予防の早期介入の一つの取り組みとして、特定健診で行っている尿検査で尿たんぱくが認められた方へ配布する尿再検査の提案書を作成いたしました。この尿再検査の提案書は、尿たんぱくが出始めた時点で腎臓の機能低下が見られる方も多くいらっしゃることから、早期に発見し、重症化予防するために、かかりつけの医療機関と受診者向けに作成したもので、活用については関係医療機関との連携が重要であり、今後も、かかりつけ医、専門医と連携しながら、この提案書の活用及び保健指導も利用していただけるよう、働きかけを継続してまいりたいと存じます。 また、今年度は同対策委員会に、糖尿病専門医部会、かかりつけ医部会のメンバーの方も参加をしていただき、糖尿病性腎臓病、慢性腎臓病の重症化予防についての意見交換会を開催いたしましたが、その中で、重症化させないために、医療機関と行政が連携しながら、重症化予防に取り組んでいける体制づくりの構築が課題として見えてきたところでございます。ことし4月に国の糖尿病性腎症重症化予防プログラムの改定がございましたが、その中でも地域における関係機関との連携の重要性について明記がされております。 本市の新規透析患者数の減少のために、この意見交換会の中でも地域の医療従事者も含めた連携のあり方について検討を進めており、同時に市の関係課との連携も図りながら、保険者として市民の重症化予防に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆11番(佐藤文子君) (登壇) 答弁、ありがとうございました。 朝長市長は、佐世保市のビジョンとして、4期目で目指すまちづくりの視点を述べられました。市長は、第2の視点で、医療・福祉の充実を図り、健康寿命を延ばすための取り組みを述べられ、市民の健康をサポートするための健康寿命延伸プロジェクトの推進を初め、第3期佐世保市地域福祉計画・佐世保市地域福祉活動計画に基づき、専門機関や地域の皆様が協力しながら、誰もが安心して暮らせる地域共生社会の実践を目指し、地域包括ケアシステムの充実を初めとした取り組みの充実も図ると言われています。 今回、2項目の質問をさせていただき、前向きな答弁をいただきました。私が今回、一般質問をさせていただいた内容は、佐世保市の今後のまちづくり、人づくりにも重要な喫緊の課題であると認識しています。人が健康でいられる、また、病気を持っても安心して暮らせる社会、まずもって市民の皆様にとって重要かつ必要とされるタイミングを、こちらは推しはからなければならないと考えます。私も微力ながら、今後も継続的に確認、発信できる努力をしていきたいと決意しております。 さまざまな内容の質問に対し、保健福祉部長に答弁をしていただき、ありがとうございました。 以上で一般質問を終了いたします。 ○副議長(山口裕二君)  16番永安健次議員。 ◆16番(永安健次君) (登壇) 16番、自民党市民会議の永安健次でございます。通告に従いまして、今回は3項目の質問をさせていただきます。 まず、1項目めでございますけれども、市内中小企業に対する商工振興策について質問を始めさせていただきます。今回は、特に市内企業の雇用に目を向けて質問を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 昨今の企業を取り巻く情勢、オリンピック需要も相まって順調な成長を見せており、雇用の拡大等も図られている状況でございます。俗に言う売り手市場が続いているということは、もう皆さん御承知のとおりでございます。本市においても高い有効求人倍率を維持しており、人手不足が慢性化している状態は以前と変わらない状況でございます。 また一方、市内には優秀な人材を輩出している技術系の高等学校や高等専門学校などがあり、本市の貴重な人材育成の場所にもなっております。こうした優秀な人材が市外に流出をしないよう抑えるべく政策も図られておりますが、まだ多くの学生が市外・県外へと流出しているのが実態でございます。 先日、就職を決めた学生さんや保護者の方の声を聞くことがありました。その中で聞こえてくる声が、「大都市圏の企業に比べると長崎県は給料が安いものね」などと、どうしても給与や福利厚生といった雇用条件面での格差を挙げられます。本市もいろいろと手を打っておられるようでありますが、企業が給与の格差を埋めるということはそう簡単なことではありません。個人的には、雇用奨励金の拡充など、市内中小企業への支援制度も必要ではないかと考えるところでもありますが、市のこれまで実施してきたことについて、お聞きをしていきたいと思っております。 そこで、新規学卒者の市内就職の状況について、どのように評価、分析をされているのかお伺いをいたします。 また、これからの人口減少の社会を考えるとき、こういった生産年齢の人口流出は大きな課題でございます。これまでも、当局のほうからもそういった考えはお示しされてきたところでございますけれども、佐世保市としても若者の人口流出対策として企業誘致にも力を注いでこられ、一定の効果を上げられていることは承知をしております。 そこで、企業誘致の視点から、新規学卒者の受け皿としてどの程度成果が上がったのか、実績並びにその評価をお聞かせください。 次に、2項目めの公営住宅の管理について質問をいたします。 今日の高齢化社会は公営住宅のあり方にも影響を及ぼしています。住宅のバリアフリー化や独居老人の見守り、地域社会との疎遠関係など幾つもの課題が挙げられております。また、体力の低下などから、団地の清掃や共同作業などが困難になる入居者もふえているとの声を聞くことが多くあります。そこで、今回は公営住宅団地の諸課題について整理をさせていただき、安心して生活できる住宅環境の管理についてお聞きしていきたいと思います。 まず、市内住宅における高齢者の実態を把握するため、高齢化率の推移を含めたところで入居者の状況をお尋ねいたします。 また、高齢者には負担の大きい清掃作業や草刈りといった団地内の美化活動に対し、市はどのように対応されているのか、あわせてお尋ねをいたします。 次に、公営住宅の共益費の負担の考え方について質問をいたします。 単に共益費といっても団地ごとにさまざまなようで、共有スペースの電灯、エレベーターの電気代、浄化槽の管理費、附属する駐車場や公園の管理など、団地によってそれぞれ異なっているようでございます。地域によっては地元住民と共有で使用している公園も団地の附属施設ということで、入居者に管理や負担が強いられている状況も見られております。 さらに、募集停止の住宅であったり、入居希望者が少ない住宅では入居率が極端に低い団地もあり、一部の住民にその負担が重くのしかかっているとの声を聞くことも多く、何らかの対応をする必要があるのではないかと思いますが、市としてどのように考えられているのか、共益費のあり方とあわせて、共用施設の管理の方法についてお尋ねをいたします。 次に、公営住宅における隣人トラブルの状況についてお尋ねをいたします。 公営住宅に限らず、さまざまな場面で隣人トラブルのニュースを耳にすることが多くなりました。場合によってはトラブルが深刻化し、傷害事件に発展したり、警察が介入するようなケースもあっております。原因もさまざまで、個人の価値観の違いなど、ささいなすれ違いのトラブルから認知症や精神的疾患の進行に伴うケースまで、多岐にわたっていると聞き及んでおります。ささいなトラブルであっても深刻化してしまうと、団地内のコミュニティ活動に支障を来し、精神的ストレスから病に陥る入居者の方もおられ、ついには団地での生活が困難になり、退去を余儀なくされる方もおられると聞いております。また、そうしたトラブルが多い団地では、不良物件のようにうわさされ、入居希望者から敬遠されることもまれな話ではないようでございます。 まずは隣人トラブルが深刻化しないうちに、初期の段階で問題を把握し、解決することが住宅を管理する側の責任だと思いますが、その点、どのように対応されているのかお伺いいたします。 次に、3項目めの公共交通機関への特別乗車証交付事業について質問を進めさせていただきます。 正式名称で書いたつもりであるのですけれども、質問の中では敬老パス、福祉パスという通称名で質問させていただきますので、御了承をお願いいたします。 昨日も、公共交通のあり方、また、その責任について、同会派の北野議員が質問を交わされておりました。私のこの質問にも通じることがありますので、そのことも踏まえまして質問を進めさせていただきたいと思います。 本市の公共バスについては、昨日も、いろいろ議論、また答弁もされておりましたけれども、路線数の削減であったり、ダイヤの改正が行われる中、運賃の改定も進み、バス利用者の負担は重くなっている状況でございます。周辺部から市の中心部まで移動するのに乗りかえの時間を要するようになったり、きのうの一般質問でも江迎のお話が出ておりましたけれども、片道1,000円を超える地域はたくさんあります。そういった1,000円を超える運賃は、その負担の重さから、通学などでもバス移動を断念する方がふえてきているところでございます。 こういったことで乗りたくても時間が合わない、または運賃が高くなり生活への負担が大きく利用することができないなどの声が聞こえる中、周辺部のバス路線では、乗りたくても利用できず利用者が減る、利用者が減るとまたバス事業者としては減便、また路線廃止を考えないといけない、まさに負のスパイラルに陥っている状況でございます。 そんな中、唯一重宝されているのが実はこの敬老・福祉特別乗車証でございます。通称、敬老パス、福祉パスと呼ばれておりますけれども、これは距離や運賃に関係なく市内であればいつでもどこでも無料で乗れる乗車券でございます。利用者からは非常に喜びの声を聞くところであり、市民の評価も高いところでございます。 また、社会問題になっている高齢者ドライバーの運転免許証の自主返納にもこれが一役買うのではないかと、そういった制度ではないかと考えてもおります。 しかし、今回、質問の中で焦点としたいのは、実はバス路線がない地域にお住まいの方からは、利用したくても利用できないという声をよく耳にすることがあり、ここの課題についてきょうは質問を進めていきたいと思います。 先ほど市民から非常に評判のいい声も聞くというお話もさせていただきましたけれども、有意義な福祉政策だからこそ、対象になる方々には一様に使っていただきたい事業であります。しかし、利用したいけれども利用できる機会がないという声を聞くと、非常に残念に思うところでございます。 そこで、敬老・福祉パスについてお尋ねしますが、まずそれぞれの交付状況について、対象者数、それから交付率をお示しいただいて、地域ごとに見た場合の交付率の違い、及び路線バスの運行状況についてお伺いをいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ◎観光商工部長(井元保雅君) (登壇) 1項目めの市内中小企業に対する商工振興策について、新卒者の市内就職状況等に関するお尋ねにお答えいたします。 まず、本市の雇用の状況ですが、議員御案内のとおり、ハローワーク佐世保管内の年度ごとの有効求人倍率は、平成28年度以降1.5倍前後を推移しており、平成30年度は1.53倍となっております。バブル期ピークの有効求人倍率が1.40倍であり、人手不足の状況が慢性化していることが伺えます。 次に、新規学卒者の市内就職率でございますが、高等学校につきましては、地方創生事業として県全体で県内就職率の向上に取り組んでおり、本市におきましても平成30年度実績は44.3%と、平成25年度と比較して1.2ポイント増加しております。同様に、大学につきましても平成30年度実績は10.3%と、平成25年度と比較して0.4ポイント増加するなど、長期的には減少傾向に歯どめがかかっているとも考えられます。 しかしながら、議員御指摘のとおり、全国的な人手不足を背景とした売り手市場と言われる中で、給与や福利厚生等の雇用条件において、市内企業と比較して条件が充実している福岡などの大都市圏の企業へ人材が流出している現状もございます。これにつきましては、人材確保の観点から、大企業に劣らない雇用条件を可能とするためにも、企業の経営基盤の強化と経営安定化がより一層図られるための支援を継続的に実施しているところでございます。 一方で、大企業において近年重要度が高まっているインターンシップ等の採用活動が加速する中、市内中小企業においては、採用ノウハウや採用に係るコスト不足等、これを解消するための採用力の向上や魅力ある企業の認知度向上が喫緊の課題であると認識しております。 以上でございます。 ◎企業立地推進局長(豊原稔君) (登壇) 次に、市内中小企業に対する商工振興策についての御質問のうち、企業誘致の成果について私からお答えをいたします。 企業立地奨励制度を設けた平成18年度から平成30年度まで、市外からの誘致企業数は製造業、オフィス系の企業を合わせて14社となっており、2,770名の新規雇用の計画がされております。特に、平成26年4月から分譲を開始いたしました工業団地ウエストテクノ佐世保は、誘致企業である株式会社シーヴイテック九州と双葉産業株式会社の2社の進出と市内企業の株式会社九州テンの移設により、昨年12月に完売となっております。現在、ウエストテクノ佐世保全体では約850名が雇用され、今後も3社合計で約100名の新規雇用が計画されております。また、さらなる増設によって新たな雇用の受け皿として期待をされます。 次に、誘致企業14社における新卒者の採用状況について説明をいたしますと、ことし4月に入社いたしました大学、高校卒業者の採用実績は合計で44名となっております。優良な企業の進出によって、市外への就職を考えていた学生の市内就職及び市内定着に一定貢献できているのではないかと考えております。 佐世保相浦工業団地がことしの10月から分譲開始となりますが、引き続き、新たな雇用の創出等に伴う地域の活性化に尽力をいたしてまいります。 以上です。 ◎都市整備部長(池田正樹君) (登壇) 私からは2項目めの公営住宅の管理についての御質問にお答えさせていただきます。 まず、高齢者の多い団地での美化活動についての市の考え方についてでございますが、議員御指摘のように、市営住宅の入居者の高齢化は進んでおり、平成20年には全入居者4,454世帯のうち65歳以上の高齢者は1,405世帯、率にして31.5%であったのに対し、本年は4,514世帯中2,263世帯、50.1%と18.6ポイントもふえ、半数以上が高齢者世帯となっており、今後はさらに高齢化が進むものと予想しております。 市営住宅の共同施設における清掃、樹木の剪定や除草などの美化活動につきましては、入居時に配布しております「させぼ住みたかノート」の中でも説明しておりますが、原則として入居者に行っていただいております。なお、高い樹木の剪定や斜面の除草といった危険が伴う作業につきましては、市で実施しているところでございます。 しかしながら、今後、さらなる高齢化に伴い、団地内の美化活動などの管理運営に支障が生じることにつきましては、検討すべき課題と認識しております。 次に、近隣の方々も御利用されている団地の共用施設である公園の維持管理費についてでございますが、その利用状況などによりまして、入居者だけで負担している公園と近隣の自治会に一部負担していただいている公園がありますが、その明確な基準はございません。このため、広くコミュニティの場として利用されている公園の維持管理費の負担につきましては、今後、その利用状況や負担状況などについて詳細に把握し、公園のあり方や負担について検討してまいります。 次に、入居率の低い団地における共益費負担の増加に対する考え方でございますが、共益費につきましては市営住宅条例に定めておりまして、共同の暮らしの中で入居者が負担しなければならない維持管理費用となっております。その内容としましては、共同施設の電気代や浄化槽の清掃費などであり、地域や団地の形態に合わせ、各団地の自治会などでみずから金額を決定し、定額制をとっておられ、徴収、支払いなどの管理をしていただいております。 本市では、佐世保市営住宅長寿命化計画に基づき、今後、住宅の集約化を図ることで、将来的には入居率の向上が図られると見込んでおりますが、議員御指摘のとおり、入居率の低い団地で発生する場合は、入居率を向上させることはもちろんのこと、共益費のあり方につきましては、他の自治体の事例も参考にしながら研究してまいります。 次に、入居者から寄せられる苦情や隣人トラブルについてでございますが、その内容はさまざまでございまして、基本的には指定管理者の窓口で受け付けて対応しております。毎月、指定管理者からその報告が市へなされておりますが、一月当たり十数件の苦情が寄せられている状況でございます。 市営住宅条例では、「入居者は周辺の環境を乱し、または他に迷惑を及ぼす行為をしないこと」とあり、入居時の誓約書にも記載がございますが、個人の価値観の相違などから起こるトラブルにつきましては、指定管理者からの報告によりますと、それぞれの案件の内容に応じて対処しているところでございます。 隣人トラブルの大半は、入居者同士でお話ししていただき、お互いに配慮し合うことで解決できるものでございます。しかしながら、中には1年以上の長期にわたりトラブルが解決せず、切実な問題として御相談されるケースもありますことから、双方の御意見を伺い解決への助言なども行っておりますが、どちらにも言い分があるため、その対応に苦慮していると聞いております。 ◎保健福祉部長(塚元勝君) (登壇) 3項目めの公共交通機関への特別乗車証交付事業についての御質問で、敬老・福祉パスの対象者や交付者、地域ごとの交付率及び路線バスの運行状況についてお答えをいたします。 平成29年度分の数値になりますが、敬老・福祉パスにつきましては、合計で対象者が約5万2,500人で、交付者が約2万7,500人、交付率は52.3%となっております。交付率を地域別に見ますと、本庁、早岐、相浦、日宇、大野、中里、皆瀬などの市内の比較的中心地域では56.2%、離島である宇久、黒島を除くその他の地域では40.2%と、中心部と比べると交付率が16%低い状況にございます。また、交付率が一番高い地域が62.2%で一番低い地域が29.2%と、その差は33%になっております。路線バスの運行状況につきましては、平日1日当たりの便数は、島瀬、京町などの中心部では約700本、針尾、三川内、江迎、鹿町などの周辺部では平均約20本となっており、敬老・福祉パスの交付率が一番高い地域の便数につきましても約350本、一番低い地域が約16本となっている状況にございます。 以上でございます。 ◆16番(永安健次君) (登壇) それぞれ御答弁いただきましたので、改めて再度質問をさせていただきたいと思います。 まず、1項目めの商工振興策についてでございます。 新規学卒者の市内就職率について、一定、減少傾向には歯どめがかかっているというようなことでの御答弁をいただきました。 繰り返しになりますけれども、市内就職率は、高校生で44.3%、大学生で10.3%という答弁をいただいたところでございますけれども、この数字を見る限りでは、私の評価ですけれども、本当に満足できる数値なのかと少しばかり疑問に感じております。 市長は、企業誘致を進める中で、本市の強みとして優秀な技術系人材が豊富な点を挙げてこられました。特に、工業高等専門学校の卒業生などは、その強みの一つとして考えられていたところでございますけれども、私がもらった資料では昨年度の高専卒の市内就職率は1.6%で、わずか2名にとどまっているのが現実でございます。市としても目標値をしっかり掲げられ、それに向けて事業の推進をされているところですけれども、目標値の実現を果たすためにも、佐世保市で就職し、生活したいと思う環境の整備、または魅力あるまちづくりを推し進める必要があるのではないかと思います。 では、少し視点を変えまして、雇用確保について考えてみたいと思います。 これも先ほどの答弁で触れられていたんですが、市内就職者数をふやすには、魅力ある企業の認知度向上が大事とのことでありました。企業の魅力がうまく伝わっていないのが課題と捉えられているようですが、具体的にどのような取り組みをされているのか、取り組みの内容と成果について再度お尋ねをいたします。 また、若者が残るまちとはどういうまちなのか。やりたい仕事があるというだけでは力が弱く、まちそのものに魅力があることも大きな要因になっているようでございます。大都市に憧れ、チャレンジしたいという気持ちは大変重要なことで、その可能性を否定するものではございませんが、若者の熱い思いの中に、住みたいまちの一つとして佐世保市がその一つの選択肢に上がることが若者の定着に欠かせないことであり、また、魅力発信も重要なことだと思っております。 そこで、本市の魅力を知ってもらうための取り組みとしてどのようなことを実施されているのか、お伺いをいたします。 次に、2項目めについて再度質問をいたします。公営住宅の管理についてでございます。 まず、高齢化に伴う共同作業の負担軽減であったり、共益費のあり方については、柔軟に対応していただけるとの答弁をいただき、少し安心をしたところでございます。これからますます進む団地の高齢化には注視をしていただき、安心して生活できる環境の整備に努めてもらえますよう、これは重ねてお願いをいたします。 また、隣人トラブルの対応についても御答弁をいただきました。この件については再度質問をさせていただきますが、苦情やトラブルについては、それぞれの内容に応じて対応、対処しているとのことでしたが、私の耳に届いてくる声というのは深刻化したトラブルの事案であります。腫れ物にさわるかのように当たらずさわらずと距離を置いて生活される住民の方々のケースなど、長期化しているものも少なくないようでございます。 そこで改めてお聞きいたしますが、長期化しているトラブル事案についてはどのように対応をされているのか、お伺いをいたします。 次に、3項目めの敬老・福祉パスについて再質問いたします。 まず、地域ごとの交付率について答弁いただきました。敬老パス、福祉パスの総合計で最も高い交付率の地域で62.2%という数字でしたが、敬老パスだけで見ると、利便性の高いところでは実に65.4%の方が交付を受けられているようでございます。一方、答弁でもありましたけれども、一番低い地域では29.2%の交付率ということで、2倍以上の格差が生じております。 また、路線バスの数についても答弁がありました。1日に350本も通る路線がある一方、日に10本程度しか通らない路線もあり、利用できる機会が少なくなればなるほど交付率が低くなっていることがわかります。さらに、実際の利用率で比較してみても、中心部地域では対象となる方の約半分以上、5割から6割の方が実際に利用をされているのに対し、周辺部地域にお住まいの方は2割から3割、よくても3割の方しか利用されていない状況が見てとれます。 このことからも、路線バスの便数が多く、利便性の高い中心部のほうが、敬老・福祉パスの恩恵を受けやすく、交通の不便なところほど恩恵を受けにくくなっていると言えるのではないでしょうか。弱者を支え、ひきこもり防止などの外出支援を目的としている福祉政策において、このような格差が生じていることは無視できる問題ではありません。現に、黒島や高島、宇久島などの一部では、敬老・福祉パスとは別に船を対象とした同様の制度があるようでございますが、路線バスを利用できない対象者にも柔軟な対応を検討する必要があるのではないかと思います。 現在、敬老・福祉パスを御利用されている方々の年間の平均利用額は約4万3,000円程度と伺っております。これは、実際乗車された部分を計算した結果で、あくまでも平均値で4万3,000円ということで伺いました。金額の比較まではしないまでも、全く利用できない人たちが多少なりとも外出支援を行うのに、こういった福祉政策の恩恵を受けてもいいのではないか、これは福祉政策の平等性の観点からも当然のことだと考えます。 また、バス事業の統合により、利用できる路線バスは民間のバス事業者、1社になりました。事業者の方にも、かなりの負担をかけている事業でございますので、簡単には解決できる話ではないんですが、特定の事業者にだけ、福祉の政策等の資金を投じて、バスに乗車するような、誘導するような政策については、事業のあり方そのものの健全性をいま一度検証する、ちょうどいい時期に来ているのではないかと考えております。 繰り返しになりますけれども、いろいろ社会情勢が変わった時期、また高齢化も進み、利用者数も徐々に膨らんでいっている状況、こういった時期的なものを考えたときに、今回、そういった検証する機会と捉えるべきではないかと考えますが、この制度のあり方について市長のお考えをお伺いいたしたいと思います。 以上で2回目の質問を終わります。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 永安議員から3項目めの質問で、公共交通機関への特別乗車証交付事業についてということで、敬老・福祉パスの件で御質問がございました。 敬老・福祉パスは、75歳以上の高齢者及び障害者手帳などをお持ちの方のひきこもり防止などのための外出支援を目的とし、路線バスのみを対象とした制度となっております。路線バスの廃止や減便などに伴い、敬老・福祉パスを利用できる機会が少なくなった地域がございますが、制度上は利用の公平性は担保されていると考えておりますので、当面は、バス事業者の御協力をいただきながら、現行制度を継続してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎観光商工部長(井元保雅君) (登壇) 1項目めの市内中小企業に対する商工振興策について、雇用に係る支援の取り組みなどの御質問にお答えいたします。 企業に対する雇用の支援としましては、昨年度から、新規学卒者を対象として、各企業が必要とされる人材の見きわめや人材確保への意識醸成等、採用の基礎力向上を目的として各企業を個別で指導する採用力強化支援事業を、建設業、土木コンサルタント業、商社、小売販売業と、幅広い業種4社を対象に実施しました。4社合計の採用希望者数13名に対し、留学生を含む15名の採用につながる成果となりました。事業結果は市のホームページに掲載し、同業他社等への波及に期待するとともに、今年度も対象企業数をふやし、継続して実施しております。 また、企業の認知度向上につきましては、県の産業労働部との連携により、学生と企業との接触の機会を早期に、そして数多くつくることを目的とした取り組みを実施しております。今年度は、若者の新たな人気スポットとして定着しつつある万津6区において、若手社員と学生が会食を兼ねたカジュアルな雰囲気の中で交流する「キャリコネカフェ」を開催し、10月には、より多数の学生が企業を身近に感じることができるように、企業が各大学へ直接出向いて実施する交流会を予定しております。 さらに12月には、高校生及び大学生、そしてその保護者を対象として、県内100社以上の企業が一堂に会し、「NAGASAKIしごとみらい博」が開催されます。これは、就職活動に限定することなく、学生生活の充実のため、地域に根ざした企業の存在等、県内企業に目を向け、認知度を上げることを目的とされております。 また、若者に選ばれる企業の魅力の一つとして福利厚生が挙げられます。リクルートキャリアがことし1月に公表した就職プロセス調査によりますと、就職先を確定する際に決め手となった項目について、「みずからの成長が期待できる」ということに続きまして、「福利厚生が充実している」ということが第2位に挙げられているなど、近年、企業の人材確保において、ワーク・ライフ・バランスなどを含む福利厚生の重要度はますます高まっております。 このような状況の中、本市といたしましても、中小企業の福利厚生増進を目的とした中小企業勤労者福祉サービスセンター事業を実施しておりますけれども、平成26年度は加入事業所数544事業所、会員数6,744人であったものが、ことし7月末現在で加入事業所数654事業所、会員数8,078人と、ともに増加していることから、市内企業の皆様の関心度も高まっているものと思われます。 議員御指摘のとおり、若者定着のためには、雇用支援とあわせ、定住したいまちとして本市の魅力を知っていただくことも重要であり、本市で開催される企業説明会や市外で開催される移住説明会などの際には観光ブースを設けるなど、本市の魅力発信に努めているところでございます。 いずれにいたしましても、若者に選ばれる魅力ある企業となるためにも、福利厚生を含めた働く環境づくりが必要であり、これらを可能とする企業の経営基盤の強化と経営安定化がより一層図られるための支援とあわせて、魅力ある企業の認知度向上、企業の採用力向上等の雇用支援を推進することで、市内企業の振興に努めてまいります。 ◎都市整備部長(池田正樹君) (登壇) 公営住宅の管理につきまして、長期にわたる隣人トラブルへの対応についてのお尋ねでございますが、議員御指摘のように、入居者同士ではなかなか解決しないケースで、市に御相談をされる場合もございます。トラブルの内容はさまざまですが、状況に応じ、民生委員、警察、福祉部局などの関係機関が集まり、聞き取り調査の結果やトラブルの事実確認などの情報を共有した上で、専門家の意見を取り入れながら今後の支援方針について話し合い、対応を行っております。 また、話し合いによる解決が見込めず、双方ともやむを得ない事情がある場合で、ほかの団地への移転が最も適当と判断されるケースにつきましては、相談者の希望や団地のあき状況を確認した上で、移転をしていただいているケースもございます。 今後とも、トラブルの内容に応じ、関係機関と連携を密にした上で、トラブル解決に向け取り組んでまいります。 ◆16番(永安健次君) (登壇) これからは質問ではございませんけれども、少しお時間をいただいて意見を述べさせていただきたいと思います。 それぞれ御答弁をいただいた内容について、一定理解をできる部分、また理解を深めた部分もございました。ただ、少しばかり、見解の相違といいますか、違うところもございましたので、その辺を含めながら意見を述べさせていただきたいと思います。 まず、中小企業の商工振興についてでございますけれども、御答弁もありましたとおり、若者の就職活動の際に、何に価値観を抱いて選択するのか、この辺をよく分析し、対応することが求められているのではないかと感じたところでございます。 今回、私も、就職活動をするときに、どうしてもペーパー上の雇用の待遇であったり、数字に踊らされている部分があるのではないかと思いながら、この質問の取材を始めたところなのですが、まずは、まちに魅力があれば仕事の励みになる、また、佐世保市で仕事をして生活することに対して誇りを持てるようなまちづくりをすれば、当然、そこにはまた若い人が動いてくるのではないかということで、自問自答しながらそういった思いに至ったところでございます。こういったことも踏まえまして、全庁的にこの問題には取り組んでいただきたいと思いますし、魅力ある市内企業の成長を期待しております。 次に、公営住宅の管理についてでございますけれども、高齢化の問題は早くから課題として私も考えておりましたが、それが予想以上の速さで進行していることを今回改めて認識した機会でございました。 今日の住宅管理においては、従来の施設管理といったハード事業だけでなく、入居者が安心して生活できる環境整備など、ソフト面からの対応も求められている時代になったんだなということを改めて認識しなければならないと思います。また、深刻化するトラブル事案に対応するためにも、専門的相談窓口の設置や包括的に支え合える組織づくりなど、部局間を超えた連携がさらに求められるのではないかということも改めて指摘をさせていただいておきます。 最後に、敬老・福祉パスについて、市長は現行制度の継続をお示しいただきましたけれども、そのことについては私も同じ思いでございます。実は、今回これをテーマにしたのは、途中述べましたけれども、そもそも制度の存廃を議論する思いは全く私もございませんでした。ただ、社会環境の変化に応じた制度としてよりよいものにするために、いま一つ、視野を広げて事業の検証をしてもらいたいと思ったところでございます。今回は議論の進展を図ることができませんでしたが、今後の事業の展開に期待の念を込めまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○副議長(山口裕二君)  暫時休憩をいたします。     15時06分 休憩     15時30分 再開 ○議長(崎山信幸君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。32番古家勉議員。 ◆32番(古家勉君) (登壇) 市民クラブの古家勉でございます。通告に従いまして順次質問をいたします。 まず、1項目めの地区公民館のコミュニティセンター化構想についてであります。 この件に関しては、これまで議会の一般質問でも幾度か取り上げられています。非常に多くの方が注目している市の取り組みの一つではないかと思っているところです。私自身も、この地区公民館のコミュニティセンター化については、これからの佐世保市の地域コミュニティ施策を転換させていくような取り組みではないかと非常に注目をしているところでございます。ついては、幾つかお尋ねをさせていただきたいと思います。 私自身も幼いころから江上地区で暮らしておりますが、古きよき時代であった一昔は、隣近所がそれぞれ助け合い、支え合いながら暮らしてきました。地域には、大人や子ども、老人から若者まで幅広い世代が暮らしていて、活気やにぎわいのあった時代でありました。この一方で、今の社会は核家族化や少子高齢化が進行し、また、アパートや賃貸マンションの増加といった社会環境の変化の中で、地域のつながりがだんだんと薄れていることを痛感しております。 情報化社会がどんどん進んで便利な世の中になったとしても、昔ながらの地域のつながりは、防犯や防災など安全な暮らしづくりには絶対欠かせないものであります。このつながり、助け合いといった一定のまとまりを保っている地域のきずながあってこそ、行政の機能がうまく動いていると思っています。 しかし、「地域は自分たちで頑張ってきずなを築きましょう」といった行政からの一方的な姿勢では、行政の事業というのは結局空回りしていくだけではないでしょうか。しっかりとした地域のきずなを築いていくためには、行政が地域の活性化の仕組みづくりや支援といったものを積極的に行っていく必要があると考えます。 今、佐世保市では、数年前から地域の活性化を目的として、公立公民館をコミュニティセンター化しようという方針を示されています。このコミュニティセンター化の方針については、これまでも議会の一般質問や常任委員会での議案外報告の中で何度かやりとり、説明が行われてきました。 ほかの自治体が取り組んでいますコミュニティセンター化の事例として、香川県の高松市や熊本県の八代市などが先進的に取り組まれています。これまでの公立公民館からどういった点が便利になったのか、また、コミュニティセンター化して地域にとってどこがよくなったのかという視点で、私も参考とさせていただきましたが、そのメリットが何なのかと言われれば、私自身ももう一つわかりづらい、すっきりしないという感じを受けています。そういった先進地の事例もある中、佐世保市としては、今後、どういうコミュニティセンターを目指して地域の活性化につなげていくのだろうかと、素朴な疑問を感じながら大変注目もしているところであります。 そこでお尋ねをしますが、これまで佐世保市が目指しているコミュニティセンター化の説明を聞き、また、地域の関係者にもこの件で話を伺ってきた中で、私も理論的にはわかる部分もありますが、そもそも論として今の地区公民館の利用や、あるいは地区自治協議会の運営といったことに対して、どういったことが課題となっているのか、そしてそういった課題というものをコミュニティセンター化することによって、どう解決し、地域の活性化に生かそうとされているのか、当局の御所見を伺いたいと思います。 次に、2項目めの本市豪雨災害への備えと対応についてであります。 先月27日から長崎、佐賀、福岡の3県を襲った豪雨では各地で観測史上1位の降水量を記録し、報道によれば佐賀県武雄市で3名、福岡県八女市で1名の方がこの豪雨で亡くなられたということでした。亡くなられた4名の方を初め、被災された方々に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。 さて、佐世保市においても、江迎町猪調で最大24時間雨量435ミリが観測されるなど、昨年7月の豪雨を上回る降水があったということです。近年は毎年、豪雨によって大規模な災害が発生しており、本市においても昨年に続き、ことしも尋常でない豪雨に襲われました。そうなりますと、記録を更新するような雨が毎年降ることもあり得ますし、その可能性は年々高まっているように思います。 そのようなことで、豪雨災害への備えと対応についてお伺いしますが、今回の質問では内容が大きく二つに分かれます。一つは、8月27日からの大雨を踏まえた本市全体の問題についてお尋ねいたします。もう一つは、特定の地域に特化しますが、以前から改善の必要性が指摘されております江上地区、指方町、小田新田を含めた地域の冠水対策についてであります。8月27日からの大雨でも、指方町のくりや内科前の県道213号線が通行どめとなりました。 まず、江上地区、指方町の冠水問題について質問させていただきます。指方地区の道路や農地の冠水については、以前から市議会の一般質問で市の考え方が問われております。その後も、昨年7月の西日本豪雨や今般の8月27日の大雨の際にも、農地は言うまでもなく、国道202号や県道213号線は車の通行に支障を来すような冠水が発生しており、指方地区住民は梅雨から台風の時期まで常に大雨の不安と生活への支障にさらされております。 当地区には農業者により管理運営されている農業用排水機場があり、このポンプが稼働することで、農地はもとより周辺の道路や宅地の被害を最小限に抑えており、この地区で農業に従事されておられる方々の御尽力のおかげでございます。 特に7月の大雨のときには、2日間にわたり農業者の方が交代でポンプを稼働されただけではなく、ポンプが最適な状態で稼働するように、ポンプにつながる排水路へ流れ込むごみの清掃などにも御苦労されている状況でございます。高齢化や後継者不足により、地区内の農業者の方も年々少なくなってきている状況の中、ポンプの稼働に係る電気代やポンプを冷却する水道代も農業者の負担となっているわけでございます。温暖化によるゲリラ豪雨や降水量の増加で、以前よりも道路の冠水が確実に増加してきているため、年々、ポンプが稼働する回数も、経費も負担もふえてきている状況でございます。農業用排水ポンプがあることで、農地保全のための対策として捉えているように感じられますが、指方地区では、実際には農地だけではなく、道路の冠水や家屋への浸水、また、地区住民のみならず、国道・県道を利用する多くの方に影響を及ぼす重要な問題として捉えられております。 指方地区の冠水対策は、関係する全ての地区住民や市民が安全で安心して暮らせる地区をつくるものだと考えます。当地区の冠水について、以前の答弁では、一つには気象状況の変化による降水量の増加、二つには水田を埋め立てたことによる貯水量の減少、三つには老朽化による排水機能の低下、四つには排水樋門からの海水の逆流が要因であるとされております。 そこで、当地区の冠水原因について当局の認識を確認するとともに、これまでに実施してきた冠水対策、今後実施する対策についてお尋ねをいたします。 また、道路冠水対策として、道路管理者である長崎県が事業を実施していると伺っております。その工事概要と現在の進捗状況についてお尋ねをいたします。 次に、市全体の豪雨災害の問題について質問いたします。 私としては、佐世保市民が最優先で備えるべきは豪雨災害であると考えております。地震災害においては、家の中の家具を固定するなど各家庭で事前に備えることもできますが、事前に避難することはできません。一方、台風や大雨については、気象状況に基づいて事前に安全な場所、建物に避難することができます。豪雨を防ぐことはできませんが、豪雨災害から逃れることはできるわけです。しかし、残念ながら、毎年、豪雨災害によって人命が失われている現状があります。本市においては、昭和42年7月豪雨災害を最後に、50年以上、自然災害での人命被害が出ていないということでございますが、これからもこれを伸ばしていくためには、行政はもとより、市民の皆さんが災害に対する意識を高めて、豪雨に対する備えと対応を行う必要があるものと考えております。 そのような観点で質問をさせていただきます。まず、本市においては先月27日6時26分に大雨警報が発表されております。その後、雨の降り方の状況はどうであったのか、その特徴をどのように分析されているのか。また、江迎川が11時20分ごろに氾濫危険水位を超え、実際に一部地域では川があふれておりますが、河川の水位の状況に対する対応はどうであったかについてお尋ねをいたします。 次に、市の指定避難場所開設と避難者の状況についてどうであったのか、また、その状況について当局としてどのように認識していらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。 以上で、1回目の質問を終わります。 ◎市民生活部長中西あけみ君) (登壇) 1項目めの地区公民館のコミュニティセンター化構想についてお答えします。 本市が目指している地区公民館のコミュニティセンター化によって、地区公民館の利用や地区自治協議会の運営上の課題がどう解決し、地域活性化に生かされていくのかという趣旨のお尋ねでございました。 まず、地区自治協議会と地区公民館との現状について少し触れさせていただきますと、現在の地区自治協議会は、平成29年度末をもって市内27の全ての地区に設立されました。その後、平成30年4月に施行された佐世保市地域コミュニティ活性化推進条例に基づく認定団体として、地区公民館が事業の主たる対象としている区域を基準としたエリア内において、介護や子育て、防犯・防災などの地域課題の解決や伝統行事の継承、地域住民との親睦行事など、さまざまな活動に取り組まれています。 また、地区公民館は、社会教育法を根拠とした社会教育施設として、地域の生涯学習の拠点施設と位置づけられておりますが、地区公民館の活動区域と地区自治協議会の活動区域が一致していることから、現状としましては、便宜上、地区公民館の中に地区自治協議会の事務局が置かれており、実態として地区自治協議会の活動拠点としても使われています。 このように、大きく二つの役割を担っている地区公民館では、本来の目的であります生涯学習の場として、各種のサークル活動や講座、地区自治協議会と公民館が連携した事業が開催されており、教育委員会によりますと利用件数はふえているとのことですが、最近は、居住や就業形態の変化、インターネット等の普及による情報収集や学習環境の変化などのさまざまな要因により、利用者の固定化や高齢化が進んでいるといった課題が出ているとのことです。 また、公民館には地域住民の福祉向上に寄与する責務もあることから、そのための協働の相手方となる地区自治協議会の担い手の確保、育成の必要性を感じるとも伺っております。そのことは、まさしく地区自治協議会の運営上の課題となっており、ほとんどの地区で役員の固定化により特定の人への負担が集中しているとのことです。将来を見据え、地域活動に携わる人材をどう発掘、育成し、地域活動を持続させていくのかということが本市としては一つの大きな課題と捉えています。 それらの課題を解決していくためには、さらに活動しやすい拠点となるよう、地区公民館の社会教育施設としての制限、例えば、飲食や商行為の禁止などを緩和し、コミュニティセンター化することがまずは必要ではないかと考えています。コミュニティセンター化することで、地域活動の拠点施設としてより明確化され、例えば、地域でとれた野菜などの有償物販や地域発展につながる有料イベントの開催、コミュニティカフェとして活用できるようになるなど、地域の人にとって利用の範囲が広がる施設となることが期待できます。 また、社会教育機能も引き継ぐことによって、そのような場が生涯学習で学んだことを地域活動に生かせる実践の場となり、今まで以上に幅広い年代や多様な立場の人が気軽に集い、交流し、つながりが深まることも期待でき、その結果、地域活動の担い手となる人材の発掘や育成が進み、ひいては地域の活性化につながっていくものと考えております。 ◎農林水産部長(吉田敏之君) (登壇) 2項目めの本市の豪雨災害への備えと対応についてのうち、指方地区の冠水対策についてお答えをいたします。 指方地区の道路及び農地の冠水については、以前の市議会での一般質問以降も、昨年6月と7月及び本年8月27日に、国道202号及び県道213号線が冠水し、圃場整備区域内の農地や農道も冠水をいたしております。昨年7月の豪雨の際は、指方地区にある2カ所の農業用排水機場のポンプの稼動により、農地を含め地区全ての排水が完了するのに2日程度かかったものの、農地への大きな被害に及んでいない状況との報告を受けております。本来、当地区の排水計画は農地保全が目的であり、田面より40センチメートルまでの水田の浸水を前提に設置されていることから、現状では、農地、農作物を保全する施設としての機能は果たしているものと考えております。 しかし、以前と比較しまして地区が冠水する頻度が増加している状況であり、その原因については、排水計画時の計画基準雨量と近年の集中豪雨による降雨量変化、設置から30年以上経過した施設の老朽化による排水機能の低下や、排水樋門からの海水の逆流など、さまざまな要因が考えられ、以前の答弁内容と認識に変更はございません。 指方地区の農地及び道路等の冠水の原因については、集中豪雨と早岐瀬戸の満潮が重なることが大きな要因と考えております。そこで、平成30年度から、排水施設の管理団体である指方土地改良区及び小田汐止水利組合と委託契約を結び、集中豪雨に備えた排水機場施設の点検も含め、排水能力検証の基礎データ収集のために、ポンプの稼働状況と排水機場周辺の冠水状況の調査を依頼いたしております。現状では、農地、農作物を保全する機能は保持できていると考えますが、設置から30年以上経過しており、管理されている農業者からも排水能力の低下を不安視する御意見もあることから、先ほど述べました委託により得られたデータや、周辺の土地利用及び近年の降雨の状況などを加味しながら、今後、施設の排水能力の検証を行う考えでございます。 なお、施設の改修としまして、指方土地改良区が管理されており、排水ポンプと並び、排水対策の重要な施設である排水樋門が老朽化により適正に稼働していない状況であったことから、ことしの梅雨入り前から土地改良区と改修工事の準備を進め、豪雨までに助成事業により改修を完了させたところです。さらに、小田排水機場のポンプにつきましては、逆止弁のふぐあいにより逆流も確認しており、降雨期が終わる11月以降に改修工事を行うよう準備をしているところです。当然、定期的なメンテナンスは行っておりますが、全ての施設を更新するとなると多額の費用を要することとなるため、施設の維持に関しましては国の事業も活用しながら、農業利水施設としての長寿命化に努めてまいりたいと考えております。 また、昨年度は、早岐瀬戸の海岸施設の管理者である長崎県により、農地側の潮遊びへの海水の漏水箇所の改修工事も実施をされているところです。一方、長崎県管理の排水樋門のうち、指方地区の一基は早岐瀬戸側の土砂の堆積により正常に稼動せず、満潮の際に農地外に海水が流入することから締め切られた状態であるため、関係農業者とともに管理者である県に対し、早期の改善について、引き続き、要望を行っていくこととしております。 今後も、営農環境の改善が図られるよう、農業者の皆様と連携をし、農業施設の冠水対策に取り組んでいく考えでございます。 以上です。 ◎土木部長(杉本和孝君) (登壇) 一般県道南風崎停車場指方線の道路かさ上げ工事の進捗状況につきましてお答えいたします。 先ほどの農林水産部長の答弁にありましたように、当地区の冠水の原因検証に時間を要していることから、道路管理者である長崎県におかれましては、まずは道路の冠水を軽減させるための対策について平成30年度から着手されております。 対策概要といたしましては、沿道の宅地高を勘案しながら、指方交差点から第二指方橋付近までの延長270メートルの区間について、道路の路面高を最大で約33センチメートル、平均で約18センチメートルのかさ上げを行い、あわせて側溝等の排水施設の改修も計画されております。現在、既に工事に着手されており、令和2年3月の完了を目標とし、鋭意事業の進捗を図られているところでございます。 なお、対策の完了後におきましても、早岐瀬戸の潮位や降雨量によっては、当県道は一定の冠水を免れない状況でありますことから、今後とも、農林水産部を初めとした関連部局と連携し、当地区の冠水対策の検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎防災危機管理局長(中尾和章君) (登壇) 先月27日の降雨の状況と対応についてお答えします。 27日火曜日午前6時26分に、宇久地域を除く佐世保市に大雨警報が発表され、同時刻、災害警戒本部を設置いたしました。その後、10時ごろまでは宇久地域の降雨が激しく、本土側では1時間で5ミリから20ミリ程度の降雨が続いていました。10時少し前から市の北部に局所的な大雨があり、江迎町北平の高岩橋では、10時から12時までの2時間で131ミリの降雨がありました。その時刻、市の中心部であります県北振興局では2時間で28ミリ、市の南部であります早岐の宮崎橋で19ミリの降雨であり、北部とは100ミリ以上の差があったことになります。降雨の特徴としまして、ゲリラ豪雨とも言われます局所的大雨が狭い範囲で発生し、急激に北部地域の危険度が高まった状況でした。 江迎川の急速な水位の上昇に、避難所開設、避難勧告の発令が追いつかず、氾濫危険水位を超えた後の11時40分に江迎地区に「避難指示(緊急)」を発令し、即時の避難を呼びかけた次第です。市の指定避難所はその後の正午に開設し、同時刻、江迎地区以外の市内全域に土砂災害警戒のため避難勧告を発令しております。局所的大雨の予測が難しいとはいえ、市内全域で土砂災害の危険度も高まっていた状況からも、早期に避難勧告を発令すべきであったものと認識しており、今回の最大の反省点となりました。この反省を今後に生かすために、降雨量、河川水位、土砂災害危険度及び数時間後の降雨予測の監視体制を強化し、ちゅうちょなく適時に避難勧告を発令することを徹底してまいります。 避難所及び避難者の状況につきましては、市の指定避難所のみの情報になりますが、27日12時に34カ所を開設し、その後に4カ所を追加して、合計38カ所を開設しました。避難所開設から3時間後の27日15時時点では11施設に28世帯44人、22時時点では26施設に91世帯177人の方が避難されております。28日午前4時57分に早岐川氾濫危険のため早岐地区に避難指示(緊急)を発令し、5時50分には気象台から本市全域に大雨特別警報が発表されました。同日午前7時には27施設に106世帯230人、午前10時には32施設に191世帯384人の方が避難され、この時の避難者数が最大となっており、避難者の総数は203世帯412人でありました。 江迎川に近い避難所としては江迎地区公民館、江迎地区文化会館、江迎小学校、猪調小学校を開設しておりますが、ピーク時の4施設合計で27世帯60人となっております。早岐川に近い避難所としては早岐中学校、花高小学校、広田地区公民館の3施設で、29世帯64人の方が避難されております。 市の指定避難所だけの情報ですので、一概に避難者数の多い、少ないを言うことはできませんが、大雨特別警報発表後には大幅に避難者がふえており、携帯電話、スマートフォンへのEメールの強制着信は避難を決断させる効果が高いものと考えております。 以上でございます。 ◆32番(古家勉君) (登壇) 江上地区の冠水問題について、農林水産部長と土木部長にそれぞれの立場で御答弁をいただきました。この地域の冠水問題は以前から議会の一般質問で取り上げられている事案ですが、なかなか抜本的な解決策が示されません。農林水産部長からは、農地保全、農業施設の冠水対策という範囲内で答弁いただきましたが、私が求めているのは、この地域に生活する方々みんなが広範囲な冠水で困っているので解決をしてほしいということです。 皆さんも御存じのように、江上地区においては、以前から弾薬庫の移転受け入れ問題がありまして、また加えて、クルーズ船の乗客を乗せたバスの往来の問題、さらにはIR誘致問題もあります。地元に対して、それらの事案への理解と協力を求めるのであれば、地域の課題解決に対し、佐世保市全体として、佐世保市役所全体として知恵を出してほしい、早期解決に向けて取り組んでいただきたいと考えております。市長とされても江上地区の置かれた立場は十分御承知のことと思いますので、指導力を発揮していただくことを期待しております。よろしくお願いします。 それでは、コミュニティセンター化に関して再質問をさせていただきます。 コミュニティセンター化は、地域にとってより使いやすい施設にすることであり、そのことで人が集まり交流をし、地域の活性化につなげていくといった答弁がありました。その基本的な考えは私も評価しますし、また、ほかの自治体が同じような取り組みを進めていることからも、今後はそういう方向性に向かっていくんだろうということは理解もできます。 しかしながら、地域の活性化をコミュニティセンター化の大きな目標とするならば、そこには、地域の声をよく聞き、意見を反映させていくといった行政の基本姿勢が、やはり大変重要になると思っています。地域や今の利用者が、使いやすくなった、便利になったと実感してもらえるようなコミュニティセンターであるべきと思っています。公立の公民館がコミュニティセンター化をされても、中身がほとんど変わらなければ、地域や利用者にとっては、何でわざわざコミュニティセンターにしたのかという話になるかもしれません。 今後、佐世保市が目指しているコミュニティセンターが地域に受け入れられ、本当に地域の活性化につながっていくためには、地区自治協議会や町内会を初めとした地域の方々にうまく利活用されてこその話だと思っています。そのためには、地域の皆さんの御意見や要望をしっかりと受けとめ、その意見や要望が反映されるような施設としたほうが地域の理解も得られるでしょう。また、コミュニティセンター化への移行もスムーズに進み、結果としてはさらに利用されやすい施設にならないかと思っています。 今回のコミュニティセンター化については、市当局とされても、地区自治協議会との関係を中心に説明をされ、さまざまな意見や指摘もあったとお伺いしております。市とされては大きな制度改革に取り組まれようとされており、地域の活性化のために何とか前進させたいという強い意気込みがあることは理解できないわけではありません。しかしながら、この件で地域の方と話をする中で、「この仕組み、制度がいま一つわからない」、「何か一方的に進められているように感じる」、「現在の公民館がどうなるんだろうか」などと不安に思われる声を耳にいたします。そしてまた私自身も、このコミュニティセンター化については、市当局と地域の議論が不足している、お互いにまだ理解が深まっていないような感覚を持っています。 そこで再質問ですが、コミュニティセンター化に対して、今後どのような方向で地域の皆さんの声を聞いていこうとしているのか、とりわけ各地域を代表する団体であります地区自治協議会との合意形成をどのように図っていこうとされているのか、お尋ねをいたします。 次に、豪雨災害の備えと対応について再質問させていただきます。 8月27日からの降雨において、同時刻でも、市の北部と中部、南部では雨量が全く異なっている状態ということでございました。改めて、宇久も含め、佐世保市の広さを感じます。市内各地の降雨の状況を的確に把握することの難しさを感じます。 しかしながら、当局においては、降水量を監視しながら、今後の雨量予測とあわせて、適時適切に避難勧告を出すことが重要な責務でありますので、そこはしっかりとやっていただきたいと思います。市民の生命にかかわることですので、一般的に言われるとおり、「空振りは許されても見逃しは許されない」ということを改めて認識し、職務を遂行していただきたいと思います。 一方、住民の避難については、住宅の立地条件もあるとは思いますが、避難が必要な場所にお住まいの方が避難しないということもあるように思われます。9月1日の長崎新聞では、江迎川の氾濫に関して、避難所に行かない選択をしたという内容の記事がありました。避難をしない理由として、「過去に氾濫したときも無事だったので、今回も大丈夫と思った」、「大きな災害を経験したことがないので、危機感がなかった」という住民の話がありました。 また、防災の専門家の話として、災害時にどんな危険があり、どこに避難すればいいのか、家ごとに考えるべきということも書かれておりました。加えて、自分たちの地域は自分たちで守るという意識を広げるために、市当局が今年度から、地区自治協議会が独自の防災計画をつくる取り組みを支援していることが記載されており、市関係者の話として、「行政機関が一人一人を守ることはできないので、地域の協力を必要としている」とありました。 避難に関しては、自治体が避難勧告を出したとしても、住民の皆さんが自分自身で、避難するか、避難をしないかを判断することになりますが、佐世保市民全体にその認識を持ってもらうことは非常に難しいことだと思います。自分の力では避難できない方もいらっしゃいます。 そこで、避難が必要な方が、必要なときに避難してもらうために何が必要なのかお尋ねします。また、地区自治協議会が取り組んでおられます地区独自の防災計画について、どのような効果があるのかお尋ねいたします。 ◎市民生活部長中西あけみ君) (登壇) 1項目めの中で、コミュニティセンター化に対する地区自治協議会との合意形成をどのように図っていくのかという再質問にお答えします。 地区公民館のコミュニティセンター化については、行政機関と27の地区自治協議会が一堂に会した地区自治協議会連絡会議やそのブロック別の会議、あるいは地区自治協議会への個別訪問等による意見交換を重ねてまいりました。議員から御紹介もありましたが、これらの意見交換を通じて、「概要はわかるが具体的な内容がわからない」、「目指すべきコミュニティセンター像が見えない」などの御意見や、「コミュニティセンターの管理運営の仕組みや地区自治協議会の支援、地域の活性化にどうつながるのか不透明」といった、さまざまな御意見をいただいております。 一方で、「コミュニティセンター化は理解できるため、具体的な検討事項を早く示してほしい」といった御意見もありましたが、まだ全ての地区自治協議会の皆様に市の考え方が十分に伝え切れていない状況にあることから、具体的なことにつきましてはお示しをする状況には至っておりません。 本市としては、コミュニティセンター化を初め、地区自治協議会の事務局支援の方策や活性化にかかわるこれまでの検討内容や進め方を振り返り、改めて、関係する皆様の御意見を今後どのようにお聞きし、議論を深めるべきか、その方法論について検討したところです。地区自治協議会の皆様との意見交換は、先ほど申し上げた地区自治協議会連絡会議などの場においてこれまでも行ってまいりましたが、多数の関係者が集うことや、また、時間的にも限られた会議であることなどから、活発な意見交換や議論の深まりまでには至らなかったのではないかと感じております。 そこで、その第一歩として、地区自治協議会の会長と市職員による少人数のワーキング会議を設置し、コミュニティセンター化を初め、地区自治協議会の活性化につながる検討テーマについて意見交換を行う場を新たに設置、設定することといたしました。具体的には、27地区自治協議会を、現在、東部・中央・北部・西部の4ブロックに編成していますが、ブロックごとに2名程度の会長を御推薦いただき、市民生活部、教育委員会の職員とともに、月1回程度のワーキング会議を開催し、活発な意見交換により議論を深め、先ほどの地区自治協議会連絡会議のブロック会議、または全体会議へお示ししようとするものです。今回のワーキング会議の設置については、本年7月9日に開催しました地区自治協議会の連絡会議の中で御説明し、御理解もいただき、去る9月9日に第1回のワーキング会議を開催したところでございます。このようなプロセスを踏むことで、コミュニティセンター化に向けた地域と行政との相互理解が深まっていくことを期待しています。 いずれにしても、今回のコミュニティセンター化については、どういう施設であれば利用者の利便性向上や地域の活性化につながるのかといった具体的な仕組みを固めていく必要があります。また、社会教育委員、公民館運営審議会委員からは、社会教育を衰退させることなく、その機能を担保することの答申もいただいております。そのようなことから、地区自治協議会はもとより、公民館利用者や利用団体、福祉、子育て関係者など、多くの関係者の皆様へ御意見を伺うことが大切なことだと考えております。 本市としましては、地域や利用者の方から、コミュニティセンター化してよかったと実感していただけるような施設を目指し、教育委員会と連携、協力しながら、地域の御理解を得た上で早期の実現を目指してまいりたいと考えています。 ◎防災危機管理局長(中尾和章君) (登壇) 豪雨災害から身を守るために自宅を出て避難する行動をとるためには、決断することが必要になります。避難することを決断するために必要なことは、まず平時から自分が住んでいる環境を理解しておく必要があります。同じ地域であっても家庭ごとに災害リスクは異なりますので、どのような状況になれば避難するかを事前に考えておくことが求められます。 しかしながら、自分が被災するイメージを持つことは非常に難しいことでもあり、特に被害に遭った経験がない方は危険性を過小評価する傾向が強く、これまでも大丈夫だったという経験が避難する決断を妨げることになります。また、避難することを考えても、周囲の人たちが避難していないのでまだ大丈夫だと、不安を解消しようとする心理状態になることも避難をおくらせる要因になります。そのため、地域の中に率先して避難する方がいれば、周囲の方も避難行動をとりやすくなり、さらに御近所に避難の声かけをすることで決断のハードルはさらに低くなりますので、そのような地域の防災リーダーの存在が必要になってきます。 避難することをためらう原因の一つに、自宅から避難所まで移動距離が長いことが挙げられます。ことしの市政懇談会でも、避難所まで遠いということで、地区公民館以外の施設も避難所として開設してほしいとの声が寄せられました。一部の地域では、地区公民館が浸水想定区域内にあることから、その代替として学校の体育館を初期段階から開設していますが、体育館は地区公民館の和室と比べて、避難所としての環境はよくありません。 そのようなことから、地域に多くある町内会公民館などを、身近な避難所として地域の方が自主的に開設、運営し、その課題、問題点をレポートしていただくという地域避難所自主運営試行事業を今年度行っております。今後、この地域避難所をどのように位置づけるかなど検討課題はありますが、避難しやすい身近な避難所として必要性は高いものと考えております。 また、地区自治協議会が取り組む、その地区独自の防災計画である地区防災計画の策定を支援する事業も今年度から開始しました。現在、相浦地区と針尾地区の2地区で策定作業が進められております。この計画は、地区住民みずからが地区内の災害危険箇所を確認し、起こり得る災害にどのように備えるかを話し合い、とるべき行動を事前に整理することを主眼としております。地区全体の防災意識が高まり、自助・共助が実践され、地域防災力が格段に高まる効果があると考えております。今年度は2地区にとどまっておりますが、令和5年度までに全ての地区自治協議会が地区防災計画の策定に取り組んでいただけるよう働きかけを行ってまいります。 以上でございます。 ◆32番(古家勉君) (登壇) それでは、豪雨災害の対応について再々質問いたします。 市内に多くある地域の町内会公民館などに避難することについては、特に高齢者にとっては避難がしやすくなると考えられますので、取り組みを進めていただきたいと思いますが、地区自治協議会を初め、地域の方々の理解と協力なしでは実現しませんので、今年度の試行事業を初め、地域の意見や要望をよく聞き取っていただきたいと思います。 質問の冒頭に言いましたとおり、本市においても昨年と引き続き、ことしも尋常でない豪雨に襲われました。昔と次元が違う雨の降り方だと思います。来年はことし以上に大雨が降るかもしれません。当局も、市民の皆さんも、それぞれ対応していくしかありません。 最後の質問になりますが、昨年とことしの豪雨で、市長とされても本市の防災のあり方についていろいろお考えのことと思います。今後、どのような方向で防災行政に取り組まれるのか、市長の御所見をお伺いいたします。 ◎市長(朝長則男君) (登壇) 本市の豪雨災害への備えと対応についてということで、今後、どのような防災に取り組んでいくのかということでございました。 まず、避難所については、防災危機管理局長が答弁しましたとおり、避難しやすい身近な避難所をふやしていく必要があると考えております。 また、災害用備蓄品については、大雨の中では輸送することが非常に難しくなることから、できるだけ多くの避難所に分散配備するよう指示をしているところでございます。 今回も、江迎地域が冠水をしたということで、車が大渋滞でございました。まさしく孤立寸前だったという感じがいたしておりまして、もしこれがもっとひどいものになったときには、おそらく救援物資を運びこむことさえも難しい状況になるのではないかと感じました。 そのようなことから、やはり分散配備をしなければいけないということがございますし、また、それぞれの町内会の避難所等の開設ということも検討の俎上に上がってきているわけでございますが、そういうところにも一定のものを備蓄するというようなことも考えなければいけないのではないかというようなことも指示をしているところでございます。 市町村の防災行政の重要な責務の一つは、防災情報を住民の皆様に届けることであると認識をいたしております。本市としては、避難を判断していただくための避難勧告などの防災情報をできるだけ的確に伝達するため、伝達の手段の多重化に鋭意取り組んでおりますが、将来的には全市域に戸別受信機を導入し、情報伝達力を強化する方針を、今年度、決定をいたしているところでございます。 防災については、これまで行政主体で行ってきました。行政が何をやってくれるか、どう守ってくれるのかといった意識が市民の皆様にもあると思います。しかし、行政には限界があることを御理解いただき、自分自身で災害から身を守る行動をとっていただく必要があろうかと思っております。地区自治協議会が取り組まれる地区防災計画は、地区内でどのように防災活動を行うかを事前に決めておくものと承知しておりますが、計画策定に取り組むだけでも自助・共助の意識が相当に高まり、また、地区内住民の助け合いということが期待できます。これは、防災のみならず、地域のきずなを強くすることにつながるものと考えております。これからの防災行政は、行政は行政の役割を完遂するとともに、住民がみずからの命を守る行動がとれるように、市民の意識を高めていくための取り組みが非常に重要になってくるものと考えております。 特に初動のときには、行政というのはなかなか動けないと思っています。特に集中型の豪雨の場合には、やはりその地域の方が動いていただかないと、行政職員がその地域に応援に行くまでには時間がかかることがあろうかと思います。初動から少したった段階では、かなり応援できるのではないかと思いますが、初動のときはどうしても、まずは自助で、そしてまた次は共助でというような、そういうような考え方を住民の皆さん方にしっかりと持っていただくことがやはり必要ではないかと感じております。 以上でございます。 ○議長(崎山信幸君)  以上で本日の日程は終了いたしました。 次の本会議は明日10時から開きます。 本日はこれをもって散会をいたします。     16時24分 散会...